1.三郎太鼓
2.年輪
作詞:関根縋一・石本美由起
作曲:原譲二
雪の重さを はねのけながら
背のびしたかろ枝も葉も
山に若葉の春がくりゃ
よくぞ耐えたと笑う風
苦労 年輪 樹は育つ
みどり絶やさぬお山の掟
守りつづけて子や孫に
強く伸びろと親ごころ
枝を切る木に血が通う
苦労 年輪 樹は育つ
いつか世に出て大黒柱
夢のようだか夢じゃない
願い重ねた歳月に
熱い想いが生きている
苦労 年輪 樹は育つ
3.山
作詞:星野哲郎
作曲:原譲二
流れる雲の 移り気よりも
動かぬ山の 雪化粧
ガンコ印の 野良着をまとい
生きる師匠(おやじ)の横顔に
おれは男の山をみた
おれもなりたい 山をみた
けわしい山に 登ってみたい
自分の道を 極めたい
それは男の 見果てぬ夢か
山に登れば その山の
山の向こうに 待っている
山の深さを 知るばかり
目先のことに うろちょろするな
昨日と同じ 今日はない
それが師匠(おやじ)の 口癖だった
たった一度の 人生を
花にするのも がまんなら
山にするのも またがまん
4.川
作詞:野村耕三
作曲:池山錠
川の流れと人の世は
澱みもあれば渓流もある
義理の重きを忘れたら
立つ瀬なくして沈むだ…黙って
おとこは川になる
風にこぼれた花びらを
浮かべて川に情がある
生きる辛さに耐えながら
人は優しさ恋しがる…忍んで
おとこは川になる
過去とうらみは流れても
流しちゃならぬ恩がある
他人の情けをかりながら
明日へ漕ぎだす舟もある…揺られて
おとこは川になる
5.関東流れ唄
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
義理に生きても いのちはひとつ
恋に死んでも いのちはひとつ
ふたつあるなら おまえにひとつ
分けてやりたい このいのち
親のゆるしを もらってこいと
故郷へ帰した かわいいあいつ
あんなきれいな 瞳をしたやつを
なんで汚さりょ この水に
ここが勝負と でてゆくときは
せめてにっこり 笑っておくれ
俺は男で おまえは女
しょせんどこかで 泣き別れ
6.神奈川水滸伝
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
光り輝く 表の顔を
裏で支える バカが居る
だからいいのさ この世の中は
とめてくれるな 丹沢時雨
これがしたくて 生きてきた
他人を蹴落とし お山に登りゃ
次は自分が 落ちる番
悔いを残さず 燃えようじゃないか
幼なじみの 六郷橋が
骨は拾って やるという
無事でいてくれ おまえのからだ
心半分 俺のもの
そんなせりふで 別れを惜しむ
男相傘 ほろりと濡らす
雨も神奈川 水滸伝
7.兄弟仁義
作詞:星野哲郎
作曲:北原じゅん
親の血をひく 兄弟よりも
かたいちぎりの 義兄弟
こんな小さな 盃だけど
男いのちを かけてのむ
義理だ恩だと 並べてみたら
恋の出てくる すきがない
あとはたのむと かけ出す露路に
ふるはあの娘の なみだ雨
俺の目をみろ 何んにもゆうな
男同志の 腹のうち
ひとりぐらいは こういう馬鹿が
居なきゃ世間の 目はさめぬ
8.竹
作詞:野村耕三
作曲:原譲二
雪の降る日も 雨の日も
竹は節目で 伸びてゆく
人もまた 己れが道の一里塚
確かめながら 行けばいい
そこに出逢いも 彩りも
ああ…粛々と 行けばいい
月の世界に 憧れて
竹に託した 夢もある
人はみな 見果てぬ夢の夢灯り
しっかと抱いて 生きりゃいい
熱い想いを 温もりを
ああ…粛々 と行けばいい
花の咲くのは ただ一度
竹は寿命(いのち)が 尽きるとき
人もまた 上辺の花を飾るより
誠実(まこと)の花を 持てばいい
こころ豊かに しなやかに
ああ…粛々 と行けばいい
9.のぼり坂
作詞:北川文化
作曲:原譲二
いつかおふくろ 言っていた
笑う門には 福が来る
人には寄り添い 馬には乗ってみよ
あっても苦労 なくても苦労
そんなもんだよ 人生は
いくつになっても なっても のぼり坂
今もどこかで 呼んでいる
声が聞こえる 日暮れ橋
世渡り下手だと 叱られながら
くじける心 一度や二度は
それも我慢の 人生さ
いくつになっても なっても のぼり坂
なにがいいのか 悪いのか
迷う世間の うらおもて
こんな男と 情けのおまえ
夢でもいいさ 夢みて生きる
ふたりあわせの 人生は
いくつになっても なっても のぼり坂
10.父親(おやじ)
作詞:遠藤実
作曲:遠藤実
おやじと云う山 でっかい山だ
恩の山々 子は越えられぬ
吹雪の港で 握手した
ぶ厚い手の平 苦労の証
元気でやれよと あの目に涙
おやじ おやじ…
優しさ ありがとう
おやじの郵便 消印見ては
遠い故里 浮かべていたよ
あしたが見えなく なったなら
夢でも燃やせと あばれた文字を
読んだらいつでも 力が湧いた
おやじ おやじ…
勇気を ありがとう
おやじがおふくろ 愛したように
俺を惚れさす 女と添えた
十から転がる それよりも
一からあせらず 登って行けと
さとしたあの声 いまでも残る
おやじ おやじ…
根性 ありがとう
11.還暦
作詞:木津夢人
作曲:木津夢人
若き時代を 今ふりかえり
歩き続けた この道は
山谷ありの いばら道
お前と供に 分ちあい
生きて節目の
あぁ人生 今ここに還暦を
歳の流れも 浮世の義理も
波間に消えて 浮きしずむ
真心結ぶ きずな糸
この先供に 夫婦道
我慢しんぼう
あぁ人生 今ここに還暦を
両手(ふたつ)重ねて 我慢の坂を
いくどとまった こともある
人生苦労 まだなかば
再び供に たしかめて
いくえちぎりの
あぁ人生 今ここに還暦を
12.風雪ながれ旅
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
破れ単衣に 三味線だけば
よされよされと 雪が降る
泣きの十六 短かい指に
息を吹きかけ 越えてきた
アイヤー アイヤー
津軽 八戸 大湊
三味 が折れたら 両手を叩け
バチが無ければ 櫛でひけ
音の出るもの 何でも好きで
かもめ啼く声 ききながら
アイヤー アイヤー
小樽 函館 苫小牧
鍋のコゲ飯 袂で隠し
抜けてきたのが 親の目を
通い妻だと 笑った女の
髪の匂いも なつかしい
アイヤー アイヤー
留萌 滝川 稚内
13.函館の女
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
はるばるきたぜ 函館へ
さかまく波を のりこえて
あとは追うなと 言いながら
うしろ姿で 泣いてた君を
おもいだすたび 逢いたくて
とても我慢が できなかったよ
函館山の いただきで
七つの星も 呼んでいる
そんな気がして きてみたが
灯りさざめく 松風町(まつかぜちょう)は
君の噂も きえはてて
沖の潮風 こころにしみる
迎えにきたぜ 函館へ
見はてぬ夢と 知りながら
忘れられずに とんできた
ここは北国 しぶきもこおる
どこにいるのか この町の
ひと目だけでも 逢いたかったよ
14.与作
作詞:七沢公典
作曲:七沢公典
与作は木をきる
ヘイヘイホー ヘイヘイホー
こだまは かえるよ
ヘイヘイホー ヘイヘイホー
女房ははたを織る
トントントン トントントン
気だてのいい嫁だよ
トントントン トントントン
与作 与作 もう日が暮れる
与作 与作 女房が呼んでいる
ホーホー ホーホー
藁ぶき屋根には
ヘイヘイホー ヘイヘイホー
星くずが 降るよ
ヘイヘイホー ヘイヘイホー
女房は藁を打つ
トントントン トントントン
働きものだよ
トントントン トントントン
与作 与作 もう夜が明ける
与作 与作 お山が呼んでいる
ホーホー ホーホー
15.男の明日に
作詞:中島光・原譲二
作曲:原譲二
咲くも散らすも 出たとこ勝負
遣る気あるなら 前に出ろ
どうせ人生 夢花火
涙の雨に 流されようと
男の明日(あした)にゃ 唄がある
天に棹さす 意地がある
泣くも笑うも 浮世の運命(さだめ)
苦労しらずを 装って
胸に縋(すが)って 眠る花
幸せやれぬ 暮らしだけれど
男の明日にゃ 唄がある
熱い想いの 情がある
勝つも負けるも 人生だるま
七つ転んで 又起きろ
所詮勝負は 時の運
苦労の旅に つまずいたとて
男の明日にゃ 唄がある
行く手遥かな 道がある
16.路地の雨
作詞:たかたかし
作曲:原譲二
傘を差し出す おまえの涙が
俺の肩先 ポツリと濡らす
惚れていりゃこそ 連れてはいけぬ
ばかな男の 強がりを
泣いてうらむか
泣いてうらむか 路地の雨
何も言うなよ わかっているのさ
あの日互いに 預けた心
戻れないのさ どうにもならぬ
めぐり逢わせの 不幸せ
肩につめたい
肩につめたい 路地の雨
熱い情けに 芯から泣ける
なんでおまえを 忘れるものか
せめて幸せ 背中で祈り
想い断ち切る 女傘
闇に糸ひく
闇に糸ひく 路地の雨
17.橋
作詞:仁井谷俊也
作曲:原譲二
この世には 眼には見えない橋がある
親子を繋ぐ 橋がある
這えば立て 立てば歩めと
大事に育て…
親から旅立つ 日が来ても
一生忘れぬ 橋がある
世間には 縁という字で結ばれて
夫婦で築く 橋がある
倖せの 春はいつでも
足踏みだけど…
ふたりでいたわり 庇いあい
死ぬまで寄り添う 橋がある
男には 夢を拳で握りしめ
ひとりで渡る 橋がある
向かい風 今日も行く手を
邪魔するけれど…
勇気・誠実(まごころ) この汗で
明日へ架けたい 橋がある
18.風の坂道
作詞:倉持明生
作曲:原譲二
ころげておちて 逃げるやつ
はいつくばって のぼるやつ
人の生きざま この坂道は
うつしだすのさ ためすのさ
負けてたまるか 男坂
ふるさと遠く 裏山で
遊んだ頃が 懐かしい
汗にまみれた あの坂道を
なんで忘れて なるものか
それも試練だ 男坂
ほんとの夢が ほしいから
堪(こら)えて今は 行くだけさ
変わる季節も この坂道で
俺を待ってる 花と風
命燃やして 男坂
19.峠
作詞:木下龍太郎
作曲:原譲二
ここでいいなら 頂上だけど
先を見上げりゃ まだ中半(なかば)
男なりゃこそ 他人(ひと)より重い
夢を背負って 登りたい
峠と言う名の 一生を
命綱より 離せぬものは
惚れたお前の 心杖
こんな男の 明日に賭けて
共に歩いて 呉れるのか
峠と言う名の 一生を
花と散るとき 男は見たい
生きた証の 足跡を
一歩一歩を 大地に刻み
天を目指して 登りたい
峠と言う名の 一生を
20.北の大地
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
はるかなる 北の空
木霊も叫ぶ エゾ松林
母の大地に根を下ろし
雪を吸い みぞれを背負い
この人生を アア… ハ…噛みしめる
鈴蘭よ ハマナスよ
出逢いの時を 信じて耐えた
愛がそのまゝ 花となる
その姿 その凛々しさが
縛られた春の アア…ハ… 扉を開ける
ギラギラと 燃えながら
夕陽はうたう 大地の歌を
汗と涙を 分けあった
幾歳の 希望の道に
おまえとおれの アア…ハ… 星が降る
21.終着駅は始発駅
作詞:佐東ひどる・星野哲郎
作曲:中村千里
背なかを合わせて あばよと言えば
おまえの震えが 伝わるぜ
死ぬほど惚れて 死ぬほど泣いた
涙は頬を ぬらしても
終着駅は 始発駅
ふたりのしあわせ 祈っているよ
ふり向かないで 行ってくれ
ひとつの愛は 終ったけれど
明日がおまえを 待っている
終着駅は 始発駅
函館止まりの 連絡船は
青森行きの 船になる
希望を捨てるな 生きてるかぎり
どこからだって 出直せる
終着駅は 始発駅
22.ギター仁義
作詞:嵯峨哲平
作曲:遠藤実
雨の裏町 とぼとぼと
俺は流しの ギター弾き
“おひけえなすって
手前ギター一つの
渡り鳥にござんす”
峠七坂 手を振って
花の都へ 来てから五年
とんと うきめの 出ぬ俺さ
風の冷たさ 身に沁みる
俺は落葉か ギター弾き
“おひけえなすって
手前おけさおけさの
雪の越後にござんす”
故郷想えば 初恋の
死んだあの娘も 生きてりゃ廿才
俺もあん時ゃ うぶだった
情け横丁 今晩は
俺は流しの ギター弾き
“おひけえなすって
手前宿なし雀の
流れ者にござんす”
暗い酒場の 片隅で
そっと笑った 空似の人の
何故か気になる 泣き黒子
23.おやじの背中
作詞:中谷純平
作曲:原譲二
親の意見と 冷や酒は
飲んだあとから きくものさ
「なあ息子よ 男ってやつは 男ってやつはなぁ…」
あとの言葉を のみ込んだまま
酒とつぶやく おやじの背中
夫婦 絆は 綱引きさ
少し弱めで うまくゆく
「なあ息子よ 女ってやつは 女ってやつはなぁ…」
苦労背負わせた おふくろさんに
慕い通わす おやじの背中
夢があるから 生きられる
いのちあるから 耐えられる
「なあ息子よ 人生ってやつは 人生ってやつはなぁ…」
忍の一字は 裏から表
がまん磨いた おやじの背中
24.こころの母は北斗星
作詞:中谷純平
作曲:原譲二
夢路たどれば 母港
そこは故郷 宝島
北の夜空で 輝きながら
男の試練を支えてくれる
こころの母は 俺の俺の北斗星(ほくとせい)
星の数だけ苦労して
いつも笑顔でかくしてた
人のやさしさなくしたときは
あの手のぬくもり叱ってくれる
こころの母は 俺の俺の北斗星(ほくとせい)
呼べど届かぬ面影に
両手合わせて願い星
しばれる涙まつ毛が凍る
明日のゆく道 守ってくれる
こころの母は 俺の俺の北斗星(ほくとせい)
25.なみだ船
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
涙の終わりの ひと滴
ゴムのかっぱに しみとおる
どうせおいらは ヤン衆かもめ
泣くな怨むな 北海の
海に芽をふく 恋の花
クルクル 帆綱を 巻きあげて
暁の千島を 忍び立ち
あてにゃすまいぞ ヤン衆かもめ
舵であやつる 舟のよに
女心は ままならぬ
惚れたら 遠慮は できまいが
いやというなら ぜひもない
夢をみるなよ ヤン衆かもめ
にしん枕に 北海の
月に哀しや 泪船
26.帰ろかな
作詞:永 六輔
作曲:中村八大
(コーラス)
帰ろかな、帰るのよそうかな
1 淋しくて 言うんじゃないが
帰ろかな 帰ろかな
故郷(くに)のおふくろ 便りじゃ元気
だけど気になる やっぱり親子
帰ろうかな 帰るのよそうかな
(コーラス)
帰ろかな、帰るのよそうかな
2 恋しくて 言うんじゃないが
帰ろかな 帰ろかな
村のあの娘(こ)は 数えて十九
そぞろ気になる やっぱりほの字
帰ろうかな 帰るのよそうかな
(コーラス)
帰ろかな、帰るのよそうかな
3 嬉しくて 言うんじゃないが
帰ろかな 帰ろかな
やればやれそな 東京暮らし
嫁を貰って おふくろ孝行
帰ろかな 迎えに行こうかな
27.北の漁場
作詞:新條カオル
作曲:桜田誠一
いのち温めて 酔いながら
酒をまわし飲む
明日の稼ぎを 夢に見て
腹に晒し巻く
海の男にゃヨ 凍る波しぶき
北の漁場はヨ 男の仕事場サ
沖は魔物だ 吠えながら
牙をむいてくる
風にさらした 右腕の
傷は守り札
海の男にゃヨ 雪が巻いて飛ぶ
北の漁場はヨ 男の遊び場サ
銭のおもさを 数えても
帰るあてはない
二百浬を ぎりぎりに
網をかけてゆく
海の男にゃヨ 怒 が華になる
北の漁場はヨ 男の死に場所サ
28.まつり
作詞:なかにし礼
作曲:原譲二
男は祭りをそうさ かついで生きてきた
山の神 海の神 今年も本当にありがとう
白い褌 ひきしめた
裸若衆に雪が舞う
祭りだ 祭りだ 祭りだ 豊年祭り
土の匂いのしみこんだ
伜その手が宝物
男は祭りでそうさ 男をみがくんだ
山の神 海の神 いのちを本当にありがとう
船に五色の旗をたて
海の男が風を切る
祭りだ 祭りだ 祭りだ 大漁祭り
見ろよ真っ赤な陽が昇る
伜一番船をこげ
燃えろよ 涙と汗こそ 男のロマン
俺もどんとまた 生きてやる
これが日本の祭りだよ
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