星に祈りを~猪俣公章作品集~

坂本冬美 星に祈りを~猪俣公章作品集~歌詞
1.人生花吹雪


2.男惚れ

作詞:星野哲郎
作曲:猪俣公章

淀の水さえ 流れては
二度と逢えない 浪花街
星の数ほど あるその中の
たったふたりが 知り合うて
男同志の 酒を汲む

(台詞)
ええなあ…男はんは…腹の内を見せ合うてからに…
ほんまに羨しいわ…

君の情を 俺に注げ
俺の誠を返すから
忘れられよか そのひとことの
夢と意気地に 酔わされて
命もやした 淀屋橋

(台詞)
こないなると 女子はかもて貰われへんさかい…
淋しいわ…

風にとび散る 銀杏の
粒に似たよな 命でも
情け大阪堂島育ち
見栄も飾りも 酒に換え
君の愁いを 晴らしたい


3.湯の町あかり


4.恋待小唄


5.オホーツク恋唄


6.雪舞い津軽

作詞:松井由利夫
作曲:猪俣公章

連れにはぐれた 鴎が一羽
風にこごえる 北岬
憎さ恋しさ たよりなさ
〆(し)めて三筋の 三味線抱いて
津軽じょんから 流れ旅

女ごころを 凍らせながら
いつか霙(みぞれ)が 雪になる
よされよされの 怨(うら)み節
きいて涙を こぼしてくれた
津軽じょんから 旅の人

春の足音 しのんで耐えて
つなぐかぼそい 夢あかり
情け深浦 情け船
沖をみつめて 角巻(かくまき)噛めば
津軽じょんから 雪が舞う


7.祝い酒

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

浮世荒波 ヨイショと越える
今日はおまえの 晴れの門出だよ
親が咲かせた 命の花が
二つ並んだ 鶴と亀
笑顔うれしい 祝い酒

五臓六腑に 樽酒しみる
酔うてめでたい 唄のはなむけさ
七つ転んで 八つで起きろ
明日は苦労の ふたり坂
縁がうれしい 祝い酒

花も嵐も 人生航路
愛が舵とる 若い二人だよ
吹けばとぶよな 小さな木でも
枝は栄える 葉もしげる
門出うれしい 祝い酒


8.艶花恋

作詞:池田充男
作曲:猪俣公章

よせと言われりゃ なおさら燃える
恋はいのちの 揚花火
どうせみじかい おんなの春を
咲いて散るなら 悔いはない

胸を揺さぶる 情けに負けた
押しの一手に ぐらついた
ほれてあなたに ついてくからは
浮世このみち 泣きはせぬ

可愛がられて 綺麗になって
ゆめを見るのも おんなゆえ
こんな私で 役立つならば
咲いてみせます 艶花恋


9.夢おんな


10.ひとり寝女の泣き枕

作詞:星野哲郎
作曲:猪俣公章

逢いに来ないで 夢はいや
ほんとのあなたに 逢わせてと
両手あわせる 花園あたり
六帖一間が 広すぎて
今夜もしっとり 泣き枕

濡れた枕に 口紅で
愛しい似顔を かきました
うらみつらみを 拳にこめて
叩いてつねって 呼んでみる
浪花は遠い 夜の涯て

故郷の訛りが 消えるころ
涙ぼくろが 増えました
誰に弱音は 見せないけれど
あなたのつもりで 抱きしめる
ひとり寝女の 泣き枕


11.男の艶歌

作詞:なかにし礼
作曲:猪俣公章

天にもらった 財宝の山を
棄てて悔いない 友がいる
時代おくれと 笑われようと
義理と人情と 浪花節
それが男の 花絆

路地にかくれて 見送るあの娘
俺はあばよと 背なで言う
恋に少しは 似ているけれど
切れば血の出る 侠気は
女なんかにゃ わかるまい

俺が花なら お前は風だ
そして命は 春の夢
男同士の 相合傘で
地獄参りの 道行きは
花によりそう 風ひとつ


12.能登はいらんかいね

作詞:岸元克己
作曲:猪俣公章

欠けた徳利に 鱈子(たらこ)のつまみ
酒の注ぎ手は 見染めたあの娘(こ)
能登はいらんかいねー
ふるさと 能登はヨー
寝酒三合に 口説きを混ぜて
今夜は輪島の 夢をみる

風は潮風 シベリア返し
汽車は昔の 各駅停車
能登はいらんかいねー
ふるさと 能登はヨー
いさざ土産に 嫁さんつれりゃ
おひろめ椿の 花が舞う

冷やで五合 ぬくめて五合
しめて一升 酒ありゃ楽し
能登はいらんかいねー
ふるさと 能登はヨー
氷鳴らして 想いを馳(は)せりゃ
御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)の 音がする


13.すすき川愛愁

作詞:池田充男
作曲:猪俣公章

枯れたすすきも いちどは咲いた
わたしにだって あったわ春が
おんなの肌を 夕映えいろに
染めて抱かれた それは恋

川よ きらり水の すすき川よ
しあわせ何処(どこ)へ 押し流す
川よ 濁(にご)り水の 浮世川よ
おんなは所詮 笹小舟

年をかぞえりゃ 指先さむい
瞼にのこる 男の背中
世帯を持って おちつきたいと
わたし泣かせた それは愛

川よきらり水の すすき川よ
さびしさ何故(なぜ)に 連れてくる
川よ濁り水の 浮世川よ
おんなは いつも 流れ舟

川よきらり水の すすき川よ
わたしは何処(どこ)へ 行けばいい
川よ濁り水の 浮世川よ
わたしにゃ櫓(ろ)を漕ぐ 術(すべ)もない


14.星に祈りを

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

窓に ひとすじの光り
夢にうかぶ ふるさとよ
熱き涙 頬をぬらす
遥か遠き ふるさとよ

母よ つよく抱きしめて
道に迷った わが子を
昔 抱いてくれたように
ひとりぼっちの わが子を

空に光る 星たちよ
どうぞ 導いてほしい
果てもしれず 続く道を
永遠に 導いてほしい

いつか ふたたび帰らん
母よ ふるさとの海よ
今日もひとり 星に祈る
いつか 帰りつくその日を
― 今日もひとり 星に祈る
― 母よ ふるさとの海よ