1.母衣
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
あんたさえ 良けりゃ
わたしはいつも しあわせよ
それが口癖 無口な母は
やさしい笑顔の 衣の中に
すっぽり包んで 唄ってくれた
ネンネコしゃっしゃりまーせ
寝た子の 可愛いさ…
あんたさえ 咲けば
わたしはいつも 春ですよ
母の気強い その一言が
どんなに人生 沈んでいても
歩く勇気を 与えてくれた
どうすれば いいの
あなたのいない ふる里の
母は夜空の あの星あたり
不幸な娘の ざんげの歌を
きいて笑って くれるでしょうか
くれるでしょうか
2.浮草情話
作詞:荒川利夫
作曲:山口ひろし
この目に見えない運命の嵐
今日もふたりをもてあそぶ
もしもあなたが死ぬのなら
そうよ私も生きてない
ねぇあなた
命をひとつにかさねたい
負けたらだめだと心を叱る
別れられないこの人よ
肩を並べて酔う酒の
耳に聞こえる汽車の笛
ねぇあなた
涙にうかべる故郷よ
どこまで流れる運命の川を
ネオン灯りが目にしみる
どこへ着こうと浮草の
愛を明日へつれてゆく
ねぇあなた
この手を放して暮らせない
3.女の川
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
にわか雨 傘借りに
駆けこむ家の 軒先で
思わず聞いたふる里の
流れなし 流されなして
この川の 流れに沿うて
男のいのちを 吸いとりながら
女はつよい 母になる
おてんばが 過ぎた娘を
土蔵の中に 押しこんで
文読む癖を つけさせた 母ごころ
逆らうな 逆ろうちゃだめ
この川は 女のさだめ
さだめをしっかり 受けとめながら
女は美くしゅ なるのよし
山を越え 谷を抜け
母子に通う 血の流れ
流れていつか ふる里へ戻るとか
流れなし 流されなして
この川の 流れに沿うて
女のつとめを 果たしていつか
花咲く里に 辿り着く
4.雪の華
作詞:池田充男
作曲:青山八郎
雪より白い この肌を
さくらに染める冬の宿
逢えば乱れて苦しむ恋に
とけてゆくのも おんなゆえ
あゝおんな おんな哀しや雪の華
吹雪が空に鳴る音の
恐さにふるえ ねむられず
指につたわる ぬくもりもとめ
強くあなたに またすがる
あゝ恋は恋は哀しや雪の華
私が泣いてたのんだら
あなたの命 くれますか
せめて春まで 別れるまでは
忍なさけに酔わせてよ
あゝ咲いて 咲いて哀しや雪の華
5.お上手小唄
6.嵯峨野の女
作詞:池田充男
作曲:伊藤雪彦
みだれてしまえば すむことでした
それが出来ずに 別れてきたの
堅く結んだ おんな帯
嵯峨野さやさや
竹の葉ずれを聞きながら
恋の煩悩 捨てにゆく
どうすりゃいいのと 野仏さんに
両手合わせりゃ こぼれる椿
あなた恋しい ほつれ髪
嵯峨野しとしと
水の音にも 泣かされて
ひとり未練のまよい径
書いてはいけない あなたの名前
書いてまた消す 想い出草よ
なみだぼかしの 裾が舞う
嵯峨野ほろほろ
よわい女をぶつように
鐘が鳴りますまたひとつ
7.思い川
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
寒いでしょうね ふるさとは
ごめんなさいね 行けないで
乳房知らない わが子のために
誰の祈りか 紙の鶴
ゆれて流れる 思い川
終着駅の 向うには
灯りもあれば 愛もある
くらい宿命を ひきずりながら
負けてしまった 弱虫の
こころ励ます 思い川
がんばりましょう あなたしか
あなたを救う ひとはない
そりゃあ死ぬのは なんでもないが
生きるつらさを のりこえりゃ
春が又くる 思い川
8.御破算で願いましては
9.鳩のいる港町
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
鴎にまじって 育った鳩は
自分を鴎と 思ってた
木の実を拾わず 鰯を餌に
やがて鴎に 恋をして
添えない運命に めぐり逢う
そんな女の お店がひとつ
ぽつんと灯りを 点す港駅
波止場を塒に 育った鳩は
自分を鳩と 気付かない
港を出てゆく 外国船の
白いマストを 追いかけて
溺れてわめいて 目がさめる
そんな女の のれんが今日も
夜風にゆれてる 北の岬町
鴎にまじって 育った鳩は
鴎の声色 使ってた
それでもやっぱり 鴎にゃなれず
泣いて涙も かれたけど
あきらめ切れぬと あきらめた
そんな女の 意気地がひとつ
ぽつんと灯りを 点す港町
10.浮雲
作詞:里村龍一
作曲:岡千秋
風と旅ゆく 浮雲に
何処か運命が 似たふたり
木の葉舟でも 私はいいの
ふたり一緒の 人生ならば
こころを結び 歩いてゆける
あなたの杖に なりたいの
空にちぎれる 浮雲よ
泣けば日暮れの 雨になる
あなた飲む酒 涙であれば
分けて下さい 私にも
こころの冬に 灯りを点す
あなたの愛と 生きてゆく
明日が見えない 浮雲に
命ふたつを 乗せてゆく
夢のつぼみか 雪割り草よ
春を祈って 水をやる
ふたりは一人 ひとりは二人
あなたの愛が 道しるべ
11.女の酒
作詞:藤間哲郎
作曲:高野かつみ
命もあげた 女です
何が私に残ります
今はさいごに ただひとつ
あげる言葉の さようなら
女が女を捨てました
お酒をください お酒を お酒を
鬼にも 蛇にも なりきって
生まれかわろう かわりたい
憎いあなたを 撲よりは
ひとり手酌の ひとりごと
女が女を捨てました
お酒をください お酒を お酒を
あなたの胸に 誰かいる
どうせ私は 過去のひと
風にさみしく さりげなく
夜のちまたに 花が散る
女が女を捨てました
お酒をください お酒を お酒を
12.しがらみ
13.そんなあんたに惚れました
作詞:鳥井実
作曲:西谷翔
はでな暮しは 出来ないけれど
ついて来いよと 振りむきながら
いきなり私の 手を握り
雨の屋台に 駆け出すあんた
惚れた 惚れた
そんなあんたに 惚れました
俺の生きざま 下手くそだけど
どこかお前も にているなんて
私をみつめる 目のなかに
きらり光った あんたの涙
惚れた 惚れた
そんなあんたに 惚れました
ひとつグラスに お酒を注いで
夫婦ちぎりの まねごとだけど
私に半分 のめと云う
バカよバカバカ 泣けるじゃないの
惚れた 惚れた
そんなあんたに 惚れました
14.他人船
15.母のいない故郷
16.恋情話
作詞:池田充男
作曲:伊藤雪彦
恋なら命も 惜しくない
この世のさだめが 恐いだけ
あなた あなた
あなた 捨てたりしないでよ
たとえ明日が 見えなくたって
行きます 放さず ついて行く
おんなと言う名の 浮きぐさは
男の情に 根をおこす
あなた あなた
あなた 泣いたら 許してよ
夢をささえに 艶歌のように
わたしは 他人と生きて来た
死ぬまで一緒に 暮らしたい
小雨の裏町 仮りの宿
あなた あなた
あなた ひとりにしないでよ
どうせこの恋 苦労の川を
流れてあなたと 生きて行く
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