全曲集~霧の川~

森若里子 全曲集~霧の川~歌詞
1.霧の川

作詞:麻こよみ
作曲:市川昭介

あなたの小指の 先までも
私のものに したいのに…
愛していても どうにもならぬ
遅い出会いが 憎らしい
憎らしい
揺れる吐息の 霧の川

うなじにこぼれる 後れ毛に
なおさらつのる 淋しさよ…
尽くしてみても どうにもならぬ
いっそあなたを 捨てましょか
捨てましょか
迷う女の 霧の川

時々逢えれば それでいい
何度も胸に 言い聞かす…
悔んでみても どうにもならぬ
夢の続きが 欲しいのに
欲しいのに
明日(あす)が見えない 霧の川


2.恋情話

作詞:池田充男
作曲:伊藤雪彦

恋なら命も 惜しくない
この世のさだめが 恐いだけ
あなた あなた
あなた 捨てたりしないでよ
たとえ明日が 見えなくたって
行きます 放さず ついて行く

おんなと言う名の 浮きぐさは
男の情に 根をおこす
あなた あなた
あなた 泣いたら 許してよ
夢をささえに 艶歌のように
わたしは 他人と生きて来た

死ぬまで一緒に 暮らしたい
小雨の裏町 仮りの宿
あなた あなた
あなた ひとりにしないでよ
どうせこの恋 苦労の川を
流れてあなたと 生きて行く


3.女の旅立ち

作詞:星野哲郎
作曲:市川昭介

あなたに欲しいと 言われると
夜空も街も 輝くの
風吹き止まぬ 人生だけど
もう迷よわない 迷よわない
あなたの勝ちよ
苦労買います 命のかぎり

あなたに好きだと 言われると
山鳩だって 赤くなる
百々千の花は 咲いてるけれど
もう迷わない 迷わない
私の負けよ
一に賭けます 全てをすてて

あなたに行こうと 言われると
千里の道も 遠くない
愛する旅は 涯てないけれど
もう迷よわない 迷よわない
あなたの勝ちよ
何もなくても 明日があれば


4.嵯峨野の女

作詞:池田充男
作曲:伊藤雪彦

みだれてしまえば すむことでした
それが出来ずに 別れてきたの
堅く結んだ おんな帯
嵯峨野さやさや
竹の葉ずれを聞きながら
恋の煩悩 捨てにゆく

どうすりゃいいのと 野仏さんに
両手合わせりゃ こぼれる椿
あなた恋しい ほつれ髪
嵯峨野しとしと
水の音にも 泣かされて
ひとり未練のまよい径

書いてはいけない あなたの名前
書いてまた消す 想い出草よ
なみだぼかしの 裾が舞う
嵯峨野ほろほろ
よわい女をぶつように
鐘が鳴りますまたひとつ


5.泣き砂伝説

作詞:星野哲郎
作曲:弦哲也

ひとりぽっちが 好きなのと
無理に笑って みたけれど
踏めばシクシク 泣く砂は
私の心の 音なのか
背のびしただけ つらくなる
赤い夕日の 琴ヶ浜

昔、平家(へいけ)の落人(おちうど)の
姫が爪(つま)びく 琴の音(ね)か
浜の泣き砂 手にとれば
小指にまつわる 砂粒が
古い指輪に みえてきて
とても切ない 琴ヶ浜

つよくなれよと 呼んでいる
波の瀬音よ ありがとう
ここで私が くじけたら
岬のかもめに 笑われる
愛を信じて 待つ夜は
砂が泣きます 琴ヶ浜


6.御破算で願いましては


7.宣敷くたのみます


8.女の川

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

にわか雨 傘借りに
駆けこむ家の 軒先で
思わず聞いたふる里の
流れなし 流されなして
この川の 流れに沿うて
男のいのちを 吸いとりながら
女はつよい 母になる

おてんばが 過ぎた娘を
土蔵の中に 押しこんで
文読む癖を つけさせた 母ごころ
逆らうな 逆ろうちゃだめ
この川は 女のさだめ
さだめをしっかり 受けとめながら
女は美くしゅ なるのよし

山を越え 谷を抜け
母子に通う 血の流れ
流れていつか ふる里へ戻るとか
流れなし 流されなして
この川の 流れに沿うて
女のつとめを 果たしていつか
花咲く里に 辿り着く


9.浮草情話

作詞:荒川利夫
作曲:山口ひろし

この目に見えない運命の嵐
今日もふたりをもてあそぶ
もしもあなたが死ぬのなら
そうよ私も生きてない
ねぇあなた
命をひとつにかさねたい

負けたらだめだと心を叱る
別れられないこの人よ
肩を並べて酔う酒の
耳に聞こえる汽車の笛
ねぇあなた
涙にうかべる故郷よ

どこまで流れる運命の川を
ネオン灯りが目にしみる
どこへ着こうと浮草の
愛を明日へつれてゆく
ねぇあなた
この手を放して暮らせない


10.女の酒

作詞:藤間哲郎
作曲:高野かつみ

命もあげた 女です
何が私に残ります
今はさいごに ただひとつ
あげる言葉の さようなら
女が女を捨てました
お酒をください お酒を お酒を

鬼にも 蛇にも なりきって
生まれかわろう かわりたい
憎いあなたを 撲よりは
ひとり手酌の ひとりごと
女が女を捨てました
お酒をください お酒を お酒を

あなたの胸に 誰かいる
どうせ私は 過去のひと
風にさみしく さりげなく
夜のちまたに 花が散る
女が女を捨てました
お酒をください お酒を お酒を


11.ふたりの花


12.お上手小唄


13.明日坂(あしたざか)


14.そんなあんたに惚れました

作詞:鳥井実
作曲:西谷翔

はでな暮しは 出来ないけれど
ついて来いよと 振りむきながら
いきなり私の 手を握り
雨の屋台に 駆け出すあんた
惚れた 惚れた
そんなあんたに 惚れました

俺の生きざま 下手くそだけど
どこかお前も にているなんて
私をみつめる 目のなかに
きらり光った あんたの涙
惚れた 惚れた
そんなあんたに 惚れました

ひとつグラスに お酒を注いで
夫婦ちぎりの まねごとだけど
私に半分 のめと云う
バカよバカバカ 泣けるじゃないの
惚れた 惚れた
そんなあんたに 惚れました


15.母のいない故郷


16.情け川

作詞:麻こよみ
作曲:市川昭介

あなたの淋しい 横顔が
いつしか心に 住み着いた…
いいのよいいの 私で良けりゃ
今夜はあなたを 帰さない
生きるつらさを 分け合って
ふたり流れる 情け川

あなたに寄り添い 目をとじりゃ
かすかに聞こえる 雨の音…
いいのよいいの あなたがいいの
涙をあずけて この胸に
そっとお酒を 注ぎ足して
結ぶ縁の しぐれ川

明日のことさえ わからない
この世の流れの 冷たさよ…
いいのよいいの 私で良けりゃ
今夜はあなたを 帰さない
夢もうたかた 浮き草に
命重ねる 情け川