拓郎ヒストリー

吉田拓郎 拓郎ヒストリー專輯

21.言葉

作詞:松本隆
作曲:吉田拓郎

電話の声は ささやきまじり
ごめん起こしてしまったんだね
いま他愛ないやりとりのあと
ぼくは一言闇に浮かべた
「愛してる」

月並みすぎる一言だけど
他にどうにも言い方がない
静けさのあと驚く君が
時を両手でもて余してる
「愛してる」

そう三ヶ月悩んで来たよ
そして最後の三日は苦しみ
心の奥の暗い迷路で
たった五文字の道しるべ見た
「愛してる」

君は未来をこわがっているし
ぼくは過去へと縛られている
こんな何処にも転がっている
言葉が一番重いんだなんて
「愛してる」

預かっとくってそう言うんだね
ぼくの言葉を鳥カゴに入れちまって
そうさ君の部屋のガラス箱に入れて
ゆっくりながめて見るんだね
「愛してる」

こわい言葉を言ってしまった
もう友だちで居られないんだよ
人生さえも塗り替えるほど
こわい言葉を言ってしまった
「愛してる」