30周年記念ベストアルバム

山川豊 30周年記念ベストアルバム歌詞
1.函館本線

作詞:たきのえいじ
作曲:駒田良昭

凍りついた線路は今日も
北に向って 伸びてゆく
窓のむこうは 石狩平野
行く手をさえぎる 雪ばかり
さよなら あなた 北へ北へ
北へ帰ります
あなたの 愛の 裏切りを
責めれば みじめになるばかり
ひとり ひとり 身を引く 函館本線

ひざに乗せた荷物がひとつ
心細さが しみてくる
過ぎてしまえば きれいなだけの
思い出ばかりが よく見える
さよなら あなた 北へ北へ
北へ帰ります
心の糸が切れたまま
男と女は 暮らせない
ひとり ひとり 身を引く 函館本線

さよなら あなた 北へ北へ
北へ帰ります
あなたの 愛の 裏切りを
責めれば みじめになるばかり
ひとり ひとり 身を引く 函館本線


2.放浪ごころ

作詞:やしろよう
作曲:伊藤雪彦

おまえを忘れるために 旅する俺じゃないさ
黄昏ゆく山あいの 名もない途中駅
さすらい心が見る夢は ただひとつ
流れる雲は ちぎれても
俺とおまえは 離れやしない
必ず帰るよ おまえが故郷さ

男の背中を見れば 誰でも世捨てびとさ
一人で飲むこの酒は わびしさ増すばかり
さすらい心にともる灯は ただひとつ
どんなに月日は 流れても
あの日の誓いは 変わりはしない
待ってておくれよ おまえが故郷さ

さすらい心が見る夢は ただひとつ
流れる雲は ちぎれても
俺はおまえを 離しはしない
待ってておくれよ おまえが故郷さ


3.酒ごころ

作詞:水木れいじ
作曲:浜圭介

表紙のちぎれた 歌本ひらき
しんみり演歌 うたう奴
小窓にそぼ降る 夜更けの雨に
はるかな故郷 恋うる奴
めぐる想い出 違っていても
同じだよ 酒をくむ心
淋しすぎるぜ ひとりってことが
男ってやつは…

煙草のけむりを 目で追いながら
帰らぬ友を しのぶ奴
別れた女の 面影うかべ
不幸にしたと わびる奴
いたむ古傷 違っていても
同じだよ 酒に泣く心
淋しすぎるぜ 逢えないってことが
男ってやつは…

にじんだ灯かげに 掌かざし
昔の夢を ともす奴
グラスに浮かんだ 氷を見つめ
明日の夢を 探す奴
たどる人生 違っていても
同じだよ 酒に酔う心
淋しすぎるぜ 生きるってことが
男ってやつは…


4.死なず花

作詞:川内康範
作曲:五木ひろし

ごらんよ夜空の星でさえ
あんなにたがいを呼んでいる
もっとおよりよ世間は見るな
おれとお前の あ…死なず花

おれのまなこを見てくれよ
言葉はいらない胸あわせ
死ぬも生きるも一緒なら
きれいに咲こうよあ…死なず花

お前の 昔がどうあろと
おれが見たのは愛だけさ
霜枯れ季節のつらさを越えて
永遠に生きようあ…死なず花


5.はぐれ雲

作詞:やしろよう
作曲:伊藤雪彦

ひいふうみいよう
いついついつ 逢える
おまえに いつ逢える
日暮れりゃ 何故か
恋しくて 数え唄

別れの夜の おまえの涙
今も俺らに 降りかかる
寒くはないか 寒くはないか
ひとりぽっちで 今頃は

ひいふうみいよう
いついついつ 逢える
おまえに いつ逢える
日暮れりゃ ひとり
あてもない 数え唄

こんなに遠く 流れて来たよ
何で今さら 帰れよう
おまえの夢に おまえの夢に
せめて抱かれて 眠ろうか

ひいふうみいよう
いついついつ 逢える
おまえに いつ逢える
日暮れりゃ 酒を
相手にさ 数え唄

雨にさまよう 野良犬 小犬
帰るねぐらを 忘れたか
俺らも同じ 俺らも同じ
はぐれちゃったよ 倖せに


6.流氷子守歌

作詞:池田充男
作曲:曽根幸明

やけつく火の酒を 呷(あお)れば思い出す
海を愛したあいつの 呑みっぷり度胸よさ
そとは白いオホーツク
出てゆく船もない
俺が歌ってやろうか
流氷子守子守歌

男の盃を かわした船乗りさ
惚れた女を泣かすな 泣かせちゃならないと
だけど可愛いあの女(ひと)を
ひとりにしたあいつ
酔えば二人で歌った
流氷子守子守歌

寝た子を起こすよに 吹雪が戸を叩く
おやじとめるな今夜は 拳でもう一本
あいつがいない九十六屯(くんろく)に
今度は俺が乗る
せめて歌ってやろうか
流氷子守子守歌


7.ときめきワルツ

作詞:川内康範
作曲:遠藤実

風がどこかで 寂しく歌う
なんであんなに 寂しいのかと
問わず語りに 耳かたむけて
あれは誰かが なくした恋の
きっと切ない 想い出ワルツ
お前はそんな やさしい人さ

花と蝶だわ 私とあなた
流行(はやり)歌さえ お前にとっちゃァ
しあわせ育てる 夢子守歌
つらい季節の 涙に耐えて
笑顔忘れぬ 愛情ワルツ
おれの心の ときめきなのさ

影と形だ お前とおれは
たがいに寄り添い あたためあって
なんとかしあわせ 守ってきたが
お前があっての しあわせだから
二人あわせて ときめきワルツ
お前はおれの 命をつくる
お前はおれの 命をつくる


8.愛待草より

作詞:川内康範
作曲:遠藤実

見知らぬ人から 便りが届いた
寂しいのですと書いてある
紅花(べにばな)すかしの便箋に
想い出抱いてと書いてある
たぶん雪国みちのくあたり
身寄りのすくない女性(ひと)なのか
愛待草よりと 愛待草よりと書いてある

おんなじ人から便りが届いた
逢いたいのですと書いてある
矢車すかしの便箋に
いつかはきっとと書いてある
たぶん旅路の消印ばかり
名前をなのれぬ女性(ひと)なのか
愛待草よりと 愛待草よりと書いてある

いつもの人から 便りが届いた
淡雪とけたと書いてある
鈴蘭すかしの便箋に
命のかぎりと書いてある
たぶん孤独の暮らしの中で
昔を夢見る女性(ひと)なのか
愛待草よりと 愛待草よりと書いてある


9.港酒場

作詞:たきのえいじ
作曲:小町昭

波と吹雪にさらされて
船は港で冬を越す
背中向けても つきまとう
おまえの匂いくせまでも
港酒場の虎落笛(もがりぶえ)
何故か骨身に滲みてくる

「きっと帰る」のなぐさめは
しょせん男の捨て台詞
流れ流れて 北の町
おもいでだけが置き土産
つららかじって冷や酒を
未練ごころに流しこむ

窓を叩いて散る雪が
胸の中まで忍び込む
古い暖炉の残り火に
おまえの顔が見え隠れ
港酒場で背を丸め
夢でおまえと添い寝する


10.こころ花

作詞:里村龍一
作曲:聖川湧

花の咲かない この俺に
命かさねて ついて来る
そんなお前の 横顔みれば
かける苦労が 身を責める
負けた 負けたよ
お前は俺の俺の俺の こころ花

馬鹿がつくほど 意地っぱり
涙ひとつも こぼさない
夢に疲れた 男の胸を
そっといたわる いじらしさ
惚れた 惚れたよ
お前は俺の俺の俺の 夢あかり

帰る故郷さえ ない俺の
今はお前が ふる里さ
辛い昨日を 振り向くよりも
明日を二人で 探そうよ
決めた 決めたよ
お前は俺の俺の俺の こころ花


11.北斗星

作詞:やしろよう
作曲:浜圭介

街の灯りは天の川
泣いて女の 未練が走る
別れの涙が乾くその日を 待てと言うの
できないわ あなたできないわ
噂のかけら 追いかけて
北へ北へ北へひとすじ 北斗星

霧にけむった 途中駅
車窓に映して口紅をひく
さよならでもいい何かひとこと もうひとこと
聞かせてよ あなた聞かせてよ
引き返せない 戻れない
恋に恋に恋にひとずじ 北斗星

夜の向こうは 冬景色
燃える想いが 海峡越える
熱いその胸に溶けて行きたい 雪のように
もう一度 あなたもう一度
最後の夢を 抱きしめて
北へ北へ北へひとすじ 北斗星


12.しぐれ川

作詞:吉田旺
作曲:徳久広司

春にそむいて しぐれ川
ふたりこぎ出す 情け舟
抜いた指輪を 川面(かわも)に投げて
これでわたしは あなたのものと
すがるおまえを 離しはしない

着のみ着のまま ほつれ髪(げ)に
せめてひとひら 花吹雪
明日の夢さえ 見えないけれど
こころ通(かよ)わす ぬくもりあれば
生きて行(ゆ)けると ほほえむおまえ

にごり川でも いつの日か
陽光(ひかり)きらめく 海に出る
死ぬも生きるも ふたりと決めた
恋のさだめが 指さすままに
ゆれて流れる あゝしぐれ川


13.夜桜

作詞:吉田旺
作曲:徳久広司

夜桜舞い散る 春なのに
ふたりの夢よ いつまで かくれんぼ
あなたの傍(そば)に いるだけで
こんなに幸福(しあわせ)と
背中(せな)に甘える いとおしさ
泣かすやつだよ おまえってやつは

つめたい世間の 無情より
骨身(ほねみ)にしみる おまえのやつれ貌(がお)
あなたと生きて 行けるなら
苦労も愉(たの)しいと
おれを気づかう 片えくぼ
可愛いやつだよ おまえってやつは

ふたりを掠(かす)めて はらはらと
散りゆく春よ 不幸(かなしみ)つれて行け
わかれる時は 死ぬ時よ
おぼえていてよねと
小指からめる 泣き笑顔
ばかなやつだよ おまえってやつは


14.きずな

作詞:里村龍一
作曲:弦哲也

夢もやれない 男のために
尽くす真心 酒より沁みる
情け忘れた この俺に
絆むすんで 生きるやつ
風は冷たく 吹くけれど
今はおまえの 俺でいい

辛い過去を 可笑しく仕立て
聞かずおまえの その瞳に負けた
北の育ちの せいなのか
うすい肩して 意地を張り
俺を男に すると言う
可愛いおまえに 泣ける夜

時雨ふる夜 ふらりと寄った
安い酒場に 咲いてた花よ
絆むすんだ 二人なら
何処からだって 出直せる
おまえ次第さ この先は
ついて来るのも 来ないのも


15.途中下車

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

しんしんと・・・・ただしんしんと
降り積もる 雪に
酔い覚めを・・・・ただ酔い覚めを
あいつを忘れる ための酒
年上とジャノ目傘 過去持つ女の話と
安宿と波の音 別れ泪と窓の雪

振り返る…ただ振り返る
逢いたさに 背中
すぎ去った…ただすぎ去った
お前を忘れる ための酒
雪の中 朝待たず 便せん書いた置き手紙
枕元 水差しと 忘れていったのか手鏡と

からころと…ただからころと
胸が泣く夜は
思い出す…ただ思い出す
二人で飲んだ頃の事
雪の音聞こえるか
どこへも行くなと聞こえるか
忘れない忘れない 男は飲むほど忘れない
男は飲むほど忘れない


16.面影本線

作詞:里村龍一
作曲:四方章人

幸せそうだね 横顔が
きれいに見えるよ 昔より
お前も一人で いるような
気がしてはるばる 逢いに来た
夕焼け北国 アカシアの
並木はあの日のままだけど
夢は帰らぬ 遠い影

白魚みたいな 左手の
お前の指輪が 目に痛い
ご免なさいねと 泣いている
小さな背中に 詫びながら
思いでたどれば この胸に
哀しい二人の 恋の跡
風に揺れてる 日暮れ道

愛しさこらえて あきらめて
最終夜行で 帰るのさ
想い尽きない 北みれん


17.酒は男の子守歌

作詞:秋浩二
作曲:伊藤雪彦

辛い恋などやめにして
別れましょうと泣いた女
人影淋しい夜の街
路地の屋台でひとり呑む
おまえが愛しいよ
おまえが愛しいよ
やけのやん八朝まで
朝まで酒だよ

ひとりぼっちは貧しくて
夢は遥かに遠い空
別れた今でも心配で
思い出しては辛くなる
こころが寂しいよ
こころが寂しいよ
やけのやん八朝まで
朝まで酒だよ

未練を濡らして雨が降る
酔って紛らす子守歌
おまえが恋しいよ
やまえが恋しいよ
やけのやん八朝まで
朝まで酒だよ


18.酒場のろくでなし

作詞:秋浩二
作曲:伊藤雪彦

遊び過ごした 小犬のように
気まぐれな男に戻る家もない

愛しいあいつの夢につきあい
幸せ探して歩いたけど
人生は汽車に似て
いつかは故郷へ帰る
苦い酒で苦い酒で
ひとり泣いている
酒場のろくでなし

口笛吹いて見上げる空に
星灯りまたたき風がしみる夜

今頃あいつは何処にいるのか
戻って欲しいよこの胸に
人生は船に似て
いつかは港へ帰る
夢にはぐれ夢にはぐれ
ひとり泣いている
酒場のろくでなし

愛しいあいつの夢につきあい
幸せ探して歩いたけど
人生は汽車に似て
いつかは故郷へ帰る
苦い酒で苦い酒で
ひとり泣いている
酒場のろくでなし


19.アメリカ橋

作詞:山口洋子
作曲:平尾昌晃

風が足もとを 通りすぎてゆく
久しぶりだねと 照れてわらいあって―
アメリカ橋のたもと ふと通うぬくもり
やるせない恋 埋(う)めた街 角部屋の灯り
石だたみ石だたみ 想い出続く
いつかいつか 熱かった青春

君は変わらない 月日は過ぎても
髪を切ったので 少し若くなった――
アメリカ橋のたもと 黄昏(たそがれ)が間近い
煙草やめたの いつからと それとなくきいて
眼をそらす眼をそらす ガラスのむこう
遠い遠い かえらない青春

アメリカ橋のたもと それじゃと手をあげる
そっとコートの衿たてた さり気なさおいて
人の群(むれ)人の群(むれ) 誰もが他人
はるかはるか あの頃が青春


20.男のららばい

作詞:たきのえいじ
作曲:鈴木淳

おもいで肴に くみ交わす
男の背中に 顔がある
十人十色の とまり木で
夢を丸めて 流し込む

ららばい ららばい 胸に刺さる
注ぎ足す氷の 割れる音
ららばい ららばい 心が寒い
今もおまえが 気にかかる
ららばい ららばい 洋酒がしみる
酔う程昔が 近くなる
ららばい ららばい おまえが映る
何故に捨てたと 身をせめる

カモメも飛ばなきゃ 船もない
酒場と云う名の 船着場
しり切れとんぼの しあわせを
洋酒に浮かべて 酔いしれる

ららばい ららばい 変わりないか
今更未練じゃ ないけれど
ららばい ららばい 雨降る夜は
胸がおまえを 恋しがる
ららばい ららばい 洋酒がしみる
酔う程昔が 近くなる
ららばい ららばい おまえが映る
何故に捨てたと 身をせめる


21.雪舞橋

作詞:山口洋子
作曲:平尾昌晃

会いたくなったなら この橋へおいでと
片方だけの手袋を そっと差し出した
ちらちらちらと はらはらはらと
さよならもいえず
残(のこ)り香(が)を頬(ほほ)にあて 泪をかくす
しろい別離(わかれ)降り積む 雪舞橋よ

泣きたくなったなら この橋でお泣きと
その一言をくれたきり 消えてゆく背中
ちらちらちらと はらはらはらと
想い出が散って
くちびるで溶(と)けてゆく あの夜の熱さ
しろい愛が降り積む 雪舞橋よ

ちらちらちらと はらはらはらと
面影は遠く
切なさもつのるけど 春まだ遠い
しろい命降り積む 雪舞橋よ


22.逢えてよかった

作詞:山口洋子
作曲:平尾昌晃

窓を開けてくれ
指の巾くらい
そこから聞こえる波音が
過ぎたいい刻 運んでくるよ―
心配してたさ いつだって
本当は泣き虫 気弱なくせに
突っぱりかげんの
おまえのことを
逢えてよかった よかったよ

あれは出船だろ
汽笛が沈んでる
いろんな別離もあるけれど
海の別離は ひときわ染みる―
それほど変わっちゃ いないけど
いまだに独りさ いろいろあって
語りつくせぬ
ダブルのロック
逢えてよかった よかったよ

互いにそろそろ このへんで
港が恋しい 二人じゃないか
乾杯しよう
いつかのように
逢えてよかった よかったよ


23.泣かないで

作詞:たきのえいじ
作曲:浜圭介

恋する度に 化粧を変えて
生きてきたと 云うけど
黙っていても 隠せはしない
流した涙の数は

泣かないで 泣かないで
過ぎたことは 置き去りにして
泣かないで 泣かないで
あしたが逃げて行くから

言葉で愛を 縫(つくろ)うよりも
感じ合える 心で
無邪気になって 甘えていいよ
男と女になって

泣かないで 泣かないで
切ってあげる 涙の糸は
泣かないで 泣かないで
いつでもそばにいるから

泣かないで 泣かないで
過ぎたことは 置き去りにして
泣かないで 泣かないで
あしたが逃げて行くから


24.わかれ雪

作詞:高橋直人
作曲:あらい玉英

化粧が落ちるよ そんなに泣いちゃ
このまま逢えない ふたりじゃないさ
別れのホームに 雪が舞う
か細いおまえの 肩に降る
待って 待って 待っていてくれ
春にはかならず 帰るから

残して行くのは 気がかりなのさ
寂しい思いは おまえとおなじ
ふるさと最果て 北の駅
なごりの汽笛が 胸を刺す
待って 待って 待っていてくれ
心はおまえに 置いてゆく

からだを大事に 元気で暮らせ
おまえは寒がり 風邪などひくな
忘れはしないよ 離れても
夢では毎晩 抱いて寝る
待って 待って 待っていてくれ
幸せみやげに 帰るまで


25.港のブルース

作詞:たきのえいじ
作曲:弦哲也

船の汽笛に ゆれる面影
過ぎ去りしあの日が ほろ苦く沁みるよ
君ゆえに麗しき 紅きくちびる
思い出せば今も尚 胸が熱くなる
せめて逢いたい 港のブルース

波の間に間に 点るガス燈
黄昏は手品師 俺をまた泣かすよ
好きだった誰よりも 夢は帰らぬ
まぼろしでも構わない 頬にくちづけを
どこにいるやら 港のブルース

琥珀色した 洋酒のグラスに
映るのは今でも 君のその横顔
やるせなく忍び寄る 夜の静寂が
心の窓叩いては 辛くさせるのさ
星も切ない 港のブルース
港のブルース


26.哀愁の街に霧が降る

作詞:佐伯孝夫
作曲:吉田正

日ぐれが青い灯つけてゆく
宵の十字路
泪色した 霧がきょうもふる
忘られぬ瞳よ
呼べど並木に消えて
ああ 哀愁の街に霧が降る

花売り娘の花束も
濡れる十字路
のこる香りに あまく思い出す
過ぎし日のあの夜は
カラー・フィルムのコマか
ああ 哀愁の街に霧が降る

せつなくふるふる身も細る
霧の十字路
窓を洩れくる 唄もすすり泣く
なつかしのブローチ
肌につめたく沁みて
ああ 哀愁の街に霧が降る


27.海峡本線

作詞:麻こよみ
作曲:徳久広司

海峡越えれば しらじらと
汽笛がひと声 夜が明ける
と切れと切れの 噂の糸を
つなぎ合わせて 乗った汽車…
逢わせて下さい 今度こそ
あなたを捜す 海峡本線
理由(わけ)も聞かせて もらえずに
女は恋を あきらめきれない

あなたが誰かと 暮らすなら
何(なんに)も言わずに 帰ります
膝に広げた コートの下で
薄い切符に すがる指…
※逢わせて下さい 今度こそ
涙に染まる 海峡本線
手紙ひとつも ない人を
女は待って 暮らして行けない※

(※くり返し)


28.友情(とも)

作詞:たかたかし
作曲:西つよし

志(みち)の半ばで 倒れたときは
お前が拾え 俺の骨
男同志が 飲みほす盃に
熱い友情(こころ)を かよわせて
目と目で契る 酒きずな

俺もおまえも 故郷をはなれ
おふくろ泣かす 罰あたり
意地があるから 男の夢を追い
走りつづけた 俺たちも
酒の苦さが わかる年齢(とし)

一つしかない この世の命
きっちり明日は 咲かそうぜ
男心が 男に惚れぬいて
誓うたがいの 胸のうち
仰ぐ夜空に 二つ星


29.ニューヨーク物語り

作詞:つんく
作曲:つんく

憧れの人 あなたと恋に落ちた
忘れることの出来ぬ 若き日の未練

きまぐれエクボ 白いニューヨーク
風よ運んでくれ そよぐ記憶と共に

二人暮らした街は 今もにぎやかしい

その体もその腕も 今では誰かのもの
あの頃へと戻れたら 誰にも渡さぬ

愛しているよ 懐かしい髪の匂い
遠くありて想う 今も 昔のあなた

今さらだけど 甘いニューヨーク
風が冷たくとも 二人 幸せでした

紅(べに)のかすかなささやき 胸が痛くなる

その唇その涙 今では誰かのもの
奪い去っていいのなら 迎えに行くけど

愛しているよ それも古(いにしえ)の話
遠くありて想う 今も懐かし恋を

その唇その涙 今では誰かのもの
奪い去っていいのなら 迎えに行くけど

愛しているよ それも古(いにしえ)の話
遠くありて想う 今も懐かし恋を


30.霧雨のシアトル

作詞:阿木燿子
作曲:平尾昌晃

雨は旅人の心変えるから
最終フェリー 乗るのを止めて
さざ波を見つめていた

あなたを追いかけて
ここまで来たけれど
衿を立てて 当て所もなく
さ迷うばかり

※どこですれ違い
なんで会えないの
一人 港町
どこがいけないの
霧雨のシアトル レイニー・シティ※

雨がよく降ると聞いていたけれど
昨日も今日も舗道を濡らし
ほのかに煙るこの街

二人で行こうねと
言ってくれた言葉
その場しのぎ 気休めだと
思いたくない

どこで間違えて
なんでこうなるの
異国の片隅
どこへ行けばいい
霧雨のシアトル レイ二ー・シティ

(※くり返し)


31.我が娘へ

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

叱った分だけ 愛してる
親なら誰でも そうなのさ
叱った分だけ 愛おしい
お前もそのうち わかるだろう

嫁に行くのかよ 嫁に行くのかよ
子供の頃しか 浮かばない
身体気をつけて 幸せになれよ
尽くすのを忘れずに…
涙拭いてやろう あの昔(ころ)のように
花嫁 我が娘(むすめ)…

ちっちゃなあの手を 思い出す
キラキラしていた あの瞳
笑った分だけ 寂しいよ
怒った分だけ 辛いんだ

嫁に行くんだネ 嫁に行くんだネ
寝顔の顔しか 浮かばない
可愛がられてよ 教えてもらえよ
我慢を忘れずに…
淋しくなるけど 我が娘(こ)の幸せ
父さん嬉しいよ…

幸せを願う 母さんと二人
一生懸命 生きて行け
身体気をつけて 互いを信じて
貧しさ 忘れるな
泣いちゃだめだろう 涙拭いてやろう
私の宝物…