堕落論

海援隊 堕落論歌詞
1.ダラクロン

作詞:武田鉄矢
作曲:中牟田俊男

ありもしないやさしさなんか お前は歌うな
あくびみたいな むなしさなんか お前は叫ぶな
たった一つの言葉でいい 心をさしとおす
そんな言葉が見つかるまで 迷い続けろ

心と一緒におちてゆこう
苦しみの中へ
心と一緒におちてゆこう
悲しみの中へ

叫ぶ人の言葉はいつも うそでふくれている
祈る人の言葉はいつも 自分をのろうだけ
やすらぎを求める人に やすらぎの時はなく
やっと手にした自由は そうさ さびしいだけのこと

心と一緒におちてゆこう
苦しみの中へ
心と一緒におちてゆこう
悲しみの中へ

生きることは 汚れることだ おちてゆくことだ
夢を語るな もの欲しそうな顔をしながら
金のためだと 笑ってやれよ 生きてゆくことは
命がけの マゴコロだけが 信じれるものなのさ

心と一緒におちてゆこう
苦しみの中へ
心と一緒におちてゆこう
悲しみの中へ

心と一緒におちてゆこう
苦しみの中へ
心と一緒におちてゆこう
悲しみの中へ


2.新宿シンデレラ

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

ひとりぼっちで 夜汽車にゆられ
北の町から逃げてきたすり切れジーンのシンデレラ
海鳴りばかりの故郷だった
愛想つかして逃げてきた赤いヒールのシンデレラ
夜更けのショーウィンドー
みつめたままで動けない ガラスのくつは
そこにある

そうさ 今頃気づいたか
欲しいものは いつだって冷たいガラスの
向こう側
夢みたものは いつだって冷たいガラスの
向こう側

客待ちタクシーのライトに追われ
ビルの谷間を逃げて行くすり切れジーンのシンデレラ
シンデレラ
酔った男に声をかけられ
何も言えずに泣いている赤いヒールのシンデレラ
夢にまでみた これが東京か
ほゝえみかける王子さま ショーウィンドーの
マネキンさ

そうさ 今頃気づいたか
欲しいものは いつだって冷たいガラスの
向こう側
夢みたものは いつだって冷たいガラスの
向こう側

そうさ 今頃気づいたか
欲しいものは いつだって冷たいガラスの
向こう側
夢みたものは いつだって冷たいガラスの
向こう側


3.いち・に・さん・し BAKA!

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

あいつが見ている 俺のことを
イヤーな目付きで
鼻から抜ける キザーな声で
“ネエーきみ”と呼ぶ
ニッコリ笑って 元気な声で
“ハイッ”と振りかえれ
あいつは俺の上役なんだ メシの種なんだ
バカになりきれ 心を捨てて
バカになりきれ 我が家はローンだ
男を捨てて バカになりきれ
いち に さん し いち に さん し
いち に さん し BAKA!

あいつが惚れてる 飲み屋のあの娘に
しつこい態度で
脂ぎった 顔付きゆがめて“君可愛いね”
気分が悪くなりそうなんだが ほほえみ絶やすな
飲んでる時さえ 仕事なんだぞ おとくい様なんだ
バカになりきれ 妻子のためだ
バカになりきれ 経費で飲める
意地をすてて バカになりきれ
いち に さん し いち に さん し
いち に さん し BAKA!

愛想笑いで最後のお務め あいつのお見送り
走り出した車に向かって“バカ”と呼ぶと
車が止まって あいつが顔出し“今何か言った?”
あわてて 万歳 叫んでおります 夜更けの町で
バカになりきれ バカが開いてだ
バカになりきれ バカよりバカに
バカをバカと呼べるまでは
いち に さん し いち に さん し
いち に さん し BAKA!


4.とどかぬ想い

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

さよならって 背中を向けて
歩き出したアンタが
くやしいくらい きれいに見えた
煙草くわえて すましているが
こんなに見事にフラレたら 泪を流すひまもない

貴女は幸福にならなければ
貴女は幸福にならなければ
そうでなければ そうでなければ
僕 困るんです

あの街角を 曲ればきっと 赤い車が待っていて
おそかったネって アンタを誘う
すじ書き通り フラれたわけさ
だけど最後の別れは
もう少し格好 つけたかった

貴女は幸福にならなければ
貴女は幸福にならなければ
そうでなければ そうでなければ
僕 困るんです

アンタは幸福にならなければ
アンタは幸福にならなければ
それさえ言えたら それさえ言えたら
俺 良かったんです


5.おやすみ山手線

作詞:武田鉄矢
作曲:中牟田俊男

乾いた風が吹く 夜更けのホーム
くわえ煙草で 時計を氣にする
いつの頃からなんだ 心せかされ
時計ばかりを気にするくせは
こんな俺じゃなかったんだ昔の俺は
こんなはずじゃなかったんだ今の今まで
ペンキのはげた茶店のイスに腰を降ろして
語りつくせぬ夢を話して一日中
おやすみ最終山手線 お前も一日同じ町を
俺のようにグルグル そうさ 回るだけ
おやすみ最終山手線

向こうのホームじゃ 若い恋人達が
肩を寄せあい ほゝえみあってる
今のうちだけなんだ 甘い夢なんかって
からかいたくなる 酔った声で
こんな俺じゃなかったんだ 昔の俺は
こんなはずじゃなかったんだ今の今まで
安い酒場のすみのボックス あの娘と二人
何も話せず座ってたんだ それで良かった
おやすみ最終山手線 今夜は少し飲みすぎて
誰かにグチを言いたくなっただけ
おやすみ最終山手線 おやすみ最終山手線


6.流れのバラード

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

今さら振り向くな 泣き出したあいつなんか
一人芝居で 涙を流し「ごめんなさいね」
は口癖なのさ

今さら思い出すな うつ向いたあいつなんか
口紅厚く ぬりさえすれば 抱いてと気軽に
言えるのさ

あたしが女じゃなかったら
あんたと一生つき合えた
あたしが本気にならなけりゃ
あんたと一生つき合えた

今さら悔やむな 遊びじゃなかったから
流れ流され どこまでゆけば お前によく
似た女に会える

あたしが女じゃなかったら……
お前によく似た女に会える……
あたしが本気にならなけりゃ……
流れ流され どこまでゆけば……
あんたと一生つき合えた……
お前によく似た女に会える……
あたしが女じゃなかったら……
流れ流され どこまでゆけば……

あたしが本気にならなけりゃ……
お前によく似た女に会える……
あんたと一生つき合えた……
流れ流され どこまでゆけば……


7.思えば遠くへ来たもんだ

作詞:武田鉄矢
作曲:山木康世

踏切りの側に咲く コスモスの花ゆらして
貨物列車が走り過ぎる そして夕陽に消えてゆく
十四の頃の僕はいつも 冷たいレールに耳をあて
レールの響き聞きながら 遥かな旅路を夢見てた
思えば遠くへ来たもんだ 故郷離れて六年目
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまでゆくのやら

筑後の流れに 小魚釣りする人の影
川面にひとつ浮かんでた 風が吹くたび揺れていた
20歳になったばかりの僕は 別れた女を責めながら
いっそ 死のうと泣いていた 恋は一度と信じてた
思えば遠くへ来たもんだ 今では女房 子供持ち
思えば遠くへ来たもんだ あの頃 恋しく思い出す

眠れぬ夜に酒を飲み 夜汽車の汽笛 聞くたびに
僕の耳に遠く近く レールの響きが過ぎてゆく
思えば遠くへ来たもんだ 振り向くたびに故郷は
思えば遠くへ来たもんだ 遠くなる様な気がします
思えば遠くへ来たもんだ ここまで一人で来たけれど
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまでゆくのやら


8.Bad Boy

作詞:武田鉄矢
作曲:堀内孝雄

くわえた タバコの煙に 目を細め
スロットマシンの前にあいつ一人
何度も 何度も コインを投げこみ
レバーを引いても 夢はおちてこない

いつもそうなんだと あいつのひとり言
無理して笑った あいつの唇
さびしすぎるんだ 夜更けのゲームコーナーは
街から捨てられたあいつ一人じゃ

故郷から手紙もこない
今夜はあの娘の姿も見えない
しゃべらなくてもいいけれど
誰かそばにいてくれよ
悲しくないってあいつのひとり言
泣いてるようなあいつの瞳
スロットマシンをこぶしで打ち
くわえタバコのあいつは一人

いつもそうなんだと あいつのひとり言
無理して笑った あいつの唇
さびしすぎるんだ 夜更けのゲームコーナーは
街から捨てられたあいつ一人じゃ


9.中野船長の歌

作詞:武田鉄矢
作曲:中牟田俊男

潮の香りのする 港の酒場
ワニ皮ベルトに雪駄をつっかけて
フラリ顔出した中野船長
あんたと初めて逢った気がせず
盃交わせば もう飲み仲間

中野船長 ホラ もう一盃
海の話を聞かせておくれ
中野船長 ホラ もう一盃

十九の嫁さん残したまんま
三陸沖であいつの船が
沈んだ夜は泣き明かした
海じゃつらい事などないが
こいつはこたえた この俺だって

中野船長 ホラ もう一盃
海の話を聞かせておくれ
中野船長 ホラ もう一盃

海に線引く バカが多くて
近頃海が狭くなったぜ
16トンの俺らの船に
あんたも おいでよ身にしむはずさ
海の広さと潮の香りが
中野船長 ホラ もう一盃
今夜ははしゃいで 飲み明かそうぜ
中野船長 ホラ もう一盃


10.キャバレーナイト・ブルース

作詞:武田鉄矢
作曲:中牟田俊男

みじめなんてもんじゃなかったぜ
キャバレー廻りの あの頃は
暗い楽屋の片隅で 手のひら広げて見つめてた
ああ暮れてゆく ああ暮れてゆく
博多キャバレー ナイト イン ブルース
博多キャバレー ナイト イン ブルース

お前なんかにわかるもんかって
タンカ切ってた ベースマン
ROCK に惚れて いるけれど
ROCK じゃ 食えない 食う為に今夜も乗れない
ど演歌リズム ああ暮れてゆく ああ暮れてゆく
横浜キャバレー ナイト イン ブルース
横浜キャバレー ナイト イン ブルース

淋しいなんてもんじゃなかったぜ
ホステス姿のあの娘を見つけた時は
暗いフロアーの片隅で お客に抱かれて踊ってた
ウブな瞳に涙をためて
ああ暮れてゆく ああ暮れてゆく
札幌キャバレー ナイト イン ブルース
札幌キャバレー ナイト イン ブルース

ロンリー ハート キャバレー ナイト
イン ブルース
ロンリー ハート キャバレー ナイト
イン ブルース


11.ざんげ

作詞:武田鉄矢
作曲:中牟田俊男

私の唄は雨のよう
傘さす人は濡らせない
それでも あなたの傘の上
濡れておくれと ふりしきる

人を愛したり 憎んだり
呪った事さえある私
おじけづいた やさしさが
しみじみ悲しく 思えます

私の唄は砂のよう
あなたが強くにぎる程
あなたの指から落ちてゆく
海のなごりを呟いて


12.故郷未だ忘れ難く

作詞:武田鉄矢
作曲:中牟田俊男

東へ走る夜汽車の音に ついついさそわれ家を出て
気付いて見たら一人ぼっちで 見知らぬ街に居た
夢のように流れる月日に 追われ追われて半年過ぎ
街の風にも何とか慣れた 一人すましていたが
心の中まで吹きこむ風が
思い出の風鈴ゆらします
故郷未だ忘れ難く 酒さえ飲まなきゃやさしい親父
故郷未だ忘れ難く なぐられた痛みも忘れました

他人の街の祭りにうかれ うかれうかれて酒を飲み
有明月の照らす道を ひとりぼっちの子守唄
部屋に帰って灯りをつけると 貴方からの手紙がある
忘れかけた人だからと なつかしさだけで読み出すと
二年たったら帰って来てね
インクの文字がにじんでます
故郷未だ忘れ難く 俺のことなど忘れておくれ
故郷未だ忘れ難く 手紙を抱きしめ泣きました