1.ゲイシャ・ワルツ
作詞:西条八十
作曲:古賀政男
あなたのリードで 島田もゆれる
チークダンスの なやましさ
みだれる裾も はずかしうれし
ゲイシャ・ワルツは 思い出ワルツ
空には三日月 お座敷帰り
恋に重たい 舞扇
逢わなきゃよかった 今夜のあなた
これが苦労の はじめでしょうか
あなたのお顔を 見たうれしさに
呑んだら酔ったわ 踊ったわ
今夜はせめて 介抱してね
どうせ一緒にゃ くらせぬ身体
気強くあきらめ 帰した夜は
更けて涙の 通り雨
遠く泣いてる 新内流し
恋の辛さが 身にしみるのよ
2.見ないで頂戴お月様
作詞:野村俊夫
作曲:古賀政男
あなた来るかと 待ちわびる
露地の灯りの やるせなさ
胸にしみこむ 爪弾きは
よわい女の 泣く涙
見ないで頂戴 お月さま
あの場かぎりの 嘘かしら
春が言わせた 嘘かしら
君のまぼろし 抱きしめて
逢うているよな ひとり言
見ないで頂戴 お月さま
願い届いて 夜が更けて
たった二人に なれたなら
淡い灯影で しみじみと
すねて甘えて うれし泣き
見ないで頂戴 お月さま
3.湯の町椿
作詞:西條八十
作曲:古賀政男
ハアー 見れば目につく
サノヨイトサノ 湯の町椿よ
赤いあの花 誰が折る
チョイトコラ ナンダネ
ハアー 誰が折ろうと
サノヨイトサノ うらみはしないよ
どうせ一度は 散る椿
チョイトコラ ナンダネ
ハアー 泣いて送れば
サノヨイトサノ 湯の町月夜よ
川の河鹿も もらい泣き
チョイトコラ ナンダネ
4.モチのロン
神楽坂はん子・古賀政男
作詞:上山雅輔・補作詞:古賀政男
作曲:古賀政男
指切りげんまん また明日
待っていますわ 嬉しいわ
ウソじゃないわね モチのロン
ホントはウソでしょ モチのロン
影がもつれる 四畳半 四畳半
女房子供も 振りすてて
君とふたりで 暮したい
ウソじゃないかね モチのロン
ホントはウソだろう モチのロン
たよりないのに だまされる だまされる
なまずがひょうたん くぐるように
ぬらりくらりと 程のよさ
ウソじゃないわね モチのロン
ホントはウソでしょ モチのロン
じらしじらされ 深くなる 深くなる
今のは冗談 泣かないで
別れ話も 酒の上
ウソじゃないかね モチのロン
ホントはウソでしょ モチのロン
だましだまされ 夜が更ける 夜が更ける
5.博多ワルツ
作詞:西條八十
作曲:古賀政男
一夜の博多で 見染めたあなた
淡い恋とは 知りながら
別れのつらさに 筑前絞り
しめた帯さえ すすり泣く
あなたは今頃 海峡をこえる
呼んで帰らぬ 旅の人
女の嘆きは 面影抱いて
千代の松原 待つばかり
七いろネオンの 中州の街も
ひとり歩けば 君恋し
仲よく並んだ 相合傘の
博多人形に また涙
逢う間は短し 待つ身は長し
なにをくよくよ 柳町
爪弾き淋しい 博多のワルツ
弾けば港が 雨となる
6.伊豆の七島
作詞:西條八十
作曲:古賀政男
伊豆の七島 春雨濡らす
けさの出船の 帆を濡らす
泣いてね 泣いて見送る 御神火の
煙りほのぼの 旅の船
ハ どうしょか 椿の花が散る
粋な旅衆に なぞかけられて
娘心の とつおいつ
忍ぶね 忍ぶ月夜の 相模灘
波のうわさが 恥ずかしい
ハ どうしょか 椿の花が散る
下田通いか 八丈行きか
更けて汽笛が 身にしみる
五十ね 五十三里は風便り
ハ どうしょか 椿の花が散る
7.こんなベッピン見たことない
作詞:関根利根雄・石本美由起
作曲:古賀政男
(こんなベッピン 見たことない)
とかなんとか おっしゃって
(イヤマッタク)
あなたのお口の うまいこと (エー)
その手は桑名の はまぐりよ
(アラソウ)
だけどなんだか そわそわするの
(トコドッコイサ)
アラ どうしましょ どうしましょ
ホーニ ホニホニホニ 浮いてきた
(ソラネ)
(ホーニ ホニホニホニ 浮いてきた)
(こんなベッピン 見たことない)
とかなんとか おっしゃって
(イヤマッタク)
浮気な恋など 真平よ (エー)
私はこれでも 純情よ
(アラソウ)
咲いた花なら 散らない内に
(トコドッコイサ)
アラ どうしましょ どうしましょ
ホーニ ホニホニホニ 浮いてきた
(ソラネ)
(ホーニ ホニホニホニ 浮いてきた)
(こんなベッピン 見たことない)
とかなんとか おっしゃって
(イヤマッタク)
私にお酒を 呑ますのね (エー)
無理やりつぐのは ずるいわよ
(アラソウ)
酒に酔わせて どうする気なの
(トコドッコイサ)
アラ どうしましょ どうしましょ
ホーニ ホニホニホニ 浮いてきた
(ソラネ)
(ホーニ ホニホニホニ 浮いてきた)
(こんなベッピン 見たことない)
とかなんとか おっしゃって
(イヤマッタク)
お世辞でないなら うれしいわ (エー)
本当のこころが 欲しいのよ
(アラソウ)
恋は女の 命じゃないの
(トコドッコイサ)
アラ どうしましょ どうしましょ
ホーニ ホニホニホニ 浮いてきた
(ソラネ)
(ホーニ ホニホニホニ 浮いてきた)
8.こんな私じゃなかったに
作詞:西條八十
作曲:古賀政男
ひろい世界に ただひとり
なぜにあなたが こう可愛い
君の寝顔に 頬あてて
女ごころの 忍び泣き
こんな私じゃ なかったに
ひとり寝る夜の 夢でさえ
君と逢う日の ことばかり
熱い両手で 抱きしめる
紅の小夜着が 恥ずかしい
こんな私じゃなかったに
やっと別れて 小半丁
ゆけばあふれる この涙
逢瀬かぞえる 指さきも
ぬれてやつれて 春が逝く
こんな私じゃなかったに
君をちらりと 見た夜から
胸はもやもや 気はそぞろ
門の柳の 葉ずれさえ
あなた呼ぶよな 忍ぶよな
こんな私じゃなかったに
9.芸者ブルース
作詞:西條八十
作曲:古賀政男
踊りましょうよ 抱かれて抱けば
ひろいこの世も 二人だけ
じっと握った 手と手のサイン
知っているのも アー 二人だけ
泣いていたのか わたしとともに
壁のやつれた 影法師
活けた牡丹の 花びら散って
君に逢えない アー 日がつづく
恋のブルース あなたと踊る
夢もたのしい 春の宵
浮名立て立て 立て立て浮名
締めたこの手が アー 離さりょか
10.雨の田原坂
作詞:野村俊夫
作曲:古賀政男
雨は降る降る 人馬は濡れる
憎い矢弾に 血がしぶく
友は傷付き 捨てては置けず
越すに越されぬ 田原坂
孤軍奮闘破囲還
一百里程塁壁間
吾剣己摧吾馬斃
秋風埋骨故郷山
薩摩隼人は 死すとも退かぬ
右手に血刀 みだれがみ
花の顔 口一文字
散るも覚悟の 美少年
勝てば官軍 負ければ賊よ
雨は血の雨 涙あめ
残る砦も 城山一つ
男泣きする 田原坂
11.みんな私が悪いのよ
作詞:野村俊夫
作曲:古賀政男
お顔みるのも 今日かぎり
お声きくのも 今夜きり
好いていながら 西東
罪な浮世が やるせない
許して ねェ みんな私が悪いのよ
柳がくれの 三日月も
見れば泣き顔 涙顔
義理と言う字の 苦しさに
負けた弱さを 責めないで
許して ねェ みんな私が悪いのよ
嫌で別れる わたしなら
何んで詫びましょ すがりましょ
憎い運命の いたずらを
じっとこらえる 不仕合せ
許して ねェ みんな私が悪いのよ
晴れてあなたと 呼べる日を
夢に見たのも 幾十度
それを忘れて あきらめて
生きる明日が 悲しいわ
許して ねェ みんな私が悪いのよ
12.浪花情歌
作詞:西條八十
作曲:古賀政男
泣いた涙も うれしい夢も
みんな知ってる 川波瀬波
赤いネオンの 道頓堀も
あんたはん居なけりゃ 真の闇
ホンマダッセ ソウダッセ 寄ッテンカ
女ひとりを 三すじの糸に
頼る春秋 今年も暮れる
雁が啼く啼く 大阪城を
眺めてくらすも あんたゆえ
ホンマダッセ ソウダッセ 寄ッテンカ
燃えるおもいを うち明けきれず
今日も別れる はかない握手
水の大阪 八百八橋
恋路の掛橋 なぜに無い
ホンマダッセ ソウダッセ 寄ッテンカ
13.だから今夜は酔わせてネ
作詞:西條八十
作曲:古賀政男
逢ったばかりで しみじみと
なぜか情が 身に沁みる
兄さんのよな 気がするの
あなたがやさしい からなのよ
そうよ だから今夜は酔わせてネ
想い出したか ないけれど
想い出させる お酒なの
純な昔に 泣けてくる
あなたがつぐから わるいのよ
そうよ だから今夜は酔わせてネ
逢うと逢わぬは ときの縁
今日は仲よく 飲んでても
明日は逢えるか 逢えぬやら
あなたは浮気な 旅の鳥
そうよ だから今夜は酔わせてネ
14.影を慕いて
作詞:古賀政男
作曲:古賀政男
まぼろしの
影を慕いて 雨に日に
月にやるせぬ わが想い
つつめば燃ゆる 胸の火に
身は焦れつつ しのびなく
わびしさよ
せめて痛みの なぐさめに
ギターをとりて 爪弾けば
どこまで時雨 ゆく秋ぞ
振音(トレモロ)寂し 身は悲し
君故に
永き人世を 霜枯れて
永遠に春見ぬ わが運命(さだめ)
永ろうべきか 空蝉(うつせみ)の
儚き影よ わが恋よ
|