1.夜の風
作詞:佐野昌一
作曲:久保田恵子
白い便箋 書き出しは
ひらがなくずして 秋ですね
出せない恋文 長々と
心淋しく 灯り引きよせ 好きと書く
夢が 夢が 引きずる 乱れ文字
日暮れまじかの 縁先で
想いを通わす 薄化粧
何度もせまって たずねても
愛の言葉を 闇にかき消す 遠いひと
待てど 待てど 見せない 炎の情け
いつか馴染んだ 恋宿の
月影哀しい 石湯船
流れる湯音も 湯けむりも
つのる未練に あなた呼んでる 夜の風
命 命 燃え立つ 紅葉谷
2.戸隠情話
作詞:佐野昌一
作曲:吉澤盛幸
ふるさと原野に そば打つ音が
お前の生まれる 前からしたよ
添い寝のお母ァが 話してくれた
妹三つの 頃だった
わらべのョ ふるさとは
かすりのお婆に 水芭蕉
お父の晩しゃく 囲炉裏のふちで
酔うたび自慢の 熊うち話
眠気をこらえて 震えていたら
飯綱おろしが 戸をゆする
女子のョ ふるさとは
信濃の山奥 笹しぐれ
いろづく荒倉 くす川染めて
秋そば畑に 戸隠原野
旅篭のお母ァは 達者だろうが
夜空におもかげ 見えてくる
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