面影ワープ

nano.RIPE 面影ワープ歌詞
1.面影ワープ

作詞:きみコ
作曲:佐々木淳

地平線をなぞるように空と地球を繋いでる雲が
ぼくの住むこの街をぐるりと囲った夢うつつの昼下がりに

綿菓子みたいなそれを千切り微かに空いた穴の向こう側
目を凝らせば小さな夏の入り口がほら

注ぐ蝉時雨 追いかけてたカブトムシ
溶けたアイスキャンディ 巻き戻る記憶

きみがぼくに隠していた夜と朝のあいだのヒミツは
鍵のない箱の中しまい込んだきり 今も眠りに就いたままだ

零れた光は強さを増し 気が付けばぼくは手を伸ばしてる
触れないから動けなくて また胸を焦がすけど

注ぐ夏の陽に追いかけてたきみの声
焼けたコンクリート 揺れる陽炎

本当は少し怖くて触れなかったカブトムシ
涙の跡に砂を泥まみれで笑う

夏に見とれてた ふたり歩いた帰り道
二度と戻ることはない でも消えない模様


2.15秒

作詞:きみコ
作曲:きみコ&佐々木淳

秘密のドアのその先の宝の地図の示す場所
数え切れない夜を抜けココまで歩いてきた

15秒だけ目を閉じて開いたあとの世界の色
そのとき見えた何もかもぼくはきっと忘れない

ほんの一瞬で世界が変わる
ほんの一瞬が世界を変える

ぼくはもうどこへだって行けるけど
ぼくはもうどこへだって行かない
夜の闇にカラダを沈めてさ
死んだふりをしていよう

時を打つ音が遠ざかる 繋いだ場所から溶けてゆく
ココにあるものはココにしかないけど たしかにあたたかいな

ほんの一瞬の世界が今を創っているんだろう
だからほんの一瞬にぼくらは揺れる

ぼくはもうどこへだって行けるけど
ぼくはもうどこへだって行かない
夜の闇がふたりを隠すから
きみとぼくがすべて
ほかに何もいらない

切ないくらいにキレイで 悲しいくらいにたしかで
それゆえにどこか儚くて 触れたら消えてしまうかな

ぼくらもうどこへだって行けるけど
ぼくらもうどこへだって行かない
朝がもうすぐそこで笑うから
ふたり目を閉じて
死んだふりをしていよう


3.空の少年

作詞:きみコ
作曲:きみコ

大切なものを失くしたんだと言って
きみはあたしの元を訪ねた
そのときあたしは青色ベッドで
空に焦がれる夢を見ていた

踏み切る足がわからなくって怯えていたあたしに
「ぼくも怖いものだらけ だけど実はね…」

空の向こうにも空があるんだと
飛べないあたしの手を引いて
この目に見せてくれた
夢を見ることに理由なんてないんだと
無邪気に笑ったきみの足は
少し宙に浮いていた

それはたしがオトナになろうとしてた
ひどくキレイな夢のようなハナシ

大切なものを失くしたならもう
怖いものなどないと思ってた

いつかあたしが消えてしまって
何も遺らなかったら
そんなことを考えて眠れぬ夜が
きみにもあるの?

空の向こうにも空があるんだと
飛べないあたしの手を引いて
この目に見せてくれた
ココに居ることに理由なんてないんだと
無邪気に笑ったきみの足は
少し宙に浮いていた

それはあたしがオトナになろうとしてた
ひどく静かな青い夜のハナシ