1.螢川
作詞:水木れいじ
作曲:叶弦大
燃えたらダメよと さとすその裏で
この身焦(こ)がして あんたに惚れた
じれて愚図(ぐず)れば それっきり
そんなはかない 仲だけど……
雪見橋から 立山(たてやま)越えて
ホーホー螢 飛んでゆけ
私も飛びたい 螢川
女の身体(からだ)に 積もる根雪(ねゆき)さえ
熱い涙で とかしてくれた
ところ変れば 川の名も
人のさだめも 変るのね……
月に葉桜 舞う城下町
ホーホー螢 飛んでこい
逢いたい今夜は 螢川
たとえ一緒に なれずとも
そばにおいてね 心だけ……
ひとり待ちます 常願寺川(じょうがんじ)にて
ホーホー螢 飛んでこい
命火ともして 螢川
2.雪の海峡 津軽
作詞:月光寺照行
作曲:叶弦大
波のしぶき冷たい 風も震える
沖じゃ かもめ 知らんぷり
あんた命の 恋を追いかけ
凍え死にそう わたし
見えますか 頬をつたう涙が
ぽつりぽつり雪の中に 落ちてゆきます
津軽 津軽 春はそこだというのに
越えてゆきたい 越えてゆけない
雪の海峡… 津軽
汽笛残しあの船 何処へゆくのよ
ここは北の 竜飛崎
あんたお願い 花の咲くころ
わたし迎えにきてよ
海鳴りを 聴けば募るいとしさ
冬の海にしがみついて 春を待ちます
津軽 津軽 ひとりぼっちが寒いよ
波が揺するの 風が揺するの
雪の海峡… 津軽
津軽 津軽 あんた一途の女の
熱い思いを 風よ伝えて
雪の海峡… 津軽
3.岬のおんな
作詞:星野哲郎
作曲:叶弦大
泣きたきゃ泣きなと つき放すように
潮鳴りが咽ぶの 白砂の渚を
古ぼけた宿の 番傘ひろげ
やどかりのように さまよえば
青いみれんが 素足にからみ
思い切る瀬が 越せないの
岬のおんな
すてられる前にと さよならをしたの
冷めかけた心の 温もりを抱きしめ
秋風が走る 貝殻径(みち)を
鈴虫のように 泣きながら
過去へ過去へと 歩いています
あなたなしには 生きられぬ
岬のおんな
ぼろぼろになった 思いで抱いて
石ころのように しゃがんだら
意地も崩れて 潮路に濡れる
そうよ私は 別れても
あなたのものよ
岬のおんな
4.美子のソーラン節
作詞:水木れいじ
作曲:叶弦大
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン
鰊(にしん)来たかとカモメに問えば
私しゃ立つ鳥波に聞け チョイ
ヤサエー エンヤーサーノ ドッコイショ
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン
沖でカモメの鳴く声聞けば
船乗り家業はやめられぬ チョイ
ヤサエー エンヤーサーノ ドッコイショ
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン
今宵一夜は緞子(どんす)の枕
明日は出船の波枕 チョイ
ヤサエー エンヤーサーノ ドッコイショ
今夜は寒い、寒いよね 風が強い、強いよね
吹雪になりそう、なりそうね あんた大丈夫?
今、どうしてる? どうしてる?
深酒しない、しないでよ 無茶はしない、しないでよ
喧嘩しない、しないでよ
今、どこ?
あんた一人の身体じゃないよ、ないんだよ!
無事でいて 無事でいて 無事でいて 無事でいて
無事 無事 無事 無事…?
無事なの?
早く 早く 早く 早く帰って来て
早く 早く 早く 早く〜ッ!
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン
男度胸なら五尺の身体
ドンと乗り出せ波の上 チョイ
ヤサエー エンヤーサーノ ドッコイショ
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン
浜の女は お白粉(しろい)いらぬ
銀の鱗(うろこ)で 肌光る チョイ
ヤサエー エンヤーサーノ ドッコイショ
ヤーレン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン ソーラン
ヤン衆可愛いやソーラン節で
ちょいと呑ませりゃまた稼ぐ チョイ
ヤサエー エンヤーサーノ ドッコイショ
5.みちのく祭り唄
6.むらさき川
作詞:かず翼
作曲:叶弦大
たたく太鼓が 聞こえれば
帯でおさえた 未練がひとつ
胸で目覚める あばれ出す
小倉おんなの 夏が逝く
むらさき川に 捨てたはず
あなたも恋も 思い出も 倖せも
たとえ私を 忘れても
遠い故郷を 偲びはせぬか
撥(ばち)の響きが 届かぬか
夢もおぼろな 紺屋町
むらさき川に ゆらゆらと
浮かんで消える 歳月(としつき)は まぼろしか
小倉おんなの 片なみだ
むらさき川の その先は
あなたへ続く はずもない 波ばかり
7.都城風ごよみ
8.美子の八木節
作詞:かず翼
作曲:叶弦大
ハアー チョイト出ました 三角野郎が
四角四面の 櫓の上で
音頭取るとは 恐れながら
文句違いや 調子のくるい
さらりさらりと お許しなされ
許しなされば 文句にかかるが
オーイサネ
恋の行方を お尋ねなれど
女だてらに 命を賭けて
苦労承知で 選んだ道に
花が咲くまで 唄ひとすじに
ハアー さても一座の 皆様方ヘ
チョイトひと節 お聞かせまする
恋の唄なら 数々あれど
お気に召すやら この節回し
師匠ゆずりに 磨きをかけて
女心の この艶歌(うた)をお届け
オーイサネ
女街道 こぶしを利かせ
意地で支えて 度胸で進む
七つ泣いても 八つでやる気
唄は九つ 心で歌う
9.雪の十日町
作詞:水木れいじ
作曲:叶弦大
泣き虫で… 弱虫な… こんな私でも
なぜか愛(いと)しい女だと 言ってくれた人
もいちどこの肩 やさしく抱いて
吹雪舞う夜(よ)は 心も寒い……
越後ちぢみを 織る手に涙
早くあんたと暮らしたい 雪の十日町
無口でも… 優しくて… 嘘のないあんた
さだめ預けてゆける人 やっと逢えたのね
深山(みやま)の紅葉(もみじ)も 色づく街で
愛を誓った 観音祭り……
思い出させる 八海(はっかい)おろし
逢えぬつらさに酔うお酒 雪の十日町
夜汽車の汽笛(ふえ)の音(ね) 近づくたびに
燃える命火 なおさらつらい……
雪が深けりゃ 情(なさけ)も深い
待って待ちわび冬を越す 雪の十日町
10.室津のあなた
作詞:池田充男
作曲:叶弦大
瀬戸の入り江を 陽が染める頃
あなたは小舟で 港へ帰るのね
風よ運んでよ 片恋千里
はやく はやく…
はやく行きたい あなたの側に
海峡ひと飛び わたし逢いにゆく
室津のあなた
絵巻見るよに 御輿がゆれる
小五月祭りが この目に映ります
なみだお地蔵に 願いをかけりゃ
きっと きっと…
きっと叶うと 教えてくれた
男のやさしさ 胸にしみるひと
室津のあなた
秋がくるまえに 幸福(しあわせ)ほしい
ひとり ひとり…
ひとりぼっちじゃ 生きられないわ
雪国おんなの いのち抱きしめて
室津のあなた
11.越前かもめ
作詞:はち惣平・水木れいじ
作曲:叶弦大
カモメが カモメが カモメが飛んだ
雄島橋(おしまばし)から カモメが飛んだ
日本海 吠えるのか
私を 叱るのか
愛されすぎたから いつの日か
愛するしあわせを 忘れてた
誰かに 心がわりした理由(わけ)を
別れて 知りました…
春まだ遠い 東尋坊に
あなたを捨てに来た
木枯らし 木枯らし 木枯らし吹いた
地図もちぎれて しぶきに飛んだ
咽(むせ)ぶよな 磯笛に
風花 舞い上がる
どこまで歩いたら 消せるでしょう
あなたの優しさを 面影を
つぐなうことが もしもできるなら
あの日が 帰るなら
心さむざむ ひとり岬に
たたずむ私です
私は 私は 私は泣いた
今もあなたを 好きだと泣いた
越前の 雪の中
想い出 捨てに来た
あなたを 捨てに来た
12.港は雨あがり
作詞:月光寺照行
作曲:斎藤重男
夢のようです あなたの腕に
肩を抱かれる ふたり傘
みなと坂道 路地裏あかり
飲んでゆきましょ 縄のれん
ほほに紅さす おちょこの酒に
今夜は酔いたい おんなの雨やどり
船の汽笛が 小窓をゆする
みなと酒場に 咲いた恋
逢えてよかった この人ならば
命あずけて 悔いはない
あなただけです こころを濡らす
涙をぬぐって 幸せくれるひと
北の桟橋 あなたの船を
待ってこがれた 恋ひとつ
どんな苦労も ふたりで耐えて
生きてゆこうと 手を握る
外はつめたい 小雨もやんで
春風やさしい 港は雨あがり
13.夜ごと酒
14.美子の串本節
15.江釣子のおんな
作詞:池田充男
作曲:叶弦大
雨がね 雪がね 肩にふりかかる
わたしは よわくて だめになりそうよ
ひとり今夜も 北上駅で
遅い列車を 待ちました
泣かせないでよ 去りゆく汽笛
あんた あんた あんた恋しい
江釣子のおんな
君はね 初でね いまのままがいい
うすめの化粧を ほめてくれた男
なんで替えましょ この口紅を
替えりゃあんたに 嫌われる
それがあの日の 約束だから
わたし わたし わたしみちのく
江釣子のおんな
チャグチャグ馬コの あの鈴の音が
夢に騒いで 眠れない
一と夜 一と夜が 千夜の想い
あんた あんた あんた待ってる
江釣子のおんな
16.お蝶次郎長恋姿
竹川美子・岡千秋
作詞:たかたかし
作曲:岡千秋
(男)清水次郎長 女房がえらい
(女)風に噂の 東海道
(女)花は橘 茶の香り 茶の香り
(男)ほれて寄り添う おしどり旅は
(二人)お蝶次郎長 恋姿 恋姿
「お蝶、今夜は冷えるなあ」「一本つけますか?」
「おう、上等だ。つまみは塩辛がいいな」
「あれは石さんが食べちゃったよ」
「しょうがねえなあ、じゃあ数の子があったろう」
「それも石さんが食べちゃった」
「わさび漬けはどうした?」
「それもねぇ…」
「あの石の野郎。もう勘弁ならねえ!」
(男)男磨いて 仁義を生きる
(女)浮世渡世の 三度笠
(女)そんなあんたに 夢を賭け 夢を賭け
(男)裏の苦労を 笑顔で裁く
(二人)お蝶次郎長 恋姿 恋姿
「あんたっ、石さんがやられたよ」「何ぃ。ふぐにあたったか」
「何いってんのよ。斬られちゃったんだよ」
「そりゃてぇへんだ。オイ、出掛けるぞ、支度しろい」
「ちょちょちょっと待ってよ。あわてちゃだめよ」
「これがあわてずにいられるか、野郎ども、ついてこい」
(男)富士を背負った 日本一の
(女)あんたわたしが 惚れぬいた
(女)夢に生きてる 男です 男です
(男)かわす目と目に 心が通う
(二人)お蝶次郎長 恋姿 恋姿
|