淡路島

増田政夫 淡路島歌詞
1.淡路島

作詞:ますだおかだ増田
作曲:ますだおかだ増田

親父の車で渡った明石海峡
まだ橋もなく船の旅
朝陽に照らされ消えてく神戸の夜景に
子供のくせにせつなくなった
海辺を走り
五色浜に寝そべり
魚釣る親父の背中に大きさを
ここは淡路島
親父を生んだ町
神戸からこぼれた涙の形

浴衣に着替えておどける
洲本の旅館の写真の俺は幼くて
親父とぶつかることなど知るよしもなく
酒飲みかわすこともないまま
窓から吹き込む玉葱の香りも
夕陽に照らされた燻(いぶし)の瓦にも
ここは淡路島
親父が眠る町
神戸からこぼれた涙の形

今ならわかるさ
親父の不安や苛立ちも
父親と男で揺れる心の葛藤も
珈琲の味も
ステテコと志賀勝の良さも
親父が夢に破れていたのも
何も言わなかったのも

橋から眺める神戸の夜景も
六甲の山のイカリの光にも
いつも淡路島
親父を想う町

神戸からこぼれた涙の形
俺の目からこぼれた涙の形


2.防波堤

作詞:馬場俊英
作曲:馬場俊英

一人きり 辿り着いた フェリー乗り場の防波堤
波の音 風の匂い 橋の向こうに霞む街の色

別になんでもないけれど 久しぶりにやって来たよ
懐かしさと 寂しさが かわりばんこに 打ち寄せる

今ならわかることがある 君と過ごした夏の日

どれだけ歩いても どれだけ探しても 僕らは戻れない
心に染み込んだ 涙が乾くまで
ここにいさせてよ ここで聴かせてよ
哀しみなんて 哀しみなんて どうすればいい

カモメの群れ 眺めながら 季節外れの防波堤
時の流れが やりきれなくて 缶コーヒーを飲み干した

裸足のままで 歩いた道は 波に濡れた青春の日々

夕日が染めていた 君の横顔が 今さら愛しくて
心に絡みついた 糸をほどきながら
最後のあの夏の あの場所に戻っても
優しさなんて 優しさなんて oh

どれだけ歩いても どれだけ探しても 僕らは戻れない
心に染み込んだ 涙が乾くまで
ここにいさせてよ ここで聴かせてよ
思い出なんて 思い出なんて どうすればいい
哀しみなんて 哀しみなんて どうすればいい

夕闇が 降りてくる フェリー乗り場の防波堤
波の音 街の色 今ならわかることがある