暫存

中村中 暫存歌詞
1.部屋の片隅

作詞:中村中
作曲:中村中

終わった恋なら 憶えていないで
早く捨てないと 何処かに残ってしまう
貴方の心に 次に住む人が
何かの拍子に 誰かを見つけてしまう

開けちゃいけない引出しを
見てみぬ振りじゃ 側に居づらいじゃない

あぁ 貴方の足を止める そんな荷物
捨ててしまえばいい
ねぇ 一緒に捨てに行こう そんな荷物
明日 土に埋めよう

終わった恋なら 忘れてしまおう
二人の思い出 置き去りになった手紙
貴方の心に いつまでも同じ
誰かがいるから 貴方のドアを叩けない

触れちゃいけない過去達が
むきだしのまま 風に揺れて沁みてる

あぁ 貴方の足を止める そんな荷物
捨ててしまえばいい
ねぇ 一緒に捨てに行こう そんな荷物
明日 海に流そう

あぁ 貴方が捨てられない そんな荷物
いつか 忘れるように
ねぇ 一緒に捨てに行こう そんな荷物
何もかも 燃やそう

いつか 忘れるように
全部 全部 燃やそう


2.リンゴ売り

作詞:中村中
作曲:中村中

別に好きでこんな服を着てるわけじゃない
別に好きでこんな顔をしてるわけじゃない

だって派手な衣装で隠さなきゃ
だって派手な化粧で隠さなきゃ
だって剥げた心を指差して
貴方達 笑うじゃないの

誰にだって優しい事を言いたいわけじゃない
誰にだっていい顔ばかりしたいわけじゃない

だけど軽い口調で流さなきゃ
だけど軽く笑顔で答えなきゃ
勝手な事 散々言っといて
貴方達 笑うじゃないの

私を買って下さい 一晩買って下さい
綺麗な服も 長い睫毛も 何も残っていない
私を抱いて下さい 一晩抱いて下さい
お金じゃなくて 体じゃなくて 愛は在りませんか

何処に夢を落としたのか思い出せなくて
夢を見れる国を探す 夜の片隅へ

少し綺麗に見えりゃそれでいい
少し優しくなれりゃそれでいい
すれ違い様 耳につく他人の声
鼻先で 笑えればいい

私を買って下さい 一晩買って下さい
つまずくだけじゃ 血も流れない 涙すら流れない
私を抱いて下さい 一晩抱いて下さい
さみしさだけじゃ 夢も見れない 愛は在りませんか

私を抱いて下さい いつまでも抱いて下さい


3.溺れる魚

作詞:中村中
作曲:中村中

むさぼりつくような情けない恋を
なるべくなら貴方とは したくなくて
わがままも言わず 好きとも言えずに
親しくなりすぎたのは 泣かない私

誰もいない砂浜で わざと胸まで海に浸かって
黙って恋に溺れていたら 少しは私に気付いてくれるだろうか

「さみしい」の一言が 言えなくて今夜も 死ぬ事 考えてる

このままの距離を繋いだ未来が
正しいのか間違いか判らなくなる

早く角を曲がらなきゃ さっきの角を曲がらないと
遠ざかるのに 帰れないのに 捜されたいのね 何故だか振り返れない

「さみしい」の一言が 言えなくて今夜も 死ぬ事 考えてる

波に濡れて風をうけて 冷えた両手をさしのべたら
貴方の頬に冷たかろうね 少しは私に気付いてくれるだろうか

「さみしい」の一言が 言えなくて今夜も 死ぬ事 考えてる


4.ロック・バンド

作詞:中村中
作曲:中村中

むせかえるようなスモークが 光に交じってぼやけている
煙ったその中を 鼓動が駆け抜ける
ボーカルのハイが強いから またハウリングをおこすから
見ているこっちまで 何故だかいらだつの

その時 展開が 急に哀しく聞こえた

ライトが強くて 貴方が見えない
ステージから見下ろされた私は ひとりぼっちみたいね

むせかえるようなスモークが 涙と交じってぼやけている
私はここだよと 叫んでみたくなる

ライブは続いてく 今夜 ラストのバラッド

ライトが強くて 貴方が見えない
拍手の中 もし聞こえたとしても ひとりごとみたいね

ライトが強くて 貴方が見えない
違う誰か探してても 私は 貴方だけ見てるわ


5.蒲公英~たんぽぽ~

作詞:中村中
作曲:中村中

君と笑う毎日が短く感じたのは
大切な時間だったからだと僕は思う
君が悲しむ時の顔を思い出せないのは
そんな時も君は僕に笑顔をくれたからだね

聞き分けのない僕でごめん そろそろ行かなくちゃ
君の迎えのバスが ホラ そこまで吹いてきてる

もっと広い世界で笑うのが似合う君だから
さよなら だけどまた 何処かで会いたい二人です

君が渡った大空には 眩しい虹が架かる
どんなに遠い場所でも 笑う君がみたいから

僕の知らない街角で 綺麗になってく君の事
さよなら 口にしても 忘れたりしないよ

もっと広い世界で笑うのが似合う君だから
さよなら いつかまた 僕の街角で
笑ってくれる日が来るまで


6.迷い子

作詞:中村中
作曲:中村中

このバスが停まる頃には 君の匂い 消えてしまって
知らない街まで出掛けた 勇気も無くしてしまうかな

そうしたら強がる事も なくなって ずっと握ってた
汗ばんだ手を開いても そこにいた温もりなんて

目には見えないから 忘れてしまうかな

※でも そんな筈ないから今日も明日も
君を思いながら生きてゆくでしょう
なにをするのにも君と重ねる癖
笑って下さい※

君の笑い声響いた 知らない街を歩くより
ひとりでつまづく 見慣れたこの街で 私 迷い子

涙堪えるなら 忘れてしまいたい

けど そんな事出来たら膝を掃って
今頃この坂を越えているのに
ずっと動けないでいる 今もあの日のまま
陽炎 揺れてる

引き止めて欲しくて 伸ばしたこの腕が
少しずつ焦げてゆく 貴方を忘れてく

(※くり返し)

季節か巡って色を変えても
君を探しながら歩いています
ずっと動けないでいる 今もあの日のまま
迷い子 泣いてる


7.部屋掃除

作詞:中村中
作曲:中村中

貴方が居なくなった夜は 洗濯をします
汗の匂いを思い出したり しないように
貴方が散らかした部屋の 掃除をします
朝が来ても独りがばれぬよう 夜のうち

窮屈だったのにセミダブル
ひとりで使うには広すぎる

シーツ伸ばしたら 昨夜が消えて
吸わないタバコの 煙りが消えて
貴方の夢に追いつけなくて ふたりが消えた

忘れてしまうのとは違うわ 覚えておく為
二人の思い出を写真には 残さない
どんなに笑ってくれていても 抱き合っていても
貴方の温もりは写真には 残らない

おかえりなさいは もう言えないけど
いつもと変わらず 送り出す

サイフは持ったの? 遠くへ行くでしょう
ハンカチ持ったの? 泣く事もあるでしょう
それでも鍵は 下駄箱の上 また忘れて行くんだから

生まれ変わった私の事 思い出さないで
これでも私 貴方に出来る 精一杯
貴方は貴方の事だけを 考えてね
これでも私 貴方に出来る 精一杯


8.帰れる場所なんて、ない

作詞:中村中
作曲:中村中

あなたの背中を追って ここまで来たの いまさら戻れない
大事な指輪を落としても 途中で靴が脱げたって
私 ふり返れない あなたを見失うから

あなたを探して歩き出した私は 帰りの切符も手放してしまった
あなたを探して歩き出した私に もう 帰れる場所なんて、ない

あなたと歩いた道の 並木も風に裸でゆれている
「必ず帰る」の約束が 思い出なんかじゃ頼りない
たとえ この先が崖に続いても 私 歩くわ

あなたを探して歩き出した私は 目印の地図も手放してしまった
あなたを探して歩き出した私に もう 帰れる場所なんて、ない

あなたを探して歩き出した私は 心も身体も手放してしまった
あなたを探して歩き出した私に もう 帰れる場所なんて、ない、ない、ない


9.戦争を知らない僕らの戦争

作詞:中村中
作曲:中村中

悪いな、俺は足をやられてる そうかい、おいらは両目をやられた
先に行くんだ、遠くに逃げろと 諦める奴はいなかったけれど
ごめん、私は喉をやられてる このまま死のうと言えなかっただけ

歴史の教科書の半分が叫び声をあげてる
もう半分は落書きされて僕を嘲笑ってる
先生、ミサイルの話なら僕に降り続けてる
消しゴムや紙くずをとめてよ また見て見ぬふりだね
振り向いた時 目につく奴に そら、チョークが飛んでくる

生き延びる術なら惜しまないケモノに比べたらば
傷付ける事すらおそれない僕たちはネズミだね
携帯電話にかじり付いて 互いを監視してる
よそ見するとかみ殺されるぞ だから目を逸らせない
また次の策、また次の策。あぁ、前歯がかゆくなる

ある朝、柏木の机から給食費 盗まれた
結婚したての女教師 ヒステリックな声で
のろまな僕には席がなくて 恰好の餌食だね
僕の席は教室の外で 足がひん曲がってる
犯人探し終えた放課後 次のゲームが始まる

悪いな、俺は足をやられてる そうかい、おいらは両目をやられた
先に行くんだ、遠くに逃げろと 諦める奴はいなかったけれど
ごめん、私は喉をやられてる このまま死のうと言えなかっただけ

散り始めた桜を横目に 解放の時がきた
卒業の歌を歌いながら 柄にもなく泣いた
母なる大地よ 全てが忘られてゆくならば
母なる大地よ 傷跡はなぜそこに在りますか
学び舎の校門くぐればそこは おかまいなしの春です
ため息つけば歴史の教科書は 最後の頁をめくる


10.初恋

作詞:中村中
作曲:中村中

僕を名前で呼んでくれたのは 君だけだったから
同じ列に並んで見えない 君を探して何度も笑った
ゴールにいつも届かないサッカーは 君ばかり追いかけてた
あの時 頬をかすめたボールは この愛しさをためらった

君だけが見つけて 泣いてばかりの僕を
内緒で登った 屋上の陰からは
ふたりが笑う あしたが 僕には見えた

まずいタバコも イケナイ遊びも 君と一緒だから
誰かが悪く言えば言うほどに もっと大事な時間に変わった
本当は君が誰かを抱くたび まぶしくなっていくのを
知っていたけど 側にいたいから 君を見つめ何度も笑った

君だけが気づいて 変われない僕の事
内緒で隠した 校庭の隅にある
宝の地図は ふたりで 描いた未来

君だけが見つけて 泣いたのは君のせい
あんなに何度も 肩を抱き合ったのに
今は君ばかり 美しくなるのがつらい
僕だけ置いて 大人になってくのが こわい


11.独白

作詞:中村中
作曲:中村中

笑えば喜ばれた 生まれた時のようには 戻れないと知った!

若い頃には「青春」 終わる頃には「人生」 素晴らしいと言って!

それじゃあなに?私に 真っ最中の二人を「殺せ」とでも言うの!?

「今では40歳過ぎても 子供でいたい」なんてさ そんな風に言った!
笑えば喜ばれた 生まれた時のようには 戻れないと知った!


12.PENGUIN

作詞:Noriyuki Makihara
作曲:Noriyuki Makihara

製鉄所のコンビナートは
赤と白の市松模様
君に見せるつもりだった
ロケットの模型と同じで
もう君にも見せることもないし
この道も二人じゃ通らない
話もしてキスもしたけど
出会わなかった二人

誰も許してくれないなら
一緒に逃げようって泣いたよね
南極なら君と僕とペンギン
悪くないねって
ちょっとだけ笑ったよね

今でも時々思い出しては
連れ出さなくてよかった事も
愛していたのも
ホントだったと笑ってる

急スピードで追い越して行った
真っ黒い車が消えてく
それはまるで海に向かって
走る真夏の子供のよう
高速道路の料金所は
いつも君に任せてたよね
膝の上大事に持っていた
僕の財布も変わったよ

誰も許してくれなかった
理由はまだ解らないけど
たぶん君と僕とじゃ行けない場所が
二人の行かなきゃいけない場所

いたずらをして怒られても
「ごめんなさい」の一言を
誰かに言えばそれでよかった
あの頃にはもう戻れない

誰も許してくれないなら
一緒に逃げようって泣いたよね
南極なら君と僕とペンギン
悪くないねって
ちょっとだけ笑ったよね

今でも時々思い出しては
連れ出さなくてよかった事も
愛していたのも
ホントだったと笑ってる


13.雨のち雨のち雨

作詞:アッコ
作曲:ユウ

冷たい雨の日で小さくうずくまって 何を待っているの?
ボクはここで涙が通り過ぎるのを待ってるんだよ
間違えないで行き先を
オレンジの電車 いちごの匂い

どうして 何も言ってくれないの?
どうして 旅の支度をしているの?
ボクの右手は凍えはじめているよ。

今日も雨のち雨 いつになったら止むの?
太陽昇ったらさ
ボクはここで永遠の赤い花を育てるんだよ
信じていたの約束を
くすんだ月の下 足りない数

どうして 何も言ってくれないの?
どうして そんな顔で見ているの?
ボクの右手は凍えてちぎれそうだよ。


14.回転木馬

作詞:中村中
作曲:中村中

始まりは囁くようでした
産声は街中に響いて
それを聞く人々の笑顔に包まれながら 少女に成った

争いは些細な事でした
あの夜が少女を強くした
別れを歌に乗せ 初めて泣きました

人生は
たまに幸せ たまに贅沢 たまに転んで たまに傷
ララルララ
笑顔 泣き顔 数えて 動き出したメリーゴーランド

それからは若さに急かされて 宛てのない船で街を出たわ
悲しい事なんて 誰にも同じだけあるもの
いつかの自分のような少女に語りかける

人生は
時に坂道 時に寄り道 急ぐ時こそ回り道
泣いたのは
人の痛みを知る為 揺れて廻るメリーゴーランド

歳を重ねて 初めて気付く 誰かの為の歌が
耳をすませば 聞こえてくるの 私に語りかける

人生は
どんな涙も 思い出になる どんな日々より 今が好き
立ち止まる事は出来ない
いまでも加速していくメリーゴーランド
いつか止まってしまうまで 世界よ 今日も廻れ


15.潮騒静夜

作詞:中村中
作曲:根本要

部屋の灯りは点けないで
波の音だけ聞いていたい

少しくたびれた腕の中
やがて来る朝を忘れたい

私は決まって 涙で目覚める

あなたと見てた夜景より きれいな街
ひとりで見る朝日を あなたに見せたい
ありふれた日々に掛けてた鍵を開けて
ひとりでいる時にも 笑える強さ見せたい

風に揺れてるシーツ越し
あなたの背中を探してる

騒ぐ波だけが二人を見ていた

明けない夜の間だけ 二人の夢
このまま息を止めて 目覚めなくてもいい
二人がそれぞれの暮らし守る為に
答え探すくらいなら 明日が来なければいい

燃え上がる恋と呼ぶには 遅い出会いでも
守れる物の中に あなたを数えたい
静かな寝息立てている あなたの為
少しは出来る事が 私にあると信じたい


16.ずっと君を見ている

作詞:中村中
作曲:中村中

暮れかかる午後の空 片付かない手仕事
汗がしみたシャツの襟 焦る首をしめつける

「がんばれ」で励まされないなんて 甘いよな
声かけてくれた君に 悲しい顔させてしまった
片付かない胸の中

今日もまた足踏みだ
気がつけばもう外は夕焼けが
散らかった紙くずもそのままに 放り出したぼんやりな帰り道

履きつぶした靴底 通り雨がしみたら
変わりのない毎日が 息づいてると知った

ひと呼吸おいてから歩けよと言われている
そんな気がしたんだよ
吸った息は吐かなきゃいけない 吐かなきゃ吸い込めない

一日は足踏みだ
振り向けば燃え盛る夕焼けが
僕の背中を押してくるようで 伸びた影がたくましい帰り道

街に阻まれて見えなかった 君の笑顔はなんてまぶしいのだろう

「がんばれ」で励まされないなんて 甘いよな
みんな みんな がんばれよ
笑う君の頬の夕映えを もう何度も濡らさぬように

人生は足踏みだ
気がつけばいつだって夕焼けが
退屈をくり返す毎日でも そこに君がいなくちゃダメだった

人生は足踏みだ
焦るなかれ ゆっくりと進めばいいさ
山積みの毎日と君がいる平凡な日々に感謝しながら