12.1999年、夏、衝繩
作詞:櫻井和壽
作曲:櫻井和壽
僕が初めて衝繩にいった時
何となく物悲しく思えたのは
それがまるで日本の縮圖であるかのように
アメリカに圍まれていたからです
とはいえ94年、夏の衝繩は
Tシャツが體にへばりつくような暑さで
憂鬱なことは全部 夜の海に脫ぎ捨てて
適當に二、三發の戀もしました
ミンミン ミンミンと蟬が鳴いていたのは
歡喜の歌かそれとも嘆きのブル一スか
もはや知るすべはないがあの蟬の聲に似たような
泣き笑いの歌を奏で僕らは進む
いろんな街を步き いろんな人に出會い
口にした「さようなら」は數しれず
そして今想うことは 大膽にも想うことは
あぁ もっともっと 誰かを愛したい
酒の味を覺え始めてからは
いろんなモノを飲み步きもしました
そして世界一のお酒を見つけました
それは必死で動いた後の酒です
戰後の日本を支えた物の正體が
何となく透けて見えるこの頃は
平和とは自由とは何か?
國家とは家族とは何か?
柄にもなく考えたりもしています
生まれた場所を離れ 夢からも遠くそれて
あぁ僕はどこへ辿り著くのだろう
今日も電車に搖られ 車窗に映る顏は
そうほんのちょっとくたびれているけれど
神は我等を救い賜うのでしょうか
それとも科學がそれに代わるのでしょうか
永遠でありたいと思うのは野暮でしょうか
全能でありたいと願うのはエゴでしょうか
時の流れは速く もう三十なのだけれど
あぁ僕に何が殘せると言うのだろう
變わっていったモノと 今だ變わらぬモノが
あぁ 良くも惡くもいっぱいあるけれど
そして99年夏の衝繩で
取りあえず僕らの旅もまた終わり
愛する人たちと 愛してくれた人たちと
世界一の酒を飲み交わしたのです
最後の曲が終わり 音がなり止んだ時
あぁ僕はそこで何を思ったのだろう
選んだ路とはいえ 時に險しくもあり
些細なことで僕らは泣き笑う
いろんな街を步き いろんな人に出會う
これからだってそれはそうなんだけど
そして今想うことは たった一つ想うことは
あぁ いつかまたこの街で歌いたい
あぁ きっとまたあの街でも歌いたい
あぁ そして君にこの歌を聞かせたい
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