あなたの選んだベスト10

金田たつえ あなたの選んだベスト10歌詞
1.夢螢

作詞:菅麻貴子
作曲:深谷昭

季節はずれの 螢がひとつ
そっとあなたに すがって生きる
「春をください」 この手のひらに
闇にはらはら 舞い散る雪は
女ごころの 夢追い螢

少し遅れて うしろを歩く
そんな癖さえ ぬけない私
「明日をください」この手のひらに
あなたのために 尽くせるならば
遅れた春を 悔やみはしない

窓に積もった運命の雪も
やがて溶ければ 明日が見える
「夢をください」 この手のひらに
涙ひとすじ 夜霧に変えて
命を灯す しあわせ螢


2.しのび恋

作詞:三浦康照
作曲:石中仁人

一つの傘を 二人で持って
人目をさける 雨の町
今夜はあなたを 帰さない
わがまま云って 甘えたら
きっとあなたは 困るでしょうね
炎えて悲しい あゝしのび恋

あなたの愛を ただひとすじに
たよって生きる 私です
いけないことと 知りながら
別れてくれと 云うまでは
たとえ地獄へ 落ちてもいいの
ついてゆきます あゝどこまでも

あなたの妻に なる日は夢ね
夢でもいいの 信じたい
夜明けの部屋に 残されて
涙を拭いて いたことを
きっとあなたは 知らないでしょう
辛さこらえる あゝしのび恋


3.あかね雲

作詞:一ツ橋雪
作曲:保田幸司郎

出稼ぎばかりの 明け暮れに
泣いてたお前はヨー もうはや二十才
明日は文金花嫁御寮
見せてやりたや 見せてやりたや恋女房
うすい縁のヨー あかね雲

手塩にかけた 娘なら
幸せになれヨー 涙がほろり
女房ゆずりの 器量よし
空を仰いだ 空を仰いだ横顔に
幼いままのヨー 泣きぼくろ

たまにはおやじの ひげ面が
恋しくなったらヨー 一緒に帰れ
愛し殿御と ヤヤ連れて
抱いてやろうぞ 抱いてやろうぞふところに
明日は晴れるかヨー あかね雲


4.娘の金屏風

作詞:荒川利夫
作曲:殿島周二

女手ひとつで 育てた娘
花と咲きます 金屏風
よかった よかった この日のために
嵐の苦労を耐えてきた
一緒に生きてく その人と
おしどり暦を歩いてよ
嬉し涙が 目をふさぐ

肩から重荷が消えてくような
なぜか淋しい 胸もある
惚れあう 惚れあう姿をいつも
並べて仲よく して欲しい
花嫁衣裳に 飾られた
娘の笑顔の幸せよ
春がきました 私にも

涙が後から後から湧いて
過ぎる時間が夢のよう
誰にも 誰にも 自慢の娘
相手に渡して これでいい
その手を離さず どこまでも
おしどり暦を歩いてよ
それが願いの 親ごころ


5.夢花火

作詞:三浦康照
作曲:石中仁人

逢えば逢うほど 別れが辛い
辛い別れの しのび逢い
不倫じゃないのよ わかるでしょうか
たとえわずかな間でも
燃えていたいの あなたの胸で
女ごころの 夢花火

私ひとりの あなたじゃないと
知っていながら 奪いたい
愛しか見えない いけない女
帰るあなたを 追いかけて
ひとり見上げる 夜空に咲いた
運命はかない 夢花火

あなたひとりに 命を賭けて
灰になるまで 燃えたいの
信じて下さい 女のこころ
ひとり寝る夜の さみしさを
抱いて探すの あなたの匂い
しょせんふたりは 夢花火


6.博多恋ごよみ

作詞:石本美由起
作曲:岡千秋

飲んで 嬉しい お酒もあるが
酔うて 泣きたい 酒もある
博多 那珂川筑前しぐれ
とても 逢いたか あん人を
待って 切ない 秋のくれ
はぐれ女の 恋ごよみ

「あん男の 熱か 情が
思いだされて ひとりの夜は
無性にお酒が 飲みとうなると
女って 駄目ばい
ああ今夜も中洲の時雨が
私の心を 泣かすっとよ・・・」

喧嘩別れを したのじゃないが
なんで冷めたい 雨までも
中洲 泣き面 筑前しぐれ
どこへ置いたか あん人と
夫婦きどりの 傘もない
愚痴につまずく 路地ばかり

女 ひとり寝 夢まで寒い
肌に 温もり 感じたい
博多 川端 筑前しぐれ
酔うて甘えて あん人の
腕に抱かれた 思い出が
酒に ちらつく 淋しいよ


7.人妻

作詞:一ツ橋雪
作曲:保田幸司郎

しあわせあげると言われた人に
すがれぬ運命の それは人妻
愛することも答えることも
眠むることも 目覚めることも許されぬ
あゝ私は悪い女です
すべてをすてて 行けない女です

夢か誠か しのび逢う夜は
あやしく燃える それは人妻
尽くすことも 堪えることも
励ますことも 支えることも 届かない
あゝ私は罪な女です
あなたのために死ねない女です

死ぬも生きるもあなたのままと
心は捧げた それは人妻
寄りそうことも 見つめることも
甘えることも 安らぐことも かりそめか
あゝ私はずるい女です
おぼれて泣いても 所詮は人の妻


8.おまえさん

作詞:吉田旺
作曲:松原謙

紺の暖簾に 染めぬいた
゛夫婦゛二文字が 目に沁みる
やっとだせたね ふたりのお店
好きなお酒も 好きなお酒も 我慢した
甲斐があったね おまえさん
ネエ おまえさん

両親の許しも ないままに
乗った夜汽車が 振り出しで
貧乏 貧乏の 駆落ち生活
それもいまでは それもいまでは なつかしい
夢のようだね おまえさん
ネエ おまえさん

派手な花輪は ないけれど
むかし仲間の 顔と顔
今日の開店を 飾ってくれる
唄もうれしい 唄もうれしい 祝い節
泣けてきちゃった おまえさん
ネエ おまえさん


9.夕照の女(せきしょうのひと)


10.花街の母

作詞:もず唱平
作曲:三山敏

他人にきかれりゃ お前のことを
年のはなれた妹と 作り笑顔で 答える私
こんな苦労に ケリつけて たとえひと間の部屋でよい
母と娘の 暮しが欲しい

いくらなじんだ水でも 年頃の娘のいる
左褄(ひだりづま)
住みにくうございます
浮名を流した昔もありましたが…
ああ あのひと
私を残して死んだ あの人を恨みます

厚い化粧に 憂いをかくし
酒で涙をごまかして 三味にせかれて つとめる座敷
あれが子持ちの芸者だと バカにされても夢がある
それはお前の 花嫁姿

女の盛りはアッという間です 若い妓の時代
もう私はうば桜 出る幕ないわ
でも もう少し この花街に 私を置いて下さい
せめてあの娘に いい花聟が 見つかりますまで

何度死のうと 思ったことか
だけど背で泣く 乳呑児の 声に責められ十年過ぎた
宵に褄とる女にも きっといつかは幸福が来ると
今日まで 信じて生きた