12.夜明け
作詞:小林殉一
作曲:小林殉一
大丈夫、さあ、手をつないで、この世とお別れ致します
愛しあった事も風に泳がせて、そろそろ、溺れてしまわなければ
ふたりで
浜辺に忘れた足跡が、少しだけ気にかかりますが
夜明け前なので、誰も気付きません
例えば、喜ぶような、泣くような波音が、
くすぐったい声で「幸せ?」と訊ねたら
「ええ、哀しみの枚数だけ、」とかわそう
それよりも、ああ、太陽が昇ります
大海原よ、早くのみ込んで、絵空事が浮かばぬように
あなたは綺麗な女の子、そうなの、私がいけないの
でももう大丈夫、淫らな過ちも
足跡も波は消してくれます
くすぐったい声で「願いは?」と訊かれたら
「手紙でも書かせて」と泣いてみせよう
それよりも、ああ、太陽が昇ります
大海原よ、早くのみ込んで、絵空事が浮かばぬように
正しい心もすべて、あふれる欲望もすべて
受け入れてしまう海はなんて無情なの?
それよりも、それよりも、ああ、愛しています
せめて最後のくちづけはもっと、私の可愛い恋人
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