1.グッドモーニング
作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一
同じ制服 同じような背格好
バスの中 私だけ誰とも喋らない
いじめられてる訳じゃないんだけど
友達はほぼいない みんな馬鹿だから
お日様が脳天直撃 今日も暑くなりそうだ
バス停で最後に降りると
先生がいた 私の恋人
背中に体当たり よろける先生
怖い顔で私を睨む 眼鏡がずれてるよ
スカート翻し 私は小走り
先生!先生!先生! 今日も大好き
同じ制服 同じような背格好
教室で 私だけ明らかに浮いてる
孤立しないよう みんな必死なんだ
こんな狭い世界なのに ご苦労な事です
窓際でひとり考え事 早く卒業したいなあ
いつの間にチャイム鳴ったんだろ
先生が来た 私の恋人
あんな不細工の どこがいいんだろ?
私基本面食いなんだよ それなのに何なの?
名前を呼ばれて 元気にお返事
先生!先生!先生! 今日も大好き
一緒に暮らすんだ 来年の春に
パパやママに反対されても 私は負けません
若気の至りなんて 絶対言わせない
先生!先生!先生!ずっと大好き
2.銭湯の思い出
作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一
湯船で僕らが騒いでいると いつもおじさんに怒鳴られた
「うるせーなガキども!」坊主頭でプロレスラーみたいだったおじさん
おじさんのでっかい背中には綺麗なカッコいい絵が書いてあって
それはお尻にまで届く程の 大きな大きなものだったんだ
ある時「おじさんの背中綺麗だね」と言ったら
「バカヤロー綺麗なもんか」と照れるように背中を隠した
それが刺青というものだったという事を 知るのはだいぶ後になって
おじさんには娘さんがいて いつも一人外で待っていた
僕らは湯上がりの体を冷ましつつ 女の子の様子を観察した
おじさんが出て来ると女の子は コーラを一気に飲み干して
おじさんのぶっとい腕に掴った 母子家庭の僕は羨むばかり
あんなお父さんがいたらなあ 二人を見ながらいつも思った
女の子の手を引きながらダミ声で歌ってた歌が
「人生を語らず」という歌だったという事を 知るのはだいぶ後になって
中学生になって僕らは 銭湯に行かなくなってしまった
そしてあの女の子と同じ学校になるとは まさか思ってなかった
そもそも同い年だったとは 何だか大人っぽく見えたから
テレビに出て来る女優さんのような 彼女に僕は夢中になった
僕は想いを打ち明けて 運よく付き合う事が出来た
「あんなお父さんがいたらなあ」というあの頃の夢が
23になる春に叶うんだっていう事を 知るのはだいぶ後になって
今でもお義父さんとはたまに 銭湯に行く事がある
背中の絵は少し萎んでしまったが やさしい笑顔とダミ声ははあの頃のまま
3.君は僕のものだった
作詞:緑川伸一
作曲:小倉しんこう
髪を短く切ったばかりの 君が笑う
天ぷらそばを啜りながら 眼鏡が曇って真っ白け
強い日差しの下で水着の 君が笑う
子供のような体つきが 海へ走って行く
いくつもの君を閉じ込めた このビデオカメラ
死ぬまで僕は 君を撮り続けるつもりだったのに
真っ暗な部屋 膝を抱えて テレビの中の君を観てる
梅酒のグラス 君が持ち上げ 缶ビールで僕も乾杯する
井の頭公園 池の畔 君が笑う
ボートには乗らなかったのに 何でだよ神様
いくつもの君を閉じ込めた つもりでいたけど
本物の君は 僕を捨てて消えてしまったんだなあ
真っ暗な部屋 膝を抱えて テレビの中の君を観てる
結婚式の 真似事をした このシーンで僕は毎回泣く
いくつもの君を閉じ込めた このビデオカメラ
死ぬまで僕は 君を撮り続けるつもりだったのに
真っ暗な部屋 膝を抱えて テレビの中の君を観てる
裸の君が恥ずかしそうに 僕を見上げて 舌を出した
君が揺れてる 揺さぶられてる 僕は今夜もズボン下ろす
君が叫んだ 僕の名前を 確かに君は僕のものだったんだ
4.片想われ
作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一
アーケードの入り口 いつもの通学路
今朝も彼女は立っていた 恥ずかしそうに立っていた
目が合うとぶるっと震えてた
ひとつ年下で バレー部の彼女
いったい帰宅部の俺のどこに惚れたというのだろう
すれ違う時なんか言ってたが 聞こえないフリをした
やりたいときに好きなだけ やれる関係でいいなら
考えたっていいけど 付き合ってもいいけど
やりたいときに好きなだけ やれる関係がいいけど…
そんな都合のいい話 ある訳ないよな わかってる
手紙もメールも ずっと全部無視
かれこれもう一年だな よくもまあ懲りないもんで
修行かな さてはドMかな
乳は結構あると思われる
平凡なルックスだけど なんか可愛く見えてくる
それでもやはり 俺はどうしても 好きにはなれないのだよ
やりたいときに好きなだけ やれる関係でいいなら
考えたっていいけど 付き合ってもいいけど
やりたいときに好きなだけ やれる関係がいいけど…
そんな都合のいい話 ある訳ないよな わかってる
もうすぐ卒業だから こいつらともおさらばだ
昼休みの喧騒 抜け出して廊下に出ると
彼女が立ってたんだ 思い詰めた表情
図書室に連れて行かれて 面と向かって言われた
彼女の告白に俺は 慌ててつい口が滑った
「やりたいときに、好きなだけやれる関係でいいなら、
考えたっていいけど、付き合ってもいいけど」
「それでも私構いません。先輩のそばにいたいです」
彼女はそう答えたのだ なんて最低なんだろ俺
彼女がホッとしたように 微笑んだ
とりあえず放課後うちに来てもらう約束をした
5.魔法にかけて!
作詞:緑川伸一
作曲:松本素生
先輩と今日は久しぶりに街で遊んだ
私は終始ソワソワして落ち着かなかった
先輩は何か前よりもずっと綺麗になってた
大学という場所にはそんな魔法があるのか
迷っていたけど 悩んでいたけど
私は決めた
動機不純かもね いや不純じゃないよ
だって 私 一応目標あるもの
私も先輩と同じ大学に行く 理由はただひとつだけ
愛しい先輩のそばで 魔法にかかって綺麗になるんだもん
パパとママがうるさいから 机に向かう
ノートいっぱいに吐き出された 私のストレス
どうせ受かるもの 私賢いもの
将来の夢 ボンヤリしてるから
少し怖いけど
やるよ! 私 今日も せっせとお勉強
私も先輩と一緒に合コンに出て イケメンGETしちゃうぜ
愛しい先輩のそばで 夢と魔法の 嗚呼キャンパスライフ
私も先輩と同じ大学に行く 不安は山積みだけど
愛しい先輩のそばで 魔法にかかって綺麗になるんだもん
6.こちょばしっこ
作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一
同じたんぽぽ組のノッポで
目が細い明るい女の子だった
僕は彼女といつも2人で
こちょばし こちょばされ キャーキャー遊んだ
たまにお尻や太ももに触れてしまうときがあり
そんな時はいつも甘い目眩が
彼女は顔を真っ赤にして笑っていた
子供には似つかわしくない淫靡な笑いだった
僕も同じような顔をしていた事だろう
疲れた僕らは遊戯室の隅
並んで座ってみんなを眺めた
しばらくすると彼女は復活
こちょばし こちょばされ ゴロゴロ転がった
エスカレートして気がつくと彼女の白いタイツの
中に僕はいつも手を入れていた
彼女は顔を真っ赤にして笑っていた
子供には似つかわしくない淫靡な笑いだった
僕も同じような顔をしていた事だろう
今考えると何故先生が
止めに来なかったのか 不思議でしょうがない
彼女は顔を真っ赤にして笑っていた
子供には似つかわしくない淫靡な笑いだった
僕も同じような顔をしていた あの時から
僕の好色な人生の道筋は決まってた
3度の離婚を繰り返し えらく貧乏だ
隣で20も下の俺の女が眠ってる
7.はじめての合コン
作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一
明日合コンに行く事になった
一人面子が足らなくなったとかで
急遽私に白羽の矢が立てられた
頗る憂鬱だ だったら断れば良い
なのに私は承諾してしまった
学生の分際で合コンにも出た事がないなんて
田舎の両親に申し訳ないと思ったからだ
……というのは嘘で 彼女が出席すると知ったからだ
一年程前から 私は密かに
彼女への想いを滾らせている
だけど彼女を我が物にしたいとか
そんな事はちくとも思っていない
彼女は彼女 誰の物でもないのだ
一緒にプールやお風呂に入りたいなとかは思うが
あんな清楚でおしとやかな彼女が合コンだと!?
きっと誰かに騙されたに違いない 何かの間違いだ
私がこの手で守ってあげなくては
そんな思いから 決意を固めたのだ
だけど早速後悔しまくってる
頗る憂鬱だ マジ断れば良かった
何故なら私はべらぼうな酒飲み
一旦飲み始めたら自制できなくなるのだ
そうして歌うのだ 浜田省吾を歌ってしまうのだ
お嬢様な彼女の前で赤ら顔のロックンロール 全ておしまいだ
彼女を守るどころの話じゃない
危害を加えてしまうかもしれない
今からでも遅くはないと思うのだ
断りのメールを打つべく携帯開く
「Eメール受信 1件」と表示されていた
ヘッドフォンでSHOGOを聴いていたから気付かなかった
……なんだあいつか 体を重ね合うためだけの女
「明日暇か?」と訊かれたので「忙しい」と返信した
やっぱり私は合コンへ行く
こんなふしだらな生活から抜け出すためにも
合コンへ行く 合コンへ行く
8.I am not a mother
作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一
心当たりは確かにあって できても当然な暮らしな訳で
育てていく自信は無いけど おろすなんてありえない
彼はどうせ逃げるだろうし どうしよう どうしよう
こない こない アレがこない
誰かに相談できる訳ない 私一人で抱え込むしかない
気付けばお腹 擦ってる自分 検査薬は買ったけど
怖くて まだ開けてもいない どうしよう どうしよう
こない こない アレがこない
説明書を何度も読み返す 私はどうやらmotherじゃないらしい
安堵のため息が漏れ同時にどうしようもない寂しさが私を襲った
ほんの少し幸せだったから
いつもと同じ朝 揺れるバスの中
無理に軽い調子で彼に打ち明けた
「何だよ早く言えば良かったのに」そう彼は笑うけど
絶対ウソ 絶対逃げるくせに 女って孤独だ
校門の前で彼と 手を振って別れる
遠ざかる彼の背中 いなかったね二人のbaby
一時限目は英語だな
9.また明日
作詞:緑川伸一
作曲:松本素生
みみず嫌い 気持ち悪い なんで君は平気なのか
ほらもうまた パンツ出てる 早く直せ
少し女らしくしなよ ちょい待って 鐘が鳴ってる
ほらね「赤とんぼ」のメロディー聴こえる もう帰らなくちゃ
じゃあね まだ遊んでたいけど また明日 赤い夕焼け
どうしたのさ 帰らないの? なんでなんで泣いてるのさ
どうしたのさ こりゃまいったな カラスも鳴く
そうだ 僕んち来るかい? いやなの? じゃあどうしよう どうしよう
空が暗くなってきたな とぼとぼ 歩き出す君
僕もとりあえずついてく そわそわ なんだこの気持ち
古いアパートが見えて来た「ありがと」君が笑った
僕は照れてそっぽを向く また明日 淡い星空
また明日 さあ走れ僕よ
10.熱海
作詞:緑川伸一
作曲:緑川伸一
君は蜜柑の皮をむき 丸ごと一つ俺に手渡した
窓の外は山と 空汽車は走る 体震わせて
車内アナウンス そろそろ着く頃か
バッグを肩にかけて 君が立ち上がる
全部何もかも忘れよう やり直せるさ
誰も俺たちを 知らないこの街なら
全部何もかも忘れよう 俺がついてる
何よりも温泉がある
君は海へ行こうと言う いいね 俺もそのつもりだぜ
10分くらい歩いたら 波の音と潮の香りが
沈んでゆく陽は 俺らを赤く染め
バッグを海に投げて 君がしゃがみこむ
全部何もかも忘れよう 波に流そう
好きなだけ泣きなよ 俺はここにいるさ
この世で一番美しい 君が死ぬなんて
断じて間違ってる
そうさ何もかも忘れよう やり直せるさ
誰も俺たちを 知らないこの街なら
全部何もかも忘れよう 俺がついてる
何よりも温泉がある 湯あたりには気をつけろ
俺の愛にはのぼせろよ
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