24.湯島の白梅(歌謡浪曲入り)
作詞:佐伯孝夫
作曲:清水保雄
湯島通れば 思い出す
お蔦主税(つたちから)の 心意気
知るや白梅 玉垣(たまがき)に
のこる二人の 影法師(かげほうし)
(セリフ)
「えッ 別れろって…
早瀬さん、別れろ切れろは、
芸者のときにいうものよ、
私(あたし)にゃ死ねと云(い)って下さいな、
蔦には蔦には枯れろと、
おっしゃいましな…」
(歌謡浪曲 )
「すべて いうのじゃ ありません
未練でいうのじゃ ありません
いとしい夫の ためならば
死ぬよりつらいことだとて
女房が聞かれぬ わけはない
それを聞かなきゃ 早瀬さん
婦(おんな)の系図(けいず)に 傷がつく」
(セリフ)
「お蔦、すまん許してくれ
せめて最後に好きな我がままを
云ってくれ」
「はい、じゃ、手を引いて」
青い瓦斯燈(ガスとう) 境内(けいだい)を
出れば本郷 切通(きりどお)し
あかぬ別れの 中空に
鐘は墨絵(すみえ)の 上野山
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