暫存

若山かずさ 暫存歌詞
1.花、散る

作詞:八島義郎
作曲:江口浩司

楠の枯葉が散りしきる中に
今満開の 桜花 (さくらばな)
思わずもらす溜め息に
明日は雨だと告げる風が吹く

薄紅 (うすくれない)のその中に
白く咲いてる花もある
命はかなや 桜花 (さくらばな)
そっとよぎっていくよ見えぬ影

吹き巻く風に舞ながら
歩く小道に 楠の葉が
人に踏まれて泣いている
花はぱっと咲いて散っていく


2.女の生きがい

作詞:岡田冨美子
作曲:四方章人

泣くのがイヤなら愛さない
つらい恋ほど背伸びすりゃ
しあわせが見える
傘がなければ濡れてもいいの
しのび逢う日のうれしい気持
女の生きがいはささやかなのよ

心はこの瞳に映らない
変わらないでと祈りつつ
靴音を待つの
そばで眠れば夜明けが早い
夢を編むのが女の仕事
私の生きがいをあなたにあげる

このごろわかったことですが
惚れたしるしに男って
わがままを言うの
すがりついても時間は過ぎる
そばにいるのに今度はいつと
女の生きがいは淋しいのです


3.花桔梗

作詞:坂口照幸
作曲:藤竜之介

女は終わって しまった恋は
胸深く しまい込む
「一月一日 一緒にいたい…」
むりを承知で 私から
口にしたのも ぎりぎりの
女ごころの 意地でした

あなたの重荷に なるのはつらい
この先の 人生を
一緒になれるか 汐どきなのか
思いつめれば その二つ
いいえほかにも あったはず
背中見つめて 行くみちも

日傘をさす花 桔梗の花に
似てるのね 恋姿
逢いたい 触れたい 愛していたい
あなた遠くに なろうとも
わたし遠くに いようとも
心ひとつに 生きてゆく


4.恋をんな

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

あなたの色に 染められて
着物が似合う 女になりました
涙を隠して あなたに甘えて
ひとときの ひとときの 逢瀬にもえる
今がしあわせ わたし恋をんな

あなたのことが 好きだから
あなたはどうぞ あなたのままでいて
愛しさあまれば 哀しくなるけど
めをとじて めをとじて 人生(いのち)をこがす
蛍みたいな わたし恋をんな

夢二が描く 女たち
わたしにどこか 似てると言うあなた
明日の涙は 明日にまかせて
いまはただ いまはただ 感じていたい
愛に抱かれて わたし恋をんな


5.幸せとんぼ

作詞:木下龍太郎
作曲:叶弦大

捜し続けた やすらぎを
分けて呉れそう あの人は
とんぼ とんぼ 幸せとんぼ
女の 女の この指止まれ
一度 この手に 止まったら
二度と他所(よそ)へは 逃げないで

追えば追うほど 逃げて行く
男ごころは 影法師
とんぼ とんぼ 幸せとんぼ
私の 私の 心に止まれ
やっと掴んだ つもりでも
指をかすめて 飛んでった

いまはどこかで 新しい
恋を追うとの 風便り
とんぼ とんぼ 幸せとんぼ
女の 女の この指止まれ
恋の遊びに 疲れたら
よそ見しないで 飛んで来て


6.水暦

作詞:坂口照幸
作曲:幸斉修也

男が沈めば 女も沈む
ましてあなたは 寂しがり
いいのよ何にも 云わないで
世間に傘を さす恋の
明日の行方は 見えずとも
今を生きたい 水暦

翠にすく髪 その先までも
残る女の 匂い玉
それほどあなたに 抱かれたら
ひと夜が永久に 変わるほど
身体の固さも 破れます
どうぞその手で 受けとめて

ひと目に触れずに 椿の花は
雪にひと色 紅を増す
悔やんでいません 別離ても
情けの淵で 咲く恋を
命と変えても いいのです
明日はいらない 水暦


7.二度目の女房

作詞:さいとう大三
作曲:市川昭介

あなたが愛した その人の
かわりになんか なれないけれど
私でいいなら もう一度
幸せそっと 見つけましょう
二度目の女房と 言われても
つくしてみたい あなたなら

男はひとりで いてはだめ
いい事あるわ これからだって
私でいいなら また夢を
二人できっと かなえましょう
幸せ女房に なりました
涙をすてて ついてゆく

薄桃色した 着物きて
お酌をしたい 桜の夜に
私でいいなら 少しづつ
昔を二人 流しましょう
二度目の女房は 春の妻
あなたと歩く どこまでも


8.幸せふたりづれ

作詞:鳥井実
作曲:岡千秋

遊びでお前に 惚れたりしない
俺の命と 云うあなた
なにも云わずに このままで
抱いてて欲しいの 泣けるから
そんなあなたの やさしさだけが
女の幸せ 生甲斐なのよ

夜更けの小雨に ふと目をさまし
こんな男で いいのかと
じっと私の 目をみつめ
淋しくないかと 手を握る
そんなあなたの ぬくもりだけが
女の幸せ 生甲斐なのよ

お前が生まれた ふる里祭り
一度みたいと 云うあなた
夢を土産に ゆれながら
今すぐ夜汽車で 帰りたい
そんなあなたの やさしさだけが
女の幸せ 生甲斐なのよ


9.別れ愛

作詞:荒川利夫
作曲:三木たかし

こんなに惚れても さよならね
あなたが涙に またゆれる
別れても 別れても
夢見て逢いたい 女でいたい
失くしたくない おもいでひとつ
ああ 抱いて泣いてる 女でいたい

あなたと離れて これからの
明日をどうして 生きてゆく
だれよりも だれよりも
この胸寄せたい 女でいたい
指でさわれぬ おもかげつれて
ああ いつも恋する 女でいたい

こんなに泣くほど 好きにした
終りになんかは したくない
別れても 別れても
あなたのことしか 思っていない
ここに私が いることだけは
ああ 忘れられても 忘れはしない


10.吉備路の女

作詞:水木れいじ
作曲:叶弦大

船が着くたび 港へ走る
裾に舞い散る 月見草
信じても… 便りないまま もう三月…
ひとつ汽笛が 泣くたびに
命 命が また痩せる
…吉備路の女

岬がくれの 潮待ち茶屋で
といた黒髪 花の帯
おもいでと… 呼んでみたけど まだ三月…
酔って海鳴り 聞きながら
命 命が また燃える
…吉備路の女

夢が欲しさに 人恋しさに
今日は濃い目の 口紅をひく
辛いけど… 待ってみようか あと三月…
春はいつ来る いつ戻る
命 命が また咽ぶ
…吉備路の女


11.花びらの雨

作詞:三浦康照
作曲:叶弦大

風が泣く 山が騒ぐ
烈しい愛の 名残りのように
誰にもあなたを 渡さない
あゝ狂おしく 悩ましく
あなたの体で 咲き匂う
命のしずく 花びらの雨

乱れ髪 指で直し
鏡に映し 薄紅差すの
滝音ながれる 山の宿
あゝ蝉しぐれ 夢で聞き
あなたとひと夜を 愛に泣く
命のしずく 花びらの雨

花の雨 あなただけに
わかってほしい 女のなみだ
別れる辛さは 死ぬことよ
あゝいつまでも 離れずに
あなたの心の 奥で咲く
命のしずく 花びらの雨


12.夢灯籠

作詞:三浦康照
作曲:叶弦大

木漏(こも)れ日淡い 石段を
あなたとのぼる 秋の暮れ
ふたりの幸せ 逃げないように
社(やしろ)の前で 祈ったの
灯籠(とうろう)の灯りが あゝ風にゆれる
私の愛の 夢灯り

冷たい風に散る 落葉
風邪でもひくと いけないよ
あなたはコートを 私の肩に
やさしくかけて くれました
灯籠(とうろう)の灯りが あゝ炎(も)えて見える
女の胸の 恋灯り

ふたりで買った 御守りを
大事に今も 持ってます
あなたのいない 淋しさ抱いて
たそがれ迫る 参道に
灯籠(とうろう)の灯りが あゝなみだ誘う
叶わぬ愛の 夢灯り


13.夕月の宿

作詞:三浦康照
作曲:叶弦大

冷たく澄んだ 湖に
この身を投げて 沈めたら
愛の苦しみ この涙 消えますか
あゝあなたの愛が ただなつかしく
ひとり来ました 夕月の宿

あなたの胸に 身を寄せて
ふたりで夢に 酔いながら
愛に溺れた この命 悔いはない
あゝ湖畔の道を さまよいながら
探す面影 夕月の宿

涙で綴る この手紙
別れの辛さ 恋しさを
書いてみたけど 湖に 捨てました
あゝ還らぬ恋の 思い出だけが
残る悲しい 夕月の宿


14.山百合の駅

作詞:三浦康照
作曲:叶弦大

汽車が着くたびに 改札口で
今夜もあなたの 姿をさがす
もいちど逢って 思いきり
帰って来てねと 叫びたい 叫びたい
濡れて咲いてる 山百合の
花も淋しい 山の駅

けむる霧雨の 線路の果てに
消えゆくあなたの 別れの汽笛
もいちど逢って 恋しさを
あなたの心に 伝えたい 伝えたい
雨のホームに 山百合の
香り切ない 山の駅

あなた待ちながら 待合室の
古びた時計が 別れを刻む
もいちど逢って 思いきり
帰って来てねと 縋(すが)りたい 縋(すが)りたい
雨のしずくに 山百合の
花が炎(も)えてる 山の駅


15.東京港(みなと)

若山かずさ・四方章人

作詞:たきのえいじ
作曲:四方章人

(女)ほんとに良かった あなたに逢えて
(女)こんなに広い 都会の隅で
(男)誰より愛しい おまえの全て
(男)離しはしないさ この先ずっと
(女)心の振り子を 止めたまま
(男)男と女は 愛せない
(男女)胸がときめく 東京港

(男)湾岸道路に 灯りが点る
(男)ふたりの心 ふちどるように
(女)あなたがよければ 選んで欲しい
(女)どこでも迷わず ついて行くから
(男)今夜のおまえに ありがとう
(女)そんなに見ないで 照れるから
(男女)愛の華咲く 東京港

(女)窓辺に向かって より添いながら
(女)あなたと交わす 水割りグラス
(男)映画のようだね 今夜のふたり
(男)静かに時間が 包んでくれる
(女)心はいつでも 淋しがり
(男)抱いててあげるよ 眠るまで
(男女)夢が波打つ 東京港