8.夕暮れ
夕暮れの町で 僕は見る
自分の場所からはみ出してしまった 多くのひとびとを
夕暮れのビヤホールで ひとり一杯の
ジョッキをまえに 斜めに座る
その目が この世の誰とも 交わらないところを
えらぶ そうやって たかだか三十分か一時間
雪の降りしきる夕暮れ ひとりパチンコ屋で
流行歌のなかで 遠い昔の中と
その目は厚板ガラスの向こうの 銀の月を追いかける
そうやって たかだか三十分か一時間
黃昏がその日の夕暮れと 折りかさなるほんのひととき
そうやって たかだか三十分か一時間
夕暮れの町で僕は見る
自分の場所からはみ出してしまった 多くのひとびとを
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