13.元気のままで
作詞:山本正之
作曲:山本正之
バスストップから帰る道 夕暮れの道
くだもの屋のサッちゃんが 今日もなわとびしてる
きゃべつむいてゆくように 裸になるように
幼い少女の影が 乙女にみえた
タバコの機械に コインを投げたら
冷たい音がなって 人間だったと知った
登り坂を昇るたび ほほは熱くなり
橋を渡るたびに ほほは丸くなり
針の穴のような出来事さ
だから飾り窓の灯り消えぬまに
あなたに会えてよかった 本当によかった
屋根の上から手を振るよ 元気のままで
テレビを消した後の しじまの中で
ひとり眠りゆく 愛しき人よ
君に何を残して あげたのか
君に恋を残して あげようね
ギターと本と帽子と メガネとエンピツと
いったあとに何が 泣くだろうか
栗の木がまたひとつ 実をつけた
若い子守唄に うつむいた私
遠い家のような出来事さ
だから黒髪の香り あせぬまに
あなたに会えてよかった 本当によかった
空の上から手を振るよ 元気のままで
舞台にかける人 歌に昂まる人
星に魅せられる人 草を分ける人
古い車掌の笛を 背中で聞いて
明日生まれ変わる 回転の人
やっぱり父さんがいて 母さんがいて
こんな寒びしい夜は 友達もいて
きっと手紙を書こう 叫びを書こう
酒のコップを割った 血の文字で書こう
月の砂のような出来事さ
だからふるえる命 閉じぬまに
あなたに会えてよかった 本当によかった
船の上から手を振るよ 元気のままで
あなたに会えてよかった 本当によかった
船の上から手を振るよ 元気のままで
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