4.畫家と貴婦人
作曲·編曲:六弦A助
「他の誰よりも美しく描きなさい」
其の瞳は銳く、魔女の其れととも、、、
私の生命は彼女の氣まぐれに在り、
才有る數多の畫家は殺された。
盡きせぬ不安と高鳴る鼓動は、
惡戲に搖れる筆を止めた。
他の誰よりも美しきものは、
目では量れない盡きせぬ意志。
人が美しく在る理。
微笑む貴婦人、默したアトリエ──。
重なる意識に迷い無し。
美しきもの、かく在るべきか。
窗の外は雪。足跡が黑く染めた。
走らせた筆は、余白を隱した。
雪が激しく降り止まない夜は、
醜きものを隱す為。
他の誰よりも美しきものは、
他の誰よりも醜いもの。
其の裡返しの理示した
カンパすに宿る姿一つ。
(ある畫家の手記より)
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