暫存

片霧烈火 暫存專輯

17.ワルツ

作詞:片霧烈火
作曲:笹原ノブスケ

朧げ月は一人 我が物顔で往き
人知れず忍び寄る運命が呼び合う

醒めない夜に迷い 僕は街を抜けて
離れ森の深くへ歩みを寄せる

泉の上 細波立て 銀の少女に出会う

「さあさどうぞ姫君」
柔らかな御手を取り 明ける間なく始まる 一夜のワルツ

続き続く闇夜の 歌声は高らむ
朽ち果つ果実に似た芳しさが満ち

水へ沈む肢体は その色を隠して
囁くような声で接吻を請う

泉の中 身を委ねて 銀の少女は嘲笑う

「二人で眠りましょう」
沈む意識の中で 気付く間もなく始まる 滅びのワルツ

首筋に牙立てる 紅く染まる唇
微笑み離れる君が遠く揺らいで…