1.黒のララバイ
作詞:ちあき哲也
作曲:杉本真人
嵐に野薔薇が 散った夜
旅路の果てで 噂を聞いた…
何も死ぬこと なかったろうに
暗い運命が おまえを棄てた
おやすみ 眠んな もう誰も苛めない
クラスに 手向ける 黒のララバイ
あれは去年の 今頃か
形見のように 献してくれた…
過ぎた女さ こういう俺に
だから黙って 別れて来たが
おやすみ 眠んな 恨んでもいいんだよ
ひとあし 遅れの 黒のララバイ
もしもひとりが 淋しけりゃ
屋根まで下りて 抱かれにおいで…
俺もおまえも この世になんか
どうせ居場所は 見つかるものか
おやすみ 眠んな やすらぎに包まれて
涙か この雨 黒のララバイ
2.東京もどり雨
作詞:ちあき哲也
作曲:杉本真人
からだ壊しちゃいないか 愛に出会えたか
尋ねてみたい 客もまばらなこんな夜は
ブランデー・グラスは おまえの胸さ
やさしい形で 俺をかなしませる
悔んでいるよ雨、雨 東京もどり雨
損なくじだけ引いたね 回り道したね
どうして耐えた 所詮浮気な俺などに
女の電話も 誰だか尋かず
黙っておまえは 外へ送り出した
許せぬやつさ雨、雨 東京もどり雨
あれば試していたのか 待ってくれたのか
今ならわかる やけに遅めの歩き方
おまえに与えた ふとした傷が
心で暴れて 俺を酔わせないよ
みっともないぜ雨、雨 東京もどり雨
3.ミッドナイト・ヨコハマ
作詞:ちあき哲也
作曲:杉本眞人
時計を見るのはしばらくおやめよ
柄になく この俺も泣きたくなるから…
忘れられない夜になったね
甘く脅えるおまえの瞳にも
炎はまだ燃えて帰したくない
ミッドナイト… ミッドナイト
しのび街ヨコハマ
愛しちゃならない 言っては聞かすが
聞き分けの ないやつさ 心というやつ…
つらい秘密を抱いてくれたね
悪い女と呼ばせるものか
ふたりの恋だもの 影もいとしい
ミッドナイト… ミッドナイト
しのび街ヨコハマ
空車は拾わずこのまま歩こう
石畳 馬車道はおまえと俺だけ…
夢に見たんだ 夢じゃないよね
そばであれこれ構ってやれぬ
せつない絆なら胸で暮らせよ
ミッドナイト… ミッドナイト
しのび街ヨコハマ
4.アディオス札幌
5.OSAKA家なき子
6.男のグラス
作詞:吉田旺
作曲:徳久広司
グラス揺らせば カラカラ カラと
胸の虚を 胸の虚ろを 氷が嗤う
このままわたしを 盗んでと
縋ったあいつの 一途さが
男ごころを 又ゆする
北のとまり木 あゝ霧笛酒(むてきざけ)
酔えばあいつが 唄った歌を
どこか空似の どこか空似の おんなが唄う
あなたがわたしを 忘れても
忘れてあげない 忘れない
別れ台詞が 背中を刺す
北のとまり木 あゝ旅路酒(たびじざけ)
コート一枚 羽織ってみても
いのち冷え冷え
いのち冷え冷え さいはて港
いまさらあいつの 真情に
気づいてみたって もう二度と
抱いてやれない 彼岸花
北のとまり木 あゝ霧笛酒
7.男の慕情
作詞:吉田旺
作曲:徳久広司
港夜霧に 濡れて交わした
わかれくちづけ 忘れるものか
伽羅のかほりの か細いからだ
抱いてやりたい もういちど
悔やんでみても もう遅い
夢はかえらぬ 男の慕情
ひとつコートに 肩をよせあい
ふたり歩いた アカシアの道
独りたどれば 失くした愛の
愛の重さに 眸がぬれる
いまさら何を うらんでも
うしろ姿の 男の慕情
霧笛めがけて 銀の指輪を
投げて弔う ふたりの青春よ
好きよそれでも あなたが好きよ
海があいつの 声で涕く
悔やんでみても もう遅い
夢は儚ない 男の慕情
8.麗子
作詞:吉田旺
作曲:徳久広司
あなただけ あなただけ
他になんにもいらないと
涕かないで 涕かないで
あゝ麗子
昔に戻れる 夜汽車があれば
迷わず今すぐ 乗るけれど
おそすぎた何もかも 君は遠い女
愛しても 愛しても
霧にひそめるかくれ恋
涕かないで 涕かないで
あゝ麗子
いまさら出逢っちゃ いけないふたり
運命よどうして もて遊ぶ
おそすぎた何もかも 君は遠い女
もういちど もういちど
逢ってくれなきゃ死にますと
涕かないで 涕かないで
あゝ麗子
燃えたつ想いの 求めるままに
身も世も捨てたい 夜だけど
おそすぎた何もかも 君は遠い女
9.霧情のブルース
作詞:吉田旺
作曲:徳久広司
口笛も凍る みなとハコダテ
誰かあいつを 知らないか
探さないでと ルージュで書いた
左さがりの 文字がかなしい
夜霧よ歌うな ブルースは
ガス燈もうるむ みなとヨコハマ
誰かあいつを 知らないか
ふたり出逢った 馬車道あたり
過去をまさぐる 恋のにがさは
夜霧に泣いてる ブルースよ
賛美歌にむせぶ みなとナガサキ
誰かあいつを 知らないか
夜の円山 見かけたという
噂たずねりゃ 他人の空似
夜霧よ歌うな ブルースは
10.東京夜霧
作詞:たきのえいじ
作曲:杉本真人
泣くのはおよし 涙をふいて
いつもの笑顔は どうしたの
二度と会えない 別れじゃないさ
泣けば尚さら つらくなる
せめてそこまで 歩こうか
心もむせぶ 東京夜霧
離れていても 心はひとつ
愛しているのさ 今もなお
赤いくちびる 切ない瞳
みればこの胸 しめつける
ふたり重ねた おもいでを
さみしく包む 東京夜霧
忘れはしない おまえのことは
心に似顔絵 書いてゆく
口に出せない 優しさなんて
判らないわと 云うけれど
待っていてくれ この俺を
涙でにじむ 東京夜霧
11.リラ冷えの街
作詞:吉田旺
作曲:徳久広司
これで終りに しようねと
決めた惜別の 旅なのに
他人どうしになるなんて できないと
泪におぼれる 愛しいひとよ
ああ ふたり北国 リラ冷えの街
離れないでと すがりつく
つめの痛さが いちずさが
胸の芯までキリキリと 滲みるけど
ゆるしておくれよ 愛しいひとよ
ああ 外は黄昏 リラ冷えの街
いっそこのまま ふたりして
行方しれずに なりたいと
帰り支度のじゃまをする 無邪気さが
男を泣かせる 愛しいひとよ
ああ 夜明け鐘の音 リラ冷えの街
12.くちぐせ
13.雨の波止場で
14.身につまされて…
15.海峡物語
作詞:吉田旺
作曲:中村泰士
今頃あの娘は 故国へ旅立つフェリーの上と
馴染みの酒場のおやじがポツリと教えてくれる
迷い子みたいな 女の背中がグラスを掠め
ふいに何かがはじけてつきあげる
遥か釜山めざして 渡る夜の海峡
不実な男の仕打ちを 怨んでいるだろう
失くしてはじめて気付いた幸福 愛しい女よ
きっと迎えに 迎えに 行ってやる
黄昏 桟橋 あてさえないまま 飛びのるフェリー
空似の女のやつれた姿に心がうずく
すべてを投げ棄て燃えたつ想いの指のすきまに
越える国境 荒波時化模様
ひとり釜山の港 尋ねあぐねてソウル
噂の糸をたどれば 涙のあとばかり
みじめな眸をして流れているのか 愛しい人よ
いのちかけても みつけて抱いてやる
かもめよ かもめ
恋人に伝えておくれ
この愛を
16.或る男のバラード
|