歌姫ものがたり

沢田知可子 歌姫ものがたり歌詞
1.プロローグ


2.喝采

作詞:吉田旺
作曲:中村泰士

いつものように幕が開き
恋の歌 うたうわたしに
届いた報らせは 黒いふちどりがありました
あれは三年前 止めるアナタ駅に残し
動き始めた汽車に ひとり飛び乗った
ひなびた町の昼下がり
教会のまえにたたずみ
喪服のわたしは
祈る言葉さえ失くしてた

つたがからまる 白い壁
細いかげ 長く落として
ひとりのわたしは こぼす涙さえ忘れてた
暗い待合室 話すひともないわたしの
耳に私のうたが 通りすぎてゆく
いつものように幕が開く
降りそそぐライトのその中
それでも わたしは
今日も恋の歌 うたってる


3.海を見ていた午後

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

あなたを思い出す この店に来るたび
坂を上って きょうもひとり来てしまった

山手のドルフィンは 静かなレストラン
晴れた午後には 遠く三浦岬もみえる

ソーダ水の中を 貨物船がとおる
小さなアワも恋のように消えていった

あのとき目の前で 思い切り泣けたら
今頃二人 ここで海を見ていたはず

窓にほほをよせて カモメを追いかける
そんなあなたが 今も見える テーブルごしに

紙ナプキンには インクがにじむから
忘れないでって やっと書いた遠いあの日


4.オリビアを聴きながら

作詞:尾崎亜美
作曲:尾崎亜美

お気に入りの唄 一人聴いてみるの
オリビアは淋しい心を なぐさめてくれるから
ジャスミン茶は 眠り誘う薬
私らしく一日を 終えたいこんな夜

出逢ったころは こんな日が
来るとは思わずにいた
Making good things better
いいえ すんだこと
時を重ねただけ
疲れ果てたあなた 私の幻を愛したの

眠れぬ夜は 星を数えてみる
光の糸をたどれば 浮かぶあなたの顔
誕生日には カトレアを忘れない
優しい人だったみたい けれどおしまい

夜更けの電話 あなたでしょ
話すことなど何もない
Making good things better
愛は消えたのよ
二度とかけてこないで
疲れ果てたあなた 私の幻を愛したの

出逢ったころは こんな日が
来るとは思わずにいた
Making good things better
いいえ すんだこと
時を重ねただけ
疲れ果てたあなた 私の幻を愛したの


5.越冬つばめ

作詞:石原信一
作曲:篠原義彦

娘盛りを 無駄にするなと
時雨(しぐれ)の宿で 背を向ける人
報われないと 知りつつ抱かれ
飛び立つ鳥を 見送る私
季節そむいた 冬のつばめよ
吹雪に打たれりゃ 寒かろに
ヒュルリ ヒュルリララ
ついておいでと 啼(な)いてます
ヒュルリ ヒュルリララ
ききわけのない 女です

絵に描いたような 幸せなんて
爪の先ほども 望んでません
からめた小指 互いに噛めば
あなたと痛み 分けあえますか
燃えて燃えつき 冬のつばめよ
なきがらになるなら それもいい

ヒュルリ ヒュルリララ
忘れてしまえと 啼いてます
ヒュルリ ヒュルリララ
古い恋ですか 女です

ヒュルリ ヒュルリララ
ついておいでと 啼いてます
ヒュルリ ヒュルリララ
ききわけのない 女です


6.秋桜

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

淡紅の秋桜が 秋の日の
何気ない陽溜まりに 揺れている
此頃 涙脆くなった母が
庭先でひとつ 咳をする

縁側でアルバムを開いては
私の幼い日の 思い出を
何度も 同じ話くりかえす
独言みたいに 小さな声で

こんな小春日和の穏やかな日は
あなたの優しさが浸みて来る
明日嫁ぐ私に苦労はしても
笑い話に時が変えるよ
心配いらないと 笑った

あれこれと思い出をたどったら
いつの日もひとりではなかったと
今更乍ら我儘な私に
唇かんでいます

明日への荷造りに手を借りて
しばらくは楽し気にいたけれど
突然涙こぼし元気でと
何度も何度もくりかえす母

ありがとうの言葉をかみしめながら
生きてみます私なりに

こんな小春日和の穏やかな日は
もう少しあなたの
子供でいさせてください


7.雨

作詞:森高千里
作曲:松浦誠二

ひとつひとつ 消えてゆく雨の中
見つめるたびに 悲しくなる
傘もささず 二人だまっているわ
さよなら 私の恋

思いきり泣いて 強く抱かれたいけれど
今の私は 遠すぎるあなたが

雨は冷たいけど ぬれていたいの
思い出も涙も 流すから

そっとあなた 私の手を引きよせ
最後の言葉 探してるの?
だけど私 泣いたりなんかしない
涙は 雨のせいよ

思いきり泣いて あなたに抱かれたいけど
何もいらない このままそばにいて

雨は冷たいけど ぬれていたいの
あなたのぬくもりを 流すから
雨は冷たいけど ぬれていたいの
思い出も涙も 流すから

思いきり泣いて 強く抱かれたいけれど
今の私は 遠すぎるあなたが

雨は冷たいけど ぬれていたいの
あなたのぬくもりを 流すから
雨は冷たいけど ぬれていたいの
思い出も涙も 流すから


8.サイレントイヴ


9.恋に落ちて

-Fall in Love-

作詞:湯川れい子
作曲:小林明子

もしも 願いが叶うなら
吐息を 白いバラに 変えて
逢えない日には 部屋じゅうに
飾りましょう 貴方を想いながら

Darling I want you 逢いたくて
ときめく恋に 駆け出しそうなの
迷子のように 立ちすくむ
わたしをすぐに 届けたくて

ダイヤル回して 手を止めた
I'm just a woman
Fall in Love

If my wishes can be true
Will you change my sighs
to roses, whiter roses
decorate them for you
Thinkin''bout you every night
and find out where I am
I am not
livin' in your heart

Darling, I need you どうしても
口に出せない 願いがあるのよ
土曜の夜と日曜の
貴方がいつも欲しいから

ダイヤル回して 手を止めた
I'm just a woman
Fall in Love

Darling, You love me 今すぐに
貴方の声が 聞きたくなるのよ
両手で 頬を 押さえても
途方に暮れる 夜が嫌い

ダイヤル回して 手を止めた
I'm just a woman
Fall in Love

Don't you remember
when you were here
without a thinking
we were caught in fire
I've got a love song
but where it goes
three loving hearts are
pullin' apart of one

Can't stop you, Can't hold you
Can't wait no more
I'm just a woman
Fall in Love
I'm just a woman
Fall in Love


10.ハナミズキ

作詞:一青窈
作曲:マシコタツロウ

空を押し上げて
手を伸ばす君 五月のこと
どうか来てほしい
水際まで来てほしい
つぼみをあげよう
庭のハナミズキ

薄紅色の可愛い君のね
果てない夢がちゃんと終わりますように
君と好きな人が百年続きますように

夏は暑過ぎて
僕から気持ちは重すぎて
一緒に渡るには
きっと船が沈んじゃう
どうぞゆきなさい
お先にゆきなさい

僕の我慢がいつか実を結び
果てない波がちゃんと止まりますように
君と好きな人が百年続きますように

ひらり蝶々を
追いかけて白い帆を揚げて
母の日になれば
ミズキの葉、贈って下さい
待たなくてもいいよ
知らなくてもいいよ

薄紅色の可愛い君のね
果てない夢がちゃんと終わりますように
君と好きな人が百年続きますように

僕の我慢がいつか実を結び
果てない波がちゃんと止まりますように
君と好きな人が百年続きますように

君と好きな人が百年続きますように。


11.愛は花、君はその種子

-The Rose-
作詞:AMANDA McBROOM・日本語詞:高畑勲
作曲:AMANDA McBROOM

やさしさを 押し流す
愛 それは川
魂を 切り裂く
愛 それはナイフ
とめどない 渇きが
愛だと いうけれど
愛は花 生命の花
君は その種子

挫けるのを 恐れて
躍らない きみのこころ
醒めるのを 恐れて
チャンス逃す きみの夢
奪われるのが 嫌さに
与えない こころ
死ぬのを 恐れて
生きることが 出来ない

長い夜 ただひとり
遠い道 ただひとり
愛なんて 来やしない
そう おもうときには
思い出してごらん 冬
雪に 埋もれていても
種子は春 おひさまの
愛で 花ひらく


12.歌姫ものがたり

作詞:覚和歌子
作曲:平井夏美

ラララ…彼女は歌う ラララ…心のかぎり
ラララ…この世のしあわせ ラララ…哀しみを
小さなころから 歌が得意で 彼女が歌うと みんながほめた
見つめられるほどに 彼女はどこまでも たましい全部で 思うさま輝いた
情熱の歌姫 焦がれる男は ひきもきらない 星の数ほど
たくさんの恋と たくさんの宝石 スポットライトが 彼女のすみか
誰にもかしづかない わがままは承知「だって世界は 私の手のひら」
そんな彼女は 右頬 叩(はた)かれた 男に瞬間で 心を奪われた

ラララ…歌はもうやめ ラララ…気がついたら
ラララ…歌より尊い ラララ…ものがある
静かで平和な 暮らしは8年 かけがえのない 愛という名前の
それは自分に 嘘をついてた時間 歌わない鳥は 死んだも同じ
飴色のドアを 彼女はあとにした ふたりでいたのに ひとりぼっちだった
愛していたのは 嘘じゃなかったの そう書いた手紙も
キッチンで燃やして

年を重ねてく 日々につられて 歌は少しずつ 売れなくなっていった
すれ違っても 誰もふり返らない 彼女の居場所は ここのはずなのに
歌えない鳥は 死んだも同じ 高い歩道橋から ハイウェイ見下ろすと
さかなのような クルマの群れが こっちにおいでと 彼女を誘った

ラララ…彼女は歌った 声を限りに、歌いおさめと
ラララ…そしたら何だか ラララ…あほらしくなった
なぜだか知らない 彼女にもわからない
だけど死ぬのは やめてよかった
彼女が歌うと お客は身をよじり 泣いて笑って ありがとうと言うから
歌しか歌えない 不器用な歌姫 本当のこと言うわ 彼女は私
ここで歌ってる 他でもない私 ありがとうと言うのは こっちの方だわね
ラララ…私は歌う ラララ…命のかぎり
ラララ…この世のしあわせ ラララ…哀しみを
ラララ…私は歌う ラララ…命のかぎり
ラララ…この世のしあわせ ラララ…哀しみを