森進一全曲集~ゆらぎ~

森進一 森進一全曲集~ゆらぎ~歌詞
1.ゆらぎ

作詞:木本慶子
作曲:金田一郎

さよならは
あまりにも突然で
そのくせどこかで
覚悟を決めていた

もう失うものがなけりゃ
気楽に生きて行ける
ゆらりゆらり揺らいでる心を
深く深く深くうずめて
眠らない 目覚めない
誰にも出逢わない

思い出を
忘却に委ねても
消えてはくれない
鮮やかな幻

もう傷つく場所がなけりゃ
なんにも怖くはない
ゆらりゆらり揺らぎだす心を
見ない見ない見ないふりして
許さない 許せない
誰かを愛さない

もう信じるものがなけりゃ
怯える夜も来ない
ゆらりゆらり揺らぎだす心を
いつもいつもいつも抑えて
叶わない 夢見ない
奇跡は起こらない


2.冬のリヴィエラ

作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一

彼女(あいつ)によろしく伝えてくれよ
今ならホテルで寝ているはずさ
泣いたら窓辺のラジオをつけて
陽気な唄でも聞かせてやれよ

アメリカの貨物船が
桟橋で待ってるよ

冬のリヴィエラ 男って奴は
港を出てゆく船のようだね
哀しければ 哀しいほど
黙りこむもんだね

彼女(あいつ)は俺には過ぎた女さ
別れの気配をちゃんと読んでて
上手にかくした旅行鞄に
外した指輪と酒の小壜さ

やさしさが霧のように
シュロの樹を濡らしてる

冬のリヴィエラ 人生って奴は
思い通りにならないものさ
愛しければ 愛しいほど
背中合わせになる

皮のコートのボタンひとつ
とれかけて サマにならない

冬のリヴィエラ 男って奴は
港を出てゆく船のようだね
哀しければ 哀しいほど
黙りこむもんだね


3.襟裳岬

作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎

北の街ではもう 悲しみを暖炉で
燃やしはじめてるらしい
理由(わけ)のわからないことで
悩んでいるうち
老いぼれてしまうから
黙りとおした 歳月(としつき)を
ひろい集めて 暖めあおう
襟裳の春は 何もない春です

君は二杯めだよね コーヒーカップに
角砂糖をひとつだったね
捨てて来てしまった わずらわしさだけを
くるくるかきまわして
通りすぎた 夏の匂い
想い出して 懐かしいね
襟裳の春は 何もない春です

日々の暮らしはいやでも やってくるけど
静かに笑ってしまおう
いじけることだけが 生きることだと
飼い馴らしすぎたので
身構えながら 話すなんて
ああ おくびょう なんだよね
襟裳の春は 何もない春です

寒い友だちが 訪ねてきたよ
遠慮はいらないから 暖まってゆきなよ


4.紐育物語

作詞:松本隆
作曲:松本隆

スーツ・ケースに腰をおろして
マイアミゆきのバスを待つのさ
小雨色した バスターミナル
自分の影を話相手に
Manhattan in the rain 30年生きちまったね
Manhattan in the rain 人生の残り半分
せめておまえと暮らしたいけど
夢さ…幻さ…
摩天楼に灯がともる

手の缶ビール 握りつぶして
負けた男は旅立つけれど
同情なんて投げないでくれ
それが俺には一番辛い
Manhattan in the rain あたたかいベットの中で
Manhattan in the rain 眠れたらそれもいいけど
冷たい雨に濡れるのもいい
夢さ… 幻さ…
摩天楼に灯がともる

Manhattan in the rain 30年生きちまったね
Manhattan in the rain 人生の残り半分
せめておまえと暮らしたいけど
夢さ…幻さ…
摩天楼に灯がともる


5.狼たちの遠吠え

作詞:長渕剛
作曲:長渕剛

ささやかな うぬぼれに酔いしれ
しあわせの群れからはぐれても
俺は過去を素直に受け入れ
つつましく我が道 旅に出る

赤い山並の上に
青白い三日月がかかる
くたびれきった月の砂漠を
トットッと行く

荒れ果て尽きた大地に突っ立ち
この一本道どこへ流れ続くのか?
ふと聞こえる 狼たちの悲しき遠吠え

銀色の牙をむき
雨を刺し 風を打ち
焼け焦げた魂を
引き裂いても

淋しくて 会いたくて
耐えきれず 泣きながら
そして人は明日へ歩くのだ

君に聞こえるかな
すきとおる瞳に届くかな
希望が西の果てに沈んでも
ありったけの命で叫ぼう

今こそ叫んでみよう
大切な人の名を叫ぼう
胸の高鳴りさえぎらないで
一番大切な人の名を叫ぼう

荒れ果て尽きた大地に突っ立ち
この一本道どこへ流れ続くのか?
ふと聞こえる 狼たちの悲しき遠吠え

銀色の牙が折れ
雨がやみ 風がやみ
焼け焦げた太陽が
昇り来る頃

苦しくて 耐えきれず
泣きながら 駆け上がれ
そして人は名もなき小さな花咲かせる

銀色の牙が折れ
雨がやみ 風がやみ
焼け焦げた太陽が
昇り来る頃

苦しくて 耐えきれず
泣きながら 駆け上がれ
そして人は名もなき小さな花咲かせる


6.待たせたね

作詞:松山千春
作曲:松山千春

いたずらに時は過ぎ 気がつけばなにもない
この心いやすのは お前ただ一人

待たせたね長いこと一人きり
泣きぬれる夜は もうさよならさ
もうすぐさ この腕に抱きよせて
離さない 離さない もう二度と

幸せにさまよえば 人なみに流されて
この心 あたためて くれる人がいる

待たせたね長いこと一人きり
泣きぬれる夜はもうさよならさ
もうすぐさ この腕に抱きよせて
離さない 離さない もう二度と

待たせたね長いこと一人きり
泣きぬれる夜は もうさよならさ
もうすぐさ この腕に抱きよせて
離さない 離さない もう二度と


7.千年純情

作詞:売野雅勇
作曲:馬場孝幸

愛し合って 傷つけ合って純情
ひたむきに二人生きてたね
夢のように 過ぎた日々を想えば
ああ 胸が痛い

切なさも貧しさも
分け合っていたのに
最後まで幸せだけ
分け合えなかったね

どんな人と暮らそうとも
心だけは俺のものと
ああ 泣いた女

愛し合って 傷つけ合って純情
帰らない時間がまぶしい
汚れ知らぬ 女のままでいてくれ
ああ 千年純情

幸せになったよと
人伝てに聞いたよ
夢ばかり ああ見ていた
若さが哀しいね

胸に秘めた想いだけが
千の星を超えるだろう
命尽きても…

愛し合って 傷つけ合って純情
ひたむきに二人生きてたね
夢のように 過ぎた日々を想えば
ああ 胸が痛い

夢のように 過ぎた日々を想えば
ああ 千年純情


8.北の螢

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

山が泣く 風が泣く
少し遅れて 雪が泣く
女 いつ泣く 灯影(ほかげ)が揺れて
白い躰(からだ)がとける頃

もしも 私が死んだなら
胸の乳房をつき破り
赤い螢が翔(と)ぶでしょう

ホーホー 螢 翔んで行け
恋しい男の胸へ行け
ホーホー 螢 翔んで行け
怨(うら)みを忘れて 燃えて行け

雪が舞う 鳥が舞う
一つはぐれて 夢が舞う
女 いつ舞う 思いをとげて
赤いいのちがつきる時

たとえ 遠くにはなれても
肌の匂いを追いながら
恋の螢が翔ぶでしょう

ホーホー 螢 翔んで行け
恋しい男の胸へ行け
ホーホー 螢 翔んで行け
怨みを忘れて 燃えて行け

ホーホー 螢 翔んで行け
恋しい男の胸へ行け
ホーホー 螢 翔んで行け
怨みを忘れて 燃えて行け


9.冬桜

作詞:たかたかし
作曲:三木たかし

咲いて淋しい一輪ざしを
おまえのようだと 肩を抱く
むすべない 恋なら
生きる甲斐もない
いっそあなた あなたに散りましょう
どうせ この世は短いゆめ芝居

もえて悔いない 一夜の夢を
かんでも 噛んでも 漏れる息
運命ゆえきれない
恋の糸ならば
いっそ死んで 死んで どこまでも
堕ちてゆきたい あなたと身をからめ

こすに越せない 浮世の川を
流れてゆくしかないのです
恋ゆえに せつない
ゆれる 命火よ
もっとつよく つよく 抱きしめて
ふたり春には 咲けない冬桜


10.十六夜舟

作詞:白鳥園枝
作曲:中村清一

乗せて下さい 十六夜舟に
月の岸辺に 葦(あし)の葉がゆれる
愛をためらう 心と心
いいの私は かまわない
あなただけです この命

漕いで下さい 十六夜舟を
寄せるさざ波 情けの夜風
はなさないでね このままずっと
罪な女と いわれても
あなたなしでは 生きられぬ

明日(あす)のあてない 十六夜舟に
霧にかすんだ はるかな灯り
遠くはなれて 泣くことよりも
これでいいのよ なにもかも
あなたひとすじ ついてゆく


11.女の愛

作詞:土田有紀
作曲:弦哲也

男は夢を追う
女はあなたが 夢なのよ
つらい時こそ 私の出番
あなたをかばって 身をよせる
それが女の 愛なのよ
見えない心 感じて欲しいのよ…

男は惚れたがり
女はなんでも 知りたがり
あなたいやです より道したら
つれなくするから 尚もえる
それが女の 愛なのよ
二つのからだ 命は一つです…

男の嘘なんて
女は解るの 初めから
くやし涙を お酒に浮かべ
喧嘩をするのも 好きだから
それが女の 愛なのよ
ふたりの明日 信じて歩きたい…


12.雨

作詞:松山千春
作曲:松山千春

雨のふる日は 傘をさす
心の中がぬれるよう
愛よ 恋よ 思い出よ
ふりむけばいつも ひとりきり

雨のふる日は 傘のなか
泣けばすべてが終るよね
無理に笑うこともなく
とじこめた夢は あてもなく

雨のふる日は 傘をさす
つめたい体 ふるわせて
せめていまわ この雨に
流されていれば それでいい

せめていまは この雨に
流されていれば それでいい


13.ひとすじの白い道

作詞:中山大三郎
作曲:前田俊明

わけもなく悲しみが 胸うつ夜は
思い出の数々が うかんで消える
ふりむけば ひとすじの白い道だった
風に泣き 雨にぬれ ひたすら生きた
泣くのはよそう 笑って行こう
思い出に生きるなんて まだ早い

若さゆえ何回も 迷い子になった
男ゆえその度に 空みて泣いた
あの人も あの人も はげましてくれた
こころから感謝して 今日まで生きた
これから先を みていてほしい
それだけをたった一つ 伝えたい

ただとおい ひとすじの白い道がある
何がある 何が待つ ひたすら行こう
両手を広げ こころを広げ
愛だけを うたいながら どこまでも


14.おふくろさん

作詞:川内康範
作曲:猪俣公章

おふくろさんよ おふくろさん
空を見上げりゃ 空にある
雨の降る日は 傘になり
お前もいつかは 世の中の
傘になれよと 教えてくれた
あなたの あなたの真実
忘れはしない

おふくろさんよ おふくろさん
花を見つめりゃ 花にある
花のいのちは 短いが
花のこころの 潔ぎよさ
強く生きよと 教えてくれた
あなたの あなたの真実
忘れはしない

おふくろさんよ おふくろさん
山を見上げりゃ 山にある
雪が降る日は ぬくもりを
お前もいつかは 世の中に
愛をともせと 教えてくれた
あなたの あなたの真実
忘れはしない


15.恋月夜

作詞:麻生香太郎
作曲:西谷翔

あんたの匂いが 恋しいよ
飾りもなんにもいらないよ
ひとりじゃ寒かろ つらかろうと
やさしい声が聞きたいよ
どこでどうしていたなんて いいよ
そうさ 戻ってくれりゃいいよ
あんたにはじめて 抱かれたあの夜に
ぼっち ぼっち 帰りたい
おんな恋月夜

終電あとの 踏切りは
女が越えるにゃ 寒すぎる
誰かにそっと 上着など
かけてほしい 夜空だよ
どこでどうしていたなんて いいよ
そうさ 顔だけ見れりゃいいよ
まつげをふるわせ 抱かれたあの夜に
ぼっち ぼっち 帰りたい
おんな恋月夜

心じゃとうに 別れても
身体があんたを呼んでるよ
女は悲しい 生きものさ
うそでも 夢に酔いたいよ
どこでどうしていたなんて いいよ
そうさ 包んでくれりゃいいよ
あんたにはじめて 抱かれたあの夜に
ぼっち ぼっち 帰りたい
おんな恋月夜


16.ここにいるから

作詞:木本慶子
作曲:金田一郎

またねと小さく手を振る君に
元気を出せよと見送って
うつむきかげんの後ろ姿が
振り向かないこと願ってた

いつかきっと今の痛みが
明日を教えてくれる

泣けばいい 泣けばいい
いやになるほど
何もかも 何もかも
忘れるほど

張り詰めている
心を少し許してごらん

誰でも悩みの一つや二つ
抱いているって言うけれど

形も痛みも深さも違う
一番いらない言葉だね

だけどきっと昔のように
笑えるときが来るから

待てばいい 待てばいい
生き急がずに
大丈夫 大丈夫
夜は明ける

人混みの中
まぎれる君の心に届け

泣けばいい 泣けばいい
何度でも言う
大丈夫 大丈夫
一人じゃない

振り向いた時
いつでも僕はここにいるから