全曲集~おとこ唄ひとり

新沼謙治 全曲集~おとこ唄ひとり歌詞
1.おとこ唄ひとり


2.旅先の雨に

作詞:小椋桂
作曲:小椋桂

つま先に雨 旅先の雨
気まじめ過ぎた 恋の重さを
逃れた旅と 見すかすように
桔梗に映える 富士に見とれて
ひと時なごむ 心 心責めるよ
せせらぎ近く 笛吹橋に
あの日の君の 忍び声する
旅先の雨に 洗われた心
今すぐ君に 持ち帰りたい
遅過ぎぬうちに 帰りたい

背中打つ雨 旅先の雨
時代遅れの 恋の重さを
恥じる心を いさめるように
うす紅の 桃の花屋根
君と訪ねた季節(とき)が 季節が浮かぶよ
灯ともし頃の 笛吹川に
月見草そっと 音立てて咲く
旅先の雨に洗われた心
今すぐ君に 持ち帰りたい
遅過ぎぬうちに 帰りたい

心打つ雨よ 旅先の雨よ
明日は晴れろ 恋する人
野道を急ぐ 男のために


3.幸福の坂道

作詞:荒木とよひさ
作曲:佐瀬寿一

遥か遠い北の空 何処の町で
幸福の坂道を歩いているだろうか
ため息つくな ふりむくな
嫁いでいればいい
想い出は足もとを重くするだけ
風は何も知らずに季節を運ぶけど
今もあの人の笑顔 胸に消えぬままに

夢に吹かれ ちぎれ雲 心をつれて
幸福の坂道を 見つめているだろうか
苦労をするな 無理するな
母親ならばいい
人生をすこやかに 暮らしているか
風は心の小枝 淋しくゆらすけど
今もあの頃のこと胸に消えぬままに

背のびをするな 駆けだすな
元気でいればいい
手のひらで掴んだら ゆっくり歩け
風は何も知らずに 季節を運ぶけど
今もあの人の笑顔 胸に消えぬままに


4.津軽恋女

作詞:久仁京介
作曲:大倉百人

津軽の海よ 竜飛岬は吹雪に 凍えるよ
日毎夜毎 海鳴りばかり
愚図る女の泣く声か
津軽の女よ 別れうたひとつ くちずさむ
にごり酒に想い出浮かべ
かじかむこころの 空を見る
降りつもる雪 雪 雪 また雪よ
津軽には七つの 雪が降るとか
こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪
みず雪 かた雪 春待つ氷雪
津軽の女よ 枕乱して 引き込む 恋女
愛に生きて夢に生きて
白いかげろう 空に舞う

津軽の女よ ねぶた祭りの
ゆきずり たわむれか
過ぎた夜の匂いを抱いて
帰れと叫ぶ 岩木川
降りつもる雪 雪 雪 また雪よ
津軽には七つの 雪が降るとか
こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪
みず雪 かた雪 春待つ氷雪
津軽の海よ 三味がゆさぶる
じょんがら聞こえるよ
嘆き唄か 人恋う唄か
胸のすきまに しみてくる

降りつもる雪 雪 雪 また雪よ
津軽には七つの 雪が降るとか
こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪
みず雪 かた雪 春待つ氷雪

降りつもる雪 雪 雪 また雪よ
津軽には七つの 雪が降るとか
こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪
みず雪 かた雪 春待つ氷雪


5.酒とふたりづれ

作詞:里村龍児
作曲:聖川湧

おまえが泣いて
泣いているような
露地の灯りに 雨がふる
少し濃い目の 水割りを
涙でうすめて 飲んでいた
おまえの面影 あぁ……
俺は今夜も 酒とふたりづれ

お前も聞いて
聞いているような
未練まじりの 流行歌(はやりうた)
指のすき間を 遠去かる
煙草の煙りに 浮かぶ面影(かお)
想い出 肴に あぁ……
俺は今夜も 酒とふたりづれ

おまえが呼んで
呼んでいるような
窓の残り灯 風の音
うしろ髪ひく 恋だけど
昔に戻れる 夢もない
倖せ祈って あぁ……
俺は今夜も 酒とふたりづれ


6.渋谷ものがたり

作詞:麻生香太郎
作曲:浜圭介

酒でふさいだ心の傷に
若いヤツらの 歌がしむ
モノがあふれて 心が痩せて
スブヤの街は演歌が 居づらくなるばかり
夜更けのハチ公 目に涙
俺たち時代に はぐれたね あゝ…

群れをなしてる 若者だって
部屋に帰れば 寒枕
仮面剥ぎとりゃ 似たもの同士
シブヤの街は昔の自分を見てるよう
一緒に飲もうよ 夜明けまで
俺たち昭和の忘れもの あゝ…

何もいわせず 男が抱けば
世間ふりすて 泣く女
そんなロマンが 少しは残る
道玄坂の人目を忍んだ 仮の宿
誰でもさみしい 人恋しい
俺たちやっぱり昭和だね あゝ…


7.大雪よ

作詞:阿部佳織
作曲:阿部佳織

ちっぽけな自分に ため息こぼれたら
君に会いに行こう
限られた夏を一心に燃える
北の国の友に
万年雪が夕陽に 照らされて
茜色に染まる
疲れた体を投げ出し 眠れよと
静かに君がささやく
ああ大雪よ ああ大雪よ
その大きな腕を広げ 強く抱きしめてくれ

追いかけた夢が こわれてしまったら
君に会いに行こう
こおりつく冬を じっと耐えている
北の国の友に
冷たい氷の下で ふきのとう
春のおとずれ 祈る
時の流れるままに まかせよと
静かに君がほほえむ

ああ大雪よ ああ大雪よ
そのやさしいまなざしで いつも見守ってくれ
ああ大雪よ ああ大雪よ
どんなに遠く 離れても
君は心の友 君は心の友


8.嫁に来ないか

作詞:阿久悠
作曲:川口真

嫁に来ないか ぼくのところへ
さくら色した 君がほしいよ
日の暮れの公園で ギターを弾いて
なぜかしら忘れ物している 気になった
しあわせという奴を 探してあげるから
嫁に 嫁にこないか
からだ からだひとつで

嫁に来ないか ぼくのところへ
財布はたいて 指輪買ったよ
たんぽぽを指にはめ よろこんでいた
あの頃と同じよに 笑ってくれるかい
傾いたこの部屋も 綺麗に片づける
嫁に 嫁に来ないか
からだ からだひとつで

真夜中のスナックで 水割りなめて
君のことあれこれと 考えているのさ
幸福という言葉 ぼくにはキザだけど
嫁に 嫁に来ないか
からだ からだひとつで


9.ごめんよ


10.口笛の港


11.兄いもうと


12.青春想譜

作詞:菅野小穂子
作曲:遠藤実

俺の名前で 故郷の母に
金を送ってくれたのは
君だろう 君に違いない
出過ぎた真似を するなよと
口で叱って 目で詫びる
俺の 俺の 俺の 青春想譜

何も言うなよ 分っているよ
言葉なんかが何になる
昼間の君と 夜の君
二人の君がいるけれど
想う心は ただひとつ
俺の 俺の 俺の 青春想譜

寒い冬の夜 屋台で食べた
君のおごりの中華そば
お汁(つゆ)も全部 吸うのよと
姉さんみたいな口をきく
声は生活(くらし)に 荒れてても
俺の 俺の 俺の 青春想譜


13.おもいで岬

作詞:阿久悠
作曲:川口真

春はたき火の燃えのこり
消えた流氷 とぶ鴎
酒を片手の 親父らが
顔をゆるめる 口ずさむ
北の岬は 今もなお
忘れられない
忘れられない おもいで岬

夏は真赤な ハマナスが
夜に人待つ 虫も鳴く
人目しのんで 若い衆が
肌を寄せ合う 月の下
北の岬は 今もなお
忘れられない
忘れられない おもいで岬

秋ははやばや 色づいて
風の音する すすり泣く
酒が恋しい 人恋し
手紙ばかりを 書く夜ふけ
北の岬は 今もなお
忘れられない
忘れられない おもいで岬

冬はたずねる 人もなく
白い灯台 ただ一つ
耐えてしのんで 船のりが
行方たずねる 目をはらす
北の岬は 今もなお
忘れられない
忘れられない おもいで岬


14.ヘッドライト

作詞:阿久悠
作曲:徳久広司

北へ走ろう お前と二人
北は雪どけごろだろう
春もあるだろう
そんなに泣くなよ
今夜からは二人だけだよ
ふり向けば つらいことばかりの
東京は捨てたよ
夜霧にゆれてる
悲しみのヘッドライト

夜が明けたら ドライブインで
からだあたためてくれる
お茶をのもうよ
もたれて眠れよ
俺に遠慮なんかするなよ
もう二度と 戻らない町には
未練など持つなよ
二人でたずねる
しあわせのヘッドライト

もたれて眠れよ
俺に遠慮なんかするなよ
もう二度と 戻らない町には
未練など持つなよ
二人でたずねる
しあわせのヘッドライト