1.さよならぼくのともだち
作詞:森田童子
作曲:森田童子
長い髪をかきあげて
ひげをはやした
やさしい君は
ひとりぼっちで ひとごみを
歩いていたネ
さよなら ぼくの ともだち
夏休みのキャンパス通り
コーヒーショップのウィンドウの向う
君はやさしい まなざしで
ぼくを呼んでいたネ
さよなら ぼくの ともだち
息がつまる夏の部屋で
窓もドアも閉めきって
君は汗をかいて
ねむっていたネ
さよなら ぼくの ともだち
行ったこともないメキシコの話を
君はクスリが回ってくると
いつもぼくに
くり返し話してくれたネ
さよなら ぼくの ともだち
仲間がパクられた日曜の朝
雨の中をゆがんで走る
やさしい君は それから
変ってしまったネ
さよなら ぼくの ともだち
ひげをはやした無口な君が
帰ってこなくなった部屋に
君のハブラシとコートが
残っているヨ
さよなら ぼくの ともだち
弱虫でやさしい静かな君を
ぼくはとっても好きだった
君はぼくのいいともだちだった
さよなら ぼくの ともだち
さよなら ぼくの ともだち
2.春爛漫
作詞:森田童子
作曲:森田童子
桜の花びら
踏んで 歩いた
君と肩くんで 熱くこみあげた
春よ 春に 春は 春の
春は遠く
春よ 春に 春は 春の
春は遠く
悲しみは 水色にとけて
青い空の 青さの中へ
青く 青き 青の 青い
青さの中へ
青く 青き 青の 青い
青さの中へ
哀しい夢 花吹雪 水の流れ
ンーン ンーン
春爛漫
3.男のくせに泣いてくれた
作詞:森田童子
作曲:森田童子
夢のように はかなく
私の記憶は
広告写真みたいに
悲しく通りすぎてゆく
淋しかった 私の話を聞いて
男のくせに 泣いてくれた
君と涙が 乾くまで
肩抱きあって眠(ね)た
やさしい時の流れはつかのまに
いつか 淋しい 季節の風を
ほほに 知っていた
君と涙が 乾くまで
肩抱きあって眠(ね)た
やさしい時の流れはつかのまに
いつか 淋しい 季節の風を
ほほに 知っていた
4.サナトリウム
作詞:森田童子
作曲:森田童子
漱石の本
投げだして くちづけした
窓辺の 水の花
あざやかに
ふるえて あなたの ワンピース
白地に花が 浮きだして
とっても 淡くて きれいネ
ソーダ水ふたりで
飲んで とっても涼しいネ
あなたは チェリーを
ほおばって
別れは いつも つらい夢
今宵は もう 遅いから
あなたの 横顔 悲しそう
「語り」
結核前夜のように
ぽくは よく同じ夢を見ます
それで ぼくは汗ばみっぱなし
だから
ぼくの左の肺の中は
水でいっぱいです
もうすぐ
ぼくの左の肺の中に
真赤な花が咲くはずです
5.哀悼夜曲
作詞:森田童子
作曲:森田童子
目覚めては
なつかしい
美しき日々よ
目をふせて
悲しい
美しき日々よ
歌っても
帰らぬ
若き日々よ
深き眠りのうちに
時よ 終れ
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