1.群青
作詞:中田裕二
作曲:中田裕二
只ならぬ気配を 察する道すがら
待ち伏せる得体は 因果の影名残 目もくれず
走り出す滑車に 決別を乗せた 藪騒ぐ中
立ち込める群青に 細工の余地は無ひ
平伏したまやかし 高笑ひ冴へ渡る
時既に
一抹の残り火を ひたすらに踏み消した
最果てを見据へた 甚だ黒まなこ さゞ波の音
或る散華の心情に 絶へず胸を焦がし
睨み合ふ日毎にて 無情刻む言の葉
立ち込める群青に 細工の余地は無ひ
平伏したまやかし 高笑ひ冴へ渡る
時既に遅し
2.舌足らず
作詞:中田裕二
作曲:中田裕二
円かに削がれて紐解けた 鎮めた望みは数知れず
ほつれた御髪に気は漫ろ そこかしこ転げた悪ふざけ
頷ひて閉づる目に 切先を向けた
面を晒す裏側に 謀は無きに等しく
只 その胸で雨宿り 物に成らぬ振舞よ
軽きに見受けし手振りには 燻る因果を宿す声
日和に委ねて仕舞ふ足 思ひ出が体に通ひ出す
敷き詰めたひもすがら 蓋を為て燃した
いつぞやの日々が焚き付けた 心模様吹き消しながら
たなびかす罪の後先に 儘に成らぬ余の言葉
3.導火線
作詞:中田裕二
作曲:中田裕二
白い背中を 夕日が縁取る
黒い瞳に 火種を隠して
近付く程に熱を帯びてゆく
重なる影と 罪を見た
あの日の傷跡が 君を引き戻した
何食わぬ顔で
絡まり うずくまり 答も聞かずに
許したその隙に 燃えて拡がる
互いに春を 待ち切れず
ほつれた髪に 途切れた声が
緩く結んだ 唇が
絡まり うずくまり 答も聞かずに
許したその隙に 燃えて拡がる
耳を塞ぐ吐息 焼け落ちた空
この身を引き離す 時を逃した
互いに春を待ち切れず
4.かたはらに
作詞:中田裕二
作曲:中田裕二
いつ何時も 其方の熱を傍らに
無下に恋し 面影に暮れた
いつ何時も 其方の声を傍らに
過ぎる戯れ 溢れんばかり
散々絡んだ心持ち 恥入るばかりの常日頃
其に在る日差しの幼気に 其方を見たのは気の所為か
径にふたりの 影伸びた
いつ何時も 其方の熱を傍らに
無下に恋し 面影を連れて
いつ何時も 其方の声を傍らに
過ぎる戯れ 溢れんばかり
拙ひ望みを数へては 胸の満ちゆく覚へあり
薄らぐ眩暈の渦の中 うつらうつらに寄り添ひ眠ろ
径にふたりの 囁きが
夕立を待つ影 夏草の匂ひに
声も失ふ不始末よ この様を許せ
いつ何時も 其方の熱を傍らに
無下に恋し 面影に暮れた
いつ何時も 其方の熱を傍らに
過ぎる戯れ
いつ何時も 其方の熱を傍らに
無下に恋し 面影を連れて
いつ何時も 其方の熱を傍らに
見放ぐ事など 出来やうものか
5.波紋
作詞:中田裕二
作曲:中田裕二
また ひとつ 其方が口に出した
余が ひとつ 其方に受け返した
汲んだ水が 流砂に姿を変へる
たなごころの隙間より 滑り落つその様を
朧げに 想ひ返す 夕月よ
燃ゆる幻に 現は死せり
帰路無き旅路へと
されど穏やかに 横たふそれは
惑ひを知らざる様子
また ひとつ 天道が海に落ちた
また ひとつ 虚実が共に落ちた
己んだ鼓動 生まれし波紋 震へた
心憂しき五月雨に 濡れまひと傘差した
朧げに 想ひ返す 艶姿
6.風の何処へ
作詞:中田裕二
作曲:中田裕二
例えようのない 胸の高ぶりを
押し殺しながら 朝を待っている
ひとつ流れ落ちた 無垢な望みと
成るべくして 成ったような全て
長い長い季節を 隔てたけれど
今想い返すのは 昨日の言葉
風の騒がしい日に さらわれぬ様に
たった独りで 胸に抱えて
迎えを待つのか
手に負えない心が 袖を引いて 頻りに呼んでいる
透けてしまった声が 優しく笑って 俺をからかった
遠いのか 近いのか 確かに通じている
素足の頃を 見送る途中に
夕陽に尽きた 小さな空は
俺に気付いているのか
たった一人で 胸に抱いて
迎えを待つのか
手に負えない心が 袖を引いて 頻りに呼んでいる
透けてしまった声が 優しく笑って 俺をからかった
手に負えない心が 袖を引いて 頻りに呼んでいる
記憶に居座ってしまう様な 君の行方を気にしながら
遠いのか 近いのか
同じ時を 同じ時を 確かに繋いでいる
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