全曲集’92

五木ひろし 全曲集’92歌詞
1.おしどり

作詞:石坂まさを
作曲:弦哲也

夢でかくした 心の寒さ
春の陽ざしを 待ってるお前
右手の細さは 苦労ぐせ
やつれた横顔 涙ぐせ
これからは これからは
おしどりのように
お前一人の幸せに 生きてゆく

酒に酔っては 悪たれついて
何度お前を 傷つけたやら
悲しい時でも 微笑みで
許してくれたね この俺を
これからは これからは
おしどりのように
そっと気持ちを重ね合い 生きてゆく

人は生まれて 誰かに出逢い
愛を分けあう この人生
二人で一つの 命なら
小さなくらしに 花咲かそ
これからは これからは
おしどりのように
お前一人を 抱きしめて 生きてゆく


2.愛別

作詞:石坂まさを
作曲:五木ひろし

淋しがりやね愛は いつも一人ぼっち
夜におびえてふるえて 誰を待つんでしょ
信じる者は 罪人ですか
傷つくことで 報われますか
愛か嘘でも夢でも あなたを信じ
息をひそめて私は 生きてゆきたいの

街は見慣れた景色 そっと微笑んで
胸の辛さを包んで 灯り点すけど
愛することに 慣れすぎたのね
愛されすぎて 見えないあなた
愛は心を受けると 掌に書き
涙こらえて今夜も 風の街をゆく

信じる者は 罪人ですか
傷つくことで 報われますか
愛か嘘でも夢でも あなたを信じ
息をひそめて私は 生きてゆきたいの


3.弾き語り

作詞:石坂まさを
作曲:五木ひろし

グラスのお酒に ため息ついて
今夜も誰かを 待ってるあなた
ふるえる肩先 抱きしめて
元気をお出しと 云いたいが

小さなお店の 弾き語り
僕には歌しか 歌えない
寂しい心が 微笑むように
歌ってあげよう やさしい愛の詩

可愛い人だね まつ毛を伏せて
きれいな夢だけ 見ているんだね
帰らぬ恋だと 知りながら
約束信じて いるんだね

小さなお店の 弾き語り
僕には何にも できないが
古びたギターを 爪弾きながら
探してあげよう あなたの思い出を

小さなお店の 弾き語り
僕には歌しか 歌えない
寂しい心が 微笑むように
歌ってあげよう やさしい愛の詩


4.千曲川

作詞:山口洋子
作曲:猪俣公章

水の流れに 花びらを
そっと浮かべて 泣いたひと
忘れな草にかえらぬ恋を
想い出させる 信濃の旅よ

明日はいずこか 浮き雲に
煙りたなびく 浅間山
呼べどはるかに 都は遠く
秋の風立つ すすきの径よ

一人たどれば 草笛の
音いろ哀しき 千曲川
よせるさざ波 くれゆく岸に
里の灯ともる 信濃の旅路よ


5.ふたりの夜明け

作詞:吉田旺
作曲:岡千秋

おまえが流した 涙のぶんだけ
しあわせにならなけりゃ
いけないよ もう泣かないで
過去とゆう名の 改札ぬけて
ふたり出直す 道の行先(ゆくて)には
きっとくる きっとくる きっとくる
ふたりの夜明けが

あの夜おまえに 出逢えてなければ
乱れ酒 あびるよな
あのくらし 続けていたよ
しょせん器用にゃ 生きられないが
ついてきてくれ この手ははなさずに
きっとくる きっとくる きっとくる
ふたりの夜明けが

雪よりつめたい 世間の仕打ちも
ふたりなら 耐えられる
その笑顔 護ってやれる
肩をよせあい しみじみ啜る
揃い湯呑の 湯気のむこうには
きっとくる きっとくる きっとくる
ふたりの夜明けが


6.あなた

作詞:安麻呂
作曲:五木ひろし

愛するために めぐり逢えたのに
風の向きが かわりました
追いかけても 追いかけても
つむじ風のような あなた
命燃えた 夜は 冷たく
明日を涙で 迎えれば いいのでしょうか

愛されたいと ひたすら尽くしても
ひとりぼっちに なりました
誰よりも 誰よりも
いつもやさしかった あなた
目を閉じれば こころ 切なく
影にすがって 生きれば いいのでしょうか

愛していても なぜか淋しくて
風の中を 待ちました
あなただけに あなただけに
命ある限り あなた
愛はひとつ 消える ことなく
いつか何処かで まためぐり逢えるでしょうか


7.夜空

作詞:山口洋子
作曲:平尾昌晃

あの娘 どこに居るのやら
星空の続く あの町あたりか
細い風の口笛が
恋の傷あとにしみる
アアアー あきらめた恋だから
なおさら 逢いたい 逢いたい
もう一度
夜は いつも 独りぼっち

あの娘 帰っておいでと
流れ星に乗せ そっと呼んでみた
誰も答えはしないよ
白い花が散るばかり
アアアー とどかない夢だから
なおさら 淋しい 淋しい
この胸よ
夜空 遠く 果てしない


8.潮どき

作詞:岩谷時子
作曲:中村泰士

そうね 感じていました
背中に 何故か 冷たい視線を

ここらあたりが 潮どきなんだわ
私きれいに 身を引くわ

誰にも 会いたくないの
ひとりで 好きにしといて

ああ あの人に 伝えてくださいね
ああ こんな話は 二人でするものでしょ

ダメよ ダメよ
ひとりになったら 足まで冷える

ここがおんなの 潮どきなんだわ
私きれいに 身を引くわ

いいえ あきらめたいのに
こぼれる涙 どうして熱いの

ここらあたりが 潮どきなんだわ
私きれいに 身を引くわ

サヨナラ つめたいライター
今夜は お前と飲もう

ああ あの人の 残り火燃えている
ああ おそすぎる 私を灼きすぎた

イヤよ イヤよ
昨日がなければ 幸せなのに

ここがおんなの 潮どきなんだわ
私きれいに 身を引くわ

ああ あの人に 伝えてくださいね
ああ こんな話は 二人でするものでしょ

ダメよ ダメよ
ひとりになったら 足まで冷える

ここがおんなの 潮どきなんだわ
私きれいに 身を引くわ


9.よこはま・たそがれ

作詞:山口洋子
作曲:平尾昌晃

よこはま たそがれ ホテルの小部屋
くちづけ 残り香 煙草のけむり
ブルース 口笛 女の涙
あの人は 行って行ってしまった
あの人は 行って行ってしまった
もう帰らない

裏町 スナック 酔えないお酒
ゆきずり 嘘つき 気まぐれ男
あてない 恋唄 流しのギター
あの人は 行って行ってしまった
あの人は 行って行ってしまった
もうよその人

木枯らし 想い出 グレーのコート
あきらめ 水色 つめたい夜明け
海鳴り 燈台 1羽のかもめ
あの人は 行って行ってしまった
あの人は 行って行ってしまった
もうおしまいね


10.ふたりのラヴソング(デュエット:都はるみ)


11.ふるさと

作詞:山口洋子
作曲:平尾昌晃

祭りも近いと 汽笛は呼ぶが
荒いざらしの Gパンひとつ
白い花咲く 故郷が
日暮りゃ恋しく なるばかり

小川のせせらぎ 帰りの道で
妹ととりあった 赤い野苺
緑の谷間 なだらかに
仔馬は集い 鳥はなく

あー 誰にも 故郷がある
故郷がある

お嫁にゆかずに あなたのことを
待っていますと 優しい便り
隣の村でも いまごろは
杏の花の まっさかり

赤いネオンの 空見上げれば
月の光が はるかに遠い
風に吹かれりゃ しみじみと
想い出します 囲炉裏ばた

あー 誰にも 故郷がある
故郷がある


12.みれん

作詞:山口洋子
作曲:平尾昌晃

雨のうら街 ギターがツンと
みれん 爪びきゃ あの夜が恋し
泣いて 泣いて 泣かされた
つらい つらい 恋だけど
親のない この私 抱いてくれた胸
ねんねんよ いい娘だと
抱いてくれたひと

北は札幌 いまごろ雪か
南 長崎 風吹く港
遠い 遠い うしろ影
どこで どこで 流れ旅
行く先は 探すなと それが置手紙
さよならも くれないで
逃げていったひと

窓を 窓を 哀しげに
ひっそり ひっそり たたく音
木枯らしか 想い出か いいえあのひとか
もういちど 逢いたいと
祈る恋ごころ


13.杯に歌のせて

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

いま まぶたをほんのり 赤く染め
いま 涙をたたえて 佇むは
愛という名の戦い終えた 勇士たち
胸の傷など もう癒えた
友よ 歌え
みんな 杯かかげて
よろこび熱く伝えよ
生きて 愛し 夢をつむぐ
二人の未来に

いま くちびる合せて 誓い合い
いま たかぶる心で 躍るのは
愛の奇跡を信じて生きた 勇士たち
明日はやさしい人となる
友よ 歌え
みんな 杯かかげて
人生 ともに語れよ
花と嵐 春と冬
駆けぬく二人に

友よ 歌え
みんな 杯かかげて
よろこび熱く 伝えよ
友よ 歌え 肩を組んで
今宵の宴に


14.おはん

作詞:たかたかし
作曲:岡千秋

だましてください さいごまで
信じるわたしを ぶたないで
おんな おんな わたしはおんな
髪のひとすじ くちびるさえも
あなたの女で いたいのよ

どんなにつめたく されたって
抱かれりゃあなたを ゆるしてる
おんな おんな わたしはおんな
声をころして すがれば熱い
死んでもあなたに つくしたい

流れてゆくのが 浮世なら
流れてゆきます この人と
おんな おんな わたしはおんな
灰になるまで 男の胸に
おんなは抱かれて 夢をみる


15.ふたりの旅路

作詞:山口洋子
作曲:猪俣公章

つらい別離が あるのなら
いっそ死にたい この海で
窓をふるわす さい果ての
船の汽笛を ききながら
泣いて 泣いて 泣いて どうなる
旅に出た ふたり

他人は噂を するけれど
わたしばかりが なぜわるい
甘い言葉も つい愚痴に
かわる女の 涙ぐせ
明日は 明日は 明日は どこやら
あてもない ふたり

ひとつななめに 流れ星
恋の闇夜に 消えてゆく
燃えてみじかい 人生を
落ちてゆくのが 運命なら
いのち いのち いのち あずけて
どこまでも ふたり


16.悠久の男

作詞:JIJI
作曲:五木ひろし

海に散りばめし 星達を
君は知ってるかい 危険なまでの美しさ
たとえ無謀と云われても 七つの海を
我はゆく 人生の出船

寒さ恐れを 背負いながら
黒い巨大な 魔物と戦う
時には神の 救いを求め
道なき道を 進みゆく

愛する人の 顔さえ消えて
めざす勝利の その日まで
我は悠久の 逞しき男

青く輝ける 星たちよ
我のゆく道は いばらのはるか遠い道
愛と希望の楽園を 求めて我は
今日もゆく 真実の道を

やがて戦いの 風は去りて
我をやさしく つつんで迎える
勝利と歓喜 心の歌を
愛しき君に ささげよう

自由を求め 未来を信じ
旅路果てなく 進みゆく
我は悠久の 逞しき男