1.縁~えん~
作詞:仁井谷俊也
作曲:徳久広司
縁という名の 出逢いがなけりゃ
夢も咲かずに 枯れるだろ
人はひとりじゃ 何にも出来ぬ
扶けられ… 支えられ…
でかくなるのさ 人間は
恋だ愛だと 理屈を云うが
縁があるから 結ばれた
不足ならべりゃ きりないけれど
いたわりと… 思いやり…
それが倖せ 招くのさ
縁と縁とが その手をつなぎ
生きる世間に 輪をつくる
人の値打ちは 誰でも平等
称えあい… 譲りあう…
真心なくして 明日はない
2.お米と野菜の祝い唄
作詞:建石一
作曲:徳久広司
ハアー 天のめぐみの 陽をあびて
ハアー 田んぼ畑は 生きている 生きている
爺さまいつも 言(ゆ)うとるよ
米のひとつぶ ありがたや ハァーアア… 嬉しいね
(独白)「田んぼさん 田んぼさん 昨日はありがとうございました。
今日もよろしくお願い致しますね。
こうやって今は、田んぼや畑仕事を始める前にちゃんと言えるけど、
お嫁に来た頃は何にも言えなくて、よくじっちゃんやばっちゃんに
叱られたわ。
都会で暮らすもんは、もののありがたみがわからんで困る。
でも、そんなときあんたがかばってくれた。
一つ一つ野良仕事の手順や使う道具の名前もね…
田んぼも畑も生きものだから、
イヤイヤやったら不味いもんしか出来ん。
真心こめて種の時から一生懸命声掛けしてゆくんだ。
お米さん、お米さん、 美味しく育ってね。皆に元気を与えてね。
最初は何でそんなことをって思ったけど、段々年を重ねて
ゆくうちに、あたしにもそれがわかって来たの。
優しい気持ちで声かけすることが大切だと…
家族みんなで力を合わせて、それが絆だってね。」
(夫)「俺たち結婚して何年だ、十年すぎたのか。
いや、おまえの働く姿をみて、ふっと思ったんだけどさ…」
(妻)「そうですよ、十年目に子供が産まれて、今あの子が二つ半
ですからね。」
(夫)「そうか、おまえもよく辛抱してくれたね…ありがとう…
都会育ちのおまえがさ、俺んところへ嫁に来てくれたと思うとな…
見合いのような出会いから始まったからなぁ。」
(妻)「あたしもね、
はじめはなんか躊躇(ちゅうちょ)するものがあったけど、
農作業体験のあと、あんたの土にまみれた太くておいものような指を
思い出したら笑っちゃって…
結婚してもいいかなって、ふと思ったのよ…真面目そうだしね。」
(夫)「何だそれって、俺が好きって言う告白か。」
(妻)「やだ、違うわよ。田んぼがいいな、
お陽さまがいいなって話…(笑)」
ハアー 四月五月は 田植えどき
ハアー 九月十月 稲を刈る 稲を刈る
婆さま楽が したいとよ
籠の孫見て ひと踊り ハァーアア… 嬉しいね
(妻)「ねえあんた、あの桜の木の下でお昼にしましょ。」
(夫)「なんだ、もうそんな時間か。」
(妻)「はい、おにぎりと浅漬のお新香。
今日はばっちゃんが家で子守してるから、早く帰らないとね。
ばっちゃんやじっちゃんはすぐ抱っこするから、抱きぐせが
もうついちゃって、あの子も泣けば抱っこしてくれると思って…」
(夫)「いいじゃないか、じっちゃんとばっちゃんがいるから
こうやって田んぼにいられるんだ。昔の農家と今は違う。」
(妻)「そうね、あの頃は専業農家が多かったけど、今は兼業だもんね。
子供も少なくなっているし…
でも、誰かがお米や野菜をつくってゆかないと。
今は家庭菜園が流行っているけど、
苗をつくるったって、ハウスの空気の入れかえや、水をやったり
芽が出て来てやっと苗だからねぇ…それを田んぼに植える。
今はトレーラーがあるけど はじっこの隅の差し根植えは手作業
だからね。水の量だって毎日見ないといけないし。」
(夫)「俺たち農家が無くなったら、
一体この国はどうなるんだろうなぁ。」
(妻)「子供達の為に私達が一生懸命やらないと、
田んぼも畑も泣いてますよ。
あたしらの苦労は 未来の子供たちの為なんですね。」
一つとせ
一人じゃさみしい 野良仕事 野良仕事
夫婦(ふうふ)でありゃこそ 楽しけれ ララ 楽しけれ
ハアー 人が喜ぶ 美味しいと
ハアー それが明日の 夢ぢから 夢ぢから
苦労と感謝 支え合い
祈る豊作 青い空 ハァーアア… うれしいね
(夫)「おーい この大根見てみろ。おまえの白い足のように
ぷっくらよう出来とるぞ。」
(妻)「こっちの大根だって、あんたの顔みたいにまんまるですよぉ。
…おあいにく様。」
(独白)「畑に鍬(くわ)を入れて、サクサクサク。
土を耕して種をまいてゆく。
お陽さまの陽差し、雨のうるおい。
みんな神様の贈りものです。
森にホタルが帰ってくるのはいつでしょう。
田んぼに糸とんぼが帰ってくるのはいつでしょう。
子供たちに見せてあげたい。」
「お爺ちゃんお婆ちゃんも、夫婦(ふうふ)で苦労つんで来た。
あたしたち夫婦(ふうふ)も、一緒に苦労しょって行きたい。
ふたりで力あわせて 夢を一つ一つ叶えてゆきましょう…
ねぇあんた。
それが夫婦(めおと)夢ぢからよ!」
3.おんな神輿歌
作詞:建石一
作曲:徳久広司
「さあさあさあ 道をあけておくれ おんな神輿のお通りだよ。
このおまつりのために一年三百六十五日 女をつとめているんだよ。
花のお江戸 火消しの親分 め組の辰五郎さんじゃないけれど、
いまのご時世、女は度胸 男は愛嬌…
今年のまつりに 花そえるため
お役にたてばとやってまいりましたおんな衆。
おっと出しゃ張り女じゃございません。」
?遠い神代の昔から 女ならでは夜も明けぬ(デモネ)
粋な男にゃ 粋な男にゃ 乙にすました女でも(アチョイト)
一目惚れ
「前口上はこれくらいにして、さあ皆さまのかけ声お手拍子いただいて
おんな神輿の出番とまいりましょう。」
まつり太鼓に 浮かれ山車(だし)
母のお胎内(なか)を ポンと出た
氏神様の 産湯を使い
巻いたさらしは 伊達じゃない
おんな神輿は エ〜 心意気
サーエ
格子作りに 御神灯下げて
兄きゃ宅(うち)かと 姉御に問えば
兄きゃ二階で 木遣りの稽古
音頭とるのは ありゃ内の人
エンヤラヤ サノ ヨーイサ
エンヤラヤ エンヤラヤレコノセ
サノセー アレワサ エンヤラヤ
(女)「じれったいねぇ…もう…あんたも男のはしくれだろう。
あたしに惚れてるなら惚れてると言っちまいなよ。」
(男)「馬鹿言え!そんなことたやすく言えるもんじゃない。
惚れてるってことはなぁ…こうなんか胸の中が熱くなって…
言葉じゃ言えないもんなんだ。」
(女)「それでそれでどうなるの。」
(男)「ほら、見てみろ お月さんをよ。
月にむら雲 花に風って言うだろう 半分見えない所が未曽なのさ。
俺なんて大した男じゃないけど、
古い男だからうまく言葉に出来ないのさ…自分の気持ちがさ
おまえわかんないのか。」
(女)「わかってるよ、あんたの良さはあたしが一番知ってるよ。
だけど だけどね心配なんだよ、あんたもてるだろう。
それに まだ夫婦(めおと)じゃないから。」
(男)「まつりの好きな女が俺は好きなんだ。
五穀豊穣や大漁の祈りと感謝をこめる それがまつりだ。
俺とおまえの夫婦(めおと)まつりは後回し。
まずは他人様の縁結びだ。
…じゃ 今夜は帰るぜ」
(女)「やっぱりあんたはいい男だねぇ。
理屈じゃないんだよ。
惚れるってことはさ…恋はあたしの負けさ。」
お声かかれば 参じます
めでためでたの 花の宴
人生まつり よいしょとかつぎ
旅がはじまる 夫婦(めおと)みち
おんな神輿の エ〜 祝い歌
「あんたと夫婦(めおと)になれたなら
あたしは ともに白髪の生えるまで
幸せいっぱい生きていきたいのさ。
親と子、人と人、男と女、心に流れる情感こそが大事だと、
子供の頃から父母に言われておりました。
私もやっとこの年になって情愛というものがわかりはじめました。
時代は百年に一度の寒い風が吹いておりますが、寒い時代だからこそ
人情のあたたかさが身にしみてわかるのでしょう…
明るく元気に皆で励ましささえ合って
共に生命(いのち)いっぱい生きてまいりましょう。
疲れたら叫びましょう大声で”笑顔万歳”とね。」
寒い時代で あればこそ
熱い人情(なさけ)が 宝もの
大地をふんで 荒海こえて
生きる男を ささえたい
おんな神輿は エ〜 春を呼ぶ
4.ひとり涙酒
作詞:麻こよみ
作曲:弦哲也
薄い灯りの 裏酒場
飲めば未練が またつのる
酒より沁みる 淋しさに
泣いて 泣いて
泣いてまた酔う なみだ酒
つかむそばから はらはらと
なぜに幸せ こぼれ散る
つらさにひとり 負けそうで
飲んで 飲んで
飲んでまた酔う なみだ酒
痩せた女の 指の先
グラス持つ手の 重たさよ
夜ふけに消えた うしろ影
酔って 酔って
酔ってまた泣く なみだ酒
5.ゆめ暖簾
作詞:麻こよみ
作曲:弦哲也
渡る世間の 向い風
胸に冷たく しみ通る
愚痴は言わない こぼさない
も一度暖簾を あげるまで
口紅(べに)をキリリと 引き直し
隠す涙の ひとしずく
我慢堪忍 何事も
お天道様が 見ています
二度と泣かない つらくても
この手で暖簾を あげるまで
意地があります 女にも
今は苦労の まわり道
浮かぶ夜空の 三日月に
無事を祈って 手を合わす
負けはしません 負けません
も一度暖簾を あげるまで
春が来ますね 生きてれば
明日(あす)を信じる 裏通り
6.雪・哀歌
作詞:原譲二
作曲:原譲二
くずれる肩に 雪が降る
みぞれまじりの 冷たい
冷たい 雪が降る
偲ぶ想いに ふり返りゃ
あと追いかけて くるように
雪が降る
涙の川に 雪が降る
ひとりぽっちの 哀しい
哀しい 雪が降る
やるせない身が つらすぎて
泣き泣き友の 名を呼べば
雪が降る
寒いこころに つき刺さる
どこまで遠い まだ遠い
雪が降る
7.人生よいしょの渡り鳥
作詞:志賀大介
作曲:原譲二
花と嵐の 人生を
今から歩いて 参ります
凶と出ますか 吉と出ますか
やってみなけりゃ 分からない
とにかく よいしょ よいしょ
よいしょ よいしょ
人生よいしょの 渡り鳥
ツキの八の字 富士の山
何だかやれそな 気がします
今日の一歩が 明日の百歩に
成ると信じて 進みます
とにかく よいしょ よいしょ
よいしょ よいしょ
人生よいしょの 渡り鳥
苦労山坂 あることは
もともと承知で ございます
咲くも風流 散るも風流
春・夏・秋・冬 風まかせ
とにかく よいしょ よいしょ
よいしょ よいしょ
人生よいしょの 渡り鳥
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