思いきり気障な人生

沢田研二 思いきり気障な人生歌詞
1.思いきり気障な人生

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

たとえひとの目に愚かに見えても
思いきり気障(きざ)な人生をおくりたい

あなたはぼくを 愛する資格がない
あなたの心に洒落っけがない

あんなに粋な女に 見えたのに
いつしか只の女になって行く

あなたもぼくをしばりたいのか
たったひとりの男にしたいのか

いやだよ そんな 面白くもない
毎日同じ服着ているみたい

蝶々は空をとんでる時が蝶々さ
カゴに入れたら只の虫なんだよ

アアア ……
アアア ……

やさしくなけりゃ生きてる資格がない
悲しみしらなきゃ よろこびもない

あなたは気障を悪いというけれど
心に気障をなくしちゃつら過ぎる

毎日嘘でかためたいのか
愛を汚してくらしてみたいのか

いやだよ そんな 見てくればかりの
しあわせなんか 悪酔いしそうだよ

お酒は酔うと思える時がお酒さ
酔ってしまえば いやな毒なんだよ

アアア ……
アアア ……


2.あなたに今夜はワインをふりかけ

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

あなたに今夜はワインをふりかけ
心まで 酔わせたい 酔わせたい
アア あなたを

何か悪いことでもしている顔して
愛してはいけない

ぼくの胸に抱かれて夢みる時には
何もかも忘れて

悪ぶるくらい はしゃいでくれよ
酒も少し飲んでみたっていいさ
あなたがそれでおそれを捨てて
愛の言葉をいえるのならば

あなたに今夜はワインをふりかけ
心まで 酔わせたい 酔わせたい
アア あなたを

蒼い肌を転がる 涙の真珠を
くちびるですくって

何で泣いているのと たずねてみたけど
爪を噛むばかりさ

はすっぱな口きいてもいいよ
好きと一度くらいいわせてみたい
仮面をぬいであなたの素顔
ぼくにはそっと見せておくれよ

あなたに今夜はワインをふりかけ
心まで 酔わせたい 酔わせたい
アア あなたを

あなたに今夜はワインをふりかけ
心まで 酔わせたい 酔わせたい
あなたに今夜はワインをふりかけ
心まで 酔わせたい 酔わせたい
ラララ
心まで 酔わせたい 酔わせたい
アア あなたを


3.再会

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

あなたが背負った 不幸の重さは
どんなに愛しても わからない
あなたは心を 開いてくれない
心配しないでと横を向く
それぞれが生きて来た 人生は違うから
さわれない想い出も 心にはあるだろう
あなたを愛するなら 不幸も想い出も
すべて愛するのが まごころだろう

忘れてほしいと いってはいけない
あなたを傷つける ことになる
何にもいわずに やさしく抱きしめ
体のぬくもりを伝えよう
待つことが何よりの やさしさと思うなら
かたくなな扉でも 開く日があるだろう
あなたを愛するなら 不幸も想い出も
すべて愛するのが まごころだろう

あなたを愛するなら 不幸も想い出も
すべて愛するのが まごころだろう


4.さよならをいう気もない

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

ハイヒールのかかとが 折れて歩けない
ああこの先へは進めない歩けない
はしゃぎ過ぎた子供が ベソをかくように
ああなんて私ついていない運がない

男と女はいつも悲しい手さぐりで
心のやすらぎ求め合うけれど
季節を見送る詩人のように
さよならをいう気もない 悲し過ぎて

ハイヒールを両手に下げ歩き出す
ああこの場所へはとまれない いたくない
ミュージカルの場面のようにおかしくて
ああだけど私 歌えない踊れない

※男と女はみんな 孤独に気がついて
不幸を忘れてしまいたくなるが
季節を見送る詩人のように
さよならをいう気もない 悲し過ぎて※

(※くり返し)


5.ラム酒入りのオレンジ

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

オレンジみたいなひとと思って 唇ふれてみたら
めまいがしそうなラムの匂いに 心を奪われたよ
あどけない顔は 誘い水だよ
中味は大人さ 知らぬまに 深い川に溺れる
思いに誘われる 可愛いしぐさが罠と 気づいて
逃げても手遅れだよ
なまめくあの娘の腕に 抱かれて
どうでもよくなってる 天国へ行って みたいけれど
どうやら地獄さ こうなれば もっと 堕ちてみたいよ
あの娘を道づれに (あゝ男と女)
こういうものさ (あゝ男と女)
だましてだまされ (あゝ男と女)
表と裏の (あゝ男と女)
二つの顔だよ

目がさめた時は いつも二人で ベッドの中だよ
この胸にそっと 唇ふれ
いい夢みたなんて
おさない娘のように はじらい
まぶたを伏せたりする
芝居とわかっていても
やっぱり 可愛く思えて来る
天国へ行って みたいけれど
どうやら地獄さ こうなれば もっと 堕ちてみたいよ
あの娘を道づれに (あゝ男と女)
こういうものさ (あゝ男と女)
だましてだまされ (あゝ男と女)
表と裏の (あゝ男と女)
二つの顔だよ


6.勝手にしやがれ

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

壁ぎわに寝がえりうって
背中できいている
やっぱりお前は出て行くんだな

悪いことばかりじゃないと
想い出かき集め
鞄につめこむ気配がしてる

行ったきりならしあわせになるがいい
戻る気になりゃいつでもおいでよ

せめて少しはカッコつけさせてくれ
寝たふりしてる間に出て行ってくれ

アア アアア アアア アア
アア アアア アアア アア

バーボンのボトルを抱いて
夜ふけの窓に立つ
お前がふらふら行くのが見える

さよならというのもなぜか
しらけた感じだし
あばよとサラリと送ってみるか

別にふざけて困らせたわけじゃない
愛というのに照れてただけだよ

夜というのに派手なレコードかけて
朝までふざけようワンマンショーで
アア アアア アアア アア
アア アアア アアア アア

夜というのに派手なレコードかけて
朝までふざけようワンマンショーで
アア アアア アアア アア
アア アアア アアア アア


7.サムライ

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

片手にピストル 心に花束
唇に火の酒 背中に人生を
アアア アアア

ありがとうジェニー お前はいい女だった
はんぱなワインより 酔わせてくれたよ
だけどジェニー あばよジェニー
俺は行かなくちゃ いけないんだよ

寝顔にキスでも してあげたいけど
そしたら一日 旅立ちが延びるだろう

男は誰でも 不幸なサムライ
花園で眠れぬことも あるんだよ

片手にピストル 心に花束
唇に火の酒 背中に人生を
アアア アアア

ありがとうジェニー お前はいい女だった
お前とくらすのが しあわせだろうな
だけどジェニー あばよジェニー
それが男には 出来ないのだよ

部屋から出たなら つめたい木枯し
お前の体のぬくもりが 消えて行く

男はいつも 悲しいサムライ
しあわせに照れてることも あるんだよ

片手にピストル 心に花束
唇に火の酒 背中に人生を
アアア アアア


8.ナイフをとれよ

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

レモンをしぼり テキーラを飲め さあ酔ってしまえ
何にもいうな ごろりと寝ろ
朝まで死んだように
女の愛に傷つけられて
あゝ暗い目をするな 俺に何をしてほしい
なぐさめてほしいのかい

めそめそ話など らしくないぜ
ボトルが今日の枕さ 裸になれよ
シャワーでも浴び さあ洗い流せ
それから先は ケロリとしろ
昔のお前らしく ゆうべは酔って しまったなんて
あゝその顔がいいよ
迎え酒なんかどうだ 一息に飲んでみろよ

あばよといいながら 消えて行けよ
煙草の煙のこして 悲しいのなら ナイフをとれよ
あゝ泣き言はいうな 俺は夜明けまで見たよ
泣きながら眠るお前 あれからうわささえ
消えたけれど お前はどこにいるのか


9.憎みきれないろくでなし

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

昨日は昨日で どこかで浮かれて
過ごした筈だが忘れてしまったよ
気障な台詞だね

明日は明日で 楽しいだろうが
余りに遠くて 予想も出来ないよ
使い古しだね

傷つけ合うのが嫌いだからと
ずるずるみんなをひきずって
最後にあなたは あなたは
どうする どうするつもり
恋に埋もれ死ぬ気でいるの
憎みきれないろくでなし

こんなに真面目に 愛しているのに
昨日や明日は関係ないだろう
きまり文句だね

女は不思議だ くちずけするより
綺麗な約束ほしがるものなのか
破れかぶれだね

ひとりも不幸にしたくはないと
天使の気分でいるけれど
最後は疲れて 疲れて 私の 私の胸で
眠るつもりでいるでしょうね
憎みきれないろくでなし
憎みきれないろくでなし


10.ママ……

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

ママ……
ぼくの膝(ひざ)に残るあとは
何の時の傷なのでしょう
一度もママはそれについて
話をしてくれない
何故なのでしょう

ママ……

もしかしたらぼくは過去に
重い罪を背負ったのでは
誰かに傷をおわせたのか
不幸にしてしまった
きっとそうでしょう

何故かしら そんな風に思われる
夢見た苦しさに似ている
幼い時にこのぼくは
あゝ 何をしたの 何を

肌寒い午後にはいつも思う
シクシク痛む傷を
ウイスキー片手に持って
遠い日の景色を思い出して
いるのです

ママ……

何かきっと深いわけが
この傷にはあるのでしょう
一度もママはそれについて
話をしてくれずに
死んで行った

ママ……

ただのけがといったけれど
ただのけがが今になって
どうして心の中までも
いためつけるのでしょう
暗い絵のように

しあわせを思う時に苦しめる
まだ償(つぐな)わない罪がある
幼い時にこのぼくは
あゝ 何をしたの 何を

※この先も重たい荷物背負い
木枯しの道を歩く
サングラス グレイに染まり
目の前の景色を見つめながら
いるのです※

なつかしいママを呼び
出来ることならばたずねたい
幼い時にこのぼくは
あゝ 何をしたの 何を

(※くり返し)