1.余呉の雨
作詞:麻こよみ
作曲:岡千秋
恋にはぐれた 女が流す
涙の雨が 余呉(よご)の湖(うみ)になる
強く結んだ 縁(えにし)でも
離れて暮らせば ほどけます…
信じて待つと 決めた心に
冷たく雨・雨・雨 雨が降る
きっと帰ると 囁(ささや)きながら
優しく肩を 抱いてくれた人
雨がそぼ降る こんな日は
あなたを怨(うら)んで いいですか…
泣かずに待つと 決めた心に
冷たく雨・雨・雨 雨が降る
鏡みたいな 水面(みなも)に写る
あなたの面影 揺らす余呉(よご)の雨
しずく冷たい 襟足(えりあし)が
今でもぬくもり 恋しがる…
明日も待つと 決めた心に
静かに雨・雨・雨 雨が降る
2.恋路浜
作詞:松井由利夫
作曲:伊藤雪彦
あなたと流した 涙のような
雨がいつしか 霙(みぞれ)にかわる
秋の終わりの 恋路浜(こいじはま)
忘れられない
肌の匂いの 潮騒が
沁みて哀(かな)しい 能登(のと)の海
女のいのちを 二重(ふたえ)に三重(みえ)に
巻いた小指の 紅糸(べにいと)なのに
いつかちぎれて 流れ雲
遠いあの夜が
揺れてせつない 姫鏡(ひめかがみ)
夢も濡れます 港宿
乾いたこころを まぎらすための
北の地酒は 飲むほどつらい
恋の砂山 恋路浜
連れにはぐれた
鴎みたいに 明日(あす)もまた
泣いて奥能登 ひとり旅
3.紙の舟
作詞:松井由利夫
作曲:伊藤雪彦
頬寄せて 瞼(め)をとじて あなたの胸で
つむぐ女の 夢の糸
ほどいた帯の 絹づれの
音がはじらう 闇の中
今夜のあなたは ねえ あなたは
わたしだけの ものですね
泣かされて 泣き止(や)んで また泣かされて
なみだ夜通し 虫の声
あなたが噛んだ くちびるに
しみるお酒の 玉の露
愛しいあなたの ねえ あなたの
熱いなさけに 酔いたいの
男には ひとときで 過ぎてく嵐
女ただよう 紙の舟
炎の波に 身をまかせ
朝を迎える それまでは
今夜のあなたは ねえ あなたは
わたしだけの ものですね
4.こころ舟
作詞:松井由利夫
作曲:伊藤雪彦
捨てて忘れて あきらめて
涙(みず)に流した 夢なのに
霧が明日(あした)を かくす夜(よ)は
にじむ灯(あか)りに 身をふるわせる
よわいわたしに 逆戻り
だめよだめよね… あゝやっぱり女
頬(ほほ)をころげる 涙より
つらいものなの 残り香は
嘘と本気の けじめさえ
つけてくれずに 逃げてく男
呼んでどうなる わけじゃない
知っていながら… あゝやっぱり女
人のさだめは 川の帯
ゆれて流れる こころ舟
紅は濃いめに ひいたって
酒におぼれる 泣き虫だから
あなたひとりの おもかげを
抱いているのよ… あゝやっぱり女
5.雪の舟
作詞:松井由利夫
作曲:伊藤雪彦
雪のかおりに 胸つまらせて
あなたの二の胸 泣き泣き噛んだ
舞いながら 溶けながら
いのち乱れた 短(みじ)か夜(よ)の
恋の足跡(あしあと) 哀しくかくす
あゝ…… 雪の舟
雪見障子(ゆきみしょうじ)を 細目にあけて
見送る あなたの 愛(いと)しい背中
音もなく 降りつもる
雪は怨(うら)みの 花あかり
燃えて縋(すが)れば はかなく消える
あゝ…… 雪の舟
帰したくない おんなの涙
ふりきる あなたの つめたさ 強さ
追いかけて 引き止めて
夢に死なせて もういちど
みれん移(うつ)り香(が) 情けが凍る
あゝ…… 雪の舟
6.相愛橋
作詞:松井由利夫
作曲:伊藤雪彦
花の灯りが こぼれてゆれて
夢をいろどる 恋の川
相愛橋は あなたとわたし
つなぐ手と手を 袂(たもと)でかくし
ひと目しのんで 渡る橋
指の先まで はじけて燃えて
胸がいっぱい 倖(しあわ)せで
相愛橋は あなたとわたし
熱いひとみを からませながら
こころひとつに 結ぶ橋
あまい夜霧に 口(くち)ふさがれて
溶けて行きそう このまんま
愛相橋は あなたとわたし
風が柳に 寄り添うように
離れられない ふたり橋
7.酔芙蓉
作詞:坂口照幸
作曲:大谷明裕
苦しまないでね 私のことで
男が曇れば あとを引く
いいの 最後の 逢瀬でも
酔えるひと刻 その刻だけを
せめて私に 下されば
花はひと咲き 酔芙蓉
男の好みに 女は合わす
日陰の恋なら 尚更に
帯はくれなゐ しじら織り
どうぞその目に 残して欲しい
今日を限りの 一夜咲き
咲いて一生 越えもする
あなたの接吻 火の接吻で
女の命を 閉じらせて
夜をこのまま 裂かれても
肌のすき間に あなたが匂う
夢の果てまで 一緒です
花はひと咲き 酔芙蓉
8.時雨海峡(しぐれかいきょう)
作詞:星野哲郎
作曲:市川昭介
海のとばりに とじこめられて
月も岬も 闇の中
あなたを乗せた 捲網船(まきあみせん)の
灯りが一つ 波間に一つ
点(つ)いては消えて また点(つ)いて
恋を占う ああ 時雨海峡
翼ぬらした 風見の鳥が
くらい海みて 啼(な)いている
しぐれはほんの 一時なのに
止むまで待てぬ 女のこころ
わかっているよ わかるわと
胸にとげ刺す ああ 時雨海峡
男心と 山背(やませ)の風は
マリアさまにも 止められぬ
チャペルの鐘が あと追いかける
あなたの船は しぶきを浴びて
左へ右へ ゆれながら
西へ流れる ああ 時雨海峡
9.津和野川
作詞:木下龍太郎
作曲:朝月廣臣
馴染んだ指輪を 三日だけ
外す女の くすり指
一度限りの…
貴方と旅に 出たのです
罪を忘れて 寄り添えば
影も重なる 津和野川
殿町通りの 掘割は
あやめ模様の 水鏡
許し合っても…
女の朝は まぶしくて
何度 手櫛で 梳かしても
映る昨夜の ほつれ髪
石州瓦に 降り出した
雨も泣いてる 名残り宿
妻で通した…
今夜で旅は 終わりです
持って帰れぬ 想い出を
夢に浮かべる 津和野川
10.お登勢
作詞:松井由利夫
作曲:保田幸司郎
点(とも)してください 命の限り
男を貫く 夢の火を
たとえ この身は 露(つゆ)となり
三条河原に さらされようと
お登勢は お登勢は…
あなたに 賭けます つくします
拓(ひら)いてください 夜明けの扉
嵐にくじけず ひとすじに
花の袂(たもと)を 噛みしめる
涙と情けの 紅殻格子(べにがらごうし)
お登勢は お登勢は…
あなたが 心の 道しるべ
酔わせてください 大志(のぞみ)を遂げて
生きてる証(あか)しの 美酒(うまざけ)に
月の加茂川 水鏡
たばねる黒髪 女の一念(おもい)
お登勢は お登勢は…
あなたに 明日(あした)を あずけます
11.あずさ川
作詞:かず翼
作曲:岡千秋
離れていたって 心は一緒
背伸びして見る 遠い空
恋しさひとつ 逢いたさふたつ
肩にハラハラ 散る紅葉(もみじ)
追えばあなたの 重荷になるわ
ここで待ちます あずさ川
女でいるのが 哀しい夜は
胸のほくろが またうずく
淋しさひとつ 逢いたさふたつ
一人手酌で 飲むお酒
凩(かぜ)の音にも あなたを捜す
季節流れる あずさ川
涙でみがいた 女の夢に
ともる灯りを 信じます
切なさひとつ 逢いたさふたつ
雪に顔出す 蕗(ふき)のとう
きっとあなたに 尽くして生きる
春はもうすぐ あずさ川
12.夫婦日和
作詞:吉岡治
作曲:弦哲也
いままで頑張りすぎたから
休みをくれたの神サマが
一病息災のんびりと
折り合いつけては ねえあなた
私あなたの 私あなたの 杖になる
一人で背負えぬ苦しさを
ぶつけていいのよ思いきり
尽くしているんじゃないんです
寄り添うだけなの 懸命に
私あなたの 私あなたの 女房です
ゆっくりあなたの腕をとり
失した時間を取り戻す
歩幅に見合った旅だって
雲まで浮かべて 日はうらら
私あなたの 私あなたの 春になる
13.焼酎天国II
作詞:古岡治
作曲:弦哲也
一つおじゃったもんせ 鹿児島へ
ふとか男は 西郷隆盛
三つ見上げる 桜島
四の五のいわずに まず一献
芋 麦 黒糖 米麹
酔えば気分は 錦江湾
鯨泳がせ 大皿で
いただきもっそう 焼酎天国
いっぺこっぺちりりんりん
わっかおなごがちりりんりん
おはん恋しと 手まねをしとる
Wow Wow Wow
いっぺこっぺちりりんりん
いっぺこっぺちりりんりん
ベイビー 罪つくり
ベイビー 罰あたり
六つ無理して得を 取るよりも
七つ転んで 八つで笑えば
苦労九の字の 憂き世でも
とうとう花咲く 春がきた
キビナゴ トンコツ さつま揚げ
酒のさかなにゃ 困らない
鯨泳がせ 大甕(おおがめ)で
いただきもっそう 焼酎天国
いっぺこっぺちりりんりん
わっかおなごがちりりんりん
せつね涙(なんだ)を ホレ流しとる
Wow Wow Wow
いっぺこっぺちりりんりん
いっぺこっぺちりりんりん
ベイビー 人違い
ベイビー 勘違い
いっぺこっぺちりりんりん
わっかおなごがちりりんりん
おはん恋しと 手まねをしとる
Wow Wow Wow
いっぺこっぺちりりんりん
いっぺこっぺちりりんりん
ベイビー 酔っぱらい
ベイビー はしご酒
いただきもっそう 焼酎天国
いただきもっそう 焼酎天国
おやっとさー
14.ご満悦音頭
作詞:松井由利夫
作曲:伊藤雪彦
花の緞帳(どんちょう) さらりと上げりゃ
あなたとわたしの 出番です
今日という日は 二度とは来(こ)ない
やぼな苦労は 先送(さきおく)り
アラ ゴマンエツ チョイト ゴマンエツ
人生 いつでも 夢舞台(ゆめぶたい)
暗い顔には お金(かね)も逃げる
にこにこ笑顔にゃ 福が来る
べそをかいても 逆立(さかだ)ちしても
どうせなるよに なる浮世(うきよ)
アラ ゴマンエツ チョイト ゴマンエツ
人生 いつでも 夢舞台(ゆめぶたい)
風に柳の たとえじゃないが
無理すりゃつまずく 恋の道
好きになったら とことん惚れて
縁(えん)がなければ あきらめる
アラ ゴマンエツ チョイト ゴマンエツ
人生 いつでも 夢舞台(ゆめぶたい)
肩を張らずに 力(ちから)をぬいて
三本〆(さんぼんじ)めです お手拍子(てびょうし)
なにはなくても 大事なものは
出逢い ふれ逢い めぐり逢い
アラ ゴマンエツ チョイト ゴマンエツ
人生 いつでも 夢舞台(ゆめぶたい)
15.しのび宿
作詞:鳥井実
作曲:市川昭介
明日(あす)の別れを 哀(かな)しむように
俄(にわ)か雨ふる しのび宿
妻あるあなたに 恋をした
運命(さだめ)をどんなに 恨(うら)んでも
めぐり逢うのが 遅すぎた
ひとつ盃(さかずき) お酒を注(つ)いで
分けて飲みあう しのび宿
あなたがいいよと いうのなら
私は死ぬまで 日蔭でも
耐えて行く気で いたものを
つらい別れに なお更燃えて
愛を重ねた しのび宿
あなたの寝息を 聞きながら
このまま一緒に 死にたいと
眠れなかった いつまでも
16.宵待橋
作詞:松井由利夫
作曲:伊藤雪彦
指の先から こころまで
ふたりはひとつの つもりでいたの
宵待橋は なさけ橋
縞のお召(めし)に 西陣しめて
あなたを待てば
……あゝ 遠く京都(みやこ)の 鐘の声
肩をよせあう それだけで
泣きたくなるほど 倖せでした
宵待橋は 出逢い橋
宇治は茶どころ 茶を揉むよりも
この身をよじる
……あゝ つらい思いの 川あかり
笹の小舟に 京すみれ
流せばあなたに 届くでしょうか
宵待橋は みれん橋
夢をかぞえて 袂を噛めば
逢坂山の
……あゝ 月もなみだの 傘をさす
17.愛愁歌
作詞:石本美由起
作曲:弦哲也
愛に命を 縛られながら
切れた縁(えにし)の 別れです
故郷を捨てる 私のこころ
秋雨(あきさめ)よりも 冷たくて
涙びっしょり 濡れてます
生きて連れ添う 約束さえも
嘘と流れた 濁(にご)り川
この世の命 終る日までは
未練の糸が 断ち切れず
罪な運命に 泣くでしょう
過去を 男は 捨(す)て切れるのに
過去は 女に つきまとう
両手で愛の 温(ぬくも)り探し
ひとつの愛に 唇を
燃えて 重ねる 夜は無い
18.人妻しぐれ
作詞:早川詩郎
作曲:板谷隆
愛し合ってもつらいのと
涙ぐんでる恋姿
見えぬ運命(さだめ)に邪魔されて
しのび逢う身にまた今夜
濡れて切ない人妻しぐれ
夢を重ねて見たけれど
それもはかない恋未練
別れなければいけないと
知っていながらまた燃える
濡れてどこまで人妻しぐれ
どこへ逃げてもかくれても
花もまぼろし色あせる
背中合わせの恋だから
噂気にして身も細る
濡れて淋しい人妻しぐれ
19.酔月情話
作詞:坂口照幸
作曲:大谷明裕
信じていました 来て下さると
目元うるうる 川になる
どうぞ叱って その胸で
あなたを慕う 女のこころ
火のみち踏んでも 増すばかり
月も人恋う 酔月情話
お酒を含んで あなたに移す
裾に乱れる 緋(ひ)ぢりめん
肌をころがる 露の玉
あなたの指で はじかれましょう
この世の外へと つれてって
月も濡れます 酔月情話
ひと夜の嵐に 枕も沈む
こらえきれずに 漏れる息
そうよ百年 それ以上
あなたのそばで 過ごせることは
いとしさ余って 残る紅
月も恥らう 酔月情話
20.たそがれ酒場
作詞:吉岡治
作曲:弦哲也
店は狭いが こころは広い
いいの 出世払いの催促なしで
金は天下のまわりもの
忘れた頃にやってくる
路地の細道 この世の憂さを
今日もスチャラカ スチャラカチャンです
たそがれ酒場
辛さはかれば どちらも同じ
いいの 惚れてふられて一皮むける
恋は天下の縁起もの
めでたいだけが恋じゃない
男だったら 奥歯をかんで
今日もスチャラカ スチャラカチャンです
たそがれ酒場
外は寒いが 情けは熱い
いいの 肩を寄せ合う細うでのれん
酒は天下のちから水
無口が唄う 故郷のうた
夢を浮べた ぐい呑みほして
今日もスチャラカ スチャラカチャンです
たそがれ酒場
21.港のかもめ
作詞:丹まさと
作曲:弦哲也
こんな寂しさ おいてゆく
憎いあんたに みれん雨
かなしいものね かもめさん
惚れて抱かれた 残り火が
ざんぶざんぶと 波間にゆれる
港ほろほろ あぁ 女唄
つらい運命(さだめ)も 気づかずに
熱く燃えてた 腕の中
伝えておくれ かもめさん
粋なことばに くどかれて
今じゃ一人寝 枕もぬれる
涙まじりの あぁ 女唄
うすい幸せ 恨んでも
夜があんたを 待ちわびる
切ないものね かもめさん
海を見る癖 身について
ざんぶざんぶと 面影ゆれる
港ほろほろ あぁ 女唄
22.安曇野の雨
作詞:吉岡治
作曲:弦哲也
愛されつづける 自信はないの
それでも好きなら 戻れはしない
今日がよければ 明日はいいと
相合傘の肩濡らす
あー安曇野の恋 銀色の雨
傷つくことより 出会ったことに
二人の絆を 感じているの
添えぬ恋でも 大事な恋と
からめた指を凍らせる
あー安曇野の恋 銀色の雨
ほどいた黒髪 乱れるままに
過ごした一夜の 堀金の宿
雨があがれば 常念岳も
陽差しを浴びて見えるでしょう
あー安曇野の恋 銀色の雨
23.蛍舞い
作詞:木下龍太郎
作曲:保田幸司郎
眠るあなたを 起こさずに
宿を出ました 忍び足
後ふり向けば ああ
闇に乱れる 蛍舞い
女ごころの 未練火が
燃えているよで つらくなる
呑めぬお酒を せがんでは
酔って薄めた 罪ごころ
初めの夜も ああ
明り障子に 蛍舞い
そっとあなたに 添い寝して
数を数えた 宿枕
戻りたいけど 戻ったら
別れられない 今度こそ
私の胸に ああ
揺れる篝火(かがりび) 蛍舞い
迷う足元 照らしては
おいでおいでと 先を行く
24.深川情話
作詞:星野哲郎
作曲:弦哲也
逢うたあの日は 七月十日
赤いほおずき 縁結び
しのぶれど 思わず知らず 色に出て
指をさされる 浅草寺(せんそうじ)
浮名立たせりゃ あなたが困る
私しゃ それでは 物足りぬ
都々逸(とどいつ)の 文句に乗せて それとなく
苦労買います 江戸育ち
(セリフ)
あなたと初めて逢ったのも橋の上
お別れするのも橋の上
私は別れの下手な女ね
やっぱり 泣いちゃった…。
別れ上手な 女を演じ
指が泣いてる 橋の上
隅田川 巡航船の 笛の音に
涙しぐれる 佃島(つくだじま)
25.玄海情話~無法松の一生より~
岡千秋・島津悦子
作詞:松井由利夫
作曲:松井由利夫
月も片割れ 玄海灘(げんかいなだ)の
潮の辛(から)さが 瞼(まぶた)に 瞼(まぶた)に沁みる
口が裂けても 言うてはならぬ
小倉木綿(こくらもめん)の 腹掛(はらが)けの
奥にたたんで 縫いこんだ
…身のほど知らずの この慕情(おもい)
(台詞)
わしゃ 夢はすかん…。
目がさめると、楽しかこと、嬉かこと、
みんな、のうなるけん、寂しか…。
そやけん、ごりょうさんには、
夢の中でしか逢えんと…
そいでよか、よかと。
人情(なさけ)くすぐり 肩すりよせる
そんな浮世を 逆さに 逆さに生きる
あばれ者でも 松五郎さんの
握る俥(くるま)の 梶棒(かじぼう)に
ほろりこぼれた ひと雫(しずく)
…わかっております 痛いほど
(台詞)
松五郎さん 今年もまた祇園祭がきましたね。
長い間のあなたのまごごろ、
よーくわかっておりますよ。
わたしも…わたしも女ですもの…。
度胸千両 男の酒も
愚痴が肴(さかな)じゃ 酔うにも 酔うにも酔えぬ
破れ畳の 一間にだって
祇園祭りの 夏は来る
無法松なら 勇み駒
…命をいろどる 夢太鼓
26.命ある限り
作詞:木下龍太郎
作曲:伊藤雪彦
雪が降ります 白い 白い 雪が降る
二人の恋を 流した海に
雪が降ります 白い 冬の花が降る
やすらぎ捨てた 女の胸に
愛に 愛に 愛に馴れ過ぎ
何故か 何故か 何故か空しい
一人になって 自分のことを
見つめ直す 時だから
生まれ変わるための 遠い旅です
雪が舞います 白い 白い 雪が舞う
想い出埋めた 砂丘の上に
雪が舞います 白い 冬の蝶が舞う
明日へ向う 夜汽車の窓に
他人(ひと)に 他人(ひと)に 他人に頼らず
夢に 夢に 夢に生きたい
流れのままに まかせたならば
きっと悔いを 残すから
一人立ちのための 長い旅です
何が 何が 何があっても
後は 後は 後は向かない
私にとって 最後の賭けの
時が来たと 思うから
生まれ変わるための 遠い旅です
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