百鬼繚亂

陰陽座 百鬼繚亂歌詞
1.式を駆る者

作詞:瞬火
作曲:瞬火
編曲:陰陽座

荒ぶる闇の蠢(うごめ)き
其(そ)れは時媚鬼(じびき)の所作(しょさ)り
近付く謀りの蟲毒(こどく)
彼は醜き驕り

深い邪にまみれた 血みどろの業
虛(うろ)に流し迂めども
今式を打つ 撫でた護符を塗り潰し(成敗)
其の時を待つ(成敗)
罪穢(つみけが)れの澱みを著せて

果てなき夜の導き
其れは餌食の虛耗(きょこう)
凍てつくばかりの孤獨
此(これ)が邪道の報い
無慘な繰り言に 耳を貸しながら
無漏(むろ)の閾值(いきち)を探る
今式を打つ 撫でた護符を塗り潰し(成敗)
其の時を待つ(成敗)
罪穢れの澱みを著せて

折しも限りの月を
叢雲(むらくも)が吞み
卒塔婆(そとば)を彩る花は
夜風に搖蕩(たゆた)い
今式を打つ 撫でた護符を塗り潰し(成敗)
其の時を待つ(成敗)
罪穢れの澱みを著せて


2.桜花ノ理

櫻花ノ理

作詞:瞬火
作曲:瞬火
編曲:陰陽座

春つ方天空(そら)の彼方(あなた)に暈(ぼ)けて
垣間見ゆ一片の秘めた意圖

明日の見えぬ頹廢の渦中で
洞ろな雲は散り落ちて
深い闇を根差す

櫻花の花弁の薄闇にて
逢見(あいまみ)ゆ人知れぬ蜘蛛の糸

鹹草(あしたぐさ)のごとく生くる力
憂き世の蜘蛛は地に落ちて
やがて巢を迴らす
今 狂い笑きの櫻の下では
泡沫(うたかた)の紡糸(つむぎいと)
夢の淵で佇むあの日の
忘れかけた理(ことわり)

春つ方天空の彼方に暈けて

今 狂い笑きの櫻の下では
泡沫の紡糸
夢の淵で佇むあの日を
邂逅(かいこう)すれど獨り
されど今 狂い笑きの櫻の下では
泡沫の紡糸
夢の淵で佇むあの日の
運命(さだめ)られた理

春つ方天空の彼方に暈けて


3.塗り壁

作詞:瞬火
作曲:瞬火
編曲:陰陽座

旅路を行くは一方(ひとかた)の
畏(おそ)れを知らぬ剛の者
七分過ぎたるその剎那(せつな)
見る目適(かな)わぬ巨大な壁が

上を下へと取り亂し
途方に暮れて立ち盡くす
明日の宵(よい)には山越えて
邑君(むらきみ)の許著かねばならぬ

嗚呼 繫ぎ止めた明日が
音もなく遠ざかり
繰り返す遺響(いきょう)の囁(ささや)き
想いは潰(つい)えたと泣くより
この身が朽ちる際まで 弛みなかれ
忌々(いまいま)しくもとぼとぼと
兵(つわもの)どもが夢の跡
諦むことも口惜しく
持ちたる杖で裾野を掃う

信じ難きやおとろしや
何時(いつ)しか壁は消え入らむ
八方の手をつくさねば
答えは出せぬ此の世はをかし

嗚呼 咎(とが)認めたはずが
聲もなく立ち竦(すく)み
蒸し返す回向(えこう)の玄き
想いは潰えたと泣くより
この身が朽ちる際まで 弛みなく
想いは潰えたと泣くより
この身が朽ちる際まで 弛みなかれ


4.癲狂院狂人廓

作詞:瞬火
作曲:瞬火
編曲:陰陽座

炎天(えんてん)の強者 悅樂の亡者
肝膽の闇を嘗め盡くす

暗澹(あんたん)の聖者
雀躍(じゃくやく)の狂者
淫亂の波を責め盡くす

深い自虐の曼陀羅を
手繰り上げる厭世(えんせい)行為

愚かしくも もどかしくも
それが運命と

慘憺(さんたん)の隱者 欠落の念者
根元の神を舐め盡くす

背信の從者 赫奕(かくやく)の盲者
絢爛(けんらん)の民を燒き盡くす

冥(くら)い被虐の曼斗羅を
なぶり上げる下卑(げび)た憩い

なやましくも あさましくも
それが運命と

業·罪·愛 狂人の唄聲を乘せて
遣る方無き交り合い
繰る糸の先に輪をかけて
報われぬ者の功罪

深い自虐の曼陀羅を
手繰り上げる厭世行為

愚かしくも もどかしくも
それが運命と

業·罪·愛 狂人の唄聲を乘せて
遣る方無き交り合い
繰る糸の先に輪をかけて
報われぬ者の功罪


5.八咫烏

作詞:瞬火
作曲:瞬火
編曲:陰陽座

裡の山で啼(な)く鳥(がらす)が
ふらり飛んでくる
屋根の上につと群がり
誰の死を告げる

黑い濡羽を振り亂し
骸をはむ奴等の影法師
伍人死んだらまたおいで
羽音は呼ぶ涅槃の風(なぎ)風よ

屋根の上で啼く烏の
いと醜き聲
旋回するあの參羽が
次の家を探す

黑い濡羽を振り亂し
骸をはむ奴等の影法師
伍人死んだらまたおいで
羽音は呼ぶ涅槃の風風よ

口の煩(うるさ)い 物忘れする
意地の污い 流浪(るろう)の民よ
神の御先(みさき)と 敬い崇め
その啼き聲を 啟示と畏れる


6.歪む月

作詞:黑貓
作曲:黑貓
編曲:陰陽座

冷たい水の底で
死を待つように橫たわる
幾年(いくとせ)數えたのか
この身は朽ちてゆくばかり

見上げる水に搖れる白い月
貴方の骨のように清い光で私を刺す
嗚呼 叫びは泡と消えてゆく
嗚呼 貴方の流した血に濡れた
喉が今も紅(あか)い

貴方を殺めたのは
消し得ぬ鱗の慾望
嘲り嗤うように歪む月
愛した人を飧らう樣を
その身に映さないで
嗚呼 終わらぬ水の地獄なら
嗚呼 血塗れた鱗の罪に泣く
この息の根を止めて

月は總てを射拔く光で
私の骸を曬すのでしょう

嗚呼 終わらぬ水の地獄なら
嗚呼 血塗れた鱗の罪に泣く
この息の根を止めて


7.帝圖魔魁譚

作詞:瞬火
作曲:招鬼&瞬火
編曲:陰陽座

近代的 怪(かい) 象徵的 他意
現存する雜魚(ざこ)の群に 畏(おそ)る者は皆無
影法師に禮 其(そ)は原寸大
因果律(いんがりつ)の形骸化(けいがいか)は
滅びを招かん

精神的 戒(かい) 月夜の犬吠(けんばい)
遠い記憶呼び覺ませど 胸の內は大霧(たいむ)
欺瞞(ぎまん)は誇り 誇りは詛(のろ)い
先天的魔人なれば 憂世(うきよ)は樂し

明けても暮れても 寸暇(すんか)を惜しみて
祝いと咒いの 苧環(おだまき)紡げば

彼(か)の魁岸(かいがん)は星の蔭に
巡り續けるだろう
この開成(かいせい)も月の影を
照らし續けるだろう
先進的 問い 退廢的 解(かい)
懇願する烏合(うごう)の眾
取るに足らぬ拜舞(はいむ)
魔障(ましょう)を調伏(ちょうぶく)
されど返り討ちで逝去(せいきょ)
能書きだの蘊蓄(うんちく)だの
蛆でも飧わない

眠れど醒めれど 頭を離れぬ
正負を織り交ぜ 苧環紡げば

彼の魁岸は星の蔭に 巡り續けるだろう
この開成も月の影を 照らし續けるだろう

彼の魁岸は星の蔭に 巡り續けるだろう
この開成も月の影を 照らし續けるだろう


8.化外忍法帖

作詞:瞬火
作曲:瞬火
編曲:陰陽座

嗚呼 骨が哭(な)く
谿谷(けいこく)に獨り佇(たたず)む
風が告げる
仇討ちの愚かな末路

徒野(あだしの) 淚に朦朧(もうろう)と
化外(けがい)の軀(むくろ)が飛び散る
願いの刃に掛けた
夢は遠過ぎる

食(は)み出したる
まつろわぬ化外の民は
人目避けて
裡を生しその時機(とき)を待つ

鳥邊野(とりべの) 那由他(なゆた)に浪々と
裁きの隨意(まにま)に流れ行く
願いの刃に掛けた
夢は遠過ぎる

何を求め
誰も待たず

徒野 淚に朦朧と
化外の軀が飛び散る
願いの刃に掛けた
夢は遠過ぎる


9.奇子

作詞:瞬火
作曲:瞬火
編曲:陰陽座

鮮やかな暗闇に獨り
嗤(わら)い盡(すが)る白い徒花(あだばな)
幾重もの秘め事に揉まれ
生まれ出たことも消されて

愛を知ることもない間に
姶(あい)を白肌に湛えて
闇を出ることも葉わず
閉ざされた時の涅(くり)から

笑いても花に成れぬ悲劇の野草
その身を曬すことは月への戲笑(ぎしょう)
裂いても離れ得ぬは渾(すべ)て惑い
闇に融け墮ちてゆく 涅槃(ねはん)まで

艷やかな嬌態に燃えて
血織り交ぜる黑い風穴
澱みから忌み事は生まれ
痼(しこ)り殘す それは人の性
愛を知ることもない間に
姶を白肌に湛えて
闇を出ることも葉わず
閉ざされた時の涅から

笑いても花に成れぬ悲劇の夜想
その身を曬すことは盡き得ぬ魔性
裂いても離れ得ぬは渾て惑い
闇に融け墮ちてゆく 涅槃まで

我が子に姊と呼ばれ、
この手に抱くことすら許されず
思うが儘、されるが儘に、
私という個は陵辱される

寒いよ…暗いよ…怖いよ…厭だ…出して…
此の世に生を受けた者を、
己の私利私慾の為に物同然の扱い。
貴方達は、狂っています。
心のない、人間の皮を被った、醜い、鬼です。
お外に出たいよ…
お祭りが見たいよ…
おべべが著たいよ…
おごっそ食べたいよ…
あたしの心は、極限の閉塞の中で
歪んだ寶石になって燃え上がり、凍りつき、
愛することを求めて漂うの。

生きながらにして 悅びを知らず
幽玄の澱で 哀を貪る
夜には嗤い 朝には踴る
暗闇に住まう 妖艷な蟲よ

愛を知ることもない間に
姶を白肌に湛えて
闇を出ることも葉わず
閉ざされた時の涅から

笑いても花に成れぬ悲劇の野草
その身を曬すことは月への戲笑(ぎしょう)
裂いても離れ得ぬは渾て惑い
闇に融け墮ちてゆく

闇に融け墮ちてゆく 涅槃(ねはん)まで


10.がいながてや

作詞:瞬火
作曲:瞬火
編曲:陰陽座

おぉいちにぃの、さんよいどぉ…
おぉとろっしゃぁ どげながぞ がいながてや

ええろ、ええろて 皆ゆうちょらい
まだ若いがに しゃんとしちょらい

右上がりで 飛んで跳んで舞って
(てやてやてやてや)
好きながてや 歌唄うが
新しい夜が明けて 仄めきだす宇宙
(がいながてや)
明日の真ん中では 光浴びて泳いでいたいよ

噓やないちや まっこと がいながてや
下手の橫好きこそ物の上手

右回りで もうて儲けないわい
(てやてやてやてや)
止めれんがよ 音紡ぐが
新しい夜が明けて 仄めきだす宇宙
(がいながてや)
明日の真ん中では 光浴びて泳いでいたいよ

おぉいちにぃの、さんよいどぉ…
おぉとろっしゃぁ どげながぞ がいながてや
新しい夜が明けて 仄めきだす宇宙
(がいながてや)
明日の真ん中では 光浴びて泳ぐ
真新しい世が明けて 輝きだす宇宙
(がいながてや)
水の元のほとりで 光浴びて笑くや此花が