全曲集~22才の別れ~

風 全曲集~22才の別れ~歌詞
1.22才の別れ

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

あなたに「さよなら」って言えるのは今日だけ
明日になって またあなたの暖い手に触れたら
きっと言えなくなってしまう
そんな気がして…
私には 鏡に映ったあなたの姿を 見つけられずに
私の目の前にあった幸せに すがりついてしまった

私の誕生日に 22本のローソクをたて
ひとつひとつが みんな君の人生だねって言って
17本目からはいっしょに火をつけたのが
きのうのことのように…
今はただ 5年の月日が永すぎた 春といえるだけです
あなたの 知らないところへ嫁いでゆく 私にとって

ひとつだけ こんな私のわがまま聞いて くれるなら
あなたは あなたのままで
変らずにいて下さい そのままで


2.おそかれ□はやかれ


3.海風

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

海風 吹いてた あの頃いつの時も
潮の満干に すべてを感じて
幼な心に吹いてた 淋しい時 (とても淋しい時)
今もぼくのなぐさめに吹くのは 海風… 海風…

海風 吹いてた 今はここにいるけど
時の流れが ぼくを変えても
今も故郷に吹く あの日の夢 (とてもきれいな夢)
今のぼくに何かを 残してくれた 海風… 海風…

海風… 海風…
海風… 海風…
海風… 海風…


4.ロンリネス

作詞:大久保一久
作曲:大久保一久

いつもの様に朝が来て
あたたかい朝陽が窓を通して差し込んで来る
心がおちつきました何もかも忘れて

※オー ロンリーロンリーロンリーロンリーネス
今日から私は一人ぼっち
オー ロンリーロンリーロンリーロンリーネス
昨日までよ さようなら※

この静けさの中で
今までの想い出が めぐりめぐって消えて行く
いろんな事がありました
今は何も悔いはありません

(※くり返し)


5.海岸通

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

あなたが船を選んだのは
私への思いやりだったのでしょうか
別れのテープは切れるものだとなぜ
気づかなかったのでしょうか
港に沈む夕陽がとてもきれいですね
あなたをのせた船が小さくなってゆく

夜明けの海が悲しいことを
あなたから 教えられた海岸通
あなたの言うとうり 妹のままで
いた方が 良かったかもしれない
あなたがいつか この街離れてしまうことを
やさしい腕の中で 聞きたくはなかった

まるで昨日と同じ海に波を残して
あなたをのせた船が小さくなってゆく


6.あいつ

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

雪の中一人の男が 山に帰っていった
ただそれだけの話じゃないか あわただしい季節の中で
花束投げた あの娘の言葉が こだまして帰ってくるけど
雪どけ水の音に消されて また静けさがおとずれる

だからもう忘れちまえよ あんなやつのことは
こんなかわいい人を残して 一人でゆくなんて
あいつがたとえ 想い出ひとつ 何も残さなかったのは
あいつにすれば せいいっぱいの 愛だったんだね

春が来たら 去年と同じように また山でむかえよう
それまでにきっとあいつの 得意だった
歌をおぼえているから
…………………………


7.デッキに佇む女

作詞:大久保一久
作曲:大久保一久

北行き船のくもった 窓ガラスを指で撫で
ぼかした窓越し ふと目をやれば
ベージュのコート衿たて 一人で海をみつめて
デッキに佇む人がいる
なぜ過ぎた日を 思い出すようにして
乱れ髪もそのまま WOO
一人で旅する人は どこかに淋しさがある
過ぎゆく季節の 風に似て

つぶやき声がかすかに 部屋の中に流れても
それさえ船うつ 波は消してく
小さな肩振わせて 寒さに耐えているなら
少しの言葉をかけてみよう
そうあの人は 行きずりの女なら
袖すり合うのもいい WOO
一人で旅する人は どこかに淋しさがある
馬鹿げた思いは ガラス越し


8.月が射す夜

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

窓から月が射す夜は
言葉では喋りたくない

君と居る 夏が行く 暑すぎたね ふふ

遠くを見てる
横顔が寂しい君だけれど

人はみな さびしがりやの
顔してるものだろう

音が跡切れた風鈴だけに
さびしい人の心が解かる

ある時 笑っていたね
流されれば すべてが終わるなんて

君は今 夏の終わりに何を捨ててゆくのか

季節が動く時の 蝉の声 響けば
さびしい人の心も変わる


9.ほおづえをつく女

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

振り向きもせずに男は去った

女は半年泣き続けた
薄暗い部屋で ほおづえをついたまま
幸せな日々を 思い出していた
何故すてられたのかも わからないまま

女は半年泣き続けた
新しい季節が女を変えた 出会いを求めて町に出た
髪を切り胸のボタンひとつはずして
化粧直して 女は生まれ変わった

お茶を飲みながら ほおづえをついたまま

女は男を捜しつづけた
女はそっと煙草くわえた 男はすかさず火をつけた
かげりある女は とてもきれいに見える
思わず誰でも 手をさしのべてみたくなる

灰皿の中の 古い燃えさしがまた
新しい炎で燃え上った
数える間もなく時は流れた
振り向きもせずに 男は去った

慣れすぎた暮らしに 女は甘えすぎて
男の心にまで ほおづえをついてしまった
夜空の星が とても美しいのは
ほんのすこし 光っているから


10.トパーズ色の街


11.あの唄はもう唄わないのですか

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

今朝新聞の片隅に
ポツンと小さく出ていました
あなたのリサイタルの記事です
もう一年経ったのですね

去年もひとりで 誰にも知れずに
一番うしろで見てました
あの唄 もう一度聞きたくて
私のために作ってくれたと
今も信じてる あの唄を…

あなたと初めて出会ったのは
坂の途中の小さな店
あなたはいつも唄っていた
安いギターをいたわるように

いつかあなたのポケットにあった
あの店のマッチ箱ひとつ
今でも 時々とりだして
ひとつ つけてはすぐに消します
あなたの香りがしないうちに

雨が降る日は 近くの駅まで
ひとつの傘の中 帰り道
そして二人で口ずさんだ
あの唄はもう唄わないのですか
私にとっては 思い出なのに


12.夜の国道

作詞:大久保一久
作曲:大久保一久

夜の国道雨まじりの霧の中を
二人乗せた車が走って行く

雨の音に消されながら別れ話し
男の口からこぼれる

愛の終りはいつでも燃え尽きたマッチの軸さ
一度つけば激しく燃えあたたかくつつみこみ
そして燃え尽きてしまえばはかなく消える

街の灯雨に煙り、遠くに見え
何故か二人の間あらわすよう
流れてくるラジオを消したその男は
まるで過去をのがれようとしている

行きかう車のライトが女の横顔てらし
まるで幕がおりた時のピエロの顔のようさ
いつも楽しませ終われば涙もみせる

愛の終りはいつでも去り行く女の素顔
ひとつひとつこわれてゆく砂の器のようさ
そして流れてしまえばあるまいものを


13.ささやかなこの人生

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

花びらが 散ったあとの
桜がとても 冷たくされるように
誰にも 心の片隅に
見せたくはないものが あるよね

だけど 人を愛したら
誰でも心のとびらを 閉め忘れては
傷つき そして傷つけて
ひきかえすことの出来ない 人生に気がつく

やさしかった 恋人達よ
ふり返るのは やめよう
時の流れを 背中で感じて
夕焼けに 涙すればいい

誰かを 愛したその日には
たとえば ちっぽけな絵葉書にも心が動き
愛をなくしたその日には
街角の唄にも ふと足を止めたりする

風よ 季節の訪れを
告げたら 淋しい人の心に吹け
そして めぐる季節よ
その愛を拾って 終わりのない物語を作れ

やさしかった 恋人達よ
ささやかな この人生を
喜びとか 悲しみとかの
言葉で決めて 欲しくはない


14.ダンシングドール


15.北国列車

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

Lu lu lu…

ぼくが君を追いかけてる
夢から目覚めたときは
汽車は夜を走りつづけ
朝の駅へついたところ

君を忘れるため 長い旅に出て
旅の終わりに この街を選んだ

去年の今頃汽車にのり
二人で旅した北国の
あの雪の白さが 何故か忘れられずに

Lu lu lu…

ぼくの他にあと少しの
人を降しただけで
汽車はすぐにまだ暗い
朝に消えて行った

おもいきり背伸びをした 薄暗い空に
君の星座がまだ光ってる

君の生まれたあの星が
こんなにきれいに輝いて
君と暮らした東京では
見たことなかったけれど

君を忘れるため 長い旅に出て
旅の終わりに この街を選んだ

去年の今頃汽車にのり
二人で旅した北国の
あの雪の白さが 何故か忘れられずに


16.漂う

作詞:大久保一久
作曲:大久保一久

翔びかう鴎 しゃがんでみてる
“淋しさ”それに沈むふりをする
君の細い背に時の流れを感じて
心の隙間を僕の愛でうめてみる

真白な頬さえ赤く染めてしまう頃
海辺の風もいまは吹かない

遠くに煙る タ暮れの街
裏街あたり ふと足を止めて
流れる歌にも 耳をかたむける人は
別れと幸せ肩に感じてるからさ

愛する事にも いつかなれてしまえば
ささいな日々も時に流れる

僕は穏やかに 少し心おちつかせ
君の香りには 何か忘れていたものが

真白な頬さえ赤く染めてしまう頃
海辺の風もいまは吹かない


17.お前だけが

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

たとえこの世界で一番きれいな人が
ぼくを好きだと言っても

たとえこの宇宙で一番きれいな星を
ぼくにくれると言っても

ぼくは何もいらない

お前だけが お前だけが
お前だけがいてくれたら それでいい
お前のやさしい笑顔が
そこにあれば それでいいのさ

ぼくとお前の可愛いい子供が生まれたら
写真を見せて いうんだ

これがパパとママの若い頃の写真さ
どうだ今も 変わらないだろうと

朝陽がもう さし込んでくる

お前だけを お前だけを
お前だけを 愛しているから
夜がとても短かすぎて
愛を語り尽くせない

夜がとても短かすぎて
愛を語り尽くせない