暫存

石原裕次郎 暫存歌詞
1.反逆のメロディー

作詞:渋谷郁男
作曲:伊達政男

どしゃ降りの町で
拾った女は ふるえてた
優しい言葉で 誘ったら
俺のものに なると言った
甘いくちづけ- 恋の芽生え-

その時現われた悪党に
叩きのめされ 踏みにじられて
二人の愛は 死んでしまった
みんな悪党が わるいんだ

傷ついた胸は
激しい怒りにふるえてた
帰らぬ涙の 思い出を
俺の骨が 嘆き歌う
夢を抱きしめ- 生きてゆこう-

その時現われた悪党に
叩きのめされ 踏みにじられて
仲間はすべて 死んでしまった
みんな悪党が わるいんだ


2.故郷へ帰る

作詞:萩原四朗
作曲:上原賢六

草山の 草に腹這い
谷川の 瀬音を 聞いた 故郷の夏よ
家を出た 朝の虹が
いまも瞳に しみてのこる

高原の 駅にたたずみ
北国の 夕陽を あびた ながれの旅よ
落葉舞う 暗い町が
目がしらに 遠くうかぶ

いま帰る 山のふるさと
谷川の 瀬音に しのぶ あの日の夢よ
ひとり待つ 母はやさし
老いの瞳に なみだためて


3.星かげの海

作詞:池田充男
作曲:上原賢六

寄せる波は 俺のこころに
ふるさとの 唄をはこぶ
たそがれ深みゆく 海のいろ
限りなく 懐かしく
夢のなかへ 誘うよ

海をはるか 越えてゆくとき
なぐさめる 友はひとり
いとしのまなざしか 星のいろ
いつの世も いつの世も
光る愛の またたき

懐かしく やるせなく
海のうたを 唄うよ


4.星の見えない街

作詞:上村しげる
作曲:上原賢六

ざっくりとわれた心の 傷あとに
酒が切なく しみてくる
涙があついぜ
キラリと一筋 こぼれて落ちる
ここは裏街 ア…星の見えない街

ぶっつりと 恋のえにしが切れちゃった
うわさばかりが 身にしみる
夜風がいたいぜ
冷たく凍った 想い出捨てて
曲る横丁 ア…星の見えない街

あっさりとアバヨして来た ポケットで
にぎりこぶしが ふるえてる
未練な奴だぜ
くるりとネオンに 背中を向けて
咽ぶ裏街 ア…星の見えない街


5.街から街へつむじ風

作詞:大高ひさを
作曲:鏑木創

東京の街にも 俺のよな
変った男が いるんだぜ
哀しみを 背負いこんで
歓びを 振りまいて
街から街へ 吹きぬける
俺は 俺は 気ままな つむじ風

曲った道なら 真直ぐに
通って見せるさ 命がけ
苦しさを 噛みしめて
泪ぐむ 星の下
街から街へ 吹きぬける
俺は 俺は 気ままな つむじ風

ほんとに愛して いる時にゃ
なおさら邪慳に したくなる
面かげを 抱きしめて
口笛も さりげなく
街から街へ 吹きぬける
俺は 俺は 気ままな つむじ風


6.孤児(みなしご)の歌

作詞:渋谷郁男
作曲:中川洋一

(セリフ)俺はひとりぼっちだった
手に負えぬ暴れん坊の餓鬼だった

孤児の 俺には
吹雪の海が 親爺だった
黒い土の匂いに おふくろがいた
大地を染める 夕日の中で
俺は 何時も 早く でっかく なりたいと
思っていた

(セリフ)俺はひとりぼっちだった
泣きながら眠ってしまう夜もあった

宿無しの 俺には
流れる雲が 仲間だった
風にそよぐ野菊に 恋人がいた
夜空に光る 星屑の中に
俺は 何時も はるか 遠いしあわせを
探していた


7.港

作詞:渋谷郁夫
作曲:久慈ひろし

夜更けの町 港の町
さいはての町
霧笛が咽ぶ
海峡に ああ 霧が降る
殺したいほど 好きだった
可愛いあの娘の 面影が
浮んで消える 無情な海に

夜更けの町 港の町
思い出の町
男の胸を 濡らすよに
ああ 霧が降る
二重瞼の 横顔が
死んだ二十才の いもうとに
似ていただけさ 未練じゃないさ

夜更けの町 港の町
灰色の町
ささやくように 泣くように
ああ 霧が降る
帰える故郷も 夢もない
錆びた貨物船の マドロスを
呼ぶのは暗い 海鳴りばかり


8.無情の街

作詞:石巻宗一郎
作曲:バッキー白片

(セリフ)ああ 今日もまた
むなしく暮れてゆくか

黄昏せまる 遠い空の果て
今日も暮れるか 無情の街が
可愛いあの娘の顔が 瞼に浮ぶ
どうせ俺らは 捨て犬なのさ

(セリフ)ああ 暗い夜が
のしかかってくる

青いガス燈 淋しく灯る
風はむなしく 心に吹くよ
忘れられない夢を わびしく忍ぶ
どうせ俺らは 捨て犬なのさ

(セリフ)ああ 今日もまた
ひとりぽっちか

深い夜霧が 巷をつつむ
今日も一人で 旅路の果てに
今は帰らぬ君を 夢に見る
どうせ俺らは 捨て犬なのさ


9.夜霧の恋の物語

作詞:大高ひさを
作曲:鶴岡雅義

別れても また めぐり逢う
夜霧の中の
若い二人の 不思議な恋よ
君と僕 生きる世界は ちがうけど
なにも云わずに 踊り明かそう
そっと優しく

悲しげに また こぼれ散る
落ち葉もいとし
若い二人の 命の夜よ
恋の酒 胸にあやしく 沁みるから
せめて今夜は 踊り明かそう
そっと優しく

東京で また 大阪で
めぐり逢う恋
若い二人の 夜霧の街よ
悲しくて 流す涙じゃ もうないね
夢を抱きしめ 踊り明かそう
そっと優しく


10.夜霧のサンパウロ

作詞:猪又良
作曲:村沢良介

どこに居るのか マドンナ・マリヤ
あの娘も淋しい人だった
探し疲れて たたずむ恋の街
ああ サンパウロの 霧の深さに
涙を捨てる 俺は流れの エトランゼ

どうせ他国で 拾った恋だ
いまさら泣くほど 野暮じゃない
虹のネオンが きらめく夢の街
ああ サンパウロの 霧の匂いが
心にしみる 俺は流れの エトランゼ

旅のこころに 愁を誘う
ブラジルコーヒー 恋の歌
悩みは果てなく さまよう夜の街
ああ サンパウロの 霧に包まれ
瞼を濡らす 俺は流れの エトランゼ


11.夜の足音

作詞:大高ひさを
作曲:速水純

足音が 聞こえてくるぜ
真夜中の 俺の心に
裏町の 街燈が
にぶく光る あの窓
静かにひらいて 誰か来るよ

殺し屋の ジャックじゃないし
黒猫の ドンでもないぜ
酔いしれた この俺の
胸の底を 淋しく
叩いているのは どこの誰だ

足音が 消えてく夜を
見おくれば あの娘じゃないか
五年前 上海で
俺のために 笑って
コルトに斃れた 姑娘 サリー


12.若い生命(いのち)を傾けて

作詞:渋谷郁男
作曲:小杉太一郎

若い生命を傾けて
力の限り 生きようよ
明るく強く 美しく
遠い遥かな 幸福を
しっかりこの手に 握るまで
俺は行く 俺は行く
俺の選んだ この道を

何はなくとも この胸にゃ
あの娘と二人 ささやかな
明日を築く 夢がある
遠い遥かな 幸福を
しっかりこの手に 握るまで
俺は行く 俺は行く
俺の選んだ この道を


13.あいつと私

作詞:谷川俊太郎
作曲:六條隆

あいつはあいつ オレはオレ
あいつとオレは ともだちだ
だけど互いに 秘密もあるさ ヤー
ヒップ ヒップ ヒップ ラ
ヒップ ヒップ ヒップ ラ

※それでも地球は まわってる
おヘソは未来を 指している
ヒップ ヒップ ヒップ ラ
ヒップ ヒップ ヒップ ラ※

女は女 オスはオス
オスが女を恋したら
心理学には 関係ないさ ヤー
ヒップ ヒップ ヒップ ラ
ヒップ ヒップ ヒップ ラ

(※くり返し)

ほんとはほんと ウソはウソ
ほんとのことが ウソになりゃ
若いおれたち 黙っちゃいない ヤー
ヒップ ヒップ ヒップ ラ
ヒップ ヒップ ヒップ ラ

(※くり返し)


14.愛の絆

作詞:杉紀彦
作曲:八角朋子

暗い過去を ひきずりながら
生きて来たが これで終りと
思いつめた 夜明けの裏通り
おまえを見つけたよ
身体の中を ああ 何かが走り
言葉をなくし 抱きあう…
愛なんて呼べない 愛愛以上の
つよい絆 感じ 燃える二人

人のさだめ それは不思議さ
こんな場所で こんな具合に
深い傷を背おった者同志
出逢いが訪れる
初めて逢って ああ 名前も知らぬ
それでもすべて 分って…
昔から知ってた そんなそんな気がして
曇り空の夜明け あるく二人

孤独だらけの ああ 過去をすてたら
生れたままの 姿で…
死ぬことを怖れず 生きて生きて行くのも
わるい事じゃないと 思う二人


15.愛への祈り

作詞:滝田順
作曲:伊藤雪彦

愛はことばなどで
云いあらわせないものさ
暗い顔 見ただけで
希望さえ 消えた

逢いたくて 来たんだろ
涙をふいて
悩みなら かくさずに
なにもかも云えよ

過去は僕もあるさ
君にかくしていたが
あやまちは 許せるさ
泣かないでおくれ

僕の眸を 見てごらん
笑ってるだろ
あまりにも 君だけを
愛しているから


16.青い駒鳥の唄

作詞:井上梅次
作曲:萩原忠司

道に迷った旅人が
青い駒鳥に 道を聞いたとさ
仕合せに行く道を たずねたとさ
首をふりふり こたえました
本当の仕合せ もとめて行くなら
あなたの心の中を 探しなさい
青い駒鳥は はばたきながら
カラカラ笑って 飛んで行きました

本当の仕合せ もとめて行くなら
あなたの心の中を 探しなさい
あなたの心の中を 探しなさい
カラカラ笑って 飛んで行きました


17.赤い波止場

作詞:中川洋一
作曲:鏑木創

俺は想う 海の彼方を

空は青空だ 心が はずむぜ
波止場に 咲いた恋は 楽しい ものだぜ
白い雲 いつも 流れるのサ

海の色は青 潮の香匂う
紅の波止場だぜ 太陽は燃える
あかね雲 たのしく歌うのサ

海は呼んでるぜ 騒ぐは 潮風
何処か 知らないけれど 遠く行きたいぜ
でかい夢 ふくらむ 胸なのサ


18.宴のあと

作詞:西沢爽
作曲:北原じゅん

帰るのね こんな夜更けに
あの女が 待っているのね
愛された 宴のあとは
アパートの 扉をあけて
遠くなる 遠くなる あなたのこころ

花を買い グラス飾って
待ちわびた 夜の終りは
さよならの キッスも忘れ
街角に 車が消えて
涙ぐむ 涙ぐむ 私が残る

好きだから ひとのあなたの
幸福を こわしたかった
それなのに 今夜も負けて
燃える手に 乳房をつつみ
ふりしきる ふりしきる 雨に泣くのよ


19.海鳴りの宿

作詞:池田康生
作曲:遠藤実

過去なんて どうでもよかった
ついてきてほしかった
海鳴りのきこえる この宿で
しあわせの貝がらを
あげたかったのに
やせてうつくしい あの手には
今日もグラスが握られて
揺れてるだろうか… むなしく…

約束の切符を見つめて
うなずいたひとだった
海鳴りがやたらと はげしくて
しあわせの貝がらは
くだけてしまった
やはり昨日から 逃げられず
こころの扉 締めたまま
泣いてるだろうか…ひとりで…


20.海よお前だけに…

作詞:池田充男
作曲:曽根幸明

海よ 恋をしよう
海よ 恋を語ろう
風も 胸にあまい 太陽の下

俺の生きがいが そして人生が
浪の彼方に 待っているのさ

海よ おまえならば
俺は 泣いてもいい
航路の 終るまでは
みつめておくれ

海よ 俺を好きか
海よ 俺は惚れた
いつも 深い愛と 試練をくれる

遠い浪のはて 夢を求めて
俺は港を ひとり出て来た

海よ おまえだけに
俺は いのち賭ける
航路の 終るまでは
みつめておくれ


21.男と男の生きる街

作詞:熊井啓
作曲:伊部晴美

空は涯てなく 沈んでいても
それは 男と男の生きる街
切り裂く様な 凍った風が
ぴゅぅと ああ
昔の傷に 滲み透る

河は冷たく 光っていても
それは 男と男の生きる街
暗い宿命が 火と燃えながら
今日も ああ
二人の胸を焼き尽くす

夜が嘆きを 運んできても
いつか 男の魂に花が咲く
夜明けの風が きらめきながら
明日の ああ
明日の生命の樹を揺する


22.影狩り

作詞:保富康午
作曲:大沢保郎

(おてまりトントントン ひとり切っては 十兵衛さん)
(ふたり切っては 日光さん さんにん切っては 月光さん)
(まずまず一貫 貸しました)

失うものは もうなにもない
長い合羽に 包んだのは
生命一つ 牙を剥く 牙を剥く
影狩りと言う 獣 が
血の匂いに乗って やって来た

地獄の野良犬だぜ 生きるってことは
死の風が吹く 血の雨が降る 心は凍る

無妙の闇は ただ果しない
ときに煌く あの光は
剣の火花 牙を剥く 牙を剥く
影狩りと言う 獣 が
血の荒野を 今日も駆けて行く

地獄の野良犬だぜ 生きるってことは
死の風が吹く 血の雨が降る 心は凍る

無妙の闇は ただ果しない
ときに煌く あの光は
剣の火花 牙を剥く 牙を剥く
影狩りと言う 獣 が
血の荒野を 今日も駆けて行く


23.雲に向かって起つ

作詞:滝田順
作曲:伊部晴美

空をみつめて この胸が
青空に夢を乗せ かけまわる時
若い生命が 俺の生命が
風に逆らい 雲に向かって起つ

ほほに涙が きらきらと
哀しみを かくしても あふれ出る時
若い心が 俺の心が
愛にめざめて 雲に向かって起つ

俺を呼ぶよに 朝やけが
雲を染め 海に映え 火と燃える時
若い血汐が 俺の血汐が
空を掩うぜ 雲に向かって起つ


24.クロスオーバー・ラブ

作詞:浜口庫之助
作曲:浜口庫之助

夏がまだ 終らないのに
秋がもうしのびよる
クロスオーバー クロスオーバー
太陽がまぶしい にぎやかな街に
かくれたいひとりで クロスオーバー
私の心に 夏と秋のふたつの恋
クロスオーバー クロスオーバー
クロスオーバー・ラブ

夢がまだ さめてないのに
朝がもうさわぎだす
クロスオーバー クロスオーバー
太陽がまぶしい 新しいひとに
心をのぞかれて クロスオーバー
私の心で出逢う ふたつの恋の影
クロスオーバー クロスオーバー
クロスオーバー・ラブ


25.素晴しき男性

作詞:井上梅次
作曲:萩原忠司

素晴しい男性 素晴しい男性
虹のかなたに 素晴しい男性

※(セリフ)“冗談じゃないよ”“馬鹿云うなよ”
“ねえ”“君も”“僕も”
“あっしもかい”“そうさ皆だよ”※

素晴しい男性
青い駒鳥が言ったとさ
明るく陽気で 心健やか
何処にもいるよ 素晴しい男性

(セリフ)“みんなだってさ”“俺も”
“ユーも”“えーっサンキュー”
“君もだよ”“ありがとう”
“おいらもかね”“そう皆”

素晴しい男性
青い駒鳥が言ったとさ
明るく陽気で 心健やか
何処にもいるよ 素晴しい男性

素晴しい男性 素晴しい男性
虹のかなたに 素晴しい男性

(※くり返し)

素晴しい男性
青い駒鳥が言ったとさ
明るく陽気で 心健やか
何処にもいるよ 素晴しい男性
あなたの隣りにいるよ 素晴しい男性


26.何故か愛せない

作詞:なかにし礼
作曲:鈴木淳

あともどり出来ぬ 俺の人生は
ビルの谷間を 吹き抜ける
風のまにまに どこへ行く
道ばたに咲いてる 可憐な花に
立ち止まる足許に 涙が落ちる

(セリフ)さようなら 小さな思い出 何故か 愛せない

汚れてしまった 俺の悲しみは
ほこりまみれの 街灯か
雨にうたれて ただ一人
夢にみるあたたかさ やさしい心
みたされぬ唇が 求めて歌う

(セリフ)君にわかるかな 何故か 愛せない

捨てどころない 俺の淋しさは
重い足音 影法師
きっと死ぬまで つきまとう
幸せにあふれてた 幼い頃よ
あの頃のほほえみを みつけるまでは

(セリフ)もう少し 待っていてくれないか
何故か 愛せない


27.反逆の報酬

作詞:保富康午
作曲:広瀬健次郎

愛する者の 死顔に
俺の涙は つめたかろ
それだけが お別れと 知った日も
あの空は 青かった
生きてるほうが 悲しいぜ

どこまで落ちる 夢を見りゃ
男ひとりの 朝がくる
みな眠る この夜を 引き裂いて
欲しいのは ただひとつ
生きてることの あかしだけ

汚れてしまった 思い出は
餓えた犬らに くれちまえ
戦いは ひとときも 休まない
狙い撃つ 明日の夢
生きてるかぎり つづくのさ


28.陽のあたる坂道(SEVEN O'CLOCK)

作詞:三木勘太
作曲:佐藤勝

Yan Pan Pan Pan
Yan Pan Pan Pan W… wan

Yan Pan Pan Pan
Yan Pan Pan Pan W… wan

夜明だ朝だ 俺等の世界だ
それ今のうちに
ランデ ララランデブもしゃれよかー

大人が起きりゃ 空気が汚るぜ
昼間は学校へ行き ABCD+アルファ
ハニホヘトだー Hey go… Let's go…

※Yangers ランデブー in the morning
Let's go singing in the morning
Give me lucky morning every day
But I wont only time at Seven O'clock※

(※くり返し)

…One two three four 5, 6, seven seven
I wont one two three four
5, 6, seven seven

さあ 親父の来ぬ間に ランデブー
さあ 7時だ 俺等の時間だー
朝飯喰わずに ハリキレ ランデブー


29.二人の雨

作詞:山口洋子
作曲:鈴木淳

もっとこっちへお寄りよ 背中が濡れる
どうしよう来た道 また戻ろうか
ひとつしかない この傘は
別れたくない夜の 恋ごころ

寒くないかとコートを 着せかけながら
今日もまた云えない 愛していると
どこか幼い くちびるに
ささやいているような 雨の音

きっと明日もこのまま 降りつづくだろう
ひとつづつ消えてゆく うるんだ灯り
二人を結んだ 銀の糸
どこまでも歩こうよ 雨の街


30.骨

作詞:中原中也
作曲:伊部晴美

ホラホラ これが僕の骨だ
生きていた時の 苦労にみちた
あのけがらわしい 肉を破って
しらじらと 雨に洗われ
ヌクッと出た 骨のさき

(セリフ)「ホラホラ これが僕の骨
見ているのは僕 おかしな事だ
霊魂はあとに残って また骨の処に
やってきて 見ているのかしら?」

故郷の小川のへりに
半ばは枯れた草に立って
見ているのは mm… 僕
ラ・ラ・ラ…ラ・ラ・ラ…
恰度立札ほどの高さに
骨はしらじらと とんがっている


31.港町のうたが聴こえる

作詞:杉紀彦
作曲:三木たかし

言葉にならない 淋しさ抱きすくめ
心はいつでも 港へ還る
愛した人々 別れた人々
思い出すそのたびに 見つける安らぎ
寒い吹雪のなか 俺におとずれて来る
遠い 海の夜明け
いつか港町のうたが 聴こえる

過ぎ去る月日が 残した淋しさは
真冬のかもめに 似ているだろう
愛した人々 別れた人々
誰もみな哀しみを かかえているだろう
海が凍る夜も 人は生きて行くのさ
やがてのぼる朝日
そして港町のうたが 聴こえる

海をおもうことは 心てらすともしび
おれの夢のように
今日も港町のうたが 聴こえる


32.夢織りびと

作詞:杉紀彦
作曲:丹羽応樹

春よ たとえば おまえは
初恋の 限りない 優しさ
小雨のあとの 暖かいあしたに
夢織りびとが 夢織りびとが
訪れそうな…

夏よ たとえば おまえは
束の間の 熱愛のまぶしさ
もえ行く海に 今日だけの命を
夢織りびとが 夢織りびとが
あずけるような…

秋よ たとえば おまえは
恋なくす たそがれのつれづれ
枯葉の泪 背に受けて旅行く
夢織りびとも 夢織りびとも
時には独り…

冬よ たとえば おまえは
人の世の なけなしのぬくもり
よせあう肩の 白い雪払って
夢織りびとが 夢織りびとが
春呼びそうな…


33.花の散りぎわ

作詞:なかにし礼
作曲:鈴木邦彦

花は何故散る 何故風に舞う
花の散りぎわ 見せるため
俺は何故泣く 何故泣きぬれる
きっと最后に 笑うため
金もなければ 恋さえないが
書を読む眼にゃ 夢がある
花の青春 短い命 雪は窓辺に 薄明り

花は何故散る 何故風に舞う
花の命を 惜しむため
何故に血は湧く 何故血はさわぐ
悔いぬ青春 送るため
遠い道こそ 歩いてみたい
散った花びら 敷きつめて
歌を肴に 盃かわす 月に映さん 花の宴


34.おやじの舟唄

作詞:杉紀彦
作曲:弦哲也

酒に海鳴り 染みる八戸で
聞いた舟唄 今も忘れないぜ
伜にゆずった 海のあけくれを
恋しがっては 酔いどれた
達者でいるかい おやじさん

海がしければ 町へくり出して
女泣かせた 古い自慢ばなし
伜にかたって 浜で網を干す
年令(とし)に似合わぬ ふとい指
生きてりゃ会いたい おやじさん

時は流れて 変わる八戸に
季節忍んで鳴くな 海猫よ
伜も忘れた 遠い舟唄は…
俺の心に生きている
たずねて行こうか おやじさん


35.さよならは云ったけど

作詞:有馬三恵子
作曲:鈴木淳

髪の先まで 夜露にぬれて
君のぬくみを 教えてくれたね
あの目 あの声 夢ではないか
帰したばかりの 君なのに 恋しい

腕に抱かれて すなおにしてた
君の吐息が どこかにしみてる
忘れられない 夜になったね
別れたばかりの 君なのに 会いたい

君が残した うつり香さえも
俺の心を 炎にするのさ
霧にしめった 夜道をゆけば
おくったばかりの 君なのに せつない


36.愛のくらし

作詞:なかにし礼
作曲:大沢保郎

ひとりぐらしに 幸せはない
はぐれ鳥は 泣くばかり
細いお前の その手を握り
飛んでゆきたい 山のかなたに

指につたわる 愛のぬくもり
これがほしさに 生きてきたのか
何故か涙が あふれてならぬ
今日の今日まで 泣かずに来たが

遠く果てない 人生だけど
育ててゆこう 愛のくらしを
俺とお前の 涙のしずくは
心を絆ぐ 虹のかけ橋


37.男の嵐

作詞:なかにし礼
作曲:木村勇

人はやくざと 言うけれど
うけた情は 忘れない
ましてお前の 真心は
包丁ひとつが 道連れの
俺は流れの 根なし草
男心は 錆びやせぬ

なんでやさしく してくれる
しょせん実らぬ 恋なのに
そんなお前が いじらしい
酒を相手に 嘆くけど
なんで男が 泣くものか
顔で笑って 胸で泣く

背なに描いた 緋ぼたんが
俺の自慢の 心意気
花の命さ 人生は
こらえこらえて たえぬいて
たまりかねたら 唐獅子が
一生一度の 嵐呼ぶ


38.東京の夜

作詞:わだじゅんこ
作曲:曽根幸明

別れがつらいと 泣いているよな
雨にぬれてる 新宿の街
やっとみつけた 幸せなのに
誰がこわして しまうのか
今夜かぎりの 東京の夜

おまえの涙を ふいているのに
俺が泣いてる 外苑通り
愛しきれない おまえを抱いて
夜にこのまま とけたいが
夢も冷たい 東京の夜

帰りたくないと すねるおまえを
そっと見送る 青山あたり
俺の背中を つきさすように
別れないでと 泣く声が
今も聞える 東京の夜


39.白夜の都

作詞:池田充男
作曲:久慈ひろし

なにも云わずに この俺と
空の果てまで ゆきたいと
あつい涙を 胸に押しつけた
青い瞳よ いとしの君よ
コペンハーゲン 思い出の都

恋を白夜の 海に捨て
ひとり帰って 来た俺さ
ままになるなら せめて、いま一度
逢って濡れたい 異国の雨よ
遠く離れて 哀しみがのこる

散っているだろ マロニエが
赤い煉瓦に 音もなく
男ごころの 愛のくちづけも
いまは空虚しい 旅路の夢か
コペンハーゲン 忘れじの都


40.北斗七星-乙女の神話-

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

まだくちびるに 紅もなく
前髪さえも 切りそろえ
頬をうぶ毛で光らせて
はじらう乙女よ 乙女よ…

うなじは細く うつ向いて
おさない肩は ふるえがち
といたリボンを 投げすてて
夢見る乙女よ 乙女よ…

※きみに思いを託すなら
北にまたたく星に云う
空よ くもるな 雨降るな
北斗七星 光らせろ※

瞳は濡れて かげりなく
耳たぶ薄く 貝に似て
花の香りの 肌白く
ほほえむ乙女よ 乙女よ…

無邪気なまでに明るくて
素足で草を 踏みつけて
渡る小川に春の色
まぶしい乙女よ 乙女よ…

(※くり返し)

空よ くもるな 雨降るな
北斗七星 光らせろ


41.夜霧の舗道

作詞:山上路夫
作曲:三木たかし

寒くはないかい 夜霧にぬれる
お前の肩が ふるえているよ
いいから コートにおはいり
その肩 暖めてあげよう
からだを 寄せあえば
愛がじかに 胸にしみる
夜の街は二人の
愛だけが 息づいている

おそくはないかい 街の灯消える
何にも云わず 首ふるお前
このまま お前を連れ去り
二人の夜明けを見たいよ
けれども あどけない
お前だから 口に出せぬ
夜の街は二人の
愛だけが 息づいている


42.彩りの街

作詞:藤原典男
作曲:小谷充

雨が冷たい 都会の夜も
今夜だけはふたりに あたたかい
逢えばこんなに 切ないふたり
時間は愛を少しも 変えていない
ふたつの心 炎えてひとつに染まる
愛を彩る 雨の街

小さく揺れて 佇む肩を
抱きしめれば舗道に 傘ひとつ
もう泣かないで 泣いちゃいけない
俺の胸でおやすみ 今夜から
別れ芝居さ 昨日までのくらしは
濡れてやさしい 夜の街

ララリリラ… ララルルル…
ラリルルルル… ルルルル…

心の鍵は ひとつでいいね
傷跡なら季節が 消すものさ
ふたつの影を 淡い灯りがつつむ
愛をありがとう ふたり街


43.港は雨に濡れて

作詞:杉紀彦
作曲:浜圭介

長崎… 出船おいかける小雨
おんな心は 置きざりにされる
長崎… 私の朝には小雨
白いヴェールが 淋しさを隠す

愛の鐘をならす ときは今は消えて
オランダ坂 花も枯れゆく
港を見おろす 教会の庭
傘もささずに 泣きぬれる 私

長崎… 人がよみがえる街に
おんな心は 生きたまま死ぬの
長崎… いのちかけた恋だから
悔やむことなど 何もないけれど

愛の鐘をならす ときは今は消えて
マドンナには なれないおんな
港を小雨が 濡らす夜明けに
思い出という 船にのる 私

港を小雨が 濡らす夜明けに
思い出という 船にのる 私


44.今宵もそっと

作詞:武田こういち・荒木とよひさ
作曲:久我山明

そっと出逢った あなたとわたし
何故か心ひかれたの
また逢う日の約束を
ラストダンスで ささやいて
good by good night
good by good night
今宵も更けゆく おやすみなさい

そっとお別れ あなたの背中
つらい気持が 恋なのね
また明晩も この場所で
心かさねて 欲しいから
good by good night
good night good night
今宵も更けゆく おやすみなさい


45.夜霧の終着駅

作詞:梅本としお
作曲:花礼二

夜霧にむせんで だきしめあった
肩のふるえが 忘られぬ 忘られぬ
このままいっしょに 死にたいと
せがんだ君も いまは人妻
ああ さいはての
思い出せつない 終着駅よ

つめたいレールを みつめて泣いた
遠いあの日は もう来ない もう来ない
しあわせだったら いいけれど
噂がつらい 君のこの頃
ああ くろ髪に
もいちど告げたい いとしい言葉

ここからさきへは いけない恋さ
上りばかりの 寒い町 寒い町
せめての名残りに 逢いたくて
たずねて来ても つらい夢だけ
ああ 霧の中
夜明けが淋しい 終着駅よ


46.それぞれの旅

作詞:池田充男
作曲:長戸大幸

それぞれの人生に 疲れることはありませんか
足を早め 街をゆく人の群れ 西の空の
ああ夕日さえ気づかない

どん行の汽車になど 乗りたいことはありませんか
うつら、うつら 目を閉じて揺れながら 雪の深い
ああ北国へ来るもいい

※どうぞ貴方 僕は待っている
どうぞ どうぞ その時
手袋と帽子と ブーツを 忘れないように※

それぞれの人生に 疲れることはありませんか
背中まるく 木枯らしをよけながら 地下の駅へ
ああ今日もまた 降りてゆく

温かい暖炉など 恋しいことはありませんか
うつら、うつら 雪嵐ききながら酒に酔って
ああ手枕で 眠るのもいい

(※くり返し×2)


47.離愁

作詞:水木れいじ
作曲:浜圭介

散りゆく恋の
うしろ姿ふりむいて
雨にけむる街角で
泣きぬれたおまえ

※いとしさに ふるえる肩を抱きながら
しのび逢う 罪に酔いしれた
帰らぬ夢が 帰らぬ季節が
煙草のけむりに 今もゆらめく…※

胸の痛みに
ひとりあおるグラスにも
消したはずの残り火が
やるせなく燃える

わびしさを誰に ぶつけるあてもなく
ゆきずりの 花を踏みつける
おまえの笑顔 おまえの涙
むなしくもとめて 夜をさまよう…

(※くり返し)


48.夜よ

作詞:なかにし礼
作曲:浜圭介

多分 生きているかぎり
俺が誰にも見せない顔を
知ってる奴 それはお前 夜よ 夜よ

※闇の中で わらべ唄を口ずさみ
部屋に枕の 白い羽根を散らすとき
夜は俺をみつめてる
そして全てを 許してくれる
涙よりも優しい奴 夜よ 夜よ※

夢も人も通りすぎ
道に枯葉も 落ちていない日
お前となら語りあえる 夜よ 夜よ

花を恨み マッチ棒で火をつけて
燃えてよじれる 花の姿見てるとき
夜は俺の肩に手を かけて静かに
ゆすってくれる ふりかえれば
笑いかける 夜よ 夜よ

(※くり返し)


49.夜霧の愛

作詞:杉紀彦
作曲:小谷充

抱きしめていたら
そっと涙をふいたね
命けずるほどの愛を育てた
夜霧の神戸が 悪いのさ
他人に隠れてしのび逢い
抱きしめていよう
港の夜の 時間を止めて

話さなくていい
そっとこのまま歩こう
やせてしまうほどのつらい恋でも
夜霧の神戸が 包むのさ
異人館のレンガ道
抱きしめていよう
言葉を消して 霧笛がひびく

夜霧の神戸が 濡らすのさ
明日をなくした二人なら
抱きしめていよう
港の闇に 愛を埋ずめて


50.波濤の彼方

作詞:なかにし礼
作曲:河村利夫

海の怒りを 知っているか君は
あの荒れ狂う わだつみの声を
恐れてはいけない
進もう陸地が見えるまで

波のささやき 知っているか君は
あの優しさに 乙女のようだと
甘えてはいけない
進もう船路はまだはるか

海の大きさ 知っているか君は
あの果てしない 水平線にも
臆してはいけない
進もう地球の 裏までも


51.忘れはしないいつまでも

作詞:石巻宗一郎
作曲:バッキー白片

(セリフ)まったくいやな雨だ…
(セリフ)たまらなく淋しくなってきたよ…

そぼ降る 小雨が 涙を誘う
街角のネオンも 悲しそう

(セリフ)泣かないでおくれ
(セリフ)恋し お前よ 泣かずにおくれ

忘れはしない いつまでも いつまでも

(セリフ)あの頃は 楽しかったね

二人で歩いた 夜霧の並木
なんとなく頬寄せ ほほえんで

(セリフ)可愛かったよ
(セリフ)そっとやさしく抱きし君を

忘れはしない いつまでも いつまでも

(セリフ)馬鹿なこの俺を ゆるしてくれるね

コートが しっぽり 小雨にぬれて
いつの日に晴れるか 我が胸よ

(セリフ)さようなら 遠く去り行く 君の面影

忘れはしない いつまでも いつまでも


52.泣きはしないさ

作詞:鹿倉ひろし
作曲:上原賢六

泣きはしないさ 泣かないさ
花は咲いてもやがて散る
恋の生命は短いものよ
顔を反向けて歩くのは
街の灯りが まぶしいからさ

泣きはしないさ 泣かないさ
夜の屋台のコップ酒
持ったこの手が ふるえていても
涙こらえるためじゃない
ちょっと寒気が するからなのさ

泣きはしないさ 泣かないさ
誰が泣いたりするものか
俺の頬ぺた一筋つたう
これが涙であったとて
別れつらさの 涙じゃないさ


53.露子に逢いたい

作詞:丸山環
作曲:久慈ひろし

誰がつけたか
あんなよい名を持ちながら
いつも露子の 睫毛がぬれた
親を知らない みなし児なのに
石で追われて 村から消えた

Mmm…

変るすがたを
去年東京の うら街で
ちらり見たとの 噂をきいた
旅の役者の 一座にまじり
汽車に乗るのを 見たとも聞いた

どこにいるのか
襟のほくろを 思いだす
丁度二年か 苦労をしたろう
逢うてしみじみ 話がしたい
誰か露子を さがしておくれ


54.青春とはなんだ

作詞:渋谷郁男
作曲:伊達政男

「青春とはなんだ」流れる雲に 叫んだら
「青春とはなんだ」谺になって 消えてった
明日の空へ 伸びてゆく
若い木の芽や 草の芽の
そうだ息吹きが 青春だ

「青春とはなんだ」悩みも夢もわけ合って
「青春とはなんだ」力の限り 生きようよ
どえらい希望 寄せ合えば
何んの地球も ひと跨ぎ
そうだ斗志だ 青春だ

「青春とはなんだ」夜空の星に 聞いてみた
「青春とはなんだ」涙に濡れた 眸をあげて
小さな胸に でかい夢
若い血汐が また疼く
そうだこいつが 青春だ


55.足あと

作詞:山口洋子
作曲:小谷充

潮風に なびく髪を
そっとおさえながら
ただだまってた 別離の日

いまでも愛しているよと
言いたかったけれど
もえる夕陽にも 想いたくした

昨日 きいたよ君が
彼と結婚したと
やっと幸せになれたよと

ほんとによかったと
皆で乾杯しながら
つのる淋しさを ひとりこらえた

いまは ひとりの浜辺
寄せて返す波が
ほら足あとも消してゆく

また逢う日までと泣いた
あの日の約束を
海にかえしたい 恋のまんまで


56.さいはて哀歌

作詞:杉紀彦
作曲:平尾昌晃

白く凍てつく 北の海辺を
人を葬う 黒い列が行く
だまりこくって 悲しみさえも
風の彼方に 埋めてしまうのか
ああ寒い寒い 人の世を
流れ流れて 辿りついたさいはて…
おれも捨てようか 恋のなきがら

つらら浮かべて 酒を飲んでも
昔の夢が 帰る訳じゃない
せめて思い出 抱きしめながら
風をまくらに 眠ってしまおうか
ああ寒い寒い 人の世を
流れ流れて 辿りついたさいはて…
春は遠すぎる 海の流氷

生きて来たことは くやまないけど
女を愛した 古い傷がある
群をはずれた かもめが一羽
風にまかれて 海辺に消えて行く
ああ寒い寒い 人の世を
流れ流れて 辿りついたさいはて…
おれも消えようか あすの吹雪に


57.たとえばヨコハマ

作詞:杉紀彦
作曲:小谷充

アドリブの冴えた ジャズメンがいれば
酒が美味い たとえばヨコハマ
別れたおんなが いかしたおとこと
眼のまえで 踊っていても
揺れるハーバーライト
少し切なくて 少し幸せな夜さ

古いホテルには 懐かしいピアノ
とても似合う たとえばヨコハマ
港に流れる 霧笛はサックス
サテン着た おんなが笑う
揺れるハーバーライト
おもいでの街で おもいでを作る二人

ホンキートンクが センチメンタルに
ひびいてる 酒場もいいさ
揺れるハーバーライト
優しい気分で 昔に還ろう二人


58.哀愁の十二番街

作詞:大橋光哉
作曲:村沢良介

寂しくていつまでも 眠れないのは
あの女が お別れを 告げていったからさ
碧い… 月のひかりも泣いて
男の部屋の 小窓を濡らす
ああ真夜中の 十二番街

まごころで愛し合い 短かいけれど
それだけに美しい 想い出になるのさ
遠い…汽車の汽笛も辛く
男の胸の 空ろに沁みる
ああ真夜中の 十二番街

スタンドの灯を点し そっとかけよう
LP のレコードは あの女のかたみさ
白い… バラのつぼみも散って
男の恋の 終りを歌う
ああ真夜中の 十二番街


59.男の心に星が降る

作詞:門井八郎
作曲:上原賢六

好きなンだ 好きなのに
好きだと一言 言えないで
やり切れないから 空を見て
やたらに吹くのさ サキソホン
おいらは おいらは
おいらは吹くのさ サキソホン

辛いンだ 辛いのさ
あの娘を想えば ねむれない
せつない苦しい こんな時ゃ
ひとりで吹くのさ サキソホン
おいらの おいらの
おいらの心に 星が降る

泣くもンか 泣かないよ
これでも男の はしくれさ
泣きたくなったら 街に出て
夜風に吹かれて 恋の唄
おいらは おいらは
おいらは吹くのさ サキソホン


60.俺は行くぜ

作詞:萩原四朗
作曲:野崎真一

桟橋の 靄のかげに
しょんぼりと かくれて
見送りに来てる お前の気持
よく判るが 何も出来ない
泣いても呼んでも これまでの二人さ

故郷の 匂う秋を
棄ててゆく 船出は
目に映るものが なんでも辛い
見て呉れたか 俺の目がしら
浮雲かすめる ひとつぶの雫を

タラップを 跳んで下りて
横抱きに お前を
抱いたままそこで 死にたい気持
血は燃えるが 人は嗤うぜ
このまま俺らは あきらめて行くぜ


61.海峡を越えて来た男

作詞:柴田忠男
作曲:村沢良介

霧の海峡 越えて来た
俺らは男だ 牧場の男
意地がからめば 喧嘩も買うが
恋などおいらの 柄じゃない
ひとりぽっちさ 俺は風来坊

風の海峡 越えて来た
俺らは男だ 北国育ち
嘘でかためた 都の夢は
ネオンの灯影に すてちまえ
ひとりぽっちさ 俺は風来坊

遠い海峡 越えて来た
俺らは男だ 裸足のダンディー
どうせ気まかせ あの風まかせ
ちょっぴり淋しい 夜もある
ひとりぽっちさ 俺は風来坊


62.銀座・海・山

作詞:大高ひさを
作曲:村沢良介

(セリフ)おい、真夜中の銀座って、イカすじゃないか

心と心 影と影
なんにも話すことはない
そっと口づけ 交すだけ
若い俺たち 二人のために
夜霧 深い 銀座
ミッドナイト ランデブー

(セリフ)ほーら、あれが江の島で、こっちが葉山だ

ヨットの影も 何もない
静かな海と 月ばかり
青い渚の 砂だけが
若い俺たち 二人の恋を
知って 知らぬ 顔さ
ミッドナイト ランデブー

(セリフ)さあ、明日は、あの山を越えてゆくんだぜ

ランプを消して、もう一度
山荘の窓で 囁けば
星の眸も 濡れている
若い俺たち 二人の胸も
甘く 濡れて 更ける
ミッドナイト ランデブー


63.傷心の雨

作詞:門井八郎
作曲:春川一夫

恋に生きたら どれほどよかろ
帰らぬ夢さ 仕方ないさ
雨にうたれて 胸の奥まで
しみとおる 寒い夜だよ

雨よふれふれ 流れて消えろ
はかない恋さ 忘れようぜ
熱い泪が 落ちてこぼれた
このグラス 苦い酒だよ

男ごころよ しん底泣けろ
この世は夢さ 仕方ないさ
雨の巷にゃ 今日のねぐらの
あてはない ひとりものだよ


64.白い手袋

作詞:萩原四朗
作曲:上原賢六

汽車に乗る時に 俺の肩に手をのせて
たったひとこと 大丈夫よ と言っただけだ
それで別れた 窓にゆれた あの子の
白い手袋が やけに目にうかぶ

こわい東京で どんな仕事してるのか
気にはなったが 大丈夫か と訊いただけだ
それで帰した おさな顔も いとしく
ぬれた眸のそこに 嘘はない筈だ

いのちある限り 通うこころ変わらぬと
誓い交した 大丈夫だ と 俺は思う
それでいいのだ 遠く消えた あの子の
白い手袋が 胸にまた匂う


65.月影の男

作詞:猪又良
作曲:山田絃

お前が泣けば 俺も泣けるぜ 別れ街角
いつまでも 二人の心はひとつ
やさしく さよなら さようなら
ああ東京の 月青く 影を濡らすよ

流れる星は 夢をなくした 夜のためいき
幸福が 二つに割れないように
指切りしながら さようなら
ああ東京の 風甘く 胸にしみるよ

別れてしばし 逢えるあてない あつい口吻
それまでは せめても夜毎の夢に
せつなく ささやく さようなら
ああ東京の 月に泣く 男ごころよ


66.東京の日曜日

作詞:大高ひさを
作曲:鏑木創

風が吹く 風が吹く
俺とあんたの ために吹く
夢が飛ぶ 夢が飛ぶ
若い二人の ために飛ぶ
泪をこらえて 生きて来た
二十台の命に ほのぼのと
明るい陽ざしの 朝が来る
ああ東京の 東京の日曜日

夜が来る 夜が来る
俺とあんたの ために来る
鐘が鳴る 鐘が鳴る
若い二人の ために鳴る
和光の時計の 針の様に
せつなく寄りそう 影と影
零時の心が また燃える
ああ東京の 東京の日曜日


67.利根の船頭唄

作詞:池田充男
作曲:野崎真一

利根の河原の 舟宿は
枯れたすすきの 吹きさらし
泣くな妹よ 淋しさを
水に流してヨ
幼なじみのヨ 歌でゆこ

ひとつ ふたアつ 想い出を
たどる兄妹 下り舟
親を探して 飛ぶ鳥を
見ればほろりとヨ
熱い泪がヨ こみ上げる

夢を頼りに 春を待つ
流れ浮草 川育ち
泣くな妹よ 兄さんが
きっと幸福ヨ
可愛いおまえにヨ 呼んでやろ


68.波千里

作詞:門井八郎
作曲:上原賢六

赤い夕日の 波止場を出たら
船がたよりの 波千里
鳴くなマストの つばめ鳥
男じゃあれど 眼が痛い

ドラに急かれて テープを捨てて
今日はここまで 来は来たが
明日のさだめは 波まくら
あの娘の夢を 見たかろさ

波の背の背は はてないけれど
心あるかよ やませ風
月の潮路の うたごえを
故郷の空に 伝えてよ


69.泪が燃える

作詞:大高ひさを
作曲:野崎真一

君は倖せ うすい女
俺は孤独の ながれ者
ああ愛しても
ひと夜かぎりの 愛ゆえに
死ぬほど泣かねば ならない二人

もしも俺らが 堅気なら
抱いてやりたい 君だけど
ああうち明けて
苦しめるのが 辛いから
つれない素振りで 重ねるグラス

情けひとつも かけないで
夢のひとつも 残さずに
ああ別れゆく
俺は無情な 奴だけど
心じゃ泣いてる 泪が燃える


70.香港の薔薇

作詞:大高ひさを
作曲:塩瀬重雄

霧がつめたい 香港の
夜の底から 拾った女
赤いドレスに 黒薔薇つけて
語る言葉も やけにくずれた 日本娘
沖のジャンクを 見つめてた

故郷は神戸か 横浜か
訊けば辛かろ 身の上ばなし
夢と地獄の うず巻く島で
生きているさえ 何故かいじらし 日本娘
泪かみしめ 踊ってた

連れて逃げるにゃ この俺も
どうせ行く先 あてない躰
薔薇の花びら 夜霧の海へ
泣いてちぎって 捨てて別れた 日本娘
あれが名残りの 酒だった


71.夜の渚

作詞:南沢純三
作曲:野崎真一

月のない 夜の渚に
ひとり来た 俺の心は
風も知らない 海も知らない
掴みそこねた 夢か
うす青い貝がらを 波がさらう

砂を手に 握りしめても
答えなく 指をこぼれる
それが運命さ 俺の運命さ
暗い波音 聞いて
還らない思い出は 砂に埋めよう

ほろ苦い 汐の香りが
泣かせるぜ なぜか今夜は
瞼濡らして 胸を濡らして
そっと口笛 吹けば
ただ重い哀しみが 俺にかぶさる


72.若い魂

作詞:大高ひさを
作曲:上原賢六

嵐吹くから 荒さぶから
生きてく力が 湧いてくる
若い魂だ お前も俺も
辛い男の 花道ふんで
泪こらえて 唄うのさ

恋の吐息に むせぶ影
儚い望みに すがる影
若い魂だ あいつにこいつ
みんないとしい オリオン星座
燃えて燦めく 金の星

命賭けても 一つだけ
散らしちゃならない 夢がある
若い魂だ 俺たちみんな
せめて今夜は 杯あげて
花の青春 語ろうぜ


73.青い満月

作詞:萩原四朗
作曲:上原賢六

青い満月 教えて呉れよ
親も故郷も棄てたい時は
誰にすがればよいものか
好きな同志が一緒になれぬ
何もせぬのに嘘まで触れて
なんで世間が邪魔をする

青い満月 察して呉れよ
人の世界に愛想がつきて
月に物問う せつなさを
人にかくれて泣きたい時は
月よお前の雫にぬれよう
あすも今頃 出てお呉れ


74.俺の人生

作詞:なかにし礼
作曲:加藤登紀子

思い出せば 悔しくて 眠れないこともある
また恥しくて 汗ばむようなこともある
何もかもが 上手くは 行かなかったが
俺の人生 こんなとこだろう

人生は船に似て 嵐もあれば 時化もある
だけど俺は どんな時にも
この船だけは はなれなかった
ああ船よ船よ 旅はまだつづく
俺を連れてゆけよ かすみのかなたへ

胸の奥に 今もなお 消え去らぬ恋がある
また仲間たちと 唄いたりない歌がある
良くやったと 自分を ほめはしないが
俺の人生 こんなとこだろう

人生は船に似て マストは折れる 穴があく
だけど俺は 誰の船とも
とりかえたいと 思いはしない
ああ船よ船よ 旅はまだつづく
俺を連れてゆけよ かすみのかなたへ

ああ船よ船よ 旅はまだつづく
俺を連れてゆけよ かすみのかなたへ


75.ふるさと慕情

作詞:渋谷郁男
作曲:久慈ひろし

おどま盆限(ぼんぎ)り盆限(ぼんぎ)り 盆から先ァおらんど
盆が早よ来りゃ 早よ戻る
あの山あの川 故郷の空が
濡れた瞼に また揺れる

せめて一ト枝(えだ) つんつん椿
子守哀しや 髪かざり
夕焼け小焼けに 泣く子を背負(しょ)った
幼馴染みの うしろ影


76.喧嘩太郎

作詞:大高ひさを
作曲:真鍋理一郎

バラ色の夢に吹く 真っ黒い雨と風
俺たちにゃこれ以上 我慢出来ない世界
唇を噛みしめて こらえてもこらえても
こらえ切れなくなった時
喧嘩々々! 喧嘩々々!
喧嘩太郎の パンチが飛ぶぜ

たそがれのビルの谷 音もなく散る枯葉
消えてゆく老兵の それがいとしい運命
唇を噛みしめて こらえてもこらえても
こらえ切れなくなった時
喧嘩々々! 喧嘩々々!
喧嘩太郎の 命が燃える


77.女の意地

作詞:鈴木道明
作曲:鈴木道明

こんなに別れが 苦しいものなら
二度と恋など したくはないわ
忘れられない あのひとだけど
別れにゃならない 女の意地なの

二度と逢うまい 別れた人に
逢えば未練の 泪をさそう
夜風つめたく まぶたにしみて
女心は はかなく 哀しい

想い出すまい 別れた人を
女心は 頼りないのよ
泪こらえて 夜空を仰げば
またたく星が にじんでこぼれた


78.もろ人こぞりて

作詞:Isaac Watts
作曲:Lowell Mason

もろ人こぞりて むかえまつれ
ひさしくまちにし 主は来ませり
主は来ませり 主は主は来ませり

とこやみの世をば てらし給う
たえなる光の 主は来ませり
主は来ませり 主は主は来ませり

しぼめる心の 花を咲かせ
めぐみのつゆおく 主は来ませり
主は来ませり 主は主は来ませり

あまつ神の子と いつきむかえ
すくいの主とぞ ほめたたえよ
ほめたたえよ ほめほめたたえよ


79.きよしこの夜

作詞:不詳
作曲:不詳

きよしこの夜 星はひかり
すくいのみ子は み母のむねに
ねむりたもう ゆめやすく

SILENT NIGHT HOLY NIGHT
ALL IS CALM ALL IS BRIGHT
ROUND YOU VIRGIN MOTHER AND CHILD
HOLY INFANT SO TENDER AND MILD
SLEEP IN HEAVENLY PEACE
SLEEP IN HEAVENLY PEACE


80.愛・フォーエヴァー

石原裕次郎&真梨邑ケイ
作詞:なかにし礼
作曲:曽根幸明

お前に決めた あなたに決めた
二人の恋は インスピレ-ション
名前も過去も 知らないけれど
目と目が合って テンプテ-ション
Oh My God ありがとう人生素敵だね
今度生まれて来るときも
お前と あなたと 恋をする
その次も その次も 永遠に
Love Forever
Love Forever
Love Forever

お前がほしい あなたがほしい
抱きあうことが コミュニケ-ション
くちびるどうし ふれあうときが
ときめく愛の インヴィテ-ション
Oh My God ありがとういのちは奇跡だね
今度生まれて来るときも
お前と あなたと 結ばれる
その次も その次も 永遠に
Love Forever
Love Forever
Love Forever


81.さよならは昼下り

石原裕次郎&真梨邑ケイ
作詞:なかにし礼
作曲:曽根幸明

(男)Say Good-bye with smile
(男)笑ってさよならを
(男)しようよ まだすこし愛しているなら
(女)Say Good-bye with smile ちょっぴり泣かせてね
(女)私はあなたより未練があるから
(男)別れのない恋はない
(男)いのちも花も 散るから美しい
(男女)ガラス張りの カフェバーで
(男女)ほほえみあう二人 街は昼下り

(女)Say Good-bye with smile 笑ってさよならを
(女)言おうとするたびに 涙があふれる
(男)Say Good-bye with smile 素敵な思い出を
(男)つくってくれた人 忘れはしないさ
(女)また逢う日が ないじゃなし
(女)こわれた夢も 棄てない方がいい
(男女)ガラス越しに 手をふって
(男女)ほほえみあう二人 街は昼下り


82.恋路

作詞:池田充男
作曲:野崎真一

(男)俺のこの手を 離すなよ
(男)叱る言葉が なお辛い
(男)なぜにおまえは 親捨てて
(男)北のはてまで ついて来た
(女)ひとの誹りを うけるとも
(女)二人だったら 生きられる
(女)寒い夜汽車に 乗ったとき
(女)強いわたしに なりました

(男)ゆめがほろりと 泣かせたか
(男)こぼれ落ちそな ひとしずく
(男)俺が悪いと 言いながら
(男)太い小指で 拭いてやる
(女)ながい旅路の 終わる町
(女)どこか淋しい 恋の宿
(女)潮の香りに 起こされて
(女)そっと寄り添う 午前二時

(男女)命ふたつを 寄せ合って
(男女)ともす灯りは 消されない
(男女)暗い波間に ひと筋の
(男女)やがて日が射す 日が登る


83.恋路

石原裕次郎&八代亜紀
作詞:池田充男
作曲:野崎真一

俺のこの手を 離すなよ
叱る言葉が なお辛い
なぜにおまえは 親捨てて
北のはてまで ついて来た

ひとの誹りを うけるとも
二人だったら 生きられる
寒い夜汽車に 乗ったとき
強いわたしに なりました

ゆめがほろりと 泣かせたか
こぼれ落ちそな ひとしずく
俺が悪いと 言いながら
太い小指で 拭いてやる

ながい旅路の 終わる町
どこか淋しい 恋の宿
潮の香りに 起こされて
そっと寄り添う 午前二時

命ふたつを 寄せ合って
ともす灯りは 消されない
暗い波間に ひと筋の
やがて日が射す 日が登る


84.わかれ川

石原裕次郎&八代亜紀
作詞:池田充男
作曲:野崎真一

(男)愛していながら 二人は負けた
(女)わたしの弱さが 世間に負けた
(男)死ぬも一緒と きめた恋
(女)他人同志に なれと言う
(男女)つらい つらい つらい運命のわかれ川

(女)しあわせ一年 ちいさな暮らし
(男)お前がいるから 灯りがあった
(女)そっとこの顔 押しあてて
(男)眠る夜毎の やすらぎも
(男女)いまは いまは いまは嵐のわかれ川

(男)最后の夜なら 泣くだけお泣き
(女)許して下さい みれんの涙
(男)俺がこの手を 離したら
(女)舟がながれて ゆくように
(男女)二度と二度と二度と逢えないわかれ川


85.赤坂で別れて

石原裕次郎&八代亜紀
作詞:二条冬詩夫
作曲:野崎真一

(男)赤坂で別れて どこへ帰るの
(女)赤坂で別れて 朝まで歩きつづけるの
(男)ひかりさざめく 一ツ木通り
(女)落葉の匂う 坂みち
(男女)さよならは さよならは まだ云わないで

(女)赤坂で別れて 誰と眠るの
(男)赤坂で別れて 夜空の星と眠るのさ
(女)空に沈んだ ふたつの心
(男)涙にぬれた くちづけ
(男女)さよならは さよならは まだ云わないで

(男)赤坂で別れて 何をしているの
(女)赤坂で別れて あなたの夢をみているの
(男女)離したくない 青山通り
(男女)別れがつらい 乃木坂
(男女)さよならは さよならは まだ云わないで


86.鴨川艶歌

石原裕次郎・久美悦子
作詞:萩原四朗
作曲:上原賢六

出町柳の 川辺りに
萌える蓬よ なぜ匂う
呼んで呉れても この径を
また踏むあすが 来るじゃなし

忘れ得もせず 死ねもせず
渡るあの日の 葵 橋
橋の擬宝珠に 思い出の
名もない白い 花が散る

胸にしみつく 京鹿の子
うすいえにしの 紅のあと
どこで相見る あてはなく
鴨川ながれ 陽は翳る

人のさだめを よそに見て
古きみやこの 春おぼろ
八瀬か鞍馬か 山寺の
鐘の音遠く 眸がうるむ

鴨の川瀬に 浮く月は
眉のかたちの なごり月
比叡、吉田の 山なみも
霞にぬれて ほのぼのと


87.ふるさとの花

石原裕次郎・沢りり子
作詞:門井八郎
作曲:上村張夫

(男)ま澄みの空は はてしなく
(男)ひろがる夢よ あの山よ
(男)ふるさとの町
(男)今日もはれやかに
(男)いとしい人は 花に似て
(男)残りを惜しむ 雪に咲く

(女)けがれを知らぬ よろこびを
(女)せせらぐ川よ 野の花よ
(女)思い出の道
(女)肩を寄せ行けば
(女)いとしい姿の 残り香は
(女)やさしくにおう うれし泣き

(男)小鳩よいつも 何思う
(女)おさないあの日 さくら草
(男女)あこがれの丘
(男女)嵐はやすらかに
(男女)いとしみ通う 眼差に
(男女)流れて消える 白い雲


88.東京さすらい歌

石原裕次郎&浅丘ルリ子
作詞:萩原四朗
作曲:上原賢六

(男)ビルの谷間の 人波が
(男)寄せて渦まく 日の昏れどきは
(男)さすらいの 胸に愁いの ドラが鳴る
(男)銀座は あー 銀座は 海のない港

(女)劇場のネオンに 飾られた
(女)クレオパトラの かなしい笑顔
(女)呼びかけて 言葉かよわぬ 人の子も
(女)めがしら あー めがしら 濡らす数寄屋橋

(男女)遠いふるさと 遠い人
(男女)花の都の春待ち侘びて
(男女)うすれゆく 水の夕陽に 目をやれば
(男女)皇居の あー 皇居の 杜も霞の中


89.山の湖

石原裕次郎&浅丘ルリ子
作詞:萩原四朗
作曲:牧野昭一

(男)森の梢に 陽は落ちて
(男)時雨を誘う 鐘の音
(男)ああ 落葉松の 湖 に
(男)今年も秋は 忍びあし

(女)影にひかれて はるばると
(女)火を噴く山に 来はしたが
(女)ああ 思い出の 山裾は
(女)声なくそよぐ 風ばかり

(男)蒼い都の 宵月や
(男)瞼にしみる 雨の駅
(男)ああ 人の子は 恋ゆえに
(男)他国の空の 雲を見る

(女)山は涯ない 野は暗い
(女)帰らぬ夢と 決めたのに
(女)ああ ちらちらと 目がしらを
(女)かすめて泛ぶ 君の顔

(男女)ここも一夜か 山の宿
(男女)あす待つあては ないものを
(男女)ああ 昏れなずむ 湖 に
(男女)落葉の雨は またそそぐ



暫存