1.風待港
作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正
船は千来る万来る中で
貴方の船をこころ待ち
もしも港に戻ったならば
嵐よ止むなしばらくは
時化の間はとも網解かぬ
女は男の風待港
冷えていたなら温めてあげる
添い寝の肌で夜明けまで
酒は人肌呑ませてあげる
命の水を好きなだけ
尽くすことなら誰にも負けぬ
私は貴方の風待港
離れたくない心を知らず
いつしか凪の空模様
次はいつかと貴方に問えば
天気に聞けと憎い口
船は出て行く鴎は残る
女は男の風待港
2.清水湊の女
作詞:鈴木紀代
作曲:宮下健治
男が一人に 女が二人
うまく行くはず ありません
恋むらさきに 咲くりんどうが
彩をなくして 散ってゆく
想い断ち切る ひとり旅
清水湊に 清水湊に 雪が降る
はぐれて行きたや 未練な恋と
浮かれ鴎に 割り台詞
当てもないまま 街道行けば
風の間に間に 茶の香り
うしろ髪ひく 鎌ヶ崎
波のしぶきが 波のしぶきが 又ゆれる
淋しさまぎらす 灯台あかり
出船入船 夜が明ける
朝霧かすむ 三保松原は
泣いた涙の 吹きだまり
忘れられない 名を呼べば
清水湊に 清水湊に 雪が降る
3.雪国紅葉
作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正
残る未練を 捨てるため
女ひとりの 旅の宿
冬がひと足 早いから
もう散り急ぐ 雪国紅葉
二人の恋を 見るようで
片頬濡らす ひとしずく
心変わりを 責めるより
尽くし足りなさ 悔やみたい
湯冷めしそうな 洗い髪
たたずむ窓に 雪国紅葉
憎んだはずの あの人の
面影胸に また浮かぶ
何度 寝返り 打ったやら
眠れないまま 宿の朝
昨夜(ゆうべ)降ったか 淡雪が
紅の葉隠(か)くす 雪国紅葉
想い出埋めて 明日から
出直すつもり 辛くても
4.城ヶ島雨情
作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正
好きで別れた 人ゆえに
いまも消せない 面影を
利久(りきゅう)ねずみの
雨は女の なみだ雨
愛に引かれて 想い出を
ひとり訪ねる 城ヶ島
たとえ再び 逢えたとて
過ぎた月日は 戻らない
蛇の目持つ手の
指輪重たい くすり指
女ごころの 切なさを
知るや相模の 浜千鳥
傘をさしても 心まで
濡らす三崎の 磯しぐれ
辛いけれども
雨で消したい 未練火を
舟が出て行く 通り矢の
はなも日暮れる 城ヶ島
5.花筏
作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正
川に舞い散る 桜の花が
寄り添いながら 流れてく
あなたとこのまま
乗って逃げたい 花筏(はないかだ)
叶わぬ願いと 承知のはずが
無理を言いたい 女なら
愛し合っても 世間の風は
二人にゃつらい 向かい風
もしやに賭けてた
女ごころの 渡し舟
人目の届かぬ はるかな岸へ
なんで渡さぬ 花の舟
七日(なぬか)桜と
呼ばれるけれど
春来るたびに
また開く
あなたと見るのは
今年かぎりの 花筏
この手に触れても 掴めぬ夢を
載せて見送る 別れ橋
6.酒匂川
7.俄か雨
作詞:水木れいじ
作曲:市川昭介
軒のしずくを 手でうけて
あなたの寝顔に 押しあてる
わかれの旅も 今日かぎり
この帯ほどいて 濡れながら
明日は他人の 明日は他人の 俄か雨
花火みたいな一夜でも
重ねる暦に 嘘はない
わかれの前に 抱きしめて…
口紅さす小指の先までが
あなた欲しさに あなた欲しさに また燃える
着物姿じゃ 目立つから
窓からあなたを見送るわ
わかれの朝が 憎らしい…
一緒に死んでと すがっても
恋ははかない 恋ははかない 俄か雨
8.越後海道
作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正
こころ残して 身を引く恋は
いつの日消える なみだ跡
越後海道…
寄せる荒波 日本海
袖に舞い散る 飛沫(しぶき)を逃げて
ひとり荒磯(ありそ)を 急ぎ足
もしも幸せ 望んだならば
誰かがきっと 陰で泣く
女なりゃこそ…
判る女の 哀しさが
風に切れ切れ 門付け三昧の
音が罪ある 胸を打つ
違う生き方 見付けるための
女の旅は いつ終る
越後海道…
前は荒海 日本海
思い切れずに 振り向くたびに
弱さ叱るか 潮鳴りも
9.惚の字傘
作詞:水木れいじ
作曲:岡千秋
しょせん憂き世はからくり芝居
根無し金無してんてん流転
野暮は承知で芯から惚れて
尽くす女の心意気・・・
演歌だね演歌だね演歌だ演歌だ演歌だね
あんたに惚の字傘
口や世渡り下手でもいいの
さあさ飲もうよ情けの酒を
いつか世に出て男になれる
それはあなたの眸でわかる・・・
演歌だね演歌だね演歌だ演歌だ演歌だね
あんたに惚の字傘
耐えて一年追われて二年
誰か浮く時ゃ待とうよ春を
死ぬも生きるもふたりと決めて
ついて行きますどこまでも・・・
演歌だね演歌だね演歌だ演歌だ演歌だね
あんたに惚の字傘
10.酔化粧
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