全曲集~花あかり~

牧村三枝子 全曲集~花あかり~歌詞
1.花あかり(デュエット:渡哲也)

作詞:浜圭介
作曲:前田俊明

待たせるだけで あの日から
いくつの季節が 流れたろ
夜が寒いと 花冷えの
肩が甘える めぐり逢い

思えば長い 冬の日も
色づきそだてた 夢ひとつ
逢いたかったと すがりつく
しだれ桜の 花あかり

あふれる愛を そそぐよに
空ければグラスに 充たす酒
酔って怨みを こめた目が
胸にせつない 花の宿

吐息もからむ 襟あしに
花びらふたつの こぼれ紅
恋いに生きたい
死にたいと
むせぶおぼろ夜 雨になる
むせぶおぼろ夜 雨になる


2.友禅流し

作詞:水木かおる
作曲:乙田修三

雪はまだ 河原に白く
指を切る 水のつめたさ
加賀の金沢 浅野・犀の流れ
明日をさがして さまよう恋に
いのち華やぐ 夢染めて
春を呼ぶ 春を呼ぶ 友禅流し

露草で 描いた恋の
行くすえは 水に流れる
慕う女の こころのように
ゆれて揉まれる 絵模様の
かなしくも 美しい 友禅流し

城下町 肩先さむく
ひとり行く 水のたそがれ
かすむ白山 夕山ざくら
夢も望みも ぼかした恋に
せめて小さな 幸福の
春を呼ぶ 春を呼ぶ 友禅流し


3.室生寺

作詞:水木かおる
作曲:三木たかし

どうしていいのかわからぬままに
すがりに来ましたみ仏に
教えてください室生さま
女のかなしみ曳きずって
朱塗りの橋を渡ります

愛してしまえば燃えつくさずに
おかない火の蝶恋の蝶
いとしさ憎さの繚乱舞い
夏にはみ寺のシャクナゲも
一期は夢と咲いてます

妻子を捨てさせ愛する人も
なくして五重の塔の下
救けてくだせさい室生さま
深山のしぐれは罪ぶかい
女の頬を叩きます


4.冬仕度

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

あゝ肩を抱く 腕のちからで
冷えてゆく 心がわかる
近づく別れの足音に 背中が寒い
逃げないわ 逃げないわ
陽ざしは春でも これから私
季節はずれの こころは 冬支度

あゝ悲しみに なれていくよに
捨てるなら 時間をかけて
ひとひら ふたひら 紅バラも 花びら散らす
追わないわ 追わないわ
別れのつらさに 負けないように
季節はずれの こころは 冬支度

あゝ汽車の窓 よせた笑顔も
沈む陽に 半分かげる
残りの少ない恋の日の 想い出づくり
泣かないわ 泣かないわ
ひとりで生きてく 明日のために
季節はずれの こころは 冬支度


5.くちなしの花


6.夫婦きどり

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

抱けばそのまま 腕の中
とけて消えそな あゝおまえ
夫婦みたいに 暮らしたい
せめて三日でもねえという
おまえに うそはつけない

爪をかむくせ その癖も
いつか忘れた あゝおまえ
買った揃いの お茶わんに
夢がさめなけりゃねえという
おまえの 顔がまぶしい

肩で甘えて ついてくる
白いうなじの あゝおまえ
襟をあわせて 寂しそに
雨になるかしらねえという
おまえの 声が泣いていた


7.若狭の宿

作詞:阿久悠
作曲:猪俣公章

風の音にも やせて行きます
お酒並べて 泣いてます
ただひとり あのひとの通夜をする
おもいで残る おもいで残る
若狭の宿よ

若狭蘇洞門の波が泣きます
季節はずれのあらしです
まぼろしの あのひとと話して
しみじみ想う しみじみ想う
若狭の宿よ

窓にうつして 髪を切ります
違う女に 変わります
何もかも あの人に捧げてた
恋をふりきる 恋をふりきる
若狭の宿よ


8.少女は大人になりました

作詞:千家和也
作曲:竹村次郎

ひとりぼっちが淋しくて
道を聞かれた見知らぬ人と
駅を目指して歩きつつ
小さな店で雨やどり
二人はコーラを飲みました

(セリフ)私 名前はミーコです 二年前北海道からでて来ました

何から話せばいいかしら
身の上話は年より長い
訳も名前も嘘ついて
泪で薄く化粧して
少女は大人になりました

(セリフ)ゴメンナサイ 誰でもよかったの やさしい言葉をかけたほしかったの

いつも幸せ夢に見て
いつも悲しく取り残されて
細いこよりをこしらえて
左の指に結びつけ
少女は大人になりました


9.赤提灯の女

作詞:矢吹光
作曲:真木陽

さいはての 赤提灯に 身を寄せる
明けくれの わびしい暮らしに 負けそうな
気がつきゃここまで 落ちていた

裏窓に むせび泣くよな 汽車の汽笛
母さんが 私の心を 呼び返す
涙になるから 呼ばないで

酒の味 吐いて覚えた きのう今日
お客さん 男の話は 聞かないで
何処にもあるよな 話です


10.花あかり~ワルツ

作詞:浜圭介
作曲:前田俊明

待たせるだけで あの日から
いくつの季節が 流れたろ
夜が寒いと 花冷えの
肩が甘える めぐり逢い

思えば長い 冬の日も
色づきそだてた 夢ひとつ
逢いたかったと すがりつく
しだれ桜の 花あかり

あふれる愛を そそぐよに
空ければグラスに 充たす酒
酔って怨みを こめた目が
胸にせつない 花の宿

吐息もからむ 襟あしに
花びらふたつの こぼれ紅
恋いに生きたい
死にたいと
むせぶおぼろ夜 雨になる
むせぶおぼろ夜 雨になる


11.夾竹桃

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

風邪にたおれた おまえの寝顔
夢で泣いたか ひとすじ涙
外で男は 勝手なくらし
ふり向くことも なかったか
馬鹿な男に 夾竹桃の
花がしみるよ

ほんの初めは 雨やどりでも
いつかつれそう 路地裏住い
俺がもすこし 器用に生きりゃ
苦労もせずに すんだろが
馬鹿な男に 夾竹桃の
花がしみるよ

熱があるのに また起きあがる
俺のためにと 夕げの支度
無理をするなと しかって抱いた
背中のうすさ 細い肩
馬鹿な男に 夾竹桃の
花がしみるよ


12.北のかもめ

作詞:杉紀彦
作曲:徳久広司

海は荒れてもョ…
かもめは飛べるよ
私ゃとべない身の上だから
涙ながして海をみる
あゝ…いつになったら
春が来る
寒い北風 便りをはこべ
北のかもめよ 便りをはこべ

にしん来たからョ…
男がさわぐよ
どこに建つやら 金ぴか御殿
女泣かせの 馬鹿さわぎ
あゝ…いつになったら
眠られる
沖の漁火 涙をはこべ
北のかもめよ 涙をはこべ

生きているけどョ…
あたいは死んだよ
死んで稼いだ 銭コを抱いて
お父 お母は生きとくれ
あゝ…いつになったら
夜があける
津軽海峡 心をはこべ
北のかもめよ 心をはこべ


13.あなたの妻と呼ばれたい

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

お酒のしずくで つづけて書いた
おなたの苗字と わたしの名前
愛しても 愛しても 愛したりない
女ごころは うるさいですか
今は夢でも いつかあなたの
妻と 妻と 呼ばれてみたい

あなたがうしろを ふりむくときを
今日まで待ったわ 爪かみながら
これからも これからも 邪魔をしないで
ついてゆきます 嫌わないでね
愛はひとすじ いつかあなたの
妻と 妻と 呼ばれてみたい

指輪もお金も ほしくはないが
かなえてあげたい あなたの夢は
つくすだけ つくすだけ どうぞわたしの
今の生き甲斐 うばわないでね
何もいらない いつかあなたの
妻と 妻と 呼ばれてみたい


14.水割り


15.樹氷の宿

作詞:水木かおる
作曲:相原旭

明日の別れを 知りながら
命のかぎり 燃える女
ほのかに香る 湯あがりの
肌の白さに 匂う月
ああ みちのく 樹氷の宿

酒のぬくみも 凍てついた
さだめの雪は とかせない
ほろりと酔えば 死にたいと
弱い女に また返り
ああ 君泣く 樹氷の宿

無理に微笑って 朝の日に
そむけた顔の いじらしさ
女のそんな まごころに
何も酬いて やれぬ身が
ああ せつない 樹氷の宿


16.みちづれ

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

水にただよう 浮草に
おなじさだめと 指をさす
言葉少なに 目をうるませて
俺をみつめて うなづくおまえ
きめた きめた おまえとみちづれに

花の咲かない 浮草に
いつか 実のなる ときをまつ
寒い夜更けは お酒を買って
たまのおごりと はしゃぐ姿に
きめた きめた おまえとみちづれに

根なし明日なし 浮草に
月のしずくの やどるころ
夢の中でも この手をもとめ
さぐりあてれば 小さな寝息
きめた きめた おまえとみちづれに