22.映日紅の花
作詞:椎名林檎
作曲:浮雲
「もしもし そろそろ逢ひたいな」
庭には 花菱草(はなびしそう)
何時何時(いついつ) 出やる 後ろの正面
振り返つて 振り返つて
彼(あ)の子は未(ま)だだよと
「もしもし お変わり無いですか」
庭には夏が帰(き)さう
何時何時 出やる 後ろの正面
待ち望むで 待ち望むで
彼の子にまう良いかいと
鳥渡(ちょつと)仰(あお)いで
戸惑(とまど)ひは太陽を隠す雲
置いて行かないで
空は金と朱色 互ひ違ひ
実の無い花は 枯れても永遠に愛(め)でらるる無実の罪
蕾に成つて魅せてくれ さあ 今日と明日を結べ
急度(きっと)祈つて 恥ぢらひが陶酔に負ける風
付いて来ないで 我は綿の混紡(こんぼう) 互ひ違ひ
花の咲かない実は 朽(く)ち永遠に忘らるる
無骨な罰 貳(ふた)ツに割つて召し上がれ
さあ 今日も明日も 御覧
実の無い花が 枯れゆき永遠の名を貰(もら)ふよ
膨らむでゆく 衣纏(まと)ひし此(こ)の子は誰?
妙に甘く鮮やかな実
嗚呼(ああ) 哀しみ携(たずさ)えし子よ 眠れ
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