1.男詩
作詞:阿久悠
作曲:円広志
ザンザ ザンザと 波のりこえて
急ぐ帰りは 演歌が似合う
陸じゃ今頃 祭りの支度
お前そろそろ薄化粧
旅の鴎よ 一足先に
俺の達者を 伝えておくれ
二年あずけた 惚れたの言葉
持って帰ると 云ってくれ
船はヨー 船はヨー
三段飛びだよ 波頭 アアアー
ドンド ドンドと 風受けながら
港めざせば 心がはずむ
酒は好みの 地酒が二本
お前手作り 煮メめ物
灼けた胸板 恋しくないか
熱い心が いとしくないか
紅で染めるか 涙のあとか
どちら先でも 待ってると
船はヨー 船はヨー
三段飛びだよ 波頭
船はヨー 船はヨー
三段飛びだよ 波頭 アアアー
2.北情歌
作詞:山田孝雄
作曲:幸耕平
沖に浮かぶ 流氷に
別れつげる 海鳥よ
肩を抱いて 歩く波止場に
とまり船 帰り船
遠く来たね なあ お前
振り向けば つらすぎた
まわり道してた二人には この町が夢港
離れずについて来るんだよ 俺の行く道を
北に咲いた 浜茄子の
花のような 頬紅よ
生まれ住んだ 故郷を 捨てても
歩きたい 明日へと
長い旅の 今 夜明け
何処迄も 道づれさ
傷ついた心寄せ合って 生きて行く二人なら
哀しみにめぐり逢う時も 負けるはずがない
死ぬ時は二人一緒ねと 泣いているお前には
涙より 似合う幸せを 俺が探すから
3.竹とんぼ
作詞:横山聖仁郎
作曲:横山聖仁郎
竹べら突ついて穴あけて
遠い昔におやじにねだり
作ってもらった竹とんぼ
くるり回せばかすかにうなり
両手をすり抜け飛んでった
あれから幾年過ぎたろか…
飛べ飛べ あの日の竹とんぼ
思いの糸引きふるさとへ
飛べ飛べおやじの竹とんぼ
どこまでも飛んでゆけ
他人を横目にひとり道
はぐれさまよい転がりながら
それでもすがった夢一つ
俺の人生 流され流され
このまま終ってしまうのか
嘆きをぶつけるコップ酒…
飛べ飛べ泥んこ竹とんぼ
小枝にあたって宙返り
飛べ飛べ男の竹とんぼ
もう一度飛んでゆけ
くるり回せば希望の唄が
風に聞こえてくるんだよ
調子のはずれたおやじ唄…
飛べ飛べ心の竹とんぼ
大空めがけて空を切り
飛べ飛べおやじの竹とんぼ
どこまでもとんでゆけ
4.時は流れても
作詞:吉岡治
作曲:岡千秋
シベリアおろしの季節がまた来たね
瞼を閉じれば 女の顔がある
あゝいくら飲んでも
酔えない 酔えない ひとり酒
これでいいんだ たとえ心が痛んでも
お前のせいじゃない
真紅な角巻 舞いとぶ雪の華
忘れちゃいないさ あの日の北の駅
あゝ胸に刺さって
消えない 消えない すすり泣き
これでいいんだ ついてきたって迷い道
お前のせいじゃない
涙の数だけ 倖せあげたいよ
その日が来たとき お前に逢いにゆく
あゝ夢のにがさに
酔えない 酔えない ひとり酒
これでいいんだ 春になっても冬景色
お前のせいじゃない
5.花染められて
作詞:麻こよみ
作曲:美樹克彦
不幸でいるなら 心が痛い
幸せならば それも淋しい
別れた女の 噂をきけば
この胸が 切なく揺れるよ
女の華やかな いい時を
夢に誘って そして迷わせたまま
女の一番 いい時を
花咲き乱れ 乱れ乱したままで
心残りさ 風に吹かれて
まだ…今…まだ…
くわえた煙草を 取りあげながら
唇せがみ 甘えたおまえ
あのまま一緒に 暮らしていたら
幸せは 続いただろうか
女のきらめいた いい時を
冷めた吐息に ひとり曇らせたまま
女の一番 いい時を
花散らされて 散らせ散らしたままで
心うつ向き 闇に抱かれて
もう…夢…もう…
女のかがやいた いい時を
浅い眠りに ひとり置き去りのまま
女の一番 いい時を
花染められて 染まり染まったままで
心震える 夜の蒼さに
もう…夢…もう…
6.望郷しぐれ
作詞:水木れいじ
作曲:円広志
縄の暖簾に そぼ降る雨も
北の津軽じゃ 雪になる
思い出すんだ こんな日は
故郷に残した おふくろを
すまぬすまぬで はや五年
帰りたい 帰れない
かさねた不孝ばかり
やけに気になる夜だ 望郷しぐれ
林檎畑の 香りを乗せて
昨日届いた 小包よ
指のささくれ 噛みしめりゃ
今もこだます 木挽き唄
腹で詫びてる 筆不精
帰りたい 帰れない
気やすめひとつ書いて
あとの言葉が出ない 望郷しぐれ
知らぬ同志が 肩よせあって
苦労忘れる コップ酒
きだてのいい娘を 嫁にして
きっと迎えに 戻るから
待っていてくれ 達者でな
帰りたい 帰れない
祭りもとおに過ぎて
岩木は吹雪の中か 望郷しぐれ
帰りたい 帰れない
やるだけやってみるさ
俺は男じゃないか 望郷しぐれ
7.夢・想・人 ~MUSOUJIN~
作詞:北川文化
作曲:武野良
別れたやつだとつよがりいって
こころじゃ好きだと分かっているのさ
ひとめ逢える夢みて飲む酒を
だれが名づけたまくら酒
他に女は花の数ほど
どこにもいるけど
俺の命がさがしてる女はひとり
さだめの嵐か涙のしずく
ふたりで暮らせるあしたがほしいと
俺の胸に甘えた雨の夜
夢にみるのさまくら酒
髪はいまでも俺の好みか
死ぬほど恋しくて
あつい命が追いかける心はひとり
つめたい男とうらんでいるのか
すねてた唇ぬらしたこの俺
抱けば細い身体が泣いていた
それが最後のまくら酒
どこで生きても夢はすてるな
いつかはめぐり逢う
俺の命がほれている女はひとり
8.海鳴り
作詞:吉田旺
作曲:三島大輔
沖に出たままもどらぬ親父と
兄貴の名を呼ぶ おふくろの
なみだ声かき消すように北の荒海 吹雪が吠える
海で死んだ 男はいつの日か
生まれ変わり 鴎になるとゆう
海よ返せ おふくろに親父を
海よ返せ 兄貴のあの笑顔
かえしてくれ!!かえしてくれ…!
そして三年 浜辺をさまよい
ふたりの名を呼ぶ おふくろの
うすい肩かすめて二羽の 鴎 鴎がおふくろを呼ぶ
海で死んだ 男の 魂 は
ふるさとへと もどってくるとゆう
見えるだろか おふくろの 姿が
見えるだろか この俺の 泪が
とべよ鴎!!とべよ鴎…!
9.からたちのふるさと
作詞:市場馨
作曲:杉本真人
残りの冬が からたちのトゲに
雪をちらす日 都会にもどる俺
白い花が もうすぐ咲くのにと
赤い手袋で 君が枝をはじく
三年ぶりの ふるさと帰り
あいかわらずの 景色のなかで
君だけがなぜか まぶしく見える
からたちのトゲが きらめいて見える
金色の実が からたちの道に
秋を呼ぶ頃 逢いに来たい また
だまりこんで すねてた君なのに
バスを追いながら 何かつよく云った
三年ぶりの ふるさと帰り
花には早い 季節のなかで
君だけがなぜか やさしく見える
からたちの道が 春めいて見える
10.ごめんよ
作詞:山田孝雄
作曲:浜圭介
もいちど お前に逢いたい
今でも 淋しくひとりかと
男なんて 強がりながら
自分の弱さを 知ってるものさ
ごめんよ ごめんよ お前を泣かせたままで
ごめんよ ごめんよ 許しておくれ
あれから一年過ぎたね
心の痛みに振り向けば
今年も又 山茶花 こぼれ
お前の好きな 春がやってくる
幸せ少ないものだよ
愚かな 安らぎ 振り捨てて
明日からは 気遣う人を
自分のためだよ 探すがいいさ
ごめんよ ごめんよ お前を泣かせたままで
ごめんよ ごめんよ 許しておくれ
お酒におぼれて ないかい
いけない噂も 聞いたけど
それでもいい 元気でいれば
何処かにあるさ 心のやすらぎが
ごめんよ ごめんよ お前を泣かせたままで
ごめんよ ごめんよ 許しておくれ
あれから一年過ぎたね
心の痛みに振り向けば
今年も又 山茶花 こぼれ
お前の好きな 春がやってくる
11.七夕月 (萩の花咲く頃)
作詞:星野哲郎
作曲:三島大輔
あれはまだ にきび盛りの 時代のことだよ
七夕の 笹の小枝に
ふたりで結んだ 青い短冊
早く廿才に なりたいね
そして逢おうよ 東京で
忘れないよ 忘れないよ あれは初恋忘れない
忘れないよ 忘れないよ あれはふるさとに
萩の花咲く頃
君もまだ お下げ髪だね 紅もつけずに
白壁の 土蔵背にして
お手玉とってた 紙の風船
赤いリボンが 揺れるのを
俺はため息 つきながら
夕日と見ていた 橋の上
忘れないよ 忘れないよ あれは初恋忘れない
忘れないよ 忘れないよ あれはふるさとに
萩の花咲く頃
逢えぬまま 時は流れて かすむ面影
七夕の 夜がくるたび
結んで祈るよ 笹の葉に
俺も負けずに 生きるから
君も元気で がんばれよ
あの日は戻って こないけど
忘れないよ 忘れないよ あれは初恋忘れない
忘れないよ 忘れないよ あれはふるさとに
萩の花咲く頃
12.きらめく風の中で
作詞:松本礼児
作曲:山本譲二
きらめく風に気づいたならば
耳を澄ませば きこえてくるよ
息づく大地の鼓動さえ
色づく花や 草木の匂い
空の青さに こころも染まる
この懐かしさは 何だろう
少年の夢の続きか
このやさしさは 何だろう
生命をくれた
母の 母のぬくもり
きらめく風に気づいたならば
ひとは誰でも 詩人になれる
翼をうちふる鳥たちも
空のキャンバス 絵描きになって
雲を啄み 絵筆に代える
このあたたかさは 何だろう
過ぎし日の 恋の記憶か
この清しさは 何だろう
生命を歌う
花の 花のほほえみ
空の青さに こころも染まる
この懐かしさは 何だろう
少年の夢の続きか
このやさしさは 何だろう
生命をくれた
母の 母のぬくもり
13.棒の哀しみ
作詞:藤波研介
作曲:大野弘也
目覚めた時は深夜だった
雨が小窓を うっていた
吐いた煙草も 寒々と
溜息まじりの輪をえがく
ああおまえがいなけりゃこの俺は
何んにもできない 何んにもできない でくの坊
空のボトルを 指先で
はじくその癖 その笑顔
冷たいベッドの手ざわりに
ゆうべはここにいたおまえ
ああ 独りで雨音聴きながら
今日からいつもの 今日からいつもの でくの坊
愛する時の しあわせと
同じ深さの この傷み
酒がいわせた一言を
酒に頼って 詫びている
ああ おまえがいなけりゃ この俺は
何んにもできない 何んにもできない でくの坊
14.星空の鎮魂歌
作詞:丹古晴巳
作曲:山本譲二
星空に谺する 歓声に応えて
今夜もマウンドにのぼる シャイな微笑み
少年のすがしさで 男の貌になり
やがて熱く熱く もえあがったね
ああもういちど逢いたい あのあどけない笑顔
ああもういちどしびれたい
修羅場たちきる炎の 炎のストレート
ああもういちど ああいまいちど
あいつと万歳 叫びたい
誰からも愛された 紅白のユニフォーム
月日は流れても胸に ずっと生きてる
俺達を酔わせたね 火のような一球
いまも熱く熱く この身を焦がす
ああもういちど逢いたい
命ごとぶつけるフォーム
ああもういちど ああいまいちど
あいつと万歳を 叫びたい
背番号14 永遠に抱きしめて
15.美しい大地よ
作詞:一倉宏
作曲:JAMESSHIMOJI
テールランプの 赤い河
夜更けて帰る 日の終わり
ふと口ずさむ その先の
想い出せない 歌がある
負けず嫌いで 街に出て
人並みのもの 手に入れて
はるかな夏の 少年の
夢から何年 たったろう
ああ 空よ雲よ 想い出よ
ああ 美しい大地よ 水の恵みよ
ああ 父よ母よ やすらぎよ
ああ 美しい大地よ 水の恵みよ
TV のニュース 見終われば
なにごともなく 過ぎてゆく
恵みの雨も 染み込まぬ
鉄とガラスと 石の街
疲れもしらず 闘って
男の誇り 貫いて
歩いたはずの 人生に
涙が出るのは なぜだろう
※ああ 空よ雲よ 想い出よ
ああ 美しい大地よ 水の恵みよ
ああ 父よ母よ やすらぎよ
ああ 美しい大地よ 水の恵みよ※
(※くり返し)
16.あなたしかいらない
作詞:大津あきら
作曲:浜圭介
消し忘れの煙草をひねり
“忘れないよ”と呟くあなた
夜明け前のホテルの部屋は
哀しいほどさよならの香り
愛した記憶さえボロボロに
もう他人より冷たい顔だけど
あなたしかいらない
背中に駈け寄り 涙を埋めたら
あなたしか見えない
あなたしかいらない
あなたしかいらない
呼び慣れてる名前をそっと
胸の中で呼びかける私
薄明かりのルームライトに
揺らめくのはしあわせの破片
抱かれた温もりがヒラヒラと
もう魂まで舞い堕ちてゆくけど
あなたしかいらない
誰かを愛して 邪魔だと解っても
あなたしか見えない
あなたしかいらない
背中に駈け寄り 涙を埋めたら
あなたしか見えない
あなたしかいらない
あなたしかいらない
17.君の歌になろう
作詞:やしろよう
作曲:浜圭介
君が遠くへ 飛び立つ鳥なら
君がくちずさむ 歌になろう
君が夜空を 流れる星なら
君が抱きしめる 空になろう
どうして人には 別れがあるの
約束したのに もう泣かないと
瞼を閉じたなら 逢えるから
想い出がこの胸に 熱いから
風に揺られて 微笑む花たち
やがてその花も 枯れるだろう
雨が上がれば 生まれる虹たち
やがてあの虹も 消えるだろう
どうして人には 別れがあるの
過ぎゆく季節は もう還らない
いつでもそばにいて あげるから
想い出がとめどなく 熱いから
君が遠くへ 飛び立つ鳥なら
君がくちずさむ 歌になろう
18.外は雨が…
作詞:大津あきら
作曲:浜圭介
どじな恋だったね
せめて逢えたなら
ふたつ みっつ俺の
頬を殴らせる
ダメだね ほろ酔いの胸に今夜
あの女(こ)のしわくちゃな泣き顔が
外は雨が… 外は雨が…
ふたりの別れ歌のように
みだれながら… さけびながら…
哀しく今 降りしきるよ
純な女(ひと)だったね
それが重荷でも
惚れて 抱いた俺が
何故か いとおしい
ダメだね ひとりきりこんな夜は
コップで飲む酒は切なくて
外は雨が… 外は雨が…
あの女(こ)の幸せ夢見てる
いるように… さそうように…
限りもなく 降りしきるよ
外は雨が… 外は雨が…
ふたりの別れ歌のように
みだれながら… さけびながら…
哀しく今 降りしきるよ
哀しく今 降りしきるよ
19.想い出ほおずき
作詞:横山聖仁郎
作曲:横山聖仁郎
ほおずき ほおずき 赤い実を
ほおずき ほおずき 鳴らしたら
ばしけてホロリ 苦かった…
ほおずき鳴った うれしさに
心はずむ 想い出か
夢路に急ぐ 故郷で
夕焼け道に 聞こえたよ
ゆく秋を 惜しむよな
音色さみしい 多年草…
ほおずき ほおずき 赤い実を
ほおずき ほおずき 鳴らしてた
あの子はどうして いるだろう
折りに触れて 浮かぶのは
愛をくれた 人の顔
いつしか月日は 過ぎたけど
今も残る やさしさよ
ゆく秋に 枯れ葉舞う
熱い思いが 込み上げる…
ほおずき ほおずき 赤い実を
ほおずき ほおずき 鳴らしたら
はじけてホロリ 苦かった……
20.おまえと生きる
作詞:悠木圭子
作曲:鈴木淳
白いうなじの ほつれげさえも
こんなにやつれて 心が傷む
やっとふたりが 逢えたから
離しはしない 離さない
だからそんなに 泣かないで
俺のこの手でおまえを まもってあげる
抱いてやりたい なんにも言うな
か細い背中が ふるえているね
ずっと捜して いたんだよ
忘れるものか 忘れない
辛い過去(むかし)を うらむより
俺のこの手でおまえを まもってあげる
おまえひとりを 泣かせはしない
今日からふたりは 一緒に生きる
何があっても そばにいて
離しはしない 離さない
いつか笑顔が 戻るまで
俺のこの手でおまえを まもってあげる
21.倖せあげたい
作詞:仁井谷俊也
作曲:弦哲也
悲しい過去(むかし)を 微笑って話す
おまえは苦労を したんだね
俺でよければ その心
預けて 預けてくれないか…
水割り飲みほす か細い指に
いつかあげたい おんなの倖せを
ひとりの生活(くらし)が 気楽でいいと
強がる睫毛が 光ってる
どこか似たよな 俺たちさ
ふたりで ふたりで出直そう…
泣いてるみたいな 目許のホクロ
そっと羞じらう おまえが愛しいよ
やさしさ忘れたこの都会(まち)だけど
笑顔が明日を つれて来る
俺と一緒に 日向みち
歩いて 歩いてゆかないか…
嵐が吹いても
離しはしない
泣いた数だけ
倖せをあげたい
22.ふたり華
作詞:菅麻貴子
作曲:琴五郎
俺が選んだ 明日の夢に
おまえは黙って ついてくる
真冬の陽射しの 薄さにも
心を温めて 生きるやつ
いつかは 咲かそう あゝふたり華
雲が流れる 故郷の空へ
涙を焦がして 陽が落ちる
おふくろみたいに 世話をやく
おまえと帰ろう いつの日か
ふる里 あの町 あゝ冬景色
街の灯りに 寄り添う影を
冷たく濡らすな 夜の雨
しあわせあげると つぶやけば
背中に甘えて 微笑んだ
おまえと 咲かそう あゝふたり華
23.蒼い国境
作詞:星野哲郎
作曲:三島大輔
(セリフ)「人のつくった人の世に 人を遮る海がある
この美しい海に 人の往き来できない線を引いた者が居る
おまえは誰だ 早くその垣根をとり除いてくれ
何年も、何拾年も…ここに立ちつくして
ふるさとへ帰る日を待ちわびていた
母たちは、父たちは…次々と みまかってゆく
早くその国境をどかしてくれ
もう時間がない もう…」
なだらかに 海に向かってのびる
草原の先端が 突然
鋭いクレバスとなって 海に切れ込む
そこに 国境があった
浪は 残されたものたちの
願いを くりかえすかのように
絶壁を よじのぼり
しぶきとなって ころがりおちる
したたかに
身を岩角に打ちつけては 散華する
浪の屍を くぐり抜け
とび出してくる 海鳥たちも
クレー射撃場の 皿のように
皿のように はかない
※けれども いくら はかなくとも
くりかえさねば なるまい
生まれたばかりの朝は そこに
そこに あるというのに
まだ帰らない ひとがいる
まだ帰らない 船がいる※
(※くり返し)
24.ラスト レター
作詞:森井ゆたか
作曲:美樹克彦
もう会うこともない 私の恋人よ
置き手紙テーブルに 花束を添えて
※“ありがとう”それが私の さよならの言葉
最初でこれが最後の 心を込めて贈るラブレター
忘れはしないでしょう あなたに教わった
愛される幸福と やさしさの意味を※
もう会うこともない 私の恋人よ
夕闇がしのび寄る 住み馴れた部屋に
あなたを知らず知らずに 傷つけていたと
気づいた日から私の 愛は別れに形を変えた
もうふり返らない 涙も想い出も
この部屋に閉じこめて 私は行くわ
(※くり返し)
25.めぐり雨
作詞:城岡れい
作曲:弦哲也
逢いたかったよ 身を切るほどに
切なかったよ 寒い夜は
言葉ひとつの足りなさで
別れた苦さに 雨傘させば
雨 雨… 二人をつなぐ
淡い黄昏 めぐり雨
恋しかったよ 灯りの部屋が
抱きたかったよ 甘い髪
いつも笑顔で 待ちわびた
おまえの淋しさ 今ならわかる
雨 雨… 涙を洗う
花もほころぶ めぐり雨
ついておいでよ 何にも持たず
泣いて叩けよ 俺の胸
夢を形に できるまで
苦労はさせても 離しはしない
雨 雨… 明日は晴れる
春の足音 めぐり雨
26.おふくろ
作詞:きさらぎ圭介
作曲:幸耕平
夕暮れ時に 川原の上で
けんかに負けて 泣いてる坊や
幼い時の 自分が見えて
遠い思いが 心をよぎる
遅くまで 家に帰らぬ この俺を
「おふくろ」いつも さがしてくれた
今は遠いけど 離れているけど
はやく一緒に 暮らしたい
勝手に家を 飛び出した時
親父にないしょで 財布をくれた
故郷(ふるさと)はなれ 十年たって
親のぬくもりわかってきたよ
長い事 便り一つも出さないで
「おふくろ」俺を 許してくれよ
苦労させたまま おわらせはしない
きっとやすらぎ つかむから
人の世の波に のまれているけれど
「おふくろ」夢はすてちゃいないよ
道は遠いけど 離れているけど
早く幸せ とどけたい
27.輝く瞳
作詞:松本札史
作曲:山本譲二
砂けむりをあげて
滑り込んだ君が
ベースに立ちあがり
右手で拳を突き上げる
空に舞い地を這う 白球を追いかけて
小さな胸を熱くする
輝く瞳を忘れない
溢れる笑顔の少年野球
汗と夢を胸に
見つめ合えばわかる
言葉はいらないさ
手と手を繋げば通じ合う
いつの日か再び めぐりあえたならば
堅い握手で想い出す
輝く瞳を忘れない
溢れる笑顔の少年野球
いつの日か再び めぐりあえたならば
堅い握手で想い出す
輝く瞳を忘れない
溢れる笑顔の少年野球
溢れる笑顔の少年野球
28.小樽発・利尻行
作詞:木村まさゆき
作曲:工藤よしひで
港小樽を始発のフェリー
俺の故郷の利尻行き
やっとみつけた 命の花ひとつ
母にお親父に お前のことを
知らせてあるよ 心配するな
知らせてあるよ 心配するな
江差つばめと 利尻のかもめ
夢を浮かべる 日本海
浜の生れで 言葉は荒いけど
お前のために なさけの傘を
さしてやりたい 信じてくれよ
さしてやりたい 信じてくれよ
船に酔ったか なれないお前
俺にしっかり つかまりな
やっと咲かせる 命の花ひとつ
海鳴り寒い 夜が明けたなら
愛の港にかならず着くよ
愛の港にかならず着くよ
29.枯葉のバラード
作詞:田久保真見
作曲:山本譲二
淋しげな人ばかり すれ違うこの街で
ふたりは誰よりも 今 淋しい
音もなく舞い落ちる 枯葉が泣いてくれる
別れの 悲しみに 泣いてくれる
こんなに人を 愛せない もう二度と
優しいぬくもりは ああ風の中
時は愛をどこかに 連れ去るけれど
ずっと忘れられないまま 生きるのでしょう
思い出と呼べそうな 物語はないけど
ふたりで居られたら そう 良かった
石畳あるくたび 枯葉がこわれてゆく
心が 音立てて こわれてゆく
泣きたいほどに 愛せない もう誰も
優しいぬくもりは ああ夢の中
胸に痛み残して 別れるけれど
ふたりめぐり逢えただけで 幸せでしょう
ずっと忘れられないまま 生きるのでしょう
30.親父船
作詞:琴五郎
作曲:琴五郎
極上の 酒を海神に
捧げる ごつい手は
波を 波を枕にヨ 生きる
男の 男の証(あかし)よ
風さえも友として うねる荒波日本海
春浅き 波の谷間に突き進む
船は 親父船
遥かなる 海は母に似て
優しい 揺籠(ゆりかご)か
夢を 夢を漁場にヨ 託し
網を 網を巻き上げる
おふくろのお守りが 濡れて晒(さら)しに絡みつく
まだ若い ハナタレ息子が操(あやつ)る
船は 親父船
大漁の 旗を翻(ひるがえ)し
向かうは 母港
船の 船の舳先(へさき)にヨ 座る
親父の 親父の背中よ
空青く 晴れ晴れと 金波銀波(きんぱぎんぱ)の日本海
冷や酒を ぐっと呑み干し突き進む
船は 親父船
31.今更のブルース
作詞:志賀大介
作曲:大谷明裕
おとこが背中で 泣く夜は
おもかげ小路に 雨が降る
置去りの 花に今更詫びたって
元の色香にゃ 戻らない
すまないな すまないな
独りつぶやく 今更のブルース
たまには身体を 深々と
沈める酒場が あればいい
流浪(さすらい)の 旅で拾った想い出は
遠(とお)くなるほど 愛(いと)おしい
すまないな すまないな
未練みちづれ 今更のブルース
優しさだけでは 結べない
おとことおんなの 紅い糸
溜息の 青い道くさ食いながら
いのち繕う 昨日・今日
すまないな すまないな
酒にこぼれる 今更のブルース
32.夜霧のあなた
作詞:千家和也
作曲:浜圭介
寄り添う影を 夜霧がつつむ
ふたりの吐息が ひとつにとける
眼もと 小さなホクロ
こぼす泪に赤い
何かいいたいけれど 言葉にはならない
明日も逢える あなただけれど
今夜はこのまま 帰したくない
つないだ指を 夜霧が濡らす
ふたりの気持が ひとつに通う
すべて 甘える仕草
いじらしいほど 可愛い
抱いてやりたいけれど 人の眼が気になる
大事にしたい あなただけれど
今夜はこのまま 帰したくない
帰したくない
33.願い
作詞:田久保真見
作曲:山本譲二
運命(さだめ)を何故に ふたつに分けた
水鳥よ 叶うなら
届かぬ叫びを 伝えてよ
目にも見えない なみだの境界線
越えて往ける日 信じて生きる
心ひとつに 願って歌う
夕陽が映す 真っ赤な涙
戻れない 橋を見て
あの日の別れを 思い出す
何も答えぬ 果てない境界線
出来ることなら 祈りよ届け
光る水面の イムジン川へ
いつの日逢える いつの日帰る
ちぎれ雲 叶うなら
私を乗せてと 手を合わす
ヌネド ボイジ アンヌン ヌンムレ キョンゲソン
ノモソ カルス インヌンナル ミッコ サル ゲッソ
心ひとつに 願って歌う
34.東京流れ雨
作詞:志賀大介
作曲:徳久広司
相合傘で よかったら
そこの駅まで お送りします
紅い雨傘 あの笑くぼ
ひと夜の温もり 忘れない
渋谷 赤坂 六本木
噂たずねて 東京流れ雨
北国訛り ふるさとは
寒いところと 笑っていたよ
白い衿あし おくれ髪
無性にあの娘に 逢いたくて
上野 新宿 錦糸町
噂たずねて 東京流れ雨
都会の風に 馴染めず
ひとり故郷に 帰っただろか
ひだり目元の 泣きぼくろ
泣いてはせぬかと 気に掛かる
銀座 青山 池袋
噂たずねて 東京流れ雨
35.友情(とも)
作詞:志賀大介
作曲:弦哲也
俺のこころに 土砂降りの
なみだ降らせて 消えたやつ
五分の付き合い 五分の酒
筋目けじめを きっちりと
生きたあいつが 生きたあいつが
ああ 寂しくなったぜ
夜の盛り場 肩寄せて
おとこ同士の はしご酒
夢の真ん中 夢ざかり
命まだまだ 道なかば
あんないいやつ あんないいやつ
ああ 寂しくなったぜ
会うが別れの 初めとは
なんてつれない ことばだろ
俺に風穴 開けたまま
何を云っても 怒らない
写真いちまい 笑顔いちまい
ああ 寂しくなったぜ
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