12.めおと漫才
作詞:もず唱平
作曲:叶玄太
目の下五尺の 鯛買うて
そのうち 祝言挙げたると
風呂屋の釜で いうばかり
なんぼ気の良え 女でも
うるさい近所の 目もあるし
肩身も狭いし 顔もない
汐時とそろそろ 冬の蛙で考える
(セリフ)まァまァまァそない言うないな
そない言われたらワイもつらいウサギの逆立ちや
何とか一ト旗あげる算段羽織のヒモやで。
今でもなァ、ワイはお前に 鼠が六匹でむチュウや堪忍してェな な!!
山ほど届いた 縁談を
あっさりまとめて 断って
挙げ句の果てに ババ掴み
実家の敷居も またげずに
嫁入り道具も ない世帯
お母はん嘆くし 子は泣くし
黒犬のおいどやオモシロないで 阿呆かいな
(セリフ)そないにきついこと言わんといてェなァ
悪う転ぶ時は何してもあかんおなごに ふんどしや
…お前にそない言われたら、薬罐でゆでたタコで手も足も出んがな
取り柄というても 何もない
どういう訳やら 相性が
よかっただけで 惚れおうた
情があるのに ほだされて
今日までズルズル 来たけれど
お能の稽古に しとなった
五合の徳利でウチの一生 詰まりまへん
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