サンタマリア

米津玄師 サンタマリア歌詞
1.サンタマリア

作詞:Kenshi Yonezu
作曲:Kenshi Yonezu

掌をふたつ 重ねたあいだ
一枚の硝子で隔てられていた
ここは面会室 あなたと僕は
決してひとつになりあえないそのままで
話をしている

今呪いにかけられたままふたりで
いくつも嘘をついて歩いていくのだろうか
しとやかに重たい沈黙と優しさが
見開いた目と その目を繋いでいた
あなたは少し笑った

サンタマリア 何も言わないさ
惑うだけの言葉で満たすくらいならば
様々な幸せを砕いて 祈り疲れ
漸くあなたに 会えたのだから
一緒にいこう あの光の方へ
手をつなごう 意味なんか無くたって

いつか紺碧の 仙人掌が咲いて
一枚の硝子は崩れるだろうさ
信じようじゃないか どんな明日でも
重ねた手と手が触れ合うその日を
呪いが解けるのを

今この間にあなたがいなくなったら
悲しさや恐ろしさも消えてしまうのだろうか
昏い午後の道端で探しまわった
呪いを解かす その小さなナイフを
汚れることのない歌を

サンタマリア 全て正しいさ
どんな日々も過去も未来も間違いさえも
その目には金色の朝日が 映り揺れる
点滴のように 涙を落とす
その瞳が いつだってあなたなら
落ち込んだ 泥濘の中だって

ここは面会室 仙人掌は未だ咲かない 硝子は崩れない
そんな中で一本の蝋燭が 確かに灯り続ける
あなたを見つめ あなたに見つめられ
信じることを やめられないように

サンタマリア 何も言わないさ
惑うだけの言葉で満たすくらいならば
様々な幸せを砕いて 祈り疲れ
漸くあなたに 会えたのだから
一緒にいこう あの光の方へ
手をつなごう 意味なんか無くたって

サンタマリア 闇を背負いながら
一緒にいこう あの光の方へ


2.百鬼夜行

作詞:Kenshi Yonezu
作曲:Kenshi Yonezu

ちゃんちゃらおかしな出で立ちで
また酒呑み呷れど日は暮れず
つまらん顔して街を行く
ほらあれこれ言うては酔い散らす
いや どだいもどだいに面倒で
おかしな飲ん兵衛だ

オンボロ錦の更紗模様
その洒落たお顔には金魚の絵
腰やら股やら働かせ
またお手軽欲望貪れば
今どこへも聞こえる声出した
「私さみしいの」

呼ばれて飛び出てこの世に参上
皆様よろしくどうぞ
楽しくなったり哀しくなったり
忙しのない日ばかりだ
帳を上げろや昼行灯ほら
ここらでおひとつどうだ
我らは現代の妖怪だ!

頓珍漢なことばかり
まだ信じている
狸の背中に火を灯せば ほう
あんあん ぱっぱらぱの行進
やってやれほら
バケツ叩いては声上げろや ほう
明るい夜の到来だ ようそろ

みなみな欲望詰め込んだ
そのペラペラ少女とニヤケ猿
お願い全てを投げ付けて
また一人で快楽部屋の隅
ほら頭と目ばっか肥えて行き
青白い顔

雨降る夜には傘になり
その体で誰かと雨宿り
お歌を歌えば人を騙し
また誰彼構わず慰める
ほら盲信者増やして傘下に置いて
孤独で遊説を

生まれて初めてこの世に登場
続きは表でどうぞ
嬉しくなったり怒り狂ったり
忙しのない日ばかりだ
その手を下ろせや用心棒ほら
ここらでおひとつどうだ
我らは現代の妖怪だ!

どんでんひっくり返し行こうや
スチャラカほいさ
狐の頭に水被せば ほう
あんあん ぱっぱらぱの行進
やってやれほら
薬缶鳴らしては声合わせや ほう
明るい夜の到来だ ようそろ

こんな具合になったのは
誰のお陰だろうか
こんな具合になったのは
ああいまさらどうでもええわ

こんな具合になったのは
誰のお陰だろうか
こんな具合になったのは
ああいまさらどうでもええわ

頓珍漢なことばかり まだ信じている
狸の背中に火を灯せば ほう
あんあん ぱっぱらぱの行進
やってやれほら
バケツ叩いては声上げろや ほう
明るい夜の到来だ ようそろ

ちゃんちゃらおかしな世の中だ
その平和と愛とをうたえども
心にあるのはそれではない
また僕らに自由はそれほどない
ほら 得意の炎で焼いてくれ
あなたの言う愛で


3.笛吹けども踊らず

作詞:Kenshi Yonezu
作曲:Kenshi Yonezu

でもなんでこうなったんだ ここで今何してんだ
ギラギラの目の人たちにあらぬ疑いをかけられて
沢山の流言飛語が 息巻いて飛び交う部屋に
着の身着のまま放り込まれた俺は一体何をした?

何らかの勘違いで 俺は今冤罪を背負って
身に覚えなどない言葉で埒のあかない押し問答
切り取った密室に浮かぶ 煩雑と食傷の空気
巡り巡れど罪もなし

もういいかい、もういいかい
すっからかんになったしさあ さあ
そんなもんはやっちゃないさ 放っておいてや
充分さ、充分だ
悪いのは誰だろうなあ なあ
立ち込んだ青い吐息 白々しい
目を向けられている

でもなんでこうなったんだ ここで今何してんだ
ヘトヘトの目の人たちは昨日の夜のことばかり問う
俺は酒を呑んだんだ 夜の淵踊ったんだ
そしたら靴が脱げ落ちて 夜の魚に食べられた

その後は…その後は
それは確かに覚えてない!

もういいかい、もういいかい
すっからかんになったしさあ さあ
そんなもんはやっちゃないさ 放っておいてや
充分さ、充分だ
悪いのは誰だろうなあ なあ
立ち込んだ青い吐息 白々しい
目を向けられている

もういいや、もういいや、
そろそろ終わりにしよう なあ
皆呼んで踊ろうや 手を叩いてさ
ハレルヤ、ハレルヤ
誰も悪くないだろうなあ なあ
円満で終わろうや 手を繋いでさ

笛吹けども踊らず