1.母娘十年
作詞:森坂とも
作曲:水森英夫
初めて母に 逆らいました
夢を支えに 生きると決めて
親の役目は ここまでと
ホームの影(かげ)で 佇(たたず)む母が
瞼(まぶた)から 離れない
あれから十年 ちぎれ雲
ときおり届く 荷物の中は
北の匂いの 泥(どろ)つき野菜
風邪を引くなと 添えてある
やさしい文字に 心が揺れる
今はまだ 会えないの
母親ゆずりの いじっぱり
右手を母に 引かれて歩く
お宮参(みやまい)りの 古びた写真
まわり道した 親孝行
ごめんねずっと 淋(さみ)しくさせて
会わせたい 男(ひと)がいる
素直な私で 帰ります
2.恋うさぎ
作詞:森坂とも
作曲:水森英夫
掛けたまんまの あなたのシャツに
袖を通して うずくまる
西日の差しこむ 六畳二間
しあわせ集めて 暮らしてたのに
こんなに広い 囲いの中で
待つしかできない 恋うさぎ
薄いあかりの 蛍光灯が
シンと冷たい 台所
料理はお前の 取り得だなんて
私に女の 自信をくれた
あなたの言葉 並べて泣いて
ひとり赤目の 恋うさぎ
淋しがらせる あなたが悪い
責めたあの日を 消せたなら
手帳の日付に 大きく「×(ばつ)」を
お酒にすがって 何度も書いた
夜空の向こう チラリと見える
月にも帰れぬ 恋うさぎ
|