13.母舞台
作詞:松井由利夫
作曲:宮下健治
くれと言われりゃ命もあげる
かぶれと言われりゃ火の粉もかぶる
流れ浮藻の 旅役者
そんな母でもわが子を想う
熱いなさけに 嘘はない
(セリフ)そりゃあ 自分のお腹をいためたわが子だもの
お前のことは一日だって 片時だって忘れたことはありゃしないよ
旅役者の子供に生まれたお前には ずい分 不憫な思いをさせたねぇ
けど お前は ほんとに手間のかからない いい子だったよ
こうして瞼を閉じると昔のままの
お前の かわいい顔が浮かんでくるんだよ
なれた芝居も「瞼の母」は
演るたびつまずく身につまされて
しぐれ掛小屋 すきま風
乳が足りずに泣き泣き寝た子
遠いおさない 夢まくら
(セリフ)子供の不始末は親の不始末
お母ちゃんの育てかたが悪かったんだよ
お前の悪い噂をきくたび世間さまに申し訳ない泣くにも泣けない
身を切られる思いでお月さんに こうして手を合わせていたんだよ
土下座をしろって言われりゃ土下座もします
この通り お願いだからもういちど 昔のような
いい子になっておくれよ ねぇ お願いだからさぁ
渡る雁 旅空 夜空
月さえ愛しいわが子に見える
どんな哀しい 噂でも
母は耐えます世間のつぶて涙かくして 牡丹刷毛
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