1.風蓮湖
作詞:鈴木紀代
作曲:水森英夫
釧路 厚岸(あっけし) 霧多布(きりたっぷ)
人もまばらな バスに乗る
年月かけて 重ねた愛が
音も立てずに くずれるなんて…
君と二人で 来るはずだった
秋も終わりの あゝ風蓮湖
楢(なら)の木立が 立ち枯れた
道をたどれば 行き止まり
明日へ一歩 踏み出す勇気
僕になかった 臆病だった…
赤く染まった 夕焼け雲が
風にちぎれる あゝ風蓮湖
何を頼りに 白鳥は
海を渡って 来るのだろう
心に灯(あか)り ともしていれば
君は戻って くれるだろうか…
消して消えない 面影一つ
水面(みず)に浮かべる あゝ風蓮湖
2.湖愁
作詞:宮川哲夫
作曲:渡久地政信
悲しい恋の なきがらは
そっと流そう 泣かないで
かわいあの娘よ さようなら
たそがれせまる 湖の
水に浮かべる 木の葉舟
ひとりの旅の 淋(さび)しさは
知っていたのさ 始めから
はぐれ小鳩か 白樺の
こずえに一羽 ほろほろと
泣いて涙で 誰を呼ぶ
夕星一つ また一つ
ぬれた瞳を しのばせる
思い出すまい なげくまい
東京は遠い あの峰を
越えてはるかな 空のはて
3.恋する街角
作詞:下地亜記子
作曲:水森英夫
夜の札幌 すすき野しぐれ
男はゆきずり 女は傘をさす
夢待ち通り 夢はしご
どこか気が合う 肌が合う
惚れたね ほの字だね ホッホー
惚れたね ほの字だね ホッホー 恋する街角
名古屋盛り場 住吉 錦
男は陽気で 女は意地っ張り
夢待ち通り 夢はしゃぎ
恋は瑠璃色 バラの色
惚れたね ほの字だね ホッホー
惚れたね ほの字だね ホッホー 恋する街角
雨の大阪 道頓堀(とんぼり)あかり
男は熱燗 女は水割りで
夢待ち通り 夢酒場
夜に泣く人 笑う人
惚れたね ほの字だね ホッホー
惚れたね ほの字だね ホッホー 恋する街角
博多那珂川(なかがわ) 中洲の屋台
男は照れ屋で 女は思いやり
夢待ち通り 夢さがし
明日に咲く花 揺れる花
惚れたね ほの字だね ホッホー
惚れたね ほの字だね ホッホー 恋する街角
4.東京ブギウギ
作詞:鈴木勝
作曲:服部良一
東京ブギウギー リズムうきうき
心ずきずき わくわく
海を渡り響くは 東京ブギウギー
ブギの踊りは 世界の踊り
二人の夢の あの歌
口笛吹こう 恋とブギのメロディー
燃ゆる心の歌 甘い恋の歌声に
君と踊ろよ 今宵(こよい)も月の下で
東京ブギウギー リズムうきうき
心ずきずき わくわく
世紀の歌心の歌 東京ブギウギー
さあさブギウギー 太鼓たたいて
派手(はで)に踊ろよ 歌およ
君も僕も愉快な 東京ブギウギー
ブギを踊れば 世界は一つ
同じリズムと メロディーよ
手拍子取って歌おう ブギのメロディー
燃ゆる心の歌 甘い恋の歌声に
君と踊ろよ 今宵も星を浴びて
東京ブギウギー リズムうきうき
心ずきずき わくわく
世界の歌楽しい歌 東京ブギウギー
ブギウギー陽気な歌 東京ブギウギー
ブギウギー世紀の歌
歌え踊れよ ブギウギー
5.つばめ返し
作詞:荒木とよひさ
作曲:水森英夫
恋と夢との ふたつにひとつ
選ぶ男の 男のつらさ
僕は好きです 貴女(そなた)のことを
心の妻なら わかって欲しい
つばめ返しで つばめ返しで 切る恋を
花のいのちが 短いことも
知って背中を 背中を見せる
僕にください 貴女(そなた)の涙
二年のふた春 待ってて欲しい
つばめ返しで つばめ返しで 切る未練
瞼(まぶた)閉じれば いつでも逢(あ)える
月に面影 面影映し
僕も泣きます 貴女(そなた)を想い
迎えに行く日を 信じて欲しい
つばめ返しで つばめ返しで 切る涙
6.殺陣師一代
作詞:佐伯孝夫
作曲:吉田正
握りしめてる 剣ひとふりに
冴えよこもれと いいきかす
なんでつかめぬ 芝居のこころ
意地が男が 段平が
そっと泣いてる 舞台裏
「先生、出来ました。これが先生の好きなリヤリズムの立廻りだっせ」
月もささない 露地裏長屋
呑んで悪態 つく俺に
質屋通いも 慣れたと笑う
可愛い女房の やせた肩
胸じゃすまぬと 詫びている
「なに、女房が危篤やさかい、
帰れ、沢田先生わての女房はタテだす。立廻りだす。
こんな立廻りのない芝居やめて、もっとタテのある芝居やりまひょ。
立廻り、それがわての生命だ、段平の生命だっせ」
あれは段平 ど阿呆阿呆
何と云わりょと 構やせん
生きてくれろよ 工夫の殺陣よ
檜舞台の 花蔭に
殺陣師一代 名を残す
7.宗右衛門町ブルース
作詞:平和勝次
作曲:山路進一
きっと来てねと 泣いていた
かわいあの娘は うぶなのか
なぜに泣かすか 宗右衛門町よ
さよならさよなら 又来る日まで
涙をふいて さようなら
街のネオンも 消えてゆく
うぶなあの娘も 消えてゆく
なぜかさびしい 宗右衛門町よ
さよならさよなら うしろ姿も
夜霧にぬれて さみしそう
いちょう並木に 春が来る
君にも来るよ 幸せが
なぜかかなしい 宗右衛門町よ
さよならさよなら もう一度だけ
明るい笑顔を みせとくれ
8.船酒場-ふねさかば-
作詞:星野哲郎
作曲:水森英夫
舞鶴を 日暮れに立って
小樽へ向う船酒場 私がママよ
冗談好きの お客さん
おいらの好みの 女だなんて
口説いてみたって 一夜(ひとよ)が明けりゃ
元気でね ありがとう さようなら
潮風に デッキが揺れりゃ
グラスも揺れる船酒場 こころも揺れる
ごめんなさいね お客さん
昔の男に そっくりだから
やさしくさせてね 北国までの
束の間の 束の間の 夢だから
いい男(ひと)に 出逢った夜は
短く終る船酒場 浮草ママよ
乾盃しましょう お客さん
積丹岬を まわったならば
別れの朝です また逢う日まで
元気でね ありがとう さようなら
9.流氷鳴き
作詞:木下龍太郎
作曲:水森英夫
どこかでお前の 泣く声が
聴こえるようで 聴こえるようで また背伸び
ギシギシギシと 沖で鳴る
流氷鳴きは みれん泣き
流れさすらい ああ ひとり来た
旅の終わりは オホーツク
離しちゃいやだと すがる手を
愛すればこそ 愛すればこそ 振り切った
男の胸が 分かるのか
流氷鳴きは 貰い泣き
世間知らずの ああ 純な目を
俺が汚(けが)しちゃ 罪つくり
お前がしあわせ 掴むまで
このままひとり このままひとり 北どまり
ギシギシギシと 海が鳴る
流氷鳴きは しのび泣き
凍りついても ああ この先は
辿(たど)る道なき オホーツク
辿る道なき オホーツク
10.黒百合の歌
作詞:菊田一夫
作曲:古関裕而
黒百合は 恋の花
愛する人に 捧げれば
二人はいつかは 結びつく
あああ……あああ
この花ニシパに あげようか
あたしはニシパが 大好きさ
黒百合は 魔物だよ
花のかおりが しみついて
結んだ二人は はなれない
あああ……あああ
あたしが死んだら ニシパもね
あたしはニシパが 大好きさ
黒百合は 毒の花
アイヌの神の タブーだよ
やがては あたしも 死ぬんだよ
あああ……あああ
11.霧情
作詞:星野哲郎
作曲:水森英夫
黒髪指(ゆび)に 巻きつけて
霧の波止場を さまよえば
あなたを慕う 空(むな)しさが
こみあげて こみあげて 泣けちゃうの
あゝ 私の船は もういない
手に持つ花は ふるさとの
山に咲いてた 百合の花
あなたの旅を なぐさめる
筈なのに 筈なのに おそかった
あゝ 私の船は もういない
波止場の霧に ぬれながら
次の逢瀬(おうせ)を かぞえたら
いのちが三つ 欲しいほど
淋しくて 淋しくて 泣けちゃうの
あゝ 私の船は もういない
12.海峡雨情
作詞:星野哲郎
作曲:水森英夫
霧が雨になる 対馬海峡
あなたの船は 釜山行
心は博多へ このまま置いてくと
やさしく言って くれるけど
ダメダメ 淋しくて 死にたくなるの
胸は小夜嵐(さよあらし) 対馬海峡
あなたの船は もう見えぬ
博多は雨でも 釜山(ぷさん)の夜空には
輝く星が 待つでしょう
ダメダメ ひとり占(じ)め したいのあなたを
雨が糸をひく 対馬海峡
片恋船は なみだ船
雨にも糸は ついてはいるけれど
出て行く船は しばれない
ダメダメ 切なくて 死にたくなるの
13.二十才の酒
作詞:星野哲郎
作曲:水森英夫
好きなあの娘に ふられて飲んだ
酒のにがさよ やるせなさ
泣いて飲んで はじめて知った
あの娘は俺の いのちだと
二十才の酒が 教えてくれた
飲んで面影 消そうとしても
酒があの娘を つれてくる
酔って逃げて さよならしたが
どこどこまでも 追ってくる
二十才の恋の 涙にぬれた
どこのどいつか 知らないけれど
酒が呼ぶのさ 恋仇
妬いて飲んで 忘りょうとしたが
深酒お止し 毒だよと
二十才の酒が 教えてくれた
14.君の酒
作詞:仁井谷俊也
作曲:水森英夫
都忘れの 一輪ざしが
思いださせる あの笑顔
夜風身に沁む 東京の隅で
面影しのぶ 君の酒
路地で見あげる あの星空は
遠い故郷に 続いてる
うすい口紅 祭りの浴衣
瞼をよぎる 君の酒
夢の儚さ こころの寒さ
男なみだを 噛みしめる
今は帰れぬ あの郷里(まち)だけど
思慕(おもい)は同じ 君の酒
15.踊子
作詞:喜志邦三
作曲:渡久地政信
さよならも 言えず 泣いている
私の踊子よ ……ああ 船が出る
天城峠で 会うた日は
絵のように あでやかな
袖が雨に 濡れていた
赤い袖に 白い雨……
月のきれいな 伊豆の宿
紅いろの 灯に
かざす扇 舞いすがた
細い指の なつかしさ……
さよならも 言えず 泣いている
私の踊子よ ……ああ 船が出る
下田街道 海を見て
目をあげた 前髪の
小さな櫛も 忘られぬ
伊豆の旅よ さようなら……
16.想い出小樽
作詞:下地亜記子
作曲:水森英夫
追ってはいけない 君を追いかけ
ここまで来たけど 帰ります
涙ぼかしの 黄昏(たそがれ)は
胸にざわざわ 未練風
想い出小樽 運河のほとり
二度とあの日に もう戻れない
港を背にして 坂を登れば
君住むあの町 霧の中
一度もつれて しまったら
ほどけないのか こころ糸
想い出小樽 運河にひとり
レンガ倉庫に 鐘の音(ね)ひびく
別れて知ったよ 君の優しさ
男は愚かで 臆病さ
忘れきれない 人だけど
明日をさがして 歩く町
想い出小樽 運河のあかり
水面(みず)に面影 哀しく浮かぶ
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