石川さゆり2006年全曲集

石川さゆり 石川さゆり2006年全曲集歌詞
1.居酒屋「花いちもんめ」

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

言いたいことがあるからと
あんた一升 からにした
北の居酒屋「花いちもんめ」
酔ってつぶれる その前に
おまえが欲しいと 吠えてみな

いろいろ過去に訳ありで
いまは素直に すがれない
北の居酒屋「花いちもんめ」
忘れられない 傷があり
性根を据えなきゃ 抱かれない

流れて運命(いと)で手繰(たぐ)られて
日本海から オホーツク
北の居酒屋「花いちもんめ」
歌を唄えば 風が打つ
泣かせてくれるな 縄のれん


2.秋のメルヘン

作詞:吉岡治
作曲:大野克夫

白いシャツ 麦わら帽 海の轟き
もう一度 遠花火 出逢った夏が
甦るなら

かけがえのない大事な日々と
過ぎた季節に感じるなんて
まるで童話(メルヘン)

ちゃんと食事はしてますか
野菜も嫌わず食べますか
約束した

携帯に灼きつけた
あなたの笑顔が眩しくて
メール打ちます天国へ

逢いたくて 逢いたくて
逢いたくて 逢いたくて

渡り鳥 満ちる月 風のざわめき
いつの間に 笛太鼓 終わった夏が
甦るなら

恋しい夜にせつない朝に
胸の振り子が 決まって鳴った
秋の童話

ちゃんとジョギングしてますか
煙草の本数減らすよう
約束した

眼差しが伝わるの
夢見るチカラがある限り
メール打ちます天国へ

逢いたくて 逢いたくて
逢いたくて 逢いたくて


3.一葉恋歌

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

闇にさえ 桜は咲いて
散らして散らない恋ごころ
慕(した)ってははげしく厭(いと)い
火のような通り魔がゆく
ぼんやりと紅灯(あんどん)ながめ 文綴(ふみつづ)る
一葉―――丸山福山町

その身体 任せてくれと
露骨(ろこつ)に言い寄る人がいた
貧しさに明けくれ泣いて
身を削りこの世を生きる
塵(ちり)の中賑(にぎ)わい哀し 花街の
本郷丸山福山町

いつの日か みどりの野辺を
そぞろに歩いておいでなら
その袖にまつわる蝶は
まだ慕(した)う化身(けしん)のわたし
微笑みもやつれて病んで 絶えだえに
一葉―――丸山福山町


4.津軽海峡・冬景色

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

上野発の夜行列車 おりた時から
青森駅は雪の中
北へ帰る人の群れは 誰も無口で
海鳴りだけをきいている
私もひとり連絡船に乗り
こごえそうな鴎見つめ泣いていました
ああ津軽海峡・冬景色

ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと
見知らぬ人が指をさす
息でくもる窓のガラスふいてみたけど
はるかにかすみ 見えるだけ
さよならあなた 私は帰ります
風の音が胸をゆする 泣けとばかりに
ああ津軽海峡・冬景色

さよならあなた 私は帰ります
風の音が胸をゆする 泣けとばかりに
ああ津軽海峡・冬景色


5.恋は天下のまわりもの

作詞:なかにし礼
作曲:杉本真人

内緒ばなしよ 占いさん
恋をしてます 私の恋を占って
彼が本気か ただの遊びか
そこのところが わからないの
生きてるだけでも 女はせつない
まして恋すりゃ ため息ばかり

紐でしばって 鳥篭に入れて
鍵をかけたい うちの人

でもねぇ 占いさん
恋は天下のまわりもの えゝ

手相人相 占いさん
今年来年 私の運を占って
誰と出逢って 誰と恋して
誰と幸せ つかむかしら
人生芝居は ぶっつけ本番
逢うも 別れも 稽古が出来ぬ

何処にいるのよ 未来の夫
たぐり寄せたい 赤い糸

でもねぇ 占いさん
恋は天下のまわりもの えゝ


6.大阪つばめ

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

雨の降る夜は 人恋しくて
夢がぬれます ネオンがしみる
とんでゆきたい 抱かれたい
大阪つばめ
縁を切る橋 つなぐ橋
渡りきれない 淀屋橋

声をかければ 他人の空似
うしろ姿の しあわせばかり
あなた逢いたい もう一度
大阪つばめ
たとえかなわぬ 夢でいい
両手合わせる 法善寺

にごり水でも 青空うつす
越えてゆけます あなたがいれば
ふたりとびたい 春の空
大阪つばめ
つたい歩きの とまり木は
浮いて流れて 北新地


7.夫婦善哉

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

浮草ぐらしと あなたが笑う
肩に舞うよな 露地しぐれ
なにもなくても こころは錦
ついてゆきます… 夫婦善哉
あなたの背中が 道しるべ

他人(ひと)には見えない 亭主(おとこ)の値打ち
惚れた女にゃ よく見える
寒い夜には 相合い酒で
憂き世七坂… 夫婦善哉
今日も可愛い 馬鹿になる

ないないづくしも 才覚ひとつ
辛抱がまんの 花が咲く
旅は道づれ 夫婦は情け
なにがあっても… 夫婦善哉
笑顔千両で 生きてゆく


8.風の盆恋歌

作詞:なかにし礼
作曲:三木たかし

蚊帳の中から 花を見る
咲いてはかない 酔芙容
若い日の 美しい
私を抱いて ほしかった
しのび逢う恋 風の盆

私あなたの 腕の中
跳ねてはじけて 鮎になる
この命 ほしいなら
いつでも死んで みせますわ
夜に泣いてる 三味の音

生きて添えない 二人なら
旅に出ましょう 幻の
遅すぎた 恋だから
命をかけて くつがえす
おわら恋唄 道連れに


9.能登半島

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

夜明け間近 北の海は波も荒く
心細い旅の女 泣かせるよう
ほつれ髪を指に 巻いて溜息つき
通り過ぎる 景色ばかり見つめていた
十九なかばの 恋知らず
十九なかばで 恋を知り
あなた あなたたずねて行く旅は
夏から秋への 能登半島

ここにいると 旅の葉書もらった時
胸の奥で何か急に はじけたよう
一夜だけの旅の 仕度すぐにつくり
熱い胸に とびこみたい私だった
十九なかばの 恋知らず
十九なかばで 恋を知り
すべて すべて投げ出し駈けつける
夏から秋への 能登半島

あなた あなたたずねて行く旅は
夏から秋への 能登半島


10.滝の白糸

作詞:吉岡治
作曲:市川昭介

心だけ 下されば
倖せだから
どうぞ どうぞ
行って下さい 東京へ
夢があなたに 叶うなら
苦労もかえって 愉しいと
滝の白糸
水に咲かせる 恋舞台

好きだけで 一筋に
生きられるなら
明日も 明日も
なんの憂いは あるまいに
金に憂き世に 負けました
せかれて立つ瀬も ないままに
滝の白糸
月も痩せます 卯辰橋

恨まない 悔やまない
この世のことは
みんな みんな
おんな心の 愚か故
好いた御方に 裁かれて
生命を生命を 断とうとも
滝の白糸
末は夫婦の ふたりづれ


11.鴎という名の酒場

作詞:阿久悠
作曲:中村泰士

黒地に白く 染めぬいた
つばさをひろげた 鴎の絵
翔んで行きたい 行かれない
私の心と 笑うひと
鴎という名の 小さな酒場
窓をあけたら海
北の海 海 海

海鳴りだけが 空オケで
歌えば悲しい 歌になる
とてもあなたは この町で
くらせはしないと 笑うひと
鴎という名の 小さな酒場
窓をあけたら海
北の海 海 海

昔の男(ひと)と 思うから
言葉もなんだか つまりがち
只の男と 女なら
気楽にのめると 笑うひと
鴎という名の 小さな酒場
窓をあけたら海
北の海 海 海


12.春の雪

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

愛してなくて よかったと
たたく背中の いとしさ憎さ
こぶしのなかで
はらはらと 泣く雪は
夢のなごりか 想い出か
つかんではかない ああ 春の雪

抱かれていたい 甘えたい
雪があなたの あと追いかける
飲めない酒に
ほろほろと 酔いしれて
みれんでしょうか ひとり酒
あきらめきれない ああ 春の雪

からだを独り もてあます
みんなあなたの あなたのせいよ
寝がえりうてば
はらはらと 雪が舞う
夜に人恋う 花になる
あなたに逢いたい ああ 春の雪


13.命燃やして

作詞:千家和也
作曲:徳久広司

連れて逃げてよ 地の果てまでも
ふたり一から 出直しましょう
親が認めて くれない恋を
悪くいうのよ まわりの人は
あなたが泣くとき 私も泣くわ
私の命は あなたの命

指輪なんかは 無くてもいいの
妻になるのは あとでもいいの
とれたボタンを やさしくつける
心くばりの 暮しがしたい
あなたの笑顔が 私の笑顔
私の命は あなたの命

離れ離れで 呼び合うよりも
側で辛さを 分け合いましょう
たとえ言葉を 交わさなくても
愛は肌身で 感じるものよ
あなたが死ぬなら 私も死ぬわ
私の命は あなたの命


14.恋のからまわり


15.転がる石

作詞:阿久悠
作曲:杉本眞人

十五は 胸を患って
咳きこむたびに 血を吐いた
十六 父の夢こわし
軟派の道を こころざす

十七 本を読むばかり
愛することも 臆病で
十八 家出の夢をみて
こっそり手紙 書きつづけ

ああ ああ
ああ ああ…

転がる石は どこへ行く
転がる石は 坂まかせ
どうせ転げて 行くのなら
親の知らない 遠い場所

怒りを持てば 胸破れ
昂(たかぶ)りさえも 鎮(しず)めつつ
はしゃいで生きる 青春は
俺にはないと 思ってた

迷わぬけれど このままじゃ
苔にまみれた 石になる
石なら石で 思いきり
転げてみると 考えた

ああ ああ
ああ ああ…

転がる石は どこへ行く
転がる石は 坂まかせ
どうせ転げて 行くのなら
親の知らない 遠い場所

転がる石は どこへ行く
転がる石は 坂まかせ
どうせ転げて 行くのなら
親の知らない 遠い場所


16.天城越え

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

隠しきれない 移り香が
いつしかあなたに 浸みついた
誰かに盗られる くらいなら
あなたを 殺していいですか
寝乱れて 隠れ宿
九十九(つづら)折り 浄蓮(じょうれん)の滝
舞い上がり 揺れ堕ちる 肩のむこうに
あなた…山が燃える
何があっても もういいの
くらくら燃える 火をくぐり
あなたと越えたい 天城越え

口を開けば 別れると
刺さったまんまの 割れ硝子
ふたりで居たって 寒いけど
嘘でも抱かれりゃ あたたかい
わさび沢 隠れ径
小夜時雨 寒天橋
恨んでも 恨んでも 躯うらはら
あなた…山が燃える
戻れなくても もういいの
くらくら燃える 地を這って
あなたと越えたい 天城越え

走り水 迷い恋
風の群れ 天城隧道(ずいどう)
恨んでも 恨んでも 躯うらはら
あなた…山が燃える
戻れなくても もういいの
くらくら燃える 地を這って
あなたと越えたい 天城越え