人情恋あかり/赤ちょうちん

金田たつえ 人情恋あかり/赤ちょうちん歌詞
1.赤ちょうちん

作詞:荒川利夫
作曲:花笠薫

赤提灯の もつやきの
文字が煙で 煤けてる
ここまで夫婦を やりながら
熱い熱いと
みんなに言われる 仲の良さ
駅裏ネオンの 花園に
夜が咲きます 賑やかに…

苦労があるから 人生と
教えられます この人に
私が選んだ 人だから
そんな魅力が
今でも変わらず たっぷりよ
ちょっと惚気て すみません
助け愛です どこまでも…

お酒はいつでも 色々の
人の心の 写し水
話相手の 肴になって
泣いて笑って
生きてくみんなの 味ごころ
人情無くしちゃ 人じゃない
お陰さまです 大入りは…


2.おまえさん

作詞:吉田旺
作曲:松原謙

紺の暖簾に 染めぬいた
゛夫婦゛二文字が 目に沁みる
やっとだせたね ふたりのお店
好きなお酒も 好きなお酒も 我慢した
甲斐があったね おまえさん
ネエ おまえさん

両親の許しも ないままに
乗った夜汽車が 振り出しで
貧乏 貧乏の 駆落ち生活
それもいまでは それもいまでは なつかしい
夢のようだね おまえさん
ネエ おまえさん

派手な花輪は ないけれど
むかし仲間の 顔と顔
今日の開店を 飾ってくれる
唄もうれしい 唄もうれしい 祝い節
泣けてきちゃった おまえさん
ネエ おまえさん


3.しのび恋

作詞:三浦康照
作曲:石中仁人

一つの傘を 二人で持って
人目をさける 雨の町
今夜はあなたを 帰さない
わがまま云って 甘えたら
きっとあなたは 困るでしょうね
炎えて悲しい あゝしのび恋

あなたの愛を ただひとすじに
たよって生きる 私です
いけないことと 知りながら
別れてくれと 云うまでは
たとえ地獄へ 落ちてもいいの
ついてゆきます あゝどこまでも

あなたの妻に なる日は夢ね
夢でもいいの 信じたい
夜明けの部屋に 残されて
涙を拭いて いたことを
きっとあなたは 知らないでしょう
辛さこらえる あゝしのび恋


4.酒よ


5.無法松の一生(度胸千両入り)


6.情無(つれな)川


7.くちなし情話

作詞:吉田旺
作曲:鈴木淳

好きで我が子を 死なせる母が
どこにいましょう いるならば
それは鬼です 母親じゃない
白いくちなし 匂う夜は
なぜかあの子が この乳房
探し求めて いる気がします

それであなたの 気が済むならと
ひどい仕打ちも 裏切りも
耐えてきました やつれた胸で
そんな私を 置き去りに
逝ったあなたを 恨みます
ましてくちなし 零れる宵は

可愛我が子を 亡くした母に
乱れ縁の 置き土産
抱けば泣けます 幼いこの子
白いくちなし 目で追って
こぼす笑顔に 罪はない
生きて行きます この子とともに


8.風の追分みなと町

作詞:仁井谷俊也
作曲:蘭一二三

風の江差に 来てみれば
はぐれ 鴎が 波に舞う
あなたお願い帰ってきてよ
日暮れの海に名を呼べば
老いたヤン衆の 老いたヤン衆の 追分が
おんな泣かせる 港町(みなとまち)

あなた偲べば 鴎の島にヤンサノ-エ-
沈む夕陽も なみだ色

浜に埋もれた 捨て小舟
どこか私に 似た運命
ほろり落とした涙のなかに
やさしい笑顔浮かぶ夜は
海の匂いの 海の匂いのする 酒場で
吐息まじりの こぼれ酒

窓の向こうの 漁火は
女ごころの 命火よ
いつか逢えるわ あなたに逢える
浴衣につつむ 湯あがりの
燃える素肌が 燃える素肌が あの夜を
思いださせる 港宿(みなとやど)


9.花街の母

作詞:もず唱平
作曲:三山敏

他人にきかれりゃ お前のことを
年のはなれた妹と 作り笑顔で 答える私
こんな苦労に ケリつけて たとえひと間の部屋でよい
母と娘の 暮しが欲しい

いくらなじんだ水でも 年頃の娘のいる
左褄(ひだりづま)
住みにくうございます
浮名を流した昔もありましたが…
ああ あのひと
私を残して死んだ あの人を恨みます

厚い化粧に 憂いをかくし
酒で涙をごまかして 三味にせかれて つとめる座敷
あれが子持ちの芸者だと バカにされても夢がある
それはお前の 花嫁姿

女の盛りはアッという間です 若い妓の時代
もう私はうば桜 出る幕ないわ
でも もう少し この花街に 私を置いて下さい
せめてあの娘に いい花聟が 見つかりますまで

何度死のうと 思ったことか
だけど背で泣く 乳呑児の 声に責められ十年過ぎた
宵に褄とる女にも きっといつかは幸福が来ると
今日まで 信じて生きた


10.夢螢

作詞:菅麻貴子
作曲:深谷昭

季節はずれの 螢がひとつ
そっとあなたに すがって生きる
「春をください」 この手のひらに
闇にはらはら 舞い散る雪は
女ごころの 夢追い螢

少し遅れて うしろを歩く
そんな癖さえ ぬけない私
「明日をください」この手のひらに
あなたのために 尽くせるならば
遅れた春を 悔やみはしない

窓に積もった運命の雪も
やがて溶ければ 明日が見える
「夢をください」 この手のひらに
涙ひとすじ 夜霧に変えて
命を灯す しあわせ螢


11.飛車角太鼓

作詞:松井由利夫
作曲:聖川湧

義理の二文字 袂に入れて
人情着流し 男の命
時に流れに 背きはせぬが
三州三河(さんしゅうみかわ)の 水鏡(みずかがみ)
昔恋しい なつかしい

三河大皷(みかわだいこ)は 男の意気地
浜の松風 ふところに
空の満月 道連れに
ぬいだ片肌 花が散る

切れた糸なら つなげもするが
無理に結べば しこりが残る
女なみだと 男のこころ
しょせん泥絵の 違い棚
背中合わせじゃ 夢はない

勝つも負けるも 虚しいものよ
どうせ人生 縁台将棋
仁吉ゆずりの
飛車角大皷(ひしゃかくだいこ)
音〆め区切は きっちりと
つけて男は 咲いて散る


12.女のオホーツク

作詞:髙橋直人
作曲:萩仁美

壁にゃちぎれた 大漁旗
天井にゃ煤けた 破れ網
冬の夜更けは 客もない
番屋造りの さいはて酒場
きしむ流氷 オホーツク
女がひとり 酔いどれ歌う
惚れた男の 口伝え
ひとつ覚えの 舟唄を

〜海明けをヨー
海明け待ちわび 手酌酒〜

寒さまぎらす 丸火鉢
外は吹雪か 風が鳴る
心重ね着 燃えた肌
偲ぶぬくもり おもいで酒場
夢も凍える オホーツク
呑まずにひとり 眠れはしない
海の男に 染みついた
潮の匂いが 恋しくて

破れ提灯 薄あかり
面影染抜き 古暖簾
垂氷解ければ 帰る人
情け止り木 やん衆酒場
春はいつ来る オホーツク
寂しくひとり 暦をめくる
かもめ啼く声 波の音
早く一緒に 聞きたくて


13.望郷酒場


14.人妻

作詞:一ツ橋雪
作曲:保田幸司郎

しあわせあげると言われた人に
すがれぬ運命の それは人妻
愛することも答えることも
眠むることも 目覚めることも許されぬ
あゝ私は悪い女です
すべてをすてて 行けない女です

夢か誠か しのび逢う夜は
あやしく燃える それは人妻
尽くすことも 堪えることも
励ますことも 支えることも 届かない
あゝ私は罪な女です
あなたのために死ねない女です

死ぬも生きるもあなたのままと
心は捧げた それは人妻
寄りそうことも 見つめることも
甘えることも 安らぐことも かりそめか
あゝ私はずるい女です
おぼれて泣いても 所詮は人の妻


15.大阪情話

作詞:吉田旺
作曲:岡千秋

お父ちゃんを買うてと 泣きじゃくる
不憫なこの子を 抱きしめて
生きてます 泣いてます
この世にいない あんたを怨んで泣いてます
見えますやろか 見えますやろか
妻と娘の 妻と娘の このふしあわせ

行っちゃイヤイヤヤと すがる指
ほどいて出かける 夜の店
愛しくて せつなくて
あと振りむけば お酌をする手も にぶりがち
見えますやろか 見えますやろか
支えなくした 支えなくした この頼りなさ

お父ちゃんはお空の あの星と
唄って寝かせる 子守唄
もう泣かへん 泣きまへん
この子にいつか 倖せめぐってくる日まで
見えますやろか 見えますやろか
妻と娘の 妻と娘の 春待つこころ


16.真剣師

作詞:木下龍太郎
作曲:保田幸司郎

負けて傷つく 名誉はないが
勝たにゃ明日の 銭がない
誰か付けたか 真剣師
次の一手を 思案の駒に
命 捨て身の
命 捨て身の 将棋盤

(セリフ)「賭け将棋に人生を賭けているから真剣師。
いい呼び名じゃございませんか。
負ければ明日がないー だから毎日毎日が真剣勝負なのでございます。」

好いたほれたの 色恋沙汰は
なんで出来ない 後始末
いつか世間も 通せんぼ
恨みますよと 泣いてた女の
声が聴こえる
声が聴こえる 風の宿

(セリフ)「私にもこの世にたった一人の子供が居ります。
馬鹿をしながら貯めたこの金は、
私になにかありましたら子供に渡しちゃあくれませんか。
詫びの印にしては、あまりにも少うはございますが……」

駒に男の 人生賭けて
それで死ねたら 悔いはない
骨の髄まで 真剣師
賽の河原で
船賃賭けて
鬼を相手に
鬼を相手に 将棋指す