12.ハジマリ
朝もやにけむった 駅のホーム
行き交う人の群れ 騷がしくて
はずむ吐息はもう 白くなって
やがて来る季節の 色に染まる
ベンチに腰掛けて 始發を待つ
僕らは少しだけ 寢ぼけながら
やがて来るその時 忘れるよう
くだらない会話を 續けていた
いつだって僕らは あてのないユメばかり追いかけて
夢中で駆け抜けた 恐れるものなんてなかったんだ
ずっと先になって 遠い昔を思い出すように
「あの頃はよかった」そんなことを語り合うのかな
電車がやってきた 5分遅れ
踏に出すその足は どこか重く
でも変わらず僕ら 笑顔のまま
「またね」とそう言って 別れ告げた
人生の門出を 祝うように
電車は走り出す 夢を乘せて
いつかまた会えると そう信じて
僕らはいつまでも 手を振ったよ
こぼれ落ちる淚 止められずに
僕らはいつまでも 手を振ったよ
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