長山洋子全曲集~純梅~

長山洋子 長山洋子全曲集~純梅~歌詞
1.蜩-ひぐらし-

作詞:仁井谷俊也
作曲:徳久広司

生命(いのち)を燃やす 季節は短い
まして女の 綺麗な時期(とき)は
夏の夕暮れ 人恋しさに
焦がれ鳴きする 蜩(せみ)のようです
言葉で愛を 語れたら…
手紙に愛を 綴れたら… ああ あなた
死んだら涙 流してくれますか
冷たい躰(からだ) 抱きしめてくれますか

こんなにあなた 愛しているのに
運命(こい)の垣根が 越えられません
夏の終わりを 惜しんで鳴いて
愛が掠(かす)れた 蜩のようです
ふたりで夢を 探せたら…
こころに夢を 描けたら ああ あなた
見つめることも 叶わぬ恋ですか
忘れることが 真実(ほんとう)の愛ですか

言葉で愛を 語れたら…
手紙に愛を 綴れたら… ああ あなた
死んだら涙 流してくれますか
冷たい躰(からだ) 抱きしめてくれますか


2.海に降る雪

作詞:水木かおる
作曲:南郷孝

旅の終りの 宿に来て
海に降る雪 見ています
来ないあなたを 待ちながら
膝にころがす 毛糸玉
降っても 降っても 降っても 消える雪
それでも雪は 降りしきる

ここにあなたが いたならば
雪見酒だと 洒落れるでしょ
明日の別れに 目をつむり
夫婦きどりの 夢一夜(ひとと)
愛して 愛して 愛して やまぬ恋
はげしく恋は 降りしきる

女ごころを つくしても
海に降る雪 ぼたん雪
積ることない 淋しさを
波もやさしく 泣いてます
降っても 降っても 降っても 消える雪
それでも雪は 降りしきる


3.なみだ酒

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

しあわせほしがる 女の胸を
路地のしぐれが また濡らす
あなた 今夜はどの店あたり
あんなにやさしく してくれたのに
夢のもろさに 泣ける夜

あなたをにくめぬ 悔しさつらさ
せめて昔に もどれたら
あなた 今夜はどの店あたり
だれかが唄った 想い出歌に
女ごころが また泣ける

口紅拭いても みれんは残る
まして雨降る こんな夜は
あなた 今夜はどの店あたり
ピアスをはずして とまり木迷子
つらい涙の 酒に酔う


4.蒼月

作詞:麻こよみ
作曲:水森英夫

惚れた男の みる夢を
一緒に見るのが 女です
あなたの無事を 晴れの日を
流れる星に 祈ります

満つる月夜は 鷹になれ
月が翳れば 眠りゃいい
あなたの満月(ゆめ)が 消えないかぎり
私は私は ついて行く

川を渡って 吹く風は
あなたの恋の 噂です
心の奥の 淋しさに
キリリと髪を 結い直す

蒼い月夜は 花になれ
月が曇れば 遊びゃいい
誰かの胸に 寄り道しても
あなたをあなたを 怨まない

満つる月夜は 鷹になれ
月が翳れば 眠りゃいい
あなたの満月(ゆめ)が 消えないかぎり
私は私は ついて行く


5.めおと酒

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

苦労かくごと おまえは笑って
あとから黙って ついてきた
かわいい女さ おまえというやつ
倖せまだまだ 遠いけど
抱いてやりたい 細い肩

遅い帰りを 化粧も落とさず
おまえは寝ずに 待っている
かわいい女さ おまえというやつ
この俺を信じて いるんだね
明日ののぞみを 捨てないで

陰で流した おまえの涙を
ごめんよ拭いても やれないで
かわいい女さ おまえというやつ
倖せまだまだ 遠いけど
せめて飲もうよ めおと酒


6.捨てられて

作詞:鈴木紀代
作曲:檜原さとし

でもね あの人 悪くないのよ
噂信じた 私が悪い
そうよ一人に なるのこわくて
尽くしすぎて捧げすぎて 捨てられたの
どんな愛でもいい すがれるものなら
どんな愛でもいい やり直せるなら
でもね帰れる部屋は 部屋はもうないの
だから だから今夜は つき合ってよ

でもね あの人 憎めないのよ
ひどい男と 言うのはやめて
そうよ悲しい 嘘がなければ
あの人よりやさしい人 いないはずよ
どんな愛でもいい つめたくされても
どんな愛でもいい そばにいられたら
でもね大事な鍵(かぎ)も 鍵も返したの
だから だから今夜は つき合ってよ

どんな愛でもいい すがれるものなら
どんな愛でもいい やり直せるなら
でもね帰れる部屋は 部屋はもうないの
だから だから今夜は つき合ってよ


7.たてがみ

作詞:鈴木紀代
作曲:影山時則

駒(こま)の名前も その数(かず)も
何も知らない 私でも
あなたの強さは わかります
勝って下さい これから先も
運(うん)と私が あなたの味方(みかた)

千を見通す ひらめきで
一を見直す こだわりで
輝くあなたに 惚れてます
負けた時にも 言い訳なしで
ぐっとこらえる 男の姿

勝負終われば ただの人
抱いて抱かれる 明け方の
たてがみみたいな 髪が好き
宇宙(そら)を駆(か)け翔(と)ぶ 獅子(ライオン)になり
夢をつかんで 二人の未来(あした)


8.恋のプラットホーム

作詞:鈴木紀代
作曲:井上真之介

じゃあね又ね 今度ねきっとね
見つめあう 目と目さえぎるように
発車合図で ドアーが閉まる
あなたが逢いに 来れない時は
私が行くわ あなたの町へ

じゃあね又ね 今度ねきっとね
話してる 言葉聞こえなくても
口の動きで わかってくれる
愛しているわ 愛していてね
忘れちゃイヤよ 待っててあなた

じゃあね又ね 今度ねきっとね
離れたら 恋はおしまいなんて
聞きたくないわ 信じてないわ
淋しいけれど 泣いたらダメね
すぐまた逢える 元気でいてね


9.さだめ雪

作詞:星野哲郎
作曲:岡千秋

苦労 くの字に 小枝を曲げて
雪を着て咲く 梅の花
命かけなきゃ 花にはなれぬ
そんな意気地が 香に匂う
戴くわ、その魂
私も雪に 咲く女

くずだ ちょろだと 叱ってくれる
人が居たから 今日がある
こんな私に 望みをかける
こわい師匠の 親ごころ
ありがとう しあわせよ
背中をおがむ 雪明かり

耐えた者ほど やさしく生きる
しだれ紅梅 見て思う
春に先がけ 咲く一輪の
花の姿に 励まされ
たおやかに 凛々と
さだめの雪を 踏みしめる


10.恋酒場

作詞:小田めぐみ
作曲:樋口義高

ランプがゆれる 馴染(なじ)みの店じゃ
噂ひろって あつくなる
いつかはきっと 帰ってくるさ
惚れた ひとだもの
くよくよしたって なみだがでるから
今夜も飲もうか
ああ あちょこ酒 湯気のれん 恋酒場

あいつがくれた かんざしつけりゃ
くどき文句も 知らんぷり
今年はもっと いいことあると
酒をまわし飲む
ほろほろ酔うたび なみだがでるから
朝まで飲もうか
ああ 囲炉裏端(いろりばた) 流し唄 寒(かん)の月

くよくよしたって なみだがでるから
今夜も飲もうか
ああ おちょこ酒 湯気(ゆげ)のれん 恋酒場


11.紅い雪

作詞:鈴木紀代
作曲:桧原さとし

生きるも果てるも あなたと決めたの
いのち半端(はんぱ)に 切り裂けないから
苦しみ悲しみ 恋にはつきもの
泣いて捨てたり 出来ない女です
紅(あか)い雪にかくれ 白い花に埋(う)もれ
あなたの影が 浮かんで消える
追えば逃げる背中 指が宙(ちゅう)をつかむ
はかなく散る夢 あゝゝ…

あざむく男の 心の底には
愛という名の 魔物(まもの)が棲(す)んでる
恋する女の 孤独の渕(ふち)には
翹(はね)をもがれた 蝶々がうずくまる
月のしずく浴(あ)びて 銀の虹に抱かれ
女に変わる 吐息を殺す
燃える髪の私 闇にあえぐあなた
乱れて見る夢 あゝゝ…

紅(あか)い雪にかくれ 白い花に埋(も)もれ
あなたの影か 浮かんで消える
追えば逃げる背中 指が宙(ちゅう)をつかむ
はかなく散る夢 あゝゝ…


12.遠野物語

作詞:木下龍太郎
作曲:船村徹

待ちます 耐えます 信じます
あなた偲んで 見上げれば
早池峰の山は もう根雪
遠野の冬は 寒いけど
愛をつらぬく
女の胸は 胸はあたたかい

泣きます 責めます 恨みます
いつか添い寝に 馴らされた
女にはつらい ひとり寝は
いろいろ話 あるけれど
どこの誰にも
私はこころ こころ許さない

呼びます 生きます 祈ります
姑の小言が つらい夜は
涙を洗う 仕舞い風呂
あなたの胸が 恋しくて
燃えるこの肌
遠野の雪に 雪に埋めたい


13.めぐり逢い

作詞:吉岡治
作曲:市川昭介

過去のことなら 捨てました
記憶の糸も 切れたまま
霧の釧路の 居酒屋で
いまさら渋谷が どうだとか
言いっこなしです
めぐり逢い

なにもお構い できないが
地の酒ぐらい おごりましょ
霧の釧路の 居酒屋に
漂よい疲れて 落着いて
エプロンすがたの
おんなです

とうに廃れた 流行歌(はやりうた)
思い出つれて なぜ迷う
霧の釧路の 居酒屋で
のれんをしまって 灯を消せば
今夜はやたらに
海が鳴る


14.じょんから女節

作詞:鈴木紀代
作曲:西つよし

雪は下から 舞い上がり
赤い裳裾(もすそ)に まといつく
太棹(ふとざお)三味線 女の旅路
燃えるくすぶる はじける愚図る
離れられない 男(ひと)がいる
じょんからじょんから わかって欲しい

バチの乱れは 気の乱れ
別れ言葉は 言わせない
深みにはまった 女の弱み
男ごころは 風より軽い
月にかくれて されるまま
じょんからじょんから 哭かせて欲しい

鉛色した 空の色
春は私にゃ 遠すぎる
太棹たたけば 糸さえ切れる
憎いいとしい せつない辛い
指にからまる 女節
じょんからじょんから あんたが欲しい


15.絆

長山洋子・影山時則
作詞:鈴木紀代
作曲:鈴木紀代

糸の半分 私が持つわ
残りの半分 俺が持つ
絆という字で 結ばれて
おまえと俺は 生きて行く
離さないでね
離すもんかよ
心を重ね
命を重ね
二人は一緒 今日から一緒

流行(はや)りすたりの はげしい街で
一途な想いは 変わらない
あなたを信じて ついて行く
悲しい過去は 忘れなよ
泣かさないでね
泣かすもんかよ
ぬくもり抱いて
ほほえみ抱いて
二人は一緒 明日も一緒

雨が降る夜 出逢った二人
今では他人に 戻れない
今夜は酔っても いいですか
甘えてくれよ この俺に
見捨てないでね
捨てるもんかよ
頬寄せ合って
肩寄せ合って
二人は一緒 死ぬまで一緒


16.望郷ひとり泣き

作詞:鈴木紀代
作曲:西つよし

男の運が 悪いのか
男を見る目が ないからか
昨夜(ゆうべ)も泣いて 今夜も泣いて
泣いてわかった よりどころ

※金木(かなぎ) 中里(なかさと) 五所川原(ごしょがわら)
何で今さら ふるさとが
涸(か)れた心に しみて来る
責(せ)めてくれるな 望郷ひとり泣き※

ちぎれた愛は 戻らない
ちぎれた絆(きずな)は ほころびる
酔ってもひとり 醒(さ)めてもひとり
ひとり見るのは 古い夢

十三(とさ)の湊(みなと)の 汽笛さえ
聞けばみじめに なるばかり
捨てたつもりの はぐれ女(どり)
よされよされと 望郷ひとり泣き

(※くり返し)


17.瀬戸の晩夏

作詞:花岡優平
作曲:花岡優平

ドキドキするからね… 杖つく母が
すわり込んだ石段 瀬戸の海が光る
女手ひとつで 育ててくれた
母の強さと優しさが しみる晩夏に
長い影が寄り添う
似た者同士 母と娘は…

私の子だからね… 目を見りゃわかる
生きてりゃこそあるのさ 泣く日も笑う日も
母に手を引かれ 登ったあの日
何も云わずにいたけれど 胸のふるえを
指先で感じてた
似た者同士 母と娘は…

女手ひとつで 育ててくれた
母の強さと優しさが しみる晩夏に
長い影が寄り添う
似た者同士 母と娘は…


18.大阪メルヘン