川野夏美全曲集~霧雨海峡/江差恋唄~

川野夏美 川野夏美全曲集~霧雨海峡/江差恋唄~歌詞
1.霧雨海峡

作詞:仁井谷俊也
作曲:中村典正

雨の出船は おんなを泣かす
心細さを つのらせる
好きなのに… 好きなのに…
あなた行くのね 夜明けの船で
「ひとりで待つわ 信じて待つわ」
声も消される 霧雨海峡

海猫(ごめ)の数ほど 愛してくれた
胸を想い出 過(よぎ)ります
倖せを… 倖せを…
いつも私は 夢みていたの
「忘れはしない 責めたりしない」
かすむ船影 霧雨海峡

雨はいつ止む こころの雨は
こぼす吐息の せつなさよ
好きなのに… 好きなのに…
おんな未練は 大波小波
「帰って来てね 迎えに来てね」
追ってゆけない 霧雨海峡


2.夢割酒

作詞:木下龍太郎
作曲:水森英夫

キープボトルの あなたの名前
やせた小指で またなぞる
ひとり枕じゃ 寝付かれなくて
いつか覚えた 酒の味
夢の破片(かけら)を グラスに入れて
苦さ薄める 夢割酒よ

私なりには 尽くしたけれど
届かなかった あなたには
悔いを残して 別れて来たが
いまは苦労も なつかしい
レモン代りに 想い出輪切り
そっと浮かべる 夢割酒よ

ひとり暮しと あなたのうわさ
耳にうれしい 風便り
夜の酒場の 止まり木よりも
欲しい心の 拠り所
夢の破片を グラスに入れて
苦さ薄める 夢割酒よ


3.江差恋唄

作詞:仁井谷俊也
作曲:岡千秋

消えた鰊(にしん)をヨー 追いかけて
あのひと今頃 どこの海
出船入船 江差の港
風の追分 聞くたびに
胸が泣けます 恋しさに 恋しさに
ヤンサノエー

ロシアおろしがヨー ヒュルヒュルと
吹雪(ふぶ)けばこころは 冬になる
漁船(ふね)をおりたら 一緒になると
あの日誓った 抱きしめた
今も揺れてる あの笑顔 あの笑顔
ヤンサノエー

浜の番屋をヨー 尋ねたら
いつかは逢えると 人は云う
出船入船 江差の港
ねぐら探して 北へ翔ぶ
海猫(ごめ)よあのひと つれて来て つれて来て
ヤンサノエー


4.出世太鼓

作詞:仁井谷俊也
作曲:中村典正

生まれ玄海 黒潮育ち
負けず嫌いは 父譲り
花の都の 東京で
夢を咲かせる 心意気
撥を持つ手に 力を込めて
ドントドドント ドント
出世太鼓を 打ち鳴らせ

涙しぐれに 濡れそな夜は
窓に故郷の 月をみる
弱音吐くまい 勝つまでは
為せば成るのさ 何ごとも
意地の晒しを こころに巻いて
ドントドドント ドント
出世太鼓よ 鳴り響け

親に貰った 大事な身体
無駄に生きたら 罰あたり
若さぶつける 明日には
檜舞台が 待っている
粋な法被の 片袖ぬいて
ドントドドント ドント
出世太鼓を 打ち鳴らせ


5.利尻水道

作詞:木下龍太郎
作曲:徳久広司

便りがいつしか 絶えたのは
恋を始めた せいですか
必ず帰るの 約束は
その場限りの 嘘ですか
支えなくして あなた
どうして生きれば いいのでしょうか
吹雪いて今日も 船はない
利尻水道 日本海

離れて暮せば 駄目なほど
愛ははかない ものですか
一緒に生きてく 幸せは
私ひとりの 夢ですか
憎い仕打ちを あなた
恨めずいるのは 未練でしょうか
なみだが胸に 凍りつく
利尻水道 日本海

悲しいけれども さよならの
手紙 最後に くれますか
心に区切りを つけるため
無理を言っても いいですか
違う生き方 あなた
見付ける手立ては あるのでしょうか
ひと足遅く 春が来る
利尻水道 日本海


6.白いフェリーの船長さん


7.夜桜しぐれ

作詞:木下龍太郎
作曲:徳久広司

三日限りの みちのくの
旅も最後の 北泊り
弘前 津軽
傘はいらない 夜桜しぐれ
この世で添えぬ 恋ゆえに
花も見せるか 貰い泣き

連れて逃げての ひと言が
なんで言えない 意気地なし
弘前 津軽
弱い女に 夜桜しぐれ
飛礫(つぶて)のように 花びらが
払い除けても 頬を打つ

七日桜と 言うように
きっと今夜が 咲き納め
弘前 津軽
肩に降る降る 夜桜しぐれ
二人の夢が 散り急ぐ
かけらみたいで 辛くなる


8.じょっぱり

作詞:仁井谷俊也
作曲:北原じゅん

ねぶた祭りが 終わってヨー
林檎が真っ紅に 色づきゃヨー
もうすぐ凍(しば)れる 冬が来る
アーアア風が吹く 風が吹く
山背の風がヨー
あぁ東京のあの人に
逢いたくて・・・逢いたくて・・・
帰るその日を指折り数えりゃ
恋しくて・・・恋しくて・・・
じょっぱり涙に
泣けるんだヨ 泣けるんだヨー

雪がしんしん 積もってヨー
夜汽車の警笛(きてき)が
哭くたびヨー
遠いあの日が 瞼(め)に浮かぶ
アーアア風が吹く 風が吹く
山背の風がヨー
あぁあの人のじょんがらが
聴きたくて・・・聴きたくて・・・
夢で今夜も逢いに行きたい
淋しくて・・・淋しくて・・・
岩木のお山と
待ってるヨ 待ってるヨー

あぁ東京のあの人に
逢いたくて・・・逢いたくて・・・
帰るその日を指折り数えりゃ
恋しくて・・・恋しくて・・・
じょっぱり涙に
泣けるんだヨ 泣けるんだヨー


9.倖せなみだ

作詞:麻こよみ
作曲:徳久広司

またいつの日か 逢える気がしてた
再び引き合う 紅い糸
元気でいたかと 労るような
あなたの優しさ 思いやり
まわり道した その先に
明日の花咲く 倖せなみだ

もうあの頃に 戻りたくないわ
誰かを羨(うらや)み 泣いた夜
過去など忘れろ 今日から何も
心配するなと 言うあなた
つらい月日の その先に
笑顔の花咲く 倖せなみだ

また倖せが 来ると思いたい
寄り添うあなたの あたたかさ
今日まで離れて 暮らした月日
無駄ではなかった 二人には
まわり道した その先に
明日の花咲く 倖せなみだ


10.港町恋唄

作詞:吉岡治
作曲:中村典正

海は朝焼け 飛沫(しぶき)をあげて
豊後水道 あなたの舟がゆく
ぶっきらぼうでいいからさ
海の男なら
ついて来いよと 言ってみて
あなたの港は ふたりの港

時化(しけ)がつづけば ふて寝の三日
明日の暮らしも お天気次第だと
塩っぱい味は知ってます
どんな苦労でも
浜の女房は 引き受ける
あなたの港は ふたりの港

海は夕焼け 鴎をつれて
豊後水道 帰りの舟がくる
好きなら白い旗あげて
それが合図なら
駆けてゆきます まっしぐら
あなたの港は ふたりの港


11.室戸岬

作詞:木下龍太郎
作曲:弦哲也

別れに泣いた 女の目には
白い灯台 なお沁みる
あなたを忘れる ひとりの旅に
面影 後から 従いて来る
室戸 室戸岬は 恋岬
胸のすき間に 風が吹く

気付かぬ内に 二人に出来た
埋(うず)め切れない 愛の溝
幸せ失くした 女にとって
名前も哀しい 夫婦(めおと)岩
室戸 室戸岬で また背伸び
夢の行方を ひとり追う

黒潮寄せる 月見が浜は
春がどこより 早く来る
信じて待ったら あなたの愛も
いつかは戻って 来るかしら
室戸 室戸岬は 恋岬
髪を撫でてく 風に訊く


12.柳川わかれ


13.あばれ海峡


14.むすめ道中記

作詞:仁井谷俊也
作曲:中村典正

赤城(あかぎ)おろしか からっ風
やって来ました 上州路
恋の水上(みなかみ) 情けの伊香保(いかほ)
女いちずの 桃色仁義
ちょいと小粋で 強いあんたに
アンアアンアンアン ひと目惚れ

生まれついての 浪花節
見せてあげたい 胸ン中
義理の大阪 度胸の播麿
愛にゃ奥手の 街頭がらす
色気不足が そうよあたしの
アンアアンアンアン 泣きどころ

行こか戻ろか 東海道
こころ思案の 駿河湾
今日は相模路 明日は伊勢路
歌を道づれ 夢追い道中
何故かつれない 罪なあんたに
アンアアンアンアン 首ったけ


15.サヨナラ桟橋

作詞:仁井谷俊也
作曲:岡千秋

さよならね… さよならね…
あなたさよならね…
この船は夜明けには 海峡出て行くわ
好きだよと打ちあけた 祭りの夜の
やさしい言葉くちづけを きっと忘れずに
帰ってね… 戻ってね…
サヨナラ桟橋

泣かないわ… 泣かないわ…
あなた泣かないわ…
光るのは波しぶき 涙の粒じゃない
ドラが鳴り手を振った あなたの声を
汽笛が潮風が消したって 夢で逢えるから
ひとりでも… 耐えられる…
サヨナラ桟橋

お元気で… お元気で…
あなたお元気で…
いつまでも待ってるわ 岬の海鳥と
倖せが手土産と 肩抱き寄せた
あの日の笑顔あの涙 今も信じてる
帰ってね… 戻ってね…
サヨナラ桟橋


16.紙のピアノ